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アフターストーリー
第四百七十二話 神々の会談
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フォルティシモはアクロシア王都のモアイ像横で、黒髪紅眼の美青年ゼノフィリアと向かい合った。
フォルティシモの美的感覚では、なかなかの格好良い造形をしている。漆黒の短く切り揃えられた黒髪に、宝石のように美しい真紅の瞳、モデル体型の高身長で高級スーツに身を包む姿は決まっていた。
ただしフォルティシモ的にフォルティシモのが格好良いので、フォルティシモの勝利だ。絵に描いたような超美形、銀髪で金と銀の虹彩異色症の瞳、今はOFFにしているが白と黒の翼を持つ、最強のアバターフォルティシモの勝利する世界がそこにある。
ゼノフィリアはフォルティシモと握手を交わした後、横目でトッキーの姿を確認した。
「クロノイグニスを同席させるとは、なかなか豪胆だな。いや、タイミングとして最適か。吾は不利な場所での会談のため追及できず、かと言って無視もできない。そして<時>の勢力を、<最強>が取り込んだと示した訳だ。情報以上にしたたかな一面がある」
ゼノフィリアが何か納得していたけれど、フォルティシモとしては交渉が苦手なのでエンシェントとトッキーを同席させただけである。
二人を選んだ理由も単純で、ただでさえ有利なフォルティシモの世界での会談だから、あまりフォルティシモ側の人数を増やせば威圧しているように受け取られてしまう。同席は二人が限度だと考え、フォルティシモへのフォローと相手との関係を考慮し二人を選んだ。
トッキーにするかラナリアにするかは最後まで迷ったが、現代リアルワールドの神との顔見知りの観点からトッキーにした。何よりも万が一の場合、トッキーはフォルティシモが守らなくても本人が何とかするだろう。
「トッキーは友人だと思ってたのに裏切られたから、罪滅ぼしをさせてるだけだ」
「トッキーはクロノイグニスがゲームで使っていたアバター名だったか。ならばクロノイグニスに裏切られたのは吾も同じだ。<星>との戦争を進めるとはな」
フォルティシモとゼノフィリアは握手していた手を放した。
「うーん、フォルさんとゼノさんを相手にしたら、遺書を書く時間も貰えないだろうね」
トッキーが降参したようにホールドアップしている。
「あの城に会議室を取ってる。魔導駆動車で行くから乗れ。化石燃料も電気も使わない車だぞ」
「代わりに魔力を使っている」
「リアルワールドの神から魔力なんて言葉が出るのは不思議な気分だ」
ゼノフィリアとの会談は、アクロシア王城に新設された会議場で行われる。
やたらと豪奢な部屋で、目が痛くなりそうな贅を尽くした内装に、一つの失敗もしないよう命を賭けている使用人、そして蟻一匹部屋に近づけさせないという騎士や軍人たちの警護する姿が印象的である。
フォルティシモとしては現代リアルワールドの神ゼノフィリアを『浮遊大陸』に入れたくなかっただけなので、場所だけ提供して貰えれば良かったのだが、何か曲解されて伝わったようだった。
フォルティシモが黄金の装飾が彫刻された長机に座ると、それを挟んだ正面にゼノフィリアが座る。
フォルティシモの両隣にはエンシェントとトッキー。ゼノフィリアが現れてから、やけに大人しいドラゴンのぬいぐるみはエンシェントの横の席で浮いている。
少しの静寂の後、最初に口を開くのはフォルティシモだった。
「まあ、色々と言いたいことも聞きたいこともある。だが、一つだけ、まず何よりも優先して聞いても良いか?」
「最強の神威を持つ神から吾への問いか。それは神に至った後ではなく、人間だった頃の疑問の解消だろう。ならば第二種永久機関の実現方法か? ヤンミルズ方程式と質量ギャップ問題式の解か? 宇宙膨張の限界か? それとも、人間の不完全性か?」
現代リアルワールドの神ゼノフィリアは、最後の言葉に力を込めて質問を促した。
