好感度0になるまで終われません。

チョコパイ

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浮光

目覚める力

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任命式当日……

昨日、色々ありすぎたせいで身も心もボロボロだ。

一つ一つ記憶をたどれば、ディアの行動が全て私のためだったとわかる。

行き来する時間の流れの中で出会ったディアも、死ぬことを赦されず生奪として生き続けるディアも…

私の身を案じて…
私が生き返ることを願って…

この無駄に繰り返される転生すべてがディアの私への愛だったんだ。


「王女様、支度が整いました。」

いつもより少しだけ濃い目のメイクと王家の色である紫を基調とした正装に身を包んだフレイヤ・リボーンが姿見に写る。

「フレイヤ、本当に美しいな……
王妃にも見せてやりたかった…娘の晴れ姿を…」

父王が涙ぐむ。

継母が飲ませ続けた毒はゆっくりとでも確実に父王を死へと誘う。

私さえ生まれてこなかったら何年も続いた後継者争いなど起きなかっただろう。

王妃はただ待てば良かったのだ。
毒で死に行く父王を…

私というイレギュラーさえ生まれなければ
父王が死ぬだけで済んだ話だった…

国民を巻き込むことも、母が死ぬことも帝国でディアに出会うこともなかった。

「お父様……」

父の涙をハンカチでぬぐう。

「私…お父様とお母様の分までリボーンに尽くしますね。」

過ぎてしまった過去は取り戻すことも変えることも出来ない。

ならば私に出来ることを精一杯やるだけだ。

ファンファーレと共に任命式がはじまる。

リボーン王国の国歌と共に各国の要人が会場へと入場していく。

玉座には父王が座り、聖歌と共に私が入場する。

割れんばかりの拍手の中、父王の前に跪くと父王が私の右手をとり、王印に口づける。

王印が光輝くと今まで感じたことのない熱い力が体内を駆け巡る。

教皇が私の頭に王冠をのせると父王が宣言する。

「我が娘、フレイヤ・リボーンがリボーン十世となることを宣言する。」

声援と拍手の中、任命式が終わる。

と同時に父王の意識がなくなる。

教皇や従者達は皆、こうなることを知っていたかのように、周囲に悟られぬよう迅速に行動する。

女王として各国の要人に挨拶をしてまわる。

今すぐ父王の側に飛んでいきたいのを我慢して、私は作り笑いを売り物にしながら女王として立ち振舞う。

「先ほど天へと召されました。」

任命式が終わり父王のもとへ急いだが私は父王を見送ることすら出来なかった。

父王の冷たくなった手を握る。

「王はやっと王妃の元へ逝けたのですね。」

教皇が私の肩に手をおく。

「継母と弟君がまともな人間だったのなら、王は喜んで王位をわたしたでしょう。

継母は欲深で傲慢だった。
そして弟君はとても残忍だった。

二人が王国の中枢を担えば民が苦しむのが目に見えていました。

だから最後まで戦ったのです。

フレイヤ女王、どうか良き国を……」

私はなんて馬鹿なことを考えていたのだろう。

父王だけ死ねば争いなどおきずに平和な世になるなんて…

たとえ血がつながっていなくても、小さな子供に毒を飲ませるような者が、幼き頃から従者を虐待していたような者が国を治められるわけがないのに…

父王も母も私に託したのだ。
この国の民と平和を…

そしてディア…
貴方も私にきっと託したのかも知れない。

二人の幸せを……

父王の手をとり、神に祈りを捧げる。

両親が神の国で幸せに暮らせますように…

そしてディアが幸せになれますように…

父王の毒の侵食で黒ずんだ肌が元の白い肌へと変わる。

教皇が微笑む。

「無事に王家の力(聖力)が戻りましたね。

指輪も王女を主と認めたということです。」

王女としての初めての務めは父王の国葬だった。
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