好感度0になるまで終われません。

チョコパイ

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生奪

はじまり

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「レイヤ!!」

ディアの悲鳴にも似た叫び声が聞こえる。

私は燃え盛る炎の中、左手の薬指の指輪を外す。

「ディア…幸せになってね……」

身体中を光の炎が包み込む。

「ディアー、ここまでつきあってくれて有り難う。」

チリチリと肌が焼けていくのがわかる。
痛みが全身に走る。

「案外、死ねないものね……」

消え行く意識の中、生奪が初代の王に変わる。

私はディアーに別れを告げるとディアーの背中から飛び降りる。

「レイヤ…やっと会えた……」

両手を広げ私を抱き止める王。

「もう…終わりにしましょう。」

私は最後の力をふりしぼって短剣を王に振り下ろす。

「…それでこそ…レイヤだ…愛している…」

私に殺されることをわかっていたのか王は短剣ごと私を強く強く抱きしめる。

私を愛しすぎて狂った王であり夫…ディア。


身分違いの恋だった。
結ばれるには国を捨てるしかなかった。

彼は私に誠実だった。
誠実で忠実で…とても愚かだった。

未開拓の地に逃げこみ、二人寄り添って暮らした。
貧しくても幸せだった。

皇族の夫には強い魔力があり開拓を進めるうえで役にたった。

帝王学で学んだ知識は同じように国を追われてきた者をまとめあげるのに充分に役立った。
 
小さな村が町になり国へと変わる。

リーダーから村長、町長、王と呼ばれるようになっても彼は私や子供達にとって良き夫で父親だった。

少なくとも私はそう思っていた。

でも…息子が少年から青年となった辺りから夫は息子に嫉妬するようになる。

私が息子と二人きりで話すものなら、夫は息子を激しく叱責するようになった。

時には暴力をふるうことも…

気がつけば私の回りから人がいなくなり、子供にすら会えないようになっていった。

「母さん、お父様はおかしいよ…最近では妹にまで母さんと会うなって…フレア…泣いてたよ。それに母さんだって、ほぼ監禁状態じゃないか!!」

息子のディアーが夫の目を盗んでは会いに来てくれるのが唯一の楽しみだった。


そんな中での狩りでの息子の事故死…

夫と二人で狩りに出て転落したらしい……

私がしっかりしていたら息子は死なずにすんだのに…
 
私が夫から離れれば息子は生きていたかも知れない…

次第に夫への不信感と言葉に言い表せない夫への恐怖心が芽生える。

夫以外の誰とも会えない毎日に私は心が病んでいくのがわかる。

そして……私は自らの命を手放したのだ。

死んだはずの私の魂は会えなかった娘へと寄り添う。

夫は私が死んでから狂ってしまったのだろう…怪しい魔術師に陶酔するようになる。

そして悲劇が始まった。
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