好感度0になるまで終われません。

チョコパイ

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最果て

昼想夜夢

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「レイヤ……」

真夜中過ぎのテラスに一人たたずむ。

母が城を出る時

「皇后としてではなく、母親として言わせてもらうわね。

『皇帝の代わりは居ても愛する人の代わりは居ないわ…』

それを肝に銘じておくことね。」

そんなこと言われなくてもわかっている。

この一年、レイヤへの想いは薄れるどころか、色濃くなるばかりだった。

一目で恋に落ち、たった一度、身体を重ねただけで永遠を誓えるほど愛した。

「レイヤ……」

明日、私は君ではない人と婚約する。


「だいたいね、フレイヤは考えがお堅いのよ。」

元皇后改め、マリアンナ女史がワイン片手に
私の頭をポンポンと軽くたたく。

「フレイヤもルディアも……それに馬鹿拗らせ陛下も私も……何で幸せになれないのかしら…

ただ愛する人と一緒になりたいだけなのに…」

私にとって愛とは蜃気楼のようなものだ。

手が届きそうで、けっして届かない……

ほんの数年前、辛い事や悲しい事があればすぐに父の背中に抱きつきワンワンと声をあげて大泣きした。

父はきまって、私が泣き止むまでじっと黙って背中を貸してくれた。

そして泣き止んだ私をおんぶするとクルクルと踊り出す。

父の首根っこにつかまって大声をあげて笑い転げる。

大好きな父は今も側に居るのに…

私は女王になり、父はハルモニア公爵となり配下になった。

本当の両親は天に召され…

そして愛した男は明日、他の女と婚約する。

けして触れることの出来ない蜃気楼…

確かにそこに居るのに…

父は一番の側近として…

ディアは友好国の皇太子として…

私が女王でいるかぎり、この関係は変わらない…

変えてはいけない。

私が父としてハルモニア公爵を扱えば、他の貴族が黙ってはいないだろう。

今ですらハルモニア公爵に対して貴族の目が厳しいのだから…

私がディアの元へと向かえば、聖女の力を欲する他の国々が黙ってはいないだろう。

いまだに各国から聖女としての依頼が山のように来るのだから…

どんなに欲しても、私が私でいる限り、答えは自ずと決まっている。

それでも手を伸ばしたくなる。

父のあの大きな背中に顔を埋め声をあげて泣き叫びたい…

ディアの腕に抱かれ、甘い囁きと熱い吐息でどろどろに溶けてしまいたい…

マリアンナがナタリーに運ばれ部屋を出ると、私はバルコニーへと足を運ぶ。

夜風が悲しみに沈んだ心を優しくなでる。

大丈夫…今までだって大丈夫だったんだもん明日だって…

「ディア…」

ポロポロと涙がこぼれ落ちる。

明日、泣かないように…
涙が枯れるまで私は静かに泣き続けた。
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