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Kaleidoscope
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「まったくうちの女王様ときたら…」
黒のチャイナドレスに金色の糸で刺繍した昇り龍。
スリットは膝くらいまで入れスラリと伸びた手足を見せつける。
首から鎖骨にかけてのラインを彩る用にネックレスの代わりにゴールドのラメ入りクリームをつける。
髪は結い上げてパールをあしらった黒色の簪をさす。
「こんなにお美しいのに…隣にお相手がいないなんて……
いいですか?
ヒョイヒョイと男の人についていってはいけませんよ。」
ナタリーが小言を言いながら最後の仕上げに唇に紅をさす。
来賓として招待を受けた私はパーティーの中頃になってからの入場となる。
ナタリーが嘆いているのは、入場のさいのエスコートを私が用意しなかったことだ。
普通なら夫や婚約者、いない場合は恋人を連れていくのだが…
いつもハルモニア公爵がパートナーとして側にいてくれていたので、エスコートの事を忘れていたのだ。
せっかく注目を浴びるのだから…
「ナタリー、お願いがあるのだけれど…」
私の話を聞いた後、ナタリーが大きなため息をつく。
「本当に女王様には勝てませんわ…
今から帝国側に許可をとって来ますね。」
ナタリーが部屋を出ると王印の指輪に聖力を注ぐ。
王印が光輝くと金色に輝く虎があらわれる。
リボーン王国の聖獣とされる金虎だ。
私が聖女になれた理由の一つ。
それは私が聖獣金虎の主だからだ。
後継者教育で学んだ歴史書に王印について記されていたのだ。
“真の王は王印から聖なる使いを呼び出すことが出来る。”
その時は言葉の本当の意味などわからなかった。
でも一つ言えることは、王国を束ねるのに真の王の称号が必要だと言うこと…
だから指輪に願った。
亡くなった多くの民のためにも…平和な王国を築くためにも…私に力を貸して欲しいと…
聖力で満ち溢れた金虎のモフモフの毛に顔を埋める。
「リボーンの為にお願いね。」
金虎は喉をならして尻尾で私を抱き寄せた。
「リボーン王国、女王フレイヤ・リボーン」
私の名前が会場中にアナウンスされると扉が開く。
会場に入ると私は王印に聖力を注ぐ。
金色に辺りが輝くと金虎があらわれ私を背に乗せる。
割れんばかりの歓喜の渦の中、玉座へとむかう。
金虎からおりると玉座に座る陛下とその隣に座る皇后陛下にカーテシーした後、
「建国記念の祝福にリボーン王国の女王として、そして聖女として帝国の繁栄を願って…」
金虎を王印へと戻すと同時に聖力で作った花びらを会場中に降らせる。
ヒラヒラと舞い降りる花びらは触ることは出来ない。
それでも皆が手を伸ばさずにはいられないほど美しい。
「女王には驚かされてばかりだ。
国を立て直す才に聖力、武術も得意だと聞いたぞ。
良かったらサイラスで見せたという剣舞を披露してもらえぬだろうか?」
陛下が従者に合図をおくると従者が私に剣を持ってくる。
!!!
「陛下、これはいけません。」
剣の鞘には帝国の国印が彫られ誰の目から見ても陛下の剣だとわかる。
「私の剣もそなたに握ってもらえれば喜ぶのだが…それでも駄目か?」
私は両手で剣を受け取るとハルモニア公爵から叩き込まれた剣舞を舞う。
今の私は万華鏡の中のビーズにすぎない。
陛下の剣をとるとは…
王国は帝国の属国を意味する。
つまり私の忠誠心をためしたのだ。
今の王国の力では帝国に転がされる小さなビーズ。
どんなに美しく見えても向きを変えられれば一瞬にして形を失わされる。
ならば…万華鏡の中から飛び出せる力をつけるしかない。
舞い終わると従者に剣を返す。
陛下が玉座から下りてくると私の前に立ち抱き寄せる。
「私が若かったら間違いなく女王に惚れていただろう。
本当に美しく見事な腕前だった。
これは私の気持ちだ。」
陛下は先程の剣を私の手に握らす。
「本日からリボーン王国は女王がいる限り帝国が後ろ盾となることをここに宣言する。」
!!!
