好感度0になるまで終われません。

チョコパイ

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Kaleidoscope

I Feel the Earth Move

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振り向いた彼女を見た時、足元が崩れ落ちるような衝撃を受けた。

懐かしいような、それでいて生まれて初めてのわけのわからない感情が私を揺さぶる。

「あの…この香油なんですが…これより少し控え目な香油があったら教えてもらいたくて…」

彼女が香油の瓶を見た後、

「こちらはガーデニアになるのですが…」

彼女はムエットに香油を振りかけるとパタパタとムエットをふり、私に手渡す。

「香りの印象が少し変わりました。」

私の言葉に微笑むと次に自分の手の甲に香油を振りかけ、

「人肌に触れるとこうなります。」

そう言って私の方へと手を伸ばす。

ほのかに香るフローラルの甘くて濃厚な香りが胸を苦しくさせる。

「こちらより控え目な香りがお好みなら……
フローラル系だと…」

そう言って彼女が幾つかの香油の瓶を選ぶと
先程の手順で香りを試していく。

もう何の匂いも感じなかった。
ただ彼女の匂いだけが私の心をとらえて離さないのだ。

知性も理性もこの想いに蓋をすることは出来ない…

あぁ…きっとこれが恋に落ちるということなのだろう。

「あの…失礼なお願いかも知れませんが…貴方の使っている物と同じ物が欲しいのですが…」

でも私は帝国の皇太子、婚約者もいる。

ショップ店員の彼女を好きになっても結ばれることはできない。

だからせめて彼女の匂いだけでも側においておきたかった。

始まることなく終わる私の初恋の思い出として…

「う~ん…それは難しいですね。
私の香油は私だけのブレンドなので…

だから…宜しければ私の香油をベースとしたお客様だけの香油を作りませんか?

他のお客様の手前、ブレンドは普段しないのですが…

なのでお時間があるようなら閉店後、もう一度お店に来てもらっていいでしょうか?」

馬鹿みたいに心臓が騒ぎだす。

「お客様?」

私の顔を覗き込む彼女を今すぐにでも腕の中に閉じこめたくなる。

「何時くらいに来ればいいかな?」

彼女は少し考えてから

「隣のサロンに個室を用意させますのでそこで…お連れの方とお待ち下さい。」

!!!

皇族の護衛達は上手く気配を消していたはずだ。

私すら護衛をつけてきた事を忘れていたくらいなのに…

彼女が近くにいる定員に声をかける。

定員はうなずくと私の方へ来ると

「サロンにご案内致します。
レイヤ様から五名お連れするように言われたのですが…他の方々はどちらにいらっしゃいますか?」

まさか護衛の数まで掌握しているなんて…

改めて彼女の全てを知りたくなる。

それに・・・

レイヤ……彼女の名前を聞いた時、胸が締めつけられる…否、魂が鷲掴みされるような衝撃が
走った。

「彼女はレイヤ…と言うのか…」

店員が彼女を見つめながら

「この店のオーナーで普段は王国にいらっしゃるんですが、今日は新商品の説明でお店にいらっしゃったんですよ。

私みたいな戦争で天涯孤独になった者に教育と仕事をくれて…

私にとって神様みたいな方です。」

ズキンズキン左手の薬指が熱くなる。

レイヤ……

他の客に笑顔で接客する姿をただ見つめていた。
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