好感度0になるまで終われません。

チョコパイ

文字の大きさ
104 / 144
生奪

目覚め

しおりを挟む
「ヒューズ…レイヤは?レイヤは無事なのか?」

ヒューズは首を横にふる。

「レイヤはどうしたんだ!!」

ベッドから体を起こそうとするのに体に力が入らない。

「殿下が意識を失ってから三ヶ月経ちました。
必死に捜索していますが…
未だに何の情報も手がかりも見つかっていません。」

ヒューズは私の背中に手を回すとゆっくりと体を支えてくれる。

「三ヶ月…」

私は……

「公爵家もティセ王国もあきらめずに懸命に探しています。

だから殿下、
早く体力を取り戻してフレイヤ嬢を探しに……殿下?」

ヒューズの言葉が死刑宣告のように胸に刺さる。

レイヤを…
また私はレイヤを守ってあげられなかった。

幾重にも広がる記憶の波紋が大きなうねりとなって私に襲いかかる。

火あぶりにされるレイヤ…

断頭台の上にのせられるレイヤ…

火山のマグマの中に落とされるレイヤ…

あぁ…私はまたレイヤを失った…

私が駄目だから…
私が弱いから…
私が…私が……

後悔の涙がレイヤを失った全ての過去へと私を連れていく。

あの日こうしていたら…

あの時アレをしなかったら…

涙が頬を伝わり雫となって落ちていく。

「殿下!!
泣いていていいのですか?

公爵夫妻は寝る間も惜しんで仕事とレイヤの捜索に励んでおります。

何よりカリアンと交わした主従の印がまだ消えていません。

殿下ならその意味がおわかりですよね?」

主従の印…生命をもっての契約でどちらかの生命がつきるまで印が消えることはない。

「それは本当か?」

ヒューズがおもむろにシャツのボタンを外し肩をあらわにする。

そこには私と交わした主従の印がくっきりと浮かびあがる。

「殿下の腹心になると決めた時、殿下は私に 

『私の腹心に求めるのは一つだ。
私に嘘、偽りをつかない。ただそれだけだ。』

そうおっしゃいましたね。

フレイヤ嬢は何処かで殿下が迎えに来てくれるのを待っていると思います。

なので殿下は一日も早く本来の力を取り戻してフレイヤ嬢を迎えに行きましょう。」

力…
ヒューズの言葉を聞いて自分の中の力がなくなっていることに気がつく。

「ヒューズ…私は魔力が失くなったのか?」

私の問いにヒューズは首を横にふる。

「魔力は変わらずにあるのですが、聖力を失われたそうです。」

「聖力?
私にそんなものがあったのか?」

「教皇の話だと
殿下とフレイヤ嬢は似た聖力を持っていたそうですが…それが失くなったそうです。」

聖力が失くなった…

「同じようにティセの教会の神官達も聖力を失ったそうです。」

!!!!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

五周目の王女様

恋愛
「私、今度はどうやって殺されるの?」 バザロス国へ嫁ぐことになった王女ジゼルは、数度の死に戻りの記憶を持っていた。 1度目は毒殺、2度目は即死、3度目は逃亡先での裏切り。どう足掻いても結婚初夜を越えられず死に戻る運命に私の心はクタクタだった。 今世の夫も「冷酷皇帝」と恐れられる皇帝レオポルド。 実は彼もまた孤独に戦い、ループする人生から脱出を図ろうする一人。 夫婦がようやく絡まりだす4度目の死に戻り。 どうやら今世は他に女がいる皇帝は全く私に見向きもしない……と思っていたら、誰にも見つからずに私に会いに来るんですが?

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~

涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!

私たちの離婚幸福論

桔梗
恋愛
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。 しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。 彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。 信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。 だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。 それは救済か、あるいは—— 真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。

転生してもオタクはなおりません。

しゃもん
恋愛
 活字中毒者である山田花子は不幸なことに前世とは違いあまり裕福ではない母子家庭の子供に生まれた。お陰で前世とは違い本は彼女の家庭では贅沢品でありとてもホイホイと買えるようなものではなかった。とは言え、読みたいものは読みたいのだ。なんとか前世の知識を魔法に使って少ないお金を浮かしては本を買っていたがそれでも限界があった。溢れるほどの本に囲まれたい。そんな願望を抱いている時に、信じられないことに彼女の母が死んだと知らせが入り、いきなり自分の前に大金持ちの異母兄と実父が現れた。これ幸いに彼等に本が溢れていそうな学校に入れてもらうことになったのだがそこからが大変だった。モブな花子が自分の願望を叶えて、無事幸せを握り締めるまでの物語です。

ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく

犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。 「絶対駄目ーー」 と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。 何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。 募集 婿入り希望者 対象外は、嫡男、後継者、王族 目指せハッピーエンド(?)!! 全23話で完結です。 この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。

前世と今世の幸せ

夕香里
恋愛
【商業化予定のため、時期未定ですが引き下げ予定があります。詳しくは近況ボードをご確認ください】 幼い頃から皇帝アルバートの「皇后」になるために妃教育を受けてきたリーティア。 しかし聖女が発見されたことでリーティアは皇后ではなく、皇妃として皇帝に嫁ぐ。 皇帝は皇妃を冷遇し、皇后を愛した。 そのうちにリーティアは病でこの世を去ってしまう。 この世を去った後に訳あってもう一度同じ人生を繰り返すことになった彼女は思う。 「今世は幸せになりたい」と ※小説家になろう様にも投稿しています

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

処理中です...