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最果て
愛別離苦
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陛下は本当に母の事が好きだったんだ…
だった…ではなく今も母を想っている…
ズキンと胸が痛んだ。
何故なら母の日記は父と一緒になってからは一度も陛下のことについて書かれていなかったからだ。
それどころか父とのデートの話や父を労る事ばかりが書いてあった。
陛下にとって永遠に続く恋心も、母にとっては過ぎ去りし日々だったのだ。
陛下が医師を呼んだことで、ディナーは慌ただしく終わりを迎えた。
私の頬のガーゼを見たナタリーが泣きながら世話を焼いたのは言うまでもなかった。
ゴロンとベッドに横になる。
皇后の言葉が胸に突き刺さる。
『フレイヤ…貴女は私の息子に夫みたいになれと言っているのよ。
私みたいな惨めな女をまたつくるのよ……
貴女達母子は呪いよ!!』
皇后にとって私も母も呪いそのものだ。
いまだに陛下の心の中に居座り、陛下を魅了し続ける母…
息子に皇太子の座を捨て王配になるとまで言わせた私…
皇后はどんな想いで陛下との時を過ごしてきたのだろうか?
どんなに想っても想いを返してくれない陛下を…十数年にわたり想い続けてきた…
あの切な気な瞳で陛下を見つめていた皇后を思い出す。
似た者夫婦だ…
手に入らぬものに心を奪われ、目の前にある幸せを見ようとはしない。
皇后は気づいていないのだろうか?
自分の美しさに…
似合わぬ化粧とドレスが皇后の美しさを半減させていることに…
!!!
鞄の中からポートレートを取り出す。
「皇后陛下……」
ポートレートの母を見て確信したのだ。
皇后は陛下に見つめてもらうために、母の真似をしていると…
母と陛下の間には男女の関係はなかったはずだ。
母が日記にまで嘘を書くとは思えない。
想いが純粋であればあるほど想いは募るものなのだろうか……
コツン…コツン…コツン
ベランダの窓ガラスに何かがあたる音がする。
ベッドから立ち上がりベランダへと出る。
!!!
ベランダに転がる紙を拾う。
ガラス玉を重りにして投げ込まれた短い手紙。
“逢いたい…BFF”
“どうしても逢いたいんだ…BFF”
“頬は大丈夫?…BFF”
ベランダの欄干に身を乗り出す。
月明かりがディアの美しい金色の髪をキラキラと輝かせる。
頭ではわかっている。
この感情は抱いてはいけないものだと…
でも心が、本能が叫んでいる。
『私はディアが好きだと…
ディアと結ばれたいと…』
動き出してしまった想いはもう誰も止められない。
ディアが近くの樫木を登る。
そして…私のもとへと…
拒めるわけがなかった。
瞳と瞳があった瞬間…
言葉を交わした瞬間…
唇と唇が重なった瞬間…
一目見た時から、こうなることが決まっていたかのように…
互いに強くひかれあう
まるで運命に導かれるように私達は互いの熱をわかちあった。
言葉にしなくてもわかる。
これが最初で最後の二人の夜だと……
絡めた指の強さを…
つないだ手の温もりを…
重ねた唇の甘さを…
忘れないよう…記憶の中に焼きつけよう。
今世では結ばれることのない最愛の人の全てを…
朝、目覚めるとディアの姿はもうそこにはなかった。
シーツに残った破瓜の痕跡と鈍い腰の痛みだけ残して、二人の夜は終わったのだ。
頬の腫れがひかないことを口実に私はその日の午後には帝都を後にした。
皇后陛下にお詫びの品と手紙を残して…
だった…ではなく今も母を想っている…
ズキンと胸が痛んだ。
何故なら母の日記は父と一緒になってからは一度も陛下のことについて書かれていなかったからだ。
それどころか父とのデートの話や父を労る事ばかりが書いてあった。
陛下にとって永遠に続く恋心も、母にとっては過ぎ去りし日々だったのだ。
陛下が医師を呼んだことで、ディナーは慌ただしく終わりを迎えた。
私の頬のガーゼを見たナタリーが泣きながら世話を焼いたのは言うまでもなかった。
ゴロンとベッドに横になる。
皇后の言葉が胸に突き刺さる。
『フレイヤ…貴女は私の息子に夫みたいになれと言っているのよ。
私みたいな惨めな女をまたつくるのよ……
貴女達母子は呪いよ!!』
皇后にとって私も母も呪いそのものだ。
いまだに陛下の心の中に居座り、陛下を魅了し続ける母…
息子に皇太子の座を捨て王配になるとまで言わせた私…
皇后はどんな想いで陛下との時を過ごしてきたのだろうか?
どんなに想っても想いを返してくれない陛下を…十数年にわたり想い続けてきた…
あの切な気な瞳で陛下を見つめていた皇后を思い出す。
似た者夫婦だ…
手に入らぬものに心を奪われ、目の前にある幸せを見ようとはしない。
皇后は気づいていないのだろうか?
自分の美しさに…
似合わぬ化粧とドレスが皇后の美しさを半減させていることに…
!!!
鞄の中からポートレートを取り出す。
「皇后陛下……」
ポートレートの母を見て確信したのだ。
皇后は陛下に見つめてもらうために、母の真似をしていると…
母と陛下の間には男女の関係はなかったはずだ。
母が日記にまで嘘を書くとは思えない。
想いが純粋であればあるほど想いは募るものなのだろうか……
コツン…コツン…コツン
ベランダの窓ガラスに何かがあたる音がする。
ベッドから立ち上がりベランダへと出る。
!!!
ベランダに転がる紙を拾う。
ガラス玉を重りにして投げ込まれた短い手紙。
“逢いたい…BFF”
“どうしても逢いたいんだ…BFF”
“頬は大丈夫?…BFF”
ベランダの欄干に身を乗り出す。
月明かりがディアの美しい金色の髪をキラキラと輝かせる。
頭ではわかっている。
この感情は抱いてはいけないものだと…
でも心が、本能が叫んでいる。
『私はディアが好きだと…
ディアと結ばれたいと…』
動き出してしまった想いはもう誰も止められない。
ディアが近くの樫木を登る。
そして…私のもとへと…
拒めるわけがなかった。
瞳と瞳があった瞬間…
言葉を交わした瞬間…
唇と唇が重なった瞬間…
一目見た時から、こうなることが決まっていたかのように…
互いに強くひかれあう
まるで運命に導かれるように私達は互いの熱をわかちあった。
言葉にしなくてもわかる。
これが最初で最後の二人の夜だと……
絡めた指の強さを…
つないだ手の温もりを…
重ねた唇の甘さを…
忘れないよう…記憶の中に焼きつけよう。
今世では結ばれることのない最愛の人の全てを…
朝、目覚めるとディアの姿はもうそこにはなかった。
シーツに残った破瓜の痕跡と鈍い腰の痛みだけ残して、二人の夜は終わったのだ。
頬の腫れがひかないことを口実に私はその日の午後には帝都を後にした。
皇后陛下にお詫びの品と手紙を残して…
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