断罪するのは天才悪女である私です〜継母に全てを奪われたので、二度目の人生は悪逆令嬢として自由に生きます

紅城えりす☆VTuber

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無実の証明

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 へぇー、正直に私が触れていないことを言わないだなんて。通りで落ちる時のリアクションが芝居がかっていたわけね。

 彼女が階段から落ちた原因は、フィネラがから。

 階段の下でこちらを見ている使用人たちは、困惑した様子であった。

 無理もない。彼らは頭を下げていたので、なにが起こったのか分かっていないはずだ。

「メアリー、なにか言うことはないの?」

  フィネラが諭すような口調で話す。

「言うことならあるわ。私は無実であるという証拠についてね」

 メアリーは先ほどまでハウスメイドが立っていた位置に移動する。

「彼女が元々立っていたのは、この場所です。お義母様、使用人の皆様ご覧下さい。」

 つまらなそうな表情を浮かべたフィネラと共に、その場に居た使用人たちがぞろぞろと集まり始める。

「ハウスメイドは何段も転げ落ちるような勢いで落下したにも関わらず、カーペットには靴が残っていません。つまり、彼女は私が押したせいで落下したのではなくら自ら落ちたのです」

 使用人たちの表情が一気に”疑い”から”驚愕”や”安堵”へと切り替わった。

 皆、私が無実だと信じ始めている。
 さぁ、フィネラ。貴方はどうするの?

 これが普通の貴族なら適当にイチャモンを、つけてメアリーの罪は濡れ衣ではないと主張すればいいが、フィネラは絶対にそのようなことはしない。

 なぜならば彼女にとって一番大切なのは、周りからの評判だから。ここで無理に自分の主張を押し通せば、使用人たちから懐疑的な目で見られてしまう。

「まぁ、本当だわ」

 フィネラは顔を真っ青にしてから、メアリーを優しく抱きしめた。

 あーあ、一番最悪のパターンね。

「疑ってしまってごめんなさいねメアリー。それにしても……」

「可愛い義娘を陥れるだなんて許せないわ。誰か女中頭ハウスキーパーを呼んできて。この子を折檻させなさい」

「そんな……奥様、お許し下さい」

 泣き叫ぶハウスメイドの声は誰にも届かず、彼女は女中頭によって連れていかれてしまった。

 人を怪我させてまで利用した上に、最後は見捨てるだなんて……。

「お義母様、これは流石にやりすぎですよ」

 メアリーがボソッと呟くと、フィネラの笑顔が一瞬固まる。

「あぁ、メアリー。貴方に怪我がなくて良かった」

 メアリーを抱きしめている女は、義娘の言葉には耳を貸さないようであった。

「お義母様の方こそ。使用人の監督や、社交界への参加でお疲れのところ、わざわざ来て下さりありがとうございます。まさか、ハウスメイドの悲鳴が響いてから一分も経たないうちに来てくださるとはおもっていませんでしたよ」

 まるで、初めからハウスメイドが悲鳴を上げることを知っていたみたいにね。


***


 フィネラと別れた後、すぐさまメアリーは地下にある使用人の懲罰部屋に向かった。途中、上級使用人に何度も地上に戻るよう説得されたが、耳を貸すつもりは無い。

 やっとの思いで懲罰部屋にたどり着くと、肉が腐敗したような匂いに襲われた。

 部屋の中から女中頭が姿を現す。

「お嬢様。もしかして、懲罰を受けている使用人にお会いになるためにお越しになったのでしょうか?」

「そうよ。早くどいてちょうだい」

「申し訳ありません。恐縮ですが、彼女と会う必要はないと思います」

「どうしてかしら?」

「私は彼女を懲罰部屋に入れてから十分の間離れていましたが、その間に彼女は亡くなっていました」

 嘘だ。そんなわけがない。

 懲罰部屋の鍵は女中頭が持っている。

 フィネラに利用されたハウスメイドが部屋に入れられた後、鍵は閉めているはずだから誰も殺せるわけがないのだ。

 魔法でも使わない限り。

「死因は?」

「死んだ後、彼女の体を調べましたが、死体が明らかに不自然な状態でした。十分ほどしか経っていないにも関わらず、体からもう既に硬くなっていました。おそらく呪いかと」


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