思考が止まった……
黒のチャイナドレスに金色の糸で刺繍した昇り龍。
スリットは膝くらいまで入れスラリと伸びた手足を見せつける。
首から鎖骨にかけてのラインを彩る用にネックレスの代わりにゴールドのラメ入りクリームをつける。
髪は結い上げてパールをあしらった黒色の簪をさす。
「こんなにお美しいのに…隣にお相手がいないなんて……
いいですか?
ヒョイヒョイと男の人についていってはいけませんよ。」
ナタリーが小言を言いながら最後の仕上げに唇に紅をさす。
来賓として招待を受けた私はパーティーの中頃になってからの入場となる。
ナタリーが嘆いているのは、入場のさいのエスコートを私が用意しなかったことだ。
普通なら夫や婚約者、いない場合は恋人を連れていくのだが…
いつもハルモニア公爵がパートナーとして側にいてくれていたので、エスコートの事を忘れていたのだ。
せっかく注目を浴びるのだから…
「ナタリー、お願いがあるのだけれど…」
私の話を聞いた後、ナタリーが大きなため息をつく。
「本当に女王様には勝てませんわ…
今から帝国側に許可をとって来ますね。」
ナタリーが部屋を出ると王印の指輪に聖力を注ぐ。
王印が光輝くと金色に輝く虎があらわれる。
リボーン王国の聖獣とされる金虎だ。
私が聖女になれた理由の一つ。
それは私が聖獣金虎の主だからだ。
後継者教育で学んだ歴史書に王印について記されていたのだ。
“真の王は王印から聖なる使いを呼び出すことが出来る。”
その時は言葉の本当の意味などわからなかった。
でも一つ言えることは、王国を束ねるのに真の王の称号が必要だと言うこと…
だから指輪に願った。
亡くなった多くの民のためにも…平和な王国を築くためにも…私に力を貸して欲しいと…
聖力で満ち溢れた金虎のモフモフの毛に顔を埋める。
「リボーンの為にお願いね。」
金虎は喉をならして尻尾で私を抱き寄せた。
「リボーン王国、女王フレイヤ・リボーン」
私の名前が会場中にアナウンスされると扉が開く。
会場に入ると私は王印に聖力を注ぐ。
金色に辺りが輝くと金虎があらわれ私を背に乗せる。
割れんばかりの歓喜の渦の中、玉座へとむかう。
金虎からおりると玉座に座る陛下とその隣に座る皇后陛下にカーテシーした後、
「建国記念の祝福にリボーン王国の女王として、そして聖女として帝国の繁栄を願って…」
金虎を王印へと戻すと同時に聖力で作った花びらを会場中に降らせる。
ヒラヒラと舞い降りる花びらは触ることは出来ない。
それでも皆が手を伸ばさずにはいられないほど美しい。
「女王には驚かされてばかりだ。
国を立て直す才に聖力、武術も得意だと聞いたぞ。
良かったらサイラスで見せたという剣舞を披露してもらえぬだろうか?」
陛下が従者に合図をおくると従者が私に剣を持ってくる。
!!!
「陛下、これはいけません。」
剣の鞘には帝国の国印が彫られ誰の目から見ても陛下の剣だとわかる。
「私の剣もそなたに握ってもらえれば喜ぶのだが…それでも駄目か?」
私は両手で剣を受け取るとハルモニア公爵から叩き込まれた剣舞を舞う。
今の私は万華鏡の中のビーズにすぎない。
陛下の剣をとるとは…
王国は帝国の属国を意味する。
つまり私の忠誠心をためしたのだ。
今の王国の力では帝国に転がされる小さなビーズ。
どんなに美しく見えても向きを変えられれば一瞬にして形を失わされる。
ならば…万華鏡の中から飛び出せる力をつけるしかない。
舞い終わると従者に剣を返す。
陛下が玉座から下りてくると私の前に立ち抱き寄せる。
「私が若かったら間違いなく女王に惚れていただろう。
本当に美しく見事な腕前だった。
これは私の気持ちだ。」
陛下は先程の剣を私の手に握らす。
「本日からリボーン王国は女王がいる限り帝国が後ろ盾となることをここに宣言する。」
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