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アフターストーリー
第五百三話 神様らしい行為
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端的に言って、現代リアルワールドは取り返しのつかない状況まで来ていた。
サイコロを振って一万回連続で一を出せるマリアステラにも観測できないのだから、不可能と言って良いかも知れない。いや断言できる。まともな方法で神や魔法の存在しない世界へ戻すことなど不可能。
ただし、まともでなければ別だ。
今、フォルティシモの手の中に百億の信仰心エネルギーがある。
神思うが故に神在るならば、新たな神さえも誕生させられる信仰。
「エン、セフェ、解析結果を寄越せ」
フォルティシモは拠点攻防戦の際、サポートAIエンシェントをほぼ戦いへ参加させなかった。また巨大亜量子コンピュータを乗っ取ったセフェールは現代リアルワールドで強力な助力ができるのに、何もさせていないように見える。
当然、そんなはずがない。フォルティシモが自らの手で作り上げた最強の二人のAI。それぞれに神戯【現代リアルワールド】と神戯【VRMMOファーアースオンラインの拠点攻防戦】の解析をさせていたのだ。
神戯【現代リアルワールド】は、ゼノフォーブフィリアが勝利者となった神戯。
神戯【VRMMOファーアースオンラインの拠点攻防戦】は、つい先ほど引き分けになった神戯。
後者は予定外だったが、非常に参考になった。あの神戯はマリアステラがフォルティシモたちの目の前で開催した。
開催場所がVRMMOファーアースオンラインというVR世界の中であり、現代リアルワールドの一部だった点は非常に興味深い仕様が見えて来る。
神戯は世界の一部だけで開催可能。異世界そのものが神戯の舞台、なんて必要は無い。
加えて神戯の中に神戯を開催することで、局所的に別の法則を持った世界を創り出せる。
魔法で言うと結界、ゲームで言うとMAP、VR空間で言うとサンドボックス。
解析した神戯の仕様、フォルティシモが異世界ファーアースで行った世界創世、そして集まった百億の信仰心エネルギー。
「神戯創世」
それはフォルティシモが指定した範囲に、新しい世界を創造する神の御技だった。
この時点で、フォルティシモはおそらく始祖神であるマリアステラと同じレベルの創世能力を得たと言って良い。
フォルティシモはマリアステラのやっていることが羨ましかった。だから手に入れなければならなかったのだ。
他者がやっている偉業は自分もやる。どれだけ気に入らない奴が使っていたとしても、前の装備やスキルに愛着があっても、習得が困難であっても、絶対に。
フォルティシモが何度もマリアステラを見逃した真の理由は、それかも知れない。
『地球全土を包み込むような神戯を開催したようだが。………この際、吾に無許可でやったことは咎めない。しかし何をするつもりだ?』
ゼノフォーブフィリアはフォルティシモが創造した神戯をすぐに把握し、その意図を尋ねて来た。
彼女からすればフォルティシモの神戯開催は、現代リアルワールドの常識を更に塗り替えてしまうような行為で、警戒するのも仕方がない。
「安心しろ。どうせみんな忘れる」
『脳の記憶領域への干渉アルゴリズムを使うつもりか? 無駄だとは言わないが、効果は絶対ではない。インターフェースが必要になるため、VRダイバー所有者に限定される』
「この状況がリアルワールドの技術でどうにもならないことは、俺も理解している」
フォルティシモはそれを言った後、思わず別の事実が気になった。
「………いや、ちょっと待て。聞き捨てならない話を聞いたぞ? VRダイバー所有者の記憶を操るだと?」
『人間の脳を完全に解析したVRダイバーを使っているのだから、記憶領域くらい操れるに決まっているだろう?』
