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浮光
光と影
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勝者と敗者は光と影だ。
華々しく城へと帰還した私と広場で晒し首にされている元皇后と第二皇子の一族達。
数百名にもわたる処刑された首はまるで干し柿のように吊るされ人々の嫌悪の対象として死んでもなお侮蔑される。
内戦で負った傷は深く、都市は荒れ果て多くの血が流れた。
沢山の犠牲の上で掴んだ平和。
平和の名のもとで散っていった命。
母もその一人だった。
正直な話、顔も覚えていない母の死より、今の私にとって育ててくれた父と離れる方が辛かった。
それでも受け入れなくてはいけない現実。
王となった父は幼い頃から元王妃に飲まされていた毒のせいで、今ではベッドの上で過ごすことの方が多くなっていた。
皮肉なものだ。
多くの命を犠牲にしてまで手に入れた王座に父王が座ることは両手で数えるくらいで、帝国でのうのうと暮らしていた私がこうして王座につく事になるなんて…
否応なしに後継者教育が始まり気がつけば一年が経とうとしていた。
「皇帝陛下と后妃殿下が…」
父王の病状の悪化の為、正式に王位を継ぐことになった。
国の復興と新たな外交の結びつきを求めて近隣各国に任命式への招待状を送った。
その任命式に帝国の皇帝陛下と后妃殿下が揃って出席することになった。
約一年前、皇太子殿下が病で亡くなり、苦肉の策として数か月前に側室を迎えたそうだ。
皇后陛下の年齢を考えれば仕方ない事かもしれないけど…
公務に后妃殿下を連れてくるのは正直言って、公私混同もいいところだ。
「后妃殿下は王女と二歳しか歳がかわらないそうですよ。」
侍女がティーカップを私の前に静かに置く。
搾ったばかりレモンの香りが疲れをいやす。
この時代の婚姻はかなり早い。
皇帝陛下も確か30代後半ぐらいだ。
私より二つ違い…亡くなった息子と同じぐらいの娘を娶るなんて…
「キモいわ…」
思わず心の声がもれる。
「キモい…とは?」
この一年、父…改め私の側近となって側で支えてくれたハルモニア公爵。
父と呼ぶことは出来なくても、こうして側にいてくれる事が私の救いとなった。
「キモい…つまり気持ち悪い。って言う意味なんだけど…ありえないでしょ…公務に亡くなった息子と同じ位の娘を嫁として連れ歩くなんて…」
ハルモニア公爵が苦笑いをうかべる。
「とりあえず、帝国には媚びを売って外貨を稼がないと、復興にはお金が必要だもの…」
まさか子供の夏休みの自由研究で作った石鹸がこんなに喜ばれるなんて、
「お土産に配る石鹸の準備は順調かしら?」
任命式の準備や公務に追われ、あっという間に任命式前日になった。
「王女様、皇帝陛下がご挨拶したいとの申し出が…」
リボーン王国の倍以上の国力を持つ帝国の申し出を断れるわけもなく、急いで身支度をすませる。
皇帝陛下の待つ貴賓室の前に立った時、
ズキン…ズキンとこめかみに痛みがはしる。
頭の中に映像が流れる。
「王女様?」
ハルモニア公爵の声が遠くに聞こえた。
華々しく城へと帰還した私と広場で晒し首にされている元皇后と第二皇子の一族達。
数百名にもわたる処刑された首はまるで干し柿のように吊るされ人々の嫌悪の対象として死んでもなお侮蔑される。
内戦で負った傷は深く、都市は荒れ果て多くの血が流れた。
沢山の犠牲の上で掴んだ平和。
平和の名のもとで散っていった命。
母もその一人だった。
正直な話、顔も覚えていない母の死より、今の私にとって育ててくれた父と離れる方が辛かった。
それでも受け入れなくてはいけない現実。
王となった父は幼い頃から元王妃に飲まされていた毒のせいで、今ではベッドの上で過ごすことの方が多くなっていた。
皮肉なものだ。
多くの命を犠牲にしてまで手に入れた王座に父王が座ることは両手で数えるくらいで、帝国でのうのうと暮らしていた私がこうして王座につく事になるなんて…
否応なしに後継者教育が始まり気がつけば一年が経とうとしていた。
「皇帝陛下と后妃殿下が…」
父王の病状の悪化の為、正式に王位を継ぐことになった。
国の復興と新たな外交の結びつきを求めて近隣各国に任命式への招待状を送った。
その任命式に帝国の皇帝陛下と后妃殿下が揃って出席することになった。
約一年前、皇太子殿下が病で亡くなり、苦肉の策として数か月前に側室を迎えたそうだ。
皇后陛下の年齢を考えれば仕方ない事かもしれないけど…
公務に后妃殿下を連れてくるのは正直言って、公私混同もいいところだ。
「后妃殿下は王女と二歳しか歳がかわらないそうですよ。」
侍女がティーカップを私の前に静かに置く。
搾ったばかりレモンの香りが疲れをいやす。
この時代の婚姻はかなり早い。
皇帝陛下も確か30代後半ぐらいだ。
私より二つ違い…亡くなった息子と同じぐらいの娘を娶るなんて…
「キモいわ…」
思わず心の声がもれる。
「キモい…とは?」
この一年、父…改め私の側近となって側で支えてくれたハルモニア公爵。
父と呼ぶことは出来なくても、こうして側にいてくれる事が私の救いとなった。
「キモい…つまり気持ち悪い。って言う意味なんだけど…ありえないでしょ…公務に亡くなった息子と同じ位の娘を嫁として連れ歩くなんて…」
ハルモニア公爵が苦笑いをうかべる。
「とりあえず、帝国には媚びを売って外貨を稼がないと、復興にはお金が必要だもの…」
まさか子供の夏休みの自由研究で作った石鹸がこんなに喜ばれるなんて、
「お土産に配る石鹸の準備は順調かしら?」
任命式の準備や公務に追われ、あっという間に任命式前日になった。
「王女様、皇帝陛下がご挨拶したいとの申し出が…」
リボーン王国の倍以上の国力を持つ帝国の申し出を断れるわけもなく、急いで身支度をすませる。
皇帝陛下の待つ貴賓室の前に立った時、
ズキン…ズキンとこめかみに痛みがはしる。
頭の中に映像が流れる。
「王女様?」
ハルモニア公爵の声が遠くに聞こえた。
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