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暴かれる
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「これより試合を再開する。今回は特例として、相手の鎧に刃が触れた時点で勝敗をつけるものとする」
十分ほどの休憩が終わり、再開した一騎打ち。試合が長引きすぎて、ついに時短のため特別ルールが設けられることになった。
イセルは剣を抜き、刃をウィリアムに向けたが、一切動かなかった。
ウィリアムも同様である。
異様すぎる状況に観戦者たちは困惑し始めた。しかし、メアリーだけは冷静に様子を見守っている。
なぜならば、彼女にはもう既に大体の状況が理解できていたからだ。
「ロード・ターレンバラ。その剣は貴方のものですか?」
先に沈黙を破ったのはウィリアムですか?
「いや、休憩時間にお義母様から借りたものです」
「では、貴方の罪ではありませんね?」
ウィリアムはイセルから剣を受け取り、高く掲げた。
「今回の剣術大会では、観客として魔道学院の学者もいらっしゃっていますよね。どなたか、この剣に魔法がかかっていないか確認していただけませんか?」
テントからイセルの様子を眺めていたフィネラが不機嫌そうに顔を歪ませながら、ブツブツと小言を言っている。
観客席から魔道学院の責任者が立ち上がり、剣の状態を確認し始めた。
「これは……非常に珍しい呪いです。必ず敵の心臓を貫く強力な呪い。死霊魔術と同じく古代の妖精が使っていたものです」
今まで熱気で溢れかえっていた会場の空気が一変する。
「どういうこと?」
「これって不正よね?」
「ただの不正ではない。暗殺未遂だ」
「反逆者じゃないか!」
観戦者たちの声は、段々と大きく、罵声へと変わっていった。
「待て、我が民たちよ。ターレンバラのご子息は利用されただけだ」
力強い男性の声が会場に響き渡った。
場所は、観客席の中でも一番見晴らしのよい場所にある主催者の席――すなわち、皇帝の席た。
「先ほど本人が申したであろう。剣を貸したのはターレンバラ伯爵夫人だと」
観客の視線が一斉にフィネラに集まる。
フィネラはもう笑っていない。
ただ不快そうに周囲の人々を睨んでいた。まるで、面倒事にでも巻き込まれているような表情で。
「とはいえ、まだ伯爵夫人の罪であることは確定していない。ご子息の無実もだ。だから、この件は王宮騎士に調査させることにしよう」
警備をしていた王宮騎士が一斉に動きだし、イセルとフィネラを捕らえようとする。すると――。
「待ってください、父上!」
ウィリアムが声をあげる。
「まだ試合が終わっておりません。彼に魔法のかかっていない普通の剣を貸してやってください」
皇帝は「ほぅ……」と小さく呟いてから再び口を開いた。
「よかろう。よく言った、我が息子よ」
王宮騎士の一人が剣をイセルに貸す。
いつも彼が使っているものより重量は少なそうだ。
「閣下、ご配慮に感謝いたします」
イセルは剣を取り、構える。
「お前のために配慮したのではない。不戦勝では私が納得できないのだ」
無事にフィネラを調査する口実は作れた。あとは試合の行く末を確認するだけ。
メアリーが目を輝かせながら、二人の様子を見守っていると、耳元からフィネラの声が聞こえてきた。
「貴方は銀髪の魔道士に騙されているわ」
息を飲み、心臓がはねる。
振り返るといつの間にかフィネラが背後に立っていた。
「ターレンバラ伯爵夫人。どうか捜査に御協力を」
フィネラの元へ数名の王宮騎士が集まる。
「分かっているわ、さぁ行きましょう」
王宮騎士に連れられ立ち去るフィネラ。
メアリーは言葉を失ったままであった。
十分ほどの休憩が終わり、再開した一騎打ち。試合が長引きすぎて、ついに時短のため特別ルールが設けられることになった。
イセルは剣を抜き、刃をウィリアムに向けたが、一切動かなかった。
ウィリアムも同様である。
異様すぎる状況に観戦者たちは困惑し始めた。しかし、メアリーだけは冷静に様子を見守っている。
なぜならば、彼女にはもう既に大体の状況が理解できていたからだ。
「ロード・ターレンバラ。その剣は貴方のものですか?」
先に沈黙を破ったのはウィリアムですか?
「いや、休憩時間にお義母様から借りたものです」
「では、貴方の罪ではありませんね?」
ウィリアムはイセルから剣を受け取り、高く掲げた。
「今回の剣術大会では、観客として魔道学院の学者もいらっしゃっていますよね。どなたか、この剣に魔法がかかっていないか確認していただけませんか?」
テントからイセルの様子を眺めていたフィネラが不機嫌そうに顔を歪ませながら、ブツブツと小言を言っている。
観客席から魔道学院の責任者が立ち上がり、剣の状態を確認し始めた。
「これは……非常に珍しい呪いです。必ず敵の心臓を貫く強力な呪い。死霊魔術と同じく古代の妖精が使っていたものです」
今まで熱気で溢れかえっていた会場の空気が一変する。
「どういうこと?」
「これって不正よね?」
「ただの不正ではない。暗殺未遂だ」
「反逆者じゃないか!」
観戦者たちの声は、段々と大きく、罵声へと変わっていった。
「待て、我が民たちよ。ターレンバラのご子息は利用されただけだ」
力強い男性の声が会場に響き渡った。
場所は、観客席の中でも一番見晴らしのよい場所にある主催者の席――すなわち、皇帝の席た。
「先ほど本人が申したであろう。剣を貸したのはターレンバラ伯爵夫人だと」
観客の視線が一斉にフィネラに集まる。
フィネラはもう笑っていない。
ただ不快そうに周囲の人々を睨んでいた。まるで、面倒事にでも巻き込まれているような表情で。
「とはいえ、まだ伯爵夫人の罪であることは確定していない。ご子息の無実もだ。だから、この件は王宮騎士に調査させることにしよう」
警備をしていた王宮騎士が一斉に動きだし、イセルとフィネラを捕らえようとする。すると――。
「待ってください、父上!」
ウィリアムが声をあげる。
「まだ試合が終わっておりません。彼に魔法のかかっていない普通の剣を貸してやってください」
皇帝は「ほぅ……」と小さく呟いてから再び口を開いた。
「よかろう。よく言った、我が息子よ」
王宮騎士の一人が剣をイセルに貸す。
いつも彼が使っているものより重量は少なそうだ。
「閣下、ご配慮に感謝いたします」
イセルは剣を取り、構える。
「お前のために配慮したのではない。不戦勝では私が納得できないのだ」
無事にフィネラを調査する口実は作れた。あとは試合の行く末を確認するだけ。
メアリーが目を輝かせながら、二人の様子を見守っていると、耳元からフィネラの声が聞こえてきた。
「貴方は銀髪の魔道士に騙されているわ」
息を飲み、心臓がはねる。
振り返るといつの間にかフィネラが背後に立っていた。
「ターレンバラ伯爵夫人。どうか捜査に御協力を」
フィネラの元へ数名の王宮騎士が集まる。
「分かっているわ、さぁ行きましょう」
王宮騎士に連れられ立ち去るフィネラ。
メアリーは言葉を失ったままであった。
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