人間の記憶を操作する。人間の脳へ干渉するフルダイブ技術に、脳をAIへコピーする魂のアルゴリズム、それらに比べたら技術的には劣るのかも知れない。
「だがそれを自由に使えるって道義的にどうなんだ? ヘルメス・トリスメギストス社って、ヤバイ企業か? 魔法じゃなくて科学なら、何でも有りか?」
まるでディストピアではないだろうか。ファンタジーとSFは紙一重とまでは言わないが、途端にゼノフォーブフィリアの信念が納得いかないものになった気がした。ゼノフォーブフィリアの中で、どこまでが“有り”なのだろうか。
理性ではキュウたちの言う魔力が関係しているのだと分かっている。しかし、現代リアルワールド出身のせいか魔力知覚の感覚器官を持っておらず、どこか納得できなかった。
『今はどうでも良いことだろう。其方は何をするつもりなのだ?』
「最強のフォルティシモの力で、地球を破壊する。それですべて解決だ」
『頭がイカれたか?』
フォルティシモは察しの悪いゼノフォーブフィリアへ溜息を吐いた。
「分からないのか? キュウとマリアステラは既に理解しているぞ」
『其方は未来聴と未来視としか会話できないのか?』
フォルティシモはゼノフォーブフィリアへ説明するため、インベントリから目的のアイテムを取り出した。
それはVRMMOファーアースオンラインに実装された【刻限の懐中時計】と言うガチャアイテムで、一日一回死亡時に完全回復して蘇生する効果を持つものである。
本来の使用用途としては、デスペナを一回だけ回避できる装備アイテムでしかない。正直、装備枠を潰す価値があるかは疑問で、フォルティシモにとっては初見殺し対策の価値しかなかった。
しかし刻限の懐中時計は異世界ファーアースで色々な意味で大活躍してくれた、今やフォルティシモにとって一押しのアイテムである。
元々デザインが気に入っていた点に加え、キュウがフォルティシモからの初めてのプレゼントとして大切に使っていて、神戯の中ではAIフォルティシモが使用して太陽神ケペルラーアトゥムを追い詰める切り札となった。
「こういうことだ」
フォルティシモは得意げに刻限の懐中時計を掲げて見せる。
『ゲームのアイテムを取り出して、それで説明した気になっているとしたら、ヘルメス・トリスメギストス社が新入社員向けに開催しているコミュニケーション能力研修を受講させてやろう。全二十四回で給与も出してやる』
「それは少し興味があるが、今はこれだ」
『まさか地球を、刻限の懐中時計で再生しようと考えているんじゃないだろうな?』
「理解してるじゃないか」
『できない。たしかに星を一つの生命体、もしくは神と捉えれば、刻限の懐中時計での時間回帰が発現する』
刻限の懐中時計で神に近い存在が蘇生可能であることは、最果ての黄金竜やAIフォルティシモが使ったことで証明されている。
『だが、それで戻って来る地球は、地球以外の生命体が一切いないものだ。その人間が死亡した後、その人間の時間を戻して蘇生したとして、微生物や細菌まで一緒に戻って来ることはない』
「察しが悪いな。刻限の懐中時計は、装備やステータスも元の状態に戻るだろ?」
『………地球に生きる人類、あらゆる生命が、地球の装備品だと』
「地球にとったら人間なんて従魔みたいなもんだろ? 地球をPKした後、刻限の懐中時計を使わせる。これだけの信仰があればやれる」
ゼノフォーブフィリアから唖然とした空気が伝わって来る気がする。
『其方、気は確かか?』
「俺は最強のフォルティシモだぞ」
『ねぇ、魔王様、世界を救うためとか、元に戻るとか言い訳したところで、百億の人命を奪うのに罪悪感を覚えない?』
「なんだ、突然? 時間が戻るんだから良いだろ?」
最強のフォルティシモの力で、地球を破壊する。
近衛翔を苦しめた世界を粉々にする。
フォルティシモは少し楽しみになって笑った。
もちろん地球への攻撃開始前に、キュウや従者たちは退避させるし、神戯を知る者たちも同様の要請を行う。
