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浮光
浮光
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任命式が終わり、父王の国葬の儀が終わった。
悲しみを感じる暇も疲れを感じる余裕もなかった。
でもそれが逆に救いでもあった。
「ここでしたか……」
ハルモニア公爵が私の肩に手をおく。
「なんだか眠れなくて……」
眠れぬ夜、気がつけば父と母の肖像画の前でボッーとすることが増えた。
「陛下、よろしければ少し話しませんか?」
公爵が私に手を差しのべる。
懐かしさとほろ苦い思い出が差し出された手を握りかえすのを躊躇させる。
「レイヤ…駄目かな?」
公爵の顔が共に暮らしていた頃の父の顔に戻る。
っつ…
涙があふれる。
いっぱいいっぱいだった。
皇帝陛下からディアの話を聞いてから今まで私の心はずっとざわめいていたのだ。
任命式に父王の死、
国葬を終え、今日教皇から私が聖女だと言われた。
明日になれば久方振りの聖女の誕生に世界中がさわがしくなるだろう。
バラバラだったピースが繋がり全体像が見えてきた。
私はリボーン王国の王女で唯一の後継者だった。
私がディアと出会い、恋に落ち駆け落ちしたせいで、リボーン王国は王印を失い国は滅びた。
そして悲劇が始まった。
生奪になったディアが私を何度も生き返らせる。
でもその度に私に悲劇が襲う。
繰り返される時間軸の流れが変わり、私は四度の異世界転生を果たす。
ただただ愛されて守られる世界。
そこには大きな悲しみも苦しみもなく幸せが何なのかわからなくなるほど満ちたりた世界。
手放さなければ……
今世、時間は私達が出会う前に時を戻した。
今なら違う道を辿れるはずだ。
交わることない本来の互いの道……
「レイヤ……」
公爵が私の顔を覗きこむ。
気がつけば父王の使っていた執務室だった。
「これを渡したくて…」
公爵は私に小さな額縁をわたす。
!!!
涙が頬をつたう。
赤ん坊の私を抱く母と、母の肩を抱き私を見つめる父王…
最初で最後のたった一枚の親子のポートレート。
後継者争いに私が巻き込まれないよう、両親は母の兄である騎士団長のハルモニア公爵に私を託した。
「妹も王も死ぬ間際までフレイヤ…貴方の幸せだけを願っていた。
レイヤ…私も同じだ。
私の小さなお姫様は世界中の誰よりも幸せになってもらいたい。」
公爵が私の隣に座ると肩を強く抱き寄せる。
「レイヤ…泣いていいんだよ。
何も全て一人で背負わなくてもいいんだ…」
久方振りに聞く公爵としてではなく、父としての言葉。
「お父さん……私…私…」
父の首にしがみつき大声をあげて泣きじゃくる。
涙で滲む灯りがまるで
父と暮らした町の夕日に照らされた湖面のように優しく美しく揺らいで見えた。
悲しみを感じる暇も疲れを感じる余裕もなかった。
でもそれが逆に救いでもあった。
「ここでしたか……」
ハルモニア公爵が私の肩に手をおく。
「なんだか眠れなくて……」
眠れぬ夜、気がつけば父と母の肖像画の前でボッーとすることが増えた。
「陛下、よろしければ少し話しませんか?」
公爵が私に手を差しのべる。
懐かしさとほろ苦い思い出が差し出された手を握りかえすのを躊躇させる。
「レイヤ…駄目かな?」
公爵の顔が共に暮らしていた頃の父の顔に戻る。
っつ…
涙があふれる。
いっぱいいっぱいだった。
皇帝陛下からディアの話を聞いてから今まで私の心はずっとざわめいていたのだ。
任命式に父王の死、
国葬を終え、今日教皇から私が聖女だと言われた。
明日になれば久方振りの聖女の誕生に世界中がさわがしくなるだろう。
バラバラだったピースが繋がり全体像が見えてきた。
私はリボーン王国の王女で唯一の後継者だった。
私がディアと出会い、恋に落ち駆け落ちしたせいで、リボーン王国は王印を失い国は滅びた。
そして悲劇が始まった。
生奪になったディアが私を何度も生き返らせる。
でもその度に私に悲劇が襲う。
繰り返される時間軸の流れが変わり、私は四度の異世界転生を果たす。
ただただ愛されて守られる世界。
そこには大きな悲しみも苦しみもなく幸せが何なのかわからなくなるほど満ちたりた世界。
手放さなければ……
今世、時間は私達が出会う前に時を戻した。
今なら違う道を辿れるはずだ。
交わることない本来の互いの道……
「レイヤ……」
公爵が私の顔を覗きこむ。
気がつけば父王の使っていた執務室だった。
「これを渡したくて…」
公爵は私に小さな額縁をわたす。
!!!
涙が頬をつたう。
赤ん坊の私を抱く母と、母の肩を抱き私を見つめる父王…
最初で最後のたった一枚の親子のポートレート。
後継者争いに私が巻き込まれないよう、両親は母の兄である騎士団長のハルモニア公爵に私を託した。
「妹も王も死ぬ間際までフレイヤ…貴方の幸せだけを願っていた。
レイヤ…私も同じだ。
私の小さなお姫様は世界中の誰よりも幸せになってもらいたい。」
公爵が私の隣に座ると肩を強く抱き寄せる。
「レイヤ…泣いていいんだよ。
何も全て一人で背負わなくてもいいんだ…」
久方振りに聞く公爵としてではなく、父としての言葉。
「お父さん……私…私…」
父の首にしがみつき大声をあげて泣きじゃくる。
涙で滲む灯りがまるで
父と暮らした町の夕日に照らされた湖面のように優しく美しく揺らいで見えた。
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