たしかにフォルティシモは、現代リアルワールドに神様がいるのだとしたら、絶対に認めないと思ったことがある。何故世界に死を生み出したのか、こんな悲劇に塗れた世界にした理由は何なのか、もっと良い世界にできたのではないか。
そんなリアルワールドを創造するなんて、フォルティシモなら絶対にしないと神へ唾を吐きかけた。
しかしフォルティシモ自身が『最強の世界』を創世し管理運営している今、少しだけ考えが変わっている。
だから何よりも優先して聞いて見たい質問は、それとはまったく無関係な事柄だった。
「どうしてガチャなんて、クソなシステムを作った?」
「それが己が産まれた世界の神を前にして聞きたいことか?」
現代リアルワールドの神ゼノフィリア、黒髪紅眼の絶世の美男子が眉間にしわを寄せてフォルティシモをじっと見つめる。
「………………………中でも課金によって宝石やポイントを購入し、それでシステム上の実体のないデータを確率で引かせるシステムを指し示しているか?」
「そうだな」
フォルティシモは現代リアルワールドにおいて全知全能のはずのゼノフォーブフィリアの返答を待つ。
「疑問に対して疑問を返すのが無礼だとは思うが、何故、それを知りたい?」
「ガチャは、この世で最もクソだろ!? なんであんなものを創造した!?」
フォルティシモは思わず机を叩いた。机を破壊しなかったのは、フォルティシモの最後の理性である。
この場で最初の質問がコレの時点で、既に理性はないかも知れないが。
「確率という法則の存在理由であれば―――」
「俺が知りたいのはガチャだ」
ゼノフィリアは真顔になって返事をした。
「其方が吾に求めているのは、答えではなく納得感だ。吾からは至極つまらない返答をすることになるが、聞きたいか?」
「リアルワールドの神も大したことがないな」
フォルティシモは机の下でエンシェントに足を踏まれたので、それ以上は黙る。
「主の個人的な興味については、同盟という固いものではなく、友人のような関係を築いていきたいという意志の表れだと思って貰いたい。我々、仮称<最強>としては、そちらの世界と交流を持てるようになれば良いと思っている」
フォルティシモはエンシェントの発言に頷いた。フォルティシモはそれが言いたかったのだとばかりに腕を組み、ゼノフィリアへ向かって笑みを浮かべておく。
ただし<最強>は仮称ではない。
「情報によれば、<最強>は近衛翔の誕生した吾の世界へ、並々ならぬ興味を抱いているらしいな」
「主は友人の心残りや、ファーアースで行われた神戯に関わった者たちのことを考えている。できることなら元の世界へ還したい」
「“異世界帰還者”を産み出したいと? それは困るな。それは吾の世界を破壊する行為だ」
創作物の世界において、異世界召喚された者が様々な苦難の果てに元の世界へ戻るシーンは幾度か描写されることがある。帰還後の物語を主題に扱う作品さえあるほどだ。
ただしそれが是となるのは、帰還した世界に神や管理者と呼ばれる存在がおらず、あくまでも自然の延長線上の世界の場合だろう。
近衛翔が産まれた世界、現代リアルワールドは違う。現代リアルワールドはゼノフォーブフィリアという神が、魔法なんてトンデモな力と神々の勢力争いから守ってきた世界なのだ。
「そちらの世界の事情は考慮する。帰還希望者からは神戯に関係する記憶の改ざんを行い、力も捨てさせる。行方不明だった期間については、辻褄が合うように相談したい」
「ゼノさんは、俺たち<時>を隠蔽してくれたんだから、そういうことは得意でしょ? その件については、俺たちも協力する。逃避行してたとか、住み込みで働いてたとか、アリバイ作りに使ってくれて良い」
「<時>の裏切者共が、少しでも負債を清算しようとする姿勢は評価する」
エンシェントに援護射撃をしてくれたトッキーは、ゼノフィリアの反撃を受けてばつが悪そうに頬を掻いていた。
「まあ、そういう話は後で良いだろ。とにかくまずは、お前があんなメッセージを送って来た理由はなんだ?」