『あははは、ふふ、魔王様、愛してる』
フォルティシモは大騒ぎになっている都心の上空から下界を眺め、最後にファーアースオンラインの掲示板へ書き込んだ。
> 最強のフォルティシモを刮目しろ
今なら掲示板で散々フォルティシモを貶めた奴らに謝罪させられるかも知れない。
フォルティシモはそんな強烈な誘惑を覚えながらも、何とか振り払って空へ昇っていく。地球の重力など最強のフォルティシモからすれば簡単に打ち破れるものだ。
天烏の最高飛行高度を超え、地球から宇宙へ到達する。
人間ならば酸素が無く、生身で宇宙線に晒される宇宙へ到れば無事ではすまない。しかしフォルティシモは神で、ここは新しい世界である。
フォルティシモは宇宙から地球を見下ろす。火星旅行もできるようになった現代リアルワールドでも、宇宙から青い地球を眺めた人類は一握りの金持ちだけだ。多くがこの星の中、その中でも更に小さな国、都市、地域に縛られ、生涯を終える。
しばらくその状態のまま、退避が完了するのを待つ。ここからは【転移】や権能を使い放題なので、そこまで時間は掛からない。
「全員の退避は完了したか?」
『知り合いの中立神域で受け入れて貰った』
『<星>のところでも一時退避させたよ、魔王様』
「そうか」
フォルティシモは再び青い地球を見回した。
今なら少しだけ、世界を洪水で洗い流したり、文明の塔を破壊したり、街を焼き払う存在の気持ちが分かる気がする。往々にして神は世界をリセットして元へ戻す。
「恨むなら、この最強のフォルティシモの“前”に立ち塞がったことを恨め」
フォルティシモは世界最大の物体を破壊するため、最強の力を収束させる。
「辰星・爆裂」
フォルティシモの目の前で、地球という六十垓トンの物体が爆発四散した。
皮肉にもそれは、文屋一心の記事が事実になったことを意味しているかも知れない。フォルティシモが勝利したことで、百億の人間は消滅するのだ。苦しむ暇もない上、すぐに時間が戻り何も覚えていないのが唯一の救いだろうか。
そして数瞬後、地球を包み込む懐中時計のエフェクトが現れた。
刻限の懐中時計が地球の時間を戻す。
サイコロを振って一万回連続で一を出せるマリアステラにも観測できないのだから、不可能と言って良いかも知れない。いや断言できる。まともな方法で神や魔法の存在しない世界へ戻すことなど不可能。
ただし、まともでなければ別だ。
今、フォルティシモの手の中に百億の信仰心エネルギーがある。
神思うが故に神在るならば、新たな神さえも誕生させられる信仰。
「エン、セフェ、解析結果を寄越せ」
フォルティシモは拠点攻防戦の際、サポートAIエンシェントをほぼ戦いへ参加させなかった。また巨大亜量子コンピュータを乗っ取ったセフェールは現代リアルワールドで強力な助力ができるのに、何もさせていないように見える。
当然、そんなはずがない。フォルティシモが自らの手で作り上げた最強の二人のAI。それぞれに神戯【現代リアルワールド】と神戯【VRMMOファーアースオンラインの拠点攻防戦】の解析をさせていたのだ。
神戯【現代リアルワールド】は、ゼノフォーブフィリアが勝利者となった神戯。
神戯【VRMMOファーアースオンラインの拠点攻防戦】は、つい先ほど引き分けになった神戯。
後者は予定外だったが、非常に参考になった。あの神戯はマリアステラがフォルティシモたちの目の前で開催した。
開催場所がVRMMOファーアースオンラインというVR世界の中であり、現代リアルワールドの一部だった点は非常に興味深い仕様が見えて来る。
神戯は世界の一部だけで開催可能。異世界そのものが神戯の舞台、なんて必要は無い。
加えて神戯の中に神戯を開催することで、局所的に別の法則を持った世界を創り出せる。
魔法で言うと結界、ゲームで言うとMAP、VR空間で言うとサンドボックス。
解析した神戯の仕様、フォルティシモが異世界ファーアースで行った世界創世、そして集まった百億の信仰心エネルギー。
