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Kaleidoscope
Unresolved love 2
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破滅の呪文……
ディッヒの直系だけが受け継ぐことの出来る呪文。
帝国を守るために自分の身を捧げ敵を滅ぼす。
自分を捧げる…それは肉体だけの死ではなく。
魂の消滅を意味する。
破滅の呪文…それは敵を滅ぼすだけではなく呪文を使った者も魂ごと滅ぼす禁術。
誰も私を覚えてはいないだろう。
父も母もそして愛する殿下も…
魂が消滅するとは私自身が消滅するということなのだから……
生奪に意識をもっていかれそうになる。
暗く冷たい無の空間。
そこにあるのは憎しみと怒りと絶望だけ…
殿下はこの闇の中、どうやって堪え忍んできたのだろうか?
フレイヤに寄せる愛だけで幾千もの季節を過ごせるものなのだろうか?
炎がチリチリと私の身体を焼いていく。
殿下…
殿下……
告げられぬ想いが涙に変わっていく。
走馬灯のように殿下との眩しい時が頭の中を駆け巡る。
フワッ…
青白い光が私の身体を包み込む。
これは?
フレイヤ女王の聖力?
薄れていく意識の中、
温かで優しい声が聞こえた気がした。
「ディアー、可愛い我が子ママを待っていてね。」
「ディアー、パパとママが迎えに来るまでゆっくり休むんだぞ!!」
光が全てを包み込む。
温かな春の陽射しのように……
「殿下…殿下……」
目が覚めるとサイモンが心配そうにこちらを覗き込む。
サイモン公爵家の嫡男であるグレンが私の腹心となってから公務はだいぶ楽になった。
それでも机の上に積み重なれた書類を見ると大きなため息をつかずにはいられなくなる。
「殿下、臣下を増やせないんですか?
ディッヒ家のホ…
ホレストでしたっけ?彼は優秀らしいですよ。」
「ディッヒ家の嫡子はホレストと言うのか?」
ホレスト・ディッヒ……
何故かしっくりこない。
「確かそうです。
私達より一つ上なんですが魔力が全くないそうなんです。
だからか、ディッヒ家ではかなり冷遇されているそうです。」
魔法のディッヒと言われる家門で魔力がないとなれば……
「では父上にお願いしてみよう。
臣下になれば少しは家門での立場も上がるだろう。
さぁ、もうひと頑張りだ!!」
サイモンに承認済みの書類を手渡す。
「あっ…来月の建国記念日にリボーン王国の女王が来るらしいですよ。
私達と同じ歳で女王なんて……公務が大変でしょうね。」
名君と呼ばれるリボーン王国の王女……
父が誉めちぎっていたのを思い出す。
「そうだな…私達も負けてはいられないな。」
男顔負けの剣と乗馬の腕前を持ち、頭脳明晰ともなれば、父が気に入るのも当たり前だ。
「殿下は婚約者殿と参加するんですよね?」
「あぁ…多分そうなるだろうな…」
何の感情もわかない女との婚姻……
皇族に生まれたからには仕方ないことだ。
でも……
「サイモンが羨ましいよ。」
私の言葉にサイモンが苦笑いをうかべる。
「はいはい…
どうせ私は独り身ですよ。お美しい婚約者のいる殿下からすれば気楽に見えるのでしょうね。」
サイモン公爵家は公爵家としては自由な家門だ。
サイモンの両親は身分の差を乗り越えて結ばれた帝国一のおしどり夫婦だ。
「はぁ…親が世紀の大恋愛の末に結ばれると息子の私までもがそれを求められるのですよ…
こうなったら男勝りの女王様に見初められて婿にいくしかないか…」
サイモンの言葉に笑いながら山積みになった書類を手にとった。
ディッヒの直系だけが受け継ぐことの出来る呪文。
帝国を守るために自分の身を捧げ敵を滅ぼす。
自分を捧げる…それは肉体だけの死ではなく。
魂の消滅を意味する。
破滅の呪文…それは敵を滅ぼすだけではなく呪文を使った者も魂ごと滅ぼす禁術。
誰も私を覚えてはいないだろう。
父も母もそして愛する殿下も…
魂が消滅するとは私自身が消滅するということなのだから……
生奪に意識をもっていかれそうになる。
暗く冷たい無の空間。
そこにあるのは憎しみと怒りと絶望だけ…
殿下はこの闇の中、どうやって堪え忍んできたのだろうか?
フレイヤに寄せる愛だけで幾千もの季節を過ごせるものなのだろうか?
炎がチリチリと私の身体を焼いていく。
殿下…
殿下……
告げられぬ想いが涙に変わっていく。
走馬灯のように殿下との眩しい時が頭の中を駆け巡る。
フワッ…
青白い光が私の身体を包み込む。
これは?
フレイヤ女王の聖力?
薄れていく意識の中、
温かで優しい声が聞こえた気がした。
「ディアー、可愛い我が子ママを待っていてね。」
「ディアー、パパとママが迎えに来るまでゆっくり休むんだぞ!!」
光が全てを包み込む。
温かな春の陽射しのように……
「殿下…殿下……」
目が覚めるとサイモンが心配そうにこちらを覗き込む。
サイモン公爵家の嫡男であるグレンが私の腹心となってから公務はだいぶ楽になった。
それでも机の上に積み重なれた書類を見ると大きなため息をつかずにはいられなくなる。
「殿下、臣下を増やせないんですか?
ディッヒ家のホ…
ホレストでしたっけ?彼は優秀らしいですよ。」
「ディッヒ家の嫡子はホレストと言うのか?」
ホレスト・ディッヒ……
何故かしっくりこない。
「確かそうです。
私達より一つ上なんですが魔力が全くないそうなんです。
だからか、ディッヒ家ではかなり冷遇されているそうです。」
魔法のディッヒと言われる家門で魔力がないとなれば……
「では父上にお願いしてみよう。
臣下になれば少しは家門での立場も上がるだろう。
さぁ、もうひと頑張りだ!!」
サイモンに承認済みの書類を手渡す。
「あっ…来月の建国記念日にリボーン王国の女王が来るらしいですよ。
私達と同じ歳で女王なんて……公務が大変でしょうね。」
名君と呼ばれるリボーン王国の王女……
父が誉めちぎっていたのを思い出す。
「そうだな…私達も負けてはいられないな。」
男顔負けの剣と乗馬の腕前を持ち、頭脳明晰ともなれば、父が気に入るのも当たり前だ。
「殿下は婚約者殿と参加するんですよね?」
「あぁ…多分そうなるだろうな…」
何の感情もわかない女との婚姻……
皇族に生まれたからには仕方ないことだ。
でも……
「サイモンが羨ましいよ。」
私の言葉にサイモンが苦笑いをうかべる。
「はいはい…
どうせ私は独り身ですよ。お美しい婚約者のいる殿下からすれば気楽に見えるのでしょうね。」
サイモン公爵家は公爵家としては自由な家門だ。
サイモンの両親は身分の差を乗り越えて結ばれた帝国一のおしどり夫婦だ。
「はぁ…親が世紀の大恋愛の末に結ばれると息子の私までもがそれを求められるのですよ…
こうなったら男勝りの女王様に見初められて婿にいくしかないか…」
サイモンの言葉に笑いながら山積みになった書類を手にとった。
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