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作られた聖女
曖昧でメランコリーな記憶
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これはレイヤの前世…
頭の中に幾つもの物語が浮かんでは消え、消えては浮かぶ。
どれもこれも胸糞の悪いものばかりだ。
・・・・・
転生しては殺されていく聖女。
そして聖女の傍らにはいつも聖女を愛し守ろうとするも守ることの出来ない情けない男……
これが私の前世だとしたら…私は愚かな間抜けだ。
次こそは…今度は...物語が変わる度に、そう意気込むのに…結果はいつも同じだ。
私は愛する人を守ることが出来ない…
物語の中、消えていく愛する人の生命を見送るだけの傍観者の自分…
これは悪夢だ。
現実ではないのだ。
悲しみと怒りにのみこまれないように、精神を統一させる。
物語が変わる。
先程までの地獄図ではなく穏やかな時間が流れる。
家族に愛され微笑む彼女。
そうか…これは聖女が夢見た世界。
誰も彼女を傷つけたりしない。
ただただ愛される日々。
でも、そこには私はいない。
私だけいない……
彼女を幸せにするには私などいない方がいいのかも知れない。
私が彼女を不幸にしている…
私さえ居なければ…
「…ディア、ディア!!」
涙の向こう側に同じように涙で濡れたレイヤがいる。
「ディアの馬鹿…馬鹿…
ディアの……」
レイヤが私の胸に顔を埋め声をあげ泣きじゃくる。
「ずっと側に居てくれたのに…ずっと一緒に居てくれたのに…忘れてたなんて…私……」
今ではない過去…過去と呼ぶには曖昧でメランコリーな物語。
でも……
「レイヤ…有り難う。
私を選んでくれて…」
細いレイヤの肩を抱きしめる。
「有り難う…どの物語も私を選んでくれて…」
うまく言葉に出来ない。
でも……
「ディア…私こそ有り難う…いつも私を守ってくれて…私を見つけてくれて…ディアが居たから辛いだけの日々じゃなかった……」
レイヤの言葉が胸に刺さる。
自分を死に追いやった者の子供として生まれ変わっては利用され…殺されてはまた生まれ変わる。
っうっ…うっうっ……
「何もしてあげられなかった…何も……何一つ…」
私の言葉にレイヤがブンブンと首をふる。
「ディア…」
レイヤの唇が私の唇をふさぐ。
柔らかで温かなレイヤの唇が私の下唇を包みこむ。
「ディア、私…思い出したの……私…やっと思い出したの…」
レイヤが私を見つめる。
「ディアが私にしてくれたことを…」
私の背中にまわされたレイヤの腕に力がはいる。
「ディア…あなたが私に……」
頭の中に幾つもの物語が浮かんでは消え、消えては浮かぶ。
どれもこれも胸糞の悪いものばかりだ。
・・・・・
転生しては殺されていく聖女。
そして聖女の傍らにはいつも聖女を愛し守ろうとするも守ることの出来ない情けない男……
これが私の前世だとしたら…私は愚かな間抜けだ。
次こそは…今度は...物語が変わる度に、そう意気込むのに…結果はいつも同じだ。
私は愛する人を守ることが出来ない…
物語の中、消えていく愛する人の生命を見送るだけの傍観者の自分…
これは悪夢だ。
現実ではないのだ。
悲しみと怒りにのみこまれないように、精神を統一させる。
物語が変わる。
先程までの地獄図ではなく穏やかな時間が流れる。
家族に愛され微笑む彼女。
そうか…これは聖女が夢見た世界。
誰も彼女を傷つけたりしない。
ただただ愛される日々。
でも、そこには私はいない。
私だけいない……
彼女を幸せにするには私などいない方がいいのかも知れない。
私が彼女を不幸にしている…
私さえ居なければ…
「…ディア、ディア!!」
涙の向こう側に同じように涙で濡れたレイヤがいる。
「ディアの馬鹿…馬鹿…
ディアの……」
レイヤが私の胸に顔を埋め声をあげ泣きじゃくる。
「ずっと側に居てくれたのに…ずっと一緒に居てくれたのに…忘れてたなんて…私……」
今ではない過去…過去と呼ぶには曖昧でメランコリーな物語。
でも……
「レイヤ…有り難う。
私を選んでくれて…」
細いレイヤの肩を抱きしめる。
「有り難う…どの物語も私を選んでくれて…」
うまく言葉に出来ない。
でも……
「ディア…私こそ有り難う…いつも私を守ってくれて…私を見つけてくれて…ディアが居たから辛いだけの日々じゃなかった……」
レイヤの言葉が胸に刺さる。
自分を死に追いやった者の子供として生まれ変わっては利用され…殺されてはまた生まれ変わる。
っうっ…うっうっ……
「何もしてあげられなかった…何も……何一つ…」
私の言葉にレイヤがブンブンと首をふる。
「ディア…」
レイヤの唇が私の唇をふさぐ。
柔らかで温かなレイヤの唇が私の下唇を包みこむ。
「ディア、私…思い出したの……私…やっと思い出したの…」
レイヤが私を見つめる。
「ディアが私にしてくれたことを…」
私の背中にまわされたレイヤの腕に力がはいる。
「ディア…あなたが私に……」
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