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生奪
そしてまた間違える
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「レイヤには早めにアレについて話すべきね。
アレにとってレイヤの無垢な魂は何よりのご馳走なのだから。」
ホーリーはソファーの背もたれにドカッと身体を沈めると
「暫くの間、ここで世話になるわ。
生奪のことも気になるし…状況によっては帝国が介入しなくてはいけなくなるかも知れないから…
あっ…明日から禁足地の調査に入るから数日、ここを離れるわ。
その間、レイヤにアレの事を話しておくのよ。」
話す…何を何処から話せばいいのだろうか…
私が実は皇太子だったこと…
レイヤが自分の生命より大切に想っている二人の子供達が厄災だということ…
そして…子供と信じ育ててきた厄災を殺さなくてはいけないこと…
頭ではわかっている。
ホーリーの言っていることが正しいと…
でも……
レイヤは子供達を愛している。
そんなレイヤに……
気がつけばレイヤの部屋の前まで無意識に来ていた。
“アハハハハ…”
“お母様…”
部屋の外にまで楽し気な笑い声が聞こえる。
言えるわけがない。
言えるはずがない。
愛する彼女が苦しむのがわかっているのに…
悲しむのがわかっているのに…
彼女と厄災達の笑い声を背にその場を立ち去った。
そこからは出来る限りレイヤと子供の接触を避けさせた。
従者の中にも生奪の影響を受けている者はレイヤから遠ざけた。
私一人が背負えばいい。
レイヤを苦しめる全ての事を…
私が背負えば…
人は見たいものしか見えない。
あの時の私には見えていなかった。
レイヤの孤独と…悲しみを…
「思ったよりまずい状態だわ…」
生奪の調査から帰ってきたホーリーがため息をつく。
「殿下、覚悟を決めて下さい。」
ホーリーは真っ直ぐ私を見つめる。
「覚悟?」
ホーリーの言う覚悟が何かを知っているくせに私はあえて答えを引きのばす。
「まずはアレを…そして生奪に侵された者を殺さなければ…
生奪が実をつける前に…」
「本当に殺さなくてはいけないのか?
他に方法はないのか?」
自分が築き上げた国を…
自分を慕ってくれる民を…
殺めなくてはいけないなんて……
「生奪は厄災や害悪から力を得ています。
殿下ならもうわかっていますよね。
アレが人を殺しているのを…
最近では女の方も動物を虐待死させているわ…
厄災は新たな厄災を招き、力を高めていくの…もう、時間がないわ…
殿下が出来ないなら、私がやってあげましょうか?」
ホーリーが冷たく言い放つ。
「頼む…レイヤには…」
私の言葉を聞いてホーリーが大きなため息をつく。
「殿下は……」
ホーリーが何かを言いかけたがすぐに黙り込む。
私は間違えたのだ。
アレを狩りに誘い始末した時から、罪悪感と自己嫌悪でレイヤの顔をまともに見れなくなっていた。
私は間違えたのだ。
我が子を亡くしたレイヤに寄り添うことなく、凶暴化していく娘を遠ざけたばかりか、生奪の影響を受けていたレイヤの専従の侍女までもレイヤから奪ったのだ。
私は……
私は間違えたのだ。
愛するゆえに…
違う……
自分の想いばかりを押しつけたせいで…
私は……
冷たくなったレイヤを抱きしめ
私はただ泣き続けた。
アレにとってレイヤの無垢な魂は何よりのご馳走なのだから。」
ホーリーはソファーの背もたれにドカッと身体を沈めると
「暫くの間、ここで世話になるわ。
生奪のことも気になるし…状況によっては帝国が介入しなくてはいけなくなるかも知れないから…
あっ…明日から禁足地の調査に入るから数日、ここを離れるわ。
その間、レイヤにアレの事を話しておくのよ。」
話す…何を何処から話せばいいのだろうか…
私が実は皇太子だったこと…
レイヤが自分の生命より大切に想っている二人の子供達が厄災だということ…
そして…子供と信じ育ててきた厄災を殺さなくてはいけないこと…
頭ではわかっている。
ホーリーの言っていることが正しいと…
でも……
レイヤは子供達を愛している。
そんなレイヤに……
気がつけばレイヤの部屋の前まで無意識に来ていた。
“アハハハハ…”
“お母様…”
部屋の外にまで楽し気な笑い声が聞こえる。
言えるわけがない。
言えるはずがない。
愛する彼女が苦しむのがわかっているのに…
悲しむのがわかっているのに…
彼女と厄災達の笑い声を背にその場を立ち去った。
そこからは出来る限りレイヤと子供の接触を避けさせた。
従者の中にも生奪の影響を受けている者はレイヤから遠ざけた。
私一人が背負えばいい。
レイヤを苦しめる全ての事を…
私が背負えば…
人は見たいものしか見えない。
あの時の私には見えていなかった。
レイヤの孤独と…悲しみを…
「思ったよりまずい状態だわ…」
生奪の調査から帰ってきたホーリーがため息をつく。
「殿下、覚悟を決めて下さい。」
ホーリーは真っ直ぐ私を見つめる。
「覚悟?」
ホーリーの言う覚悟が何かを知っているくせに私はあえて答えを引きのばす。
「まずはアレを…そして生奪に侵された者を殺さなければ…
生奪が実をつける前に…」
「本当に殺さなくてはいけないのか?
他に方法はないのか?」
自分が築き上げた国を…
自分を慕ってくれる民を…
殺めなくてはいけないなんて……
「生奪は厄災や害悪から力を得ています。
殿下ならもうわかっていますよね。
アレが人を殺しているのを…
最近では女の方も動物を虐待死させているわ…
厄災は新たな厄災を招き、力を高めていくの…もう、時間がないわ…
殿下が出来ないなら、私がやってあげましょうか?」
ホーリーが冷たく言い放つ。
「頼む…レイヤには…」
私の言葉を聞いてホーリーが大きなため息をつく。
「殿下は……」
ホーリーが何かを言いかけたがすぐに黙り込む。
私は間違えたのだ。
アレを狩りに誘い始末した時から、罪悪感と自己嫌悪でレイヤの顔をまともに見れなくなっていた。
私は間違えたのだ。
我が子を亡くしたレイヤに寄り添うことなく、凶暴化していく娘を遠ざけたばかりか、生奪の影響を受けていたレイヤの専従の侍女までもレイヤから奪ったのだ。
私は……
私は間違えたのだ。
愛するゆえに…
違う……
自分の想いばかりを押しつけたせいで…
私は……
冷たくなったレイヤを抱きしめ
私はただ泣き続けた。
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