「神戯創世」
それはフォルティシモが指定した範囲に、新しい世界を創造する神の御技だった。
この時点で、フォルティシモはおそらく始祖神であるマリアステラと同じレベルの創世能力を得たと言って良い。
フォルティシモはマリアステラのやっていることが羨ましかった。だから手に入れなければならなかったのだ。
他者がやっている偉業は自分もやる。どれだけ気に入らない奴が使っていたとしても、前の装備やスキルに愛着があっても、習得が困難であっても、絶対に。
フォルティシモが何度もマリアステラを見逃した真の理由は、それかも知れない。
『地球全土を包み込むような神戯を開催したようだが。………この際、吾に無許可でやったことは咎めない。しかし何をするつもりだ?』
ゼノフォーブフィリアはフォルティシモが創造した神戯をすぐに把握し、その意図を尋ねて来た。
彼女からすればフォルティシモの神戯開催は、現代リアルワールドの常識を更に塗り替えてしまうような行為で、警戒するのも仕方がない。
「安心しろ。どうせみんな忘れる」
『脳の記憶領域への干渉アルゴリズムを使うつもりか? 無駄だとは言わないが、効果は絶対ではない。インターフェースが必要になるため、VRダイバー所有者に限定される』
「この状況がリアルワールドの技術でどうにもならないことは、俺も理解している」
フォルティシモはそれを言った後、思わず別の事実が気になった。
「………いや、ちょっと待て。聞き捨てならない話を聞いたぞ? VRダイバー所有者の記憶を操るだと?」
『人間の脳を完全に解析したVRダイバーを使っているのだから、記憶領域くらい操れるに決まっているだろう?』
人間の記憶を操作する。人間の脳へ干渉するフルダイブ技術に、脳をAIへコピーする魂のアルゴリズム、それらに比べたら技術的には劣るのかも知れない。
「だがそれを自由に使えるって道義的にどうなんだ? ヘルメス・トリスメギストス社って、ヤバイ企業か? 魔法じゃなくて科学なら、何でも有りか?」
まるでディストピアではないだろうか。ファンタジーとSFは紙一重とまでは言わないが、途端にゼノフォーブフィリアの信念が納得いかないものになった気がした。ゼノフォーブフィリアの中で、どこまでが“有り”なのだろうか。
理性ではキュウたちの言う魔力が関係しているのだと分かっている。しかし、現代リアルワールド出身のせいか魔力知覚の感覚器官を持っておらず、どこか納得できなかった。
『今はどうでも良いことだろう。其方は何をするつもりなのだ?』
「最強のフォルティシモの力で、地球を破壊する。それですべて解決だ」
『頭がイカれたか?』
フォルティシモは察しの悪いゼノフォーブフィリアへ溜息を吐いた。
「分からないのか? キュウとマリアステラは既に理解しているぞ」
『其方は未来聴と未来視としか会話できないのか?』
フォルティシモはゼノフォーブフィリアへ説明するため、インベントリから目的のアイテムを取り出した。
それはVRMMOファーアースオンラインに実装された【刻限の懐中時計】と言うガチャアイテムで、一日一回死亡時に完全回復して蘇生する効果を持つものである。
本来の使用用途としては、デスペナを一回だけ回避できる装備アイテムでしかない。正直、装備枠を潰す価値があるかは疑問で、フォルティシモにとっては初見殺し対策の価値しかなかった。
しかし刻限の懐中時計は異世界ファーアースで色々な意味で大活躍してくれた、今やフォルティシモにとって一押しのアイテムである。
元々デザインが気に入っていた点に加え、キュウがフォルティシモからの初めてのプレゼントとして大切に使っていて、神戯の中ではAIフォルティシモが使用して太陽神ケペルラーアトゥムを追い詰める切り札となった。
「こういうことだ」
フォルティシモは得意げに刻限の懐中時計を掲げて見せる。
