好感度0になるまで終われません。

チョコパイ

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最果て

最果て~夢幻泡影~

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さすが聖女の力だわ…

泣き腫らした瞳もパンパンの浮腫んだ顔も聖力でベストコンディションにしてくれるのだから…

ナタリーが来る前に笑顔にならなくっちゃ…

「女王、早馬で封書が届いたのですが…」

ナタリーが封書を手に困惑の表情を見せる。

「どうしたの?」

「それがですね…家門もお名前もないものですから、早馬を用意出来るくらいですから、貴族だとは思うのですが…BFFとしか書かれていないので…」

私はナタリーの手から封書を受け取ると、皆を部屋から退室させる。

薄い紫色の便箋には桔梗の花が透かしとして描かれていた。

桔梗…花言葉は永遠の愛

昨夜、あれほど泣いたのに涙がポタポタと滴りおちる。

“来世では必ず共に生きよう。

変わらぬ愛と途切れぬ想いをレイヤに…”

帝国の皇太子としてディアが歩む道に私はいない。

でも、もしも来世があるのなら次はディア、貴方と共に生きていけるよう私は祈ろう。

ディアとディアの婚約者が幸せであるように…

私は手紙を日記にはさむともう一度、自分自身の為に聖力を使う。

ディアの門出を笑顔で祝うために…


拍手の渦の中、ディアと婚約者が腕を組み教祖のもとへとむかう。

ディア…

黒い燕尾服姿のディアは私の知らない冷静沈着な大人の顔をしていた。

教皇が名を呼ぶ。

「ルディア・オーグランド。

アナベル・ライアー。」

アナベル…

ドキドキと心臓が警戒音をたてる。

アナベル……

私はこの名前を知っている。

遠い遥か昔から…
私はアナベルを知っている……

二人が振り返る。

!!!

アナベルを慈しむように見つめるディアの瞳。

あぁ……
ディアはもう…

母の日記を読んでわかっていたはずだ。

想いも…愛も……
消えることはなくても
他に移ろう事があることを…

ディアが悪いわけでもアナベルが悪いわけでもない…

私はディアにとって、もう過去でしかないのだから…

教皇が二人に祝福をあたえると

二人の影は一つになる。

ディアの唇がアナベルの唇をふさぐ…

拍手喝采の中、口づけを交わす二人を見つめながら、ディアとの季節が終わったことを痛感した。

どうやってやり過ごしたのかわからない。

気がつけば婚約式は終わり、私は一人ベッドに腰かけていた。

明日の朝には王国へ帰る。

今後はなるべく帝国には近寄らないでおこう。

日記帳に挟んだディアからの手紙を思いっきり破り捨てる。

別れにすがって生きるそんな憐れな女にはなりたくない。

大丈夫…まだ立ち上がれる。

布団にくるまり声を殺して朝まで泣いた。

皇太子に流す最後の涙として…

私はこの夜、ディアとの全ての思い出を記憶の奥に眠らせた。
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