フォルティシモは最初に本題と無関係な質問をしたのは誰なのかを忘れ、話を今日の会談が開催された理由へ戻す。
ゼノフィリアがフォルティシモを真っ直ぐに見つめて来る。フォルティシモには何も疚しいことなどないので、その視線を正面から受け止めた。
「最強神フォルティシモ、其方は何故、まーへ協力する? まーがもたらすのは混沌だ。秩序こそ世界のあるべき姿だと考える吾とは相容れない。世界の法則が一つの存在によって蹂躙される。それが世界全体にとってどれだけ問題のある事象か。一つの存在の機嫌や趣味嗜好で、世界が危機に陥るべきではない」
「ああ、まったくその通りだな」
フォルティシモの肯定の返答を聞いたゼノフィリアが、驚いて瞬きを繰り返している。
エンシェントは何かを察したようで、フォルティシモへ首肯を見せていた。もちろんフォルティシモは何も察していないので、フォルティシモとエンシェントの間だけに通じる秘密のメッセージを送ってくる。
「最強の神威を持ち、まーと同盟を組んでいる其方が、何故同意する?」
「最強はその通りだが、俺がいつ、マリアステラと同盟を組んだ?」
「最強というのは、己一つで世界を蹂躙したいという混沌の極地だ。だからまーと意気投合したのでは?」
フォルティシモはゼノフィリアが大いなる勘違いを起こしているのだと理解した。
「いいか、フォルティシモが最強なのは、守るためだ。あんな快楽主義者とは最も遠い位置にいる。お前の世界に悲劇がなければ産まれなかったのが、最強だ」
かつて一度だけ、エルミアから問いかけられた答えをゼノフィリアへぶつける。近衛翔がフォルティシモを産み出した理由と、フォルティシモが最強に至った理由。
ちなみに何もなくとも彼が最強厨なのは変わらないので、最強になったかも知れない。
「それに俺は、マリアステラのやり方を認めていない。キュウや親友のことで借りはあるが、出来ることなら、あのクソ野郎を未来永劫、最強神フォルティシモの前に屈服させたいくらいだぞ」
ゼノフィリアはフォルティシモを凝視したまま、顎に手を当てて考え込む仕草を見せる。そして何かを思い至ったのか口を開いた。
「ならば共に、まーへお灸を据えないか?」
「詳しく聞かせろ」
フォルティシモの美的感覚では、なかなかの格好良い造形をしている。漆黒の短く切り揃えられた黒髪に、宝石のように美しい真紅の瞳、モデル体型の高身長で高級スーツに身を包む姿は決まっていた。
ただしフォルティシモ的にフォルティシモのが格好良いので、フォルティシモの勝利だ。絵に描いたような超美形、銀髪で金と銀の虹彩異色症の瞳、今はOFFにしているが白と黒の翼を持つ、最強のアバターフォルティシモの勝利する世界がそこにある。
ゼノフィリアはフォルティシモと握手を交わした後、横目でトッキーの姿を確認した。
「クロノイグニスを同席させるとは、なかなか豪胆だな。いや、タイミングとして最適か。吾は不利な場所での会談のため追及できず、かと言って無視もできない。そして<時>の勢力を、<最強>が取り込んだと示した訳だ。情報以上にしたたかな一面がある」
ゼノフィリアが何か納得していたけれど、フォルティシモとしては交渉が苦手なのでエンシェントとトッキーを同席させただけである。
二人を選んだ理由も単純で、ただでさえ有利なフォルティシモの世界での会談だから、あまりフォルティシモ側の人数を増やせば威圧しているように受け取られてしまう。同席は二人が限度だと考え、フォルティシモへのフォローと相手との関係を考慮し二人を選んだ。
トッキーにするかラナリアにするかは最後まで迷ったが、現代リアルワールドの神との顔見知りの観点からトッキーにした。何よりも万が一の場合、トッキーはフォルティシモが守らなくても本人が何とかするだろう。
「トッキーは友人だと思ってたのに裏切られたから、罪滅ぼしをさせてるだけだ」
「トッキーはクロノイグニスがゲームで使っていたアバター名だったか。ならばクロノイグニスに裏切られたのは吾も同じだ。<星>との戦争を進めるとはな」
フォルティシモとゼノフィリアは握手していた手を放した。