『ゲームのアイテムを取り出して、それで説明した気になっているとしたら、ヘルメス・トリスメギストス社が新入社員向けに開催しているコミュニケーション能力研修を受講させてやろう。全二十四回で給与も出してやる』
「それは少し興味があるが、今はこれだ」
『まさか地球を、刻限の懐中時計で再生しようと考えているんじゃないだろうな?』
「理解してるじゃないか」
『できない。たしかに星を一つの生命体、もしくは神と捉えれば、刻限の懐中時計での時間回帰が発現する』
刻限の懐中時計で神に近い存在が蘇生可能であることは、最果ての黄金竜やAIフォルティシモが使ったことで証明されている。
『だが、それで戻って来る地球は、地球以外の生命体が一切いないものだ。その人間が死亡した後、その人間の時間を戻して蘇生したとして、微生物や細菌まで一緒に戻って来ることはない』
「察しが悪いな。刻限の懐中時計は、装備やステータスも元の状態に戻るだろ?」
『………地球に生きる人類、あらゆる生命が、地球の装備品だと』
「地球にとったら人間なんて従魔みたいなもんだろ? 地球をPKした後、刻限の懐中時計を使わせる。これだけの信仰があればやれる」
ゼノフォーブフィリアから唖然とした空気が伝わって来る気がする。
『其方、気は確かか?』
「俺は最強のフォルティシモだぞ」
『ねぇ、魔王様、世界を救うためとか、元に戻るとか言い訳したところで、百億の人命を奪うのに罪悪感を覚えない?』
「なんだ、突然? 時間が戻るんだから良いだろ?」
最強のフォルティシモの力で、地球を破壊する。
近衛翔を苦しめた世界を粉々にする。
フォルティシモは少し楽しみになって笑った。
もちろん地球への攻撃開始前に、キュウや従者たちは退避させるし、神戯を知る者たちも同様の要請を行う。
『あははは、ふふ、魔王様、愛してる』
フォルティシモは大騒ぎになっている都心の上空から下界を眺め、最後にファーアースオンラインの掲示板へ書き込んだ。
> 最強のフォルティシモを刮目しろ
今なら掲示板で散々フォルティシモを貶めた奴らに謝罪させられるかも知れない。
フォルティシモはそんな強烈な誘惑を覚えながらも、何とか振り払って空へ昇っていく。地球の重力など最強のフォルティシモからすれば簡単に打ち破れるものだ。
天烏の最高飛行高度を超え、地球から宇宙へ到達する。
人間ならば酸素が無く、生身で宇宙線に晒される宇宙へ到れば無事ではすまない。しかしフォルティシモは神で、ここは新しい世界である。
フォルティシモは宇宙から地球を見下ろす。火星旅行もできるようになった現代リアルワールドでも、宇宙から青い地球を眺めた人類は一握りの金持ちだけだ。多くがこの星の中、その中でも更に小さな国、都市、地域に縛られ、生涯を終える。
しばらくその状態のまま、退避が完了するのを待つ。ここからは【転移】や権能を使い放題なので、そこまで時間は掛からない。
「全員の退避は完了したか?」
『知り合いの中立神域で受け入れて貰った』
『<星>のところでも一時退避させたよ、魔王様』
「そうか」
フォルティシモは再び青い地球を見回した。
今なら少しだけ、世界を洪水で洗い流したり、文明の塔を破壊したり、街を焼き払う存在の気持ちが分かる気がする。往々にして神は世界をリセットして元へ戻す。
「恨むなら、この最強のフォルティシモの“前”に立ち塞がったことを恨め」
フォルティシモは世界最大の物体を破壊するため、最強の力を収束させる。
「辰星・爆裂」
フォルティシモの目の前で、地球という六十垓トンの物体が爆発四散した。
皮肉にもそれは、文屋一心の記事が事実になったことを意味しているかも知れない。フォルティシモが勝利したことで、百億の人間は消滅するのだ。苦しむ暇もない上、すぐに時間が戻り何も覚えていないのが唯一の救いだろうか。
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