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最果て
一新紀元
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「フレイヤ、君はこの先、リボーン王国をどうしたい?」
どうしたい?
復興ばかりに気を取られていたわけではない。
それなりの未来図はあるつもりだ。
でも…リボーン王国の立地から考えると、これからは周辺各国にも目を配らなくてはいけない。
陛下が話を続ける。
「内戦が激化した理由を知っているか?」
「後継者争いが火種になって、貴族同士の対立がひどくなったと…」
正直なところ、不思議で仕方なかった。
後継者争いもそうだが第二王子派の貴族を一掃した理由がわからないのだ。
家門をとり潰すだけではなく、一門皆殺しにしたのだ。
「リボーン王国は立地的に言うと大国に挟まれている。
普通ならとっくに攻め滅ぼされていても、おかしくはない。
では何故、そうならなかったか?」
陛下が私を見つめる。
「聖女ですか?」
なんとなく感じていた。
リボーン王国の闇。
私が聖女だと宣言された時のハルモニア公爵の驚きと悲しみに満ちた顔を…
当たり前のように聖女の力を利用しようとした貴族…
私が女として生を享けたから…内戦が激化したとしたら……
「長年、リボーン王国は聖女を商売道具として扱ってきた。
聖女の血にはどんな病も傷も癒す力があり、高値で取引され、王国の富を潤してきた。
私が思うに……
君の両親は君を王国の悪しき歴史から君を守るために戦ったのだろう。
王国よりフレイヤ、君を守るために…」
温かな涙が頬をつたう。
自分が両親に愛されていたということが初めて実感できたからだ。
「今日、君は惜しげもなく聖力の強さを近隣諸国に見せつけた。
それは王国を守る剣になったが、その一方で君という力を欲するもの達もつくることになった。
そこで一つ提案なんだが…帝国の独立国として帝国に籍を置いたらどうだろうか?
独立国だから今まで通りの政策と法案でかまわない。
ただし帝国への見返りとして年に一度、フレイヤの聖力を分けてはくれぬだろうか?」
聖女になった時、ハルモニア公爵が私に進言したこと
『何があっても聖女の力を売り物にはしない。』
今ならハルモニア公爵の言おうとしたことがわかる。
「せっかくのご提案ですがお断りさせていただきます。」
陛下が微笑む。
「サイモン、私の勝ちだ。
言っただろう…フレイヤは目先の利益に騙されないと…」
「陛下の仰る通りでした。
女王、試すような事をしてしまい申し訳なかった。
友好国として帝国と肩を並べるのに相応しいのか、陛下の言葉だけでは確信が持てなくて…
失礼なことをして本当に申し訳なかった。」
立ち上がり頭を下げるサイモン公爵。
昨日のグレンと姿が重なる。
「こちらこそ生意気な態度をとって申し訳ありませんでした。」
私は深々と頭を下げると
「与えて下さった友好国の名に恥じぬよう、リボーン王国の女王として頑張ります。」
帝国の後ろ盾があるうちに王国を強く豊かにしなくては…
それと…私は隣に座るグレンを見つめる。
ちゃんと断らないと…陛下の言葉が全て私を試すものだとは思えなかったからだ。
そして私を見つめ続けるディアと適切な距離をとらなくては…
どうしたい?
復興ばかりに気を取られていたわけではない。
それなりの未来図はあるつもりだ。
でも…リボーン王国の立地から考えると、これからは周辺各国にも目を配らなくてはいけない。
陛下が話を続ける。
「内戦が激化した理由を知っているか?」
「後継者争いが火種になって、貴族同士の対立がひどくなったと…」
正直なところ、不思議で仕方なかった。
後継者争いもそうだが第二王子派の貴族を一掃した理由がわからないのだ。
家門をとり潰すだけではなく、一門皆殺しにしたのだ。
「リボーン王国は立地的に言うと大国に挟まれている。
普通ならとっくに攻め滅ぼされていても、おかしくはない。
では何故、そうならなかったか?」
陛下が私を見つめる。
「聖女ですか?」
なんとなく感じていた。
リボーン王国の闇。
私が聖女だと宣言された時のハルモニア公爵の驚きと悲しみに満ちた顔を…
当たり前のように聖女の力を利用しようとした貴族…
私が女として生を享けたから…内戦が激化したとしたら……
「長年、リボーン王国は聖女を商売道具として扱ってきた。
聖女の血にはどんな病も傷も癒す力があり、高値で取引され、王国の富を潤してきた。
私が思うに……
君の両親は君を王国の悪しき歴史から君を守るために戦ったのだろう。
王国よりフレイヤ、君を守るために…」
温かな涙が頬をつたう。
自分が両親に愛されていたということが初めて実感できたからだ。
「今日、君は惜しげもなく聖力の強さを近隣諸国に見せつけた。
それは王国を守る剣になったが、その一方で君という力を欲するもの達もつくることになった。
そこで一つ提案なんだが…帝国の独立国として帝国に籍を置いたらどうだろうか?
独立国だから今まで通りの政策と法案でかまわない。
ただし帝国への見返りとして年に一度、フレイヤの聖力を分けてはくれぬだろうか?」
聖女になった時、ハルモニア公爵が私に進言したこと
『何があっても聖女の力を売り物にはしない。』
今ならハルモニア公爵の言おうとしたことがわかる。
「せっかくのご提案ですがお断りさせていただきます。」
陛下が微笑む。
「サイモン、私の勝ちだ。
言っただろう…フレイヤは目先の利益に騙されないと…」
「陛下の仰る通りでした。
女王、試すような事をしてしまい申し訳なかった。
友好国として帝国と肩を並べるのに相応しいのか、陛下の言葉だけでは確信が持てなくて…
失礼なことをして本当に申し訳なかった。」
立ち上がり頭を下げるサイモン公爵。
昨日のグレンと姿が重なる。
「こちらこそ生意気な態度をとって申し訳ありませんでした。」
私は深々と頭を下げると
「与えて下さった友好国の名に恥じぬよう、リボーン王国の女王として頑張ります。」
帝国の後ろ盾があるうちに王国を強く豊かにしなくては…
それと…私は隣に座るグレンを見つめる。
ちゃんと断らないと…陛下の言葉が全て私を試すものだとは思えなかったからだ。
そして私を見つめ続けるディアと適切な距離をとらなくては…
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