「うーん、フォルさんとゼノさんを相手にしたら、遺書を書く時間も貰えないだろうね」
トッキーが降参したようにホールドアップしている。
「あの城に会議室を取ってる。魔導駆動車で行くから乗れ。化石燃料も電気も使わない車だぞ」
「代わりに魔力を使っている」
「リアルワールドの神から魔力なんて言葉が出るのは不思議な気分だ」
ゼノフィリアとの会談は、アクロシア王城に新設された会議場で行われる。
やたらと豪奢な部屋で、目が痛くなりそうな贅を尽くした内装に、一つの失敗もしないよう命を賭けている使用人、そして蟻一匹部屋に近づけさせないという騎士や軍人たちの警護する姿が印象的である。
フォルティシモとしては現代リアルワールドの神ゼノフィリアを『浮遊大陸』に入れたくなかっただけなので、場所だけ提供して貰えれば良かったのだが、何か曲解されて伝わったようだった。
フォルティシモが黄金の装飾が彫刻された長机に座ると、それを挟んだ正面にゼノフィリアが座る。
フォルティシモの両隣にはエンシェントとトッキー。ゼノフィリアが現れてから、やけに大人しいドラゴンのぬいぐるみはエンシェントの横の席で浮いている。
少しの静寂の後、最初に口を開くのはフォルティシモだった。
「まあ、色々と言いたいことも聞きたいこともある。だが、一つだけ、まず何よりも優先して聞いても良いか?」
「最強の神威を持つ神から吾への問いか。それは神に至った後ではなく、人間だった頃の疑問の解消だろう。ならば第二種永久機関の実現方法か? ヤンミルズ方程式と質量ギャップ問題式の解か? 宇宙膨張の限界か? それとも、人間の不完全性か?」
現代リアルワールドの神ゼノフィリアは、最後の言葉に力を込めて質問を促した。
たしかにフォルティシモは、現代リアルワールドに神様がいるのだとしたら、絶対に認めないと思ったことがある。何故世界に死を生み出したのか、こんな悲劇に塗れた世界にした理由は何なのか、もっと良い世界にできたのではないか。
そんなリアルワールドを創造するなんて、フォルティシモなら絶対にしないと神へ唾を吐きかけた。
しかしフォルティシモ自身が『最強の世界』を創世し管理運営している今、少しだけ考えが変わっている。
だから何よりも優先して聞いて見たい質問は、それとはまったく無関係な事柄だった。
「どうしてガチャなんて、クソなシステムを作った?」
「それが己が産まれた世界の神を前にして聞きたいことか?」
現代リアルワールドの神ゼノフィリア、黒髪紅眼の絶世の美男子が眉間にしわを寄せてフォルティシモをじっと見つめる。
「………………………中でも課金によって宝石やポイントを購入し、それでシステム上の実体のないデータを確率で引かせるシステムを指し示しているか?」
「そうだな」
フォルティシモは現代リアルワールドにおいて全知全能のはずのゼノフォーブフィリアの返答を待つ。
「疑問に対して疑問を返すのが無礼だとは思うが、何故、それを知りたい?」
「ガチャは、この世で最もクソだろ!? なんであんなものを創造した!?」
フォルティシモは思わず机を叩いた。机を破壊しなかったのは、フォルティシモの最後の理性である。
この場で最初の質問がコレの時点で、既に理性はないかも知れないが。
「確率という法則の存在理由であれば―――」
「俺が知りたいのはガチャだ」
ゼノフィリアは真顔になって返事をした。
「其方が吾に求めているのは、答えではなく納得感だ。吾からは至極つまらない返答をすることになるが、聞きたいか?」
「リアルワールドの神も大したことがないな」
フォルティシモは机の下でエンシェントに足を踏まれたので、それ以上は黙る。
「主の個人的な興味については、同盟という固いものではなく、友人のような関係を築いていきたいという意志の表れだと思って貰いたい。我々、仮称<最強>としては、そちらの世界と交流を持てるようになれば良いと思っている」
フォルティシモはエンシェントの発言に頷いた。フォルティシモはそれが言いたかったのだとばかりに腕を組み、ゼノフィリアへ向かって笑みを浮かべておく。
ただし<最強>は仮称ではない。
「情報によれば、<最強>は近衛翔の誕生した吾の世界へ、並々ならぬ興味を抱いているらしいな」
「主は友人の心残りや、ファーアースで行われた神戯に関わった者たちのことを考えている。できることなら元の世界へ還したい」
「“異世界帰還者”を産み出したいと? それは困るな。それは吾の世界を破壊する行為だ」
創作物の世界において、異世界召喚された者が様々な苦難の果てに元の世界へ戻るシーンは幾度か描写されることがある。帰還後の物語を主題に扱う作品さえあるほどだ。
ただしそれが是となるのは、帰還した世界に神や管理者と呼ばれる存在がおらず、あくまでも自然の延長線上の世界の場合だろう。
近衛翔が産まれた世界、現代リアルワールドは違う。現代リアルワールドはゼノフォーブフィリアという神が、魔法なんてトンデモな力と神々の勢力争いから守ってきた世界なのだ。
「そちらの世界の事情は考慮する。帰還希望者からは神戯に関係する記憶の改ざんを行い、力も捨てさせる。行方不明だった期間については、辻褄が合うように相談したい」
「ゼノさんは、俺たち<時>を隠蔽してくれたんだから、そういうことは得意でしょ? その件については、俺たちも協力する。逃避行してたとか、住み込みで働いてたとか、アリバイ作りに使ってくれて良い」
「<時>の裏切者共が、少しでも負債を清算しようとする姿勢は評価する」
エンシェントに援護射撃をしてくれたトッキーは、ゼノフィリアの反撃を受けてばつが悪そうに頬を掻いていた。
「まあ、そういう話は後で良いだろ。とにかくまずは、お前があんなメッセージを送って来た理由はなんだ?」
フォルティシモは最初に本題と無関係な質問をしたのは誰なのかを忘れ、話を今日の会談が開催された理由へ戻す。
ゼノフィリアがフォルティシモを真っ直ぐに見つめて来る。フォルティシモには何も疚しいことなどないので、その視線を正面から受け止めた。
「最強神フォルティシモ、其方は何故、まーへ協力する? まーがもたらすのは混沌だ。秩序こそ世界のあるべき姿だと考える吾とは相容れない。世界の法則が一つの存在によって蹂躙される。それが世界全体にとってどれだけ問題のある事象か。一つの存在の機嫌や趣味嗜好で、世界が危機に陥るべきではない」
「ああ、まったくその通りだな」
フォルティシモの肯定の返答を聞いたゼノフィリアが、驚いて瞬きを繰り返している。
エンシェントは何かを察したようで、フォルティシモへ首肯を見せていた。もちろんフォルティシモは何も察していないので、フォルティシモとエンシェントの間だけに通じる秘密のメッセージを送ってくる。
「最強の神威を持ち、まーと同盟を組んでいる其方が、何故同意する?」
「最強はその通りだが、俺がいつ、マリアステラと同盟を組んだ?」
「最強というのは、己一つで世界を蹂躙したいという混沌の極地だ。だからまーと意気投合したのでは?」
フォルティシモはゼノフィリアが大いなる勘違いを起こしているのだと理解した。
「いいか、フォルティシモが最強なのは、守るためだ。あんな快楽主義者とは最も遠い位置にいる。お前の世界に悲劇がなければ産まれなかったのが、最強だ」
かつて一度だけ、エルミアから問いかけられた答えをゼノフィリアへぶつける。近衛翔がフォルティシモを産み出した理由と、フォルティシモが最強に至った理由。
ちなみに何もなくとも彼が最強厨なのは変わらないので、最強になったかも知れない。
「それに俺は、マリアステラのやり方を認めていない。キュウや親友のことで借りはあるが、出来ることなら、あのクソ野郎を未来永劫、最強神フォルティシモの前に屈服させたいくらいだぞ」
ゼノフィリアはフォルティシモを凝視したまま、顎に手を当てて考え込む仕草を見せる。そして何かを思い至ったのか口を開いた。
「ならば共に、まーへお灸を据えないか?」
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