断罪するのは天才悪女である私です〜継母に全てを奪われたので、二度目の人生は悪逆令嬢として自由に生きます

紅城えりす☆VTuber

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幸福な結末だけを求めてきた

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『至急、君に伝えたいことがある。空いている時間があれは教えて欲しい』

 手紙には予想通り綺麗な文字で短い文章が書かれていた。

 メアリーはあくびをしてから魔法でランプに火をつけ、紙にインクを滑らせる、

『今で良いわよ』

 そう一言書いてから封筒に便箋を入れると、まだ封蝋もしていないのにナイチンゲールが手紙をくわえようとした。

「待って、まだ終わっていないわ」

 メアリーに止められたナイチンゲールは「ピェピェピェ」と鳴き声をあげた。
 ネグリジェを脱いで室内用の白いドレスに着替える。髪を櫛で梳かして寝癖を直してからナイチンゲールに手紙を渡した。

 ナイチンゲールが目にも止まらぬスピードで飛び去ったことを確認してから椅子に座って待つ。

 メアリーが椅子に座りながら待っていると、部屋の中に虹色の光球が出現する。

 前回、メギスを呼んだ時に学んだわ――。

「やぁ、メアリー。返事が早くて助かるよ」

 彼は返信したらすぐに来るってね。
 光球は人型へと変わり、メギスが姿を現した。

「貴方も来るのが早くて助かるわ。ところで話ってなに?」

 メアリーが尋ねるとメギスはどこか狂気的な笑みを浮かべながら、両手に持った魔法理論の論文を見せる。

「完成したんだ。君の魂を治療するために使われた”別の魂”が何者か調べる方法が!」
 
「ふぇっ……?」

「これで君が赤子の頃、なにがあったのか調べることができる。君が夢で会った妖精の正体がわかるんだよ!」

 メアリーは未だかつて無いほど勢いのある喋り方で詰め寄ってくるメギスに気圧されつつ、胸のそこでは感謝の気持ちで溢れていた。

「ありがとう、メギス。私のために、そんな研究をしてくれていたの?」

 若干怖気付いているメアリーの表情を見て、やっと我に返ったらしいメギスは慌てながら「ごめん、僕ってば喜びのあまりブレーキが効かなくなっていたみたいだ」謝罪した。

「それで……どうやって”別の魂”とやらを調べるの?」

「平たく説明するとね……”別の魂”を現実世界に映し出して直接話せるようにするんだよ。まぁ、説明するより見てもらった方が早いかな」

 メギスはポケットから宝石を取り出し、メアリーに「この宝石に触れて」と指示した。言われるがまま、宝石に触れると、奇妙な感覚に襲われる。

 無理やり魂を捕まれるような……そのような感覚に。

「うっ……」

 すると、部屋の中に青白い細やかな光が、ひとつ、またひとつと増えていった。

 その神秘的な姿は、まるで雪のよう。

 光は一箇所に集まり、やがて人型――いや、人に似た者の姿になる。

 床につくほど長い銀髪はクラゲのように揺らめいており、ブルーのドレスはキラキラと虹色の光を放っており、見たことがない素材でできていた。

 極めつけは虹色の大きな羽。
 妖精の証である羽は常に虹色の光を放っていて、神秘的であった。

「久しぶり、メアリー」

 夢に出てきた妖精だ。
 なるほど、メギスの言ったとおり、これは”別の魂”と直接話ができる魔法らしい。
 これで本人に正体を聞けばいいわけだ。

 妖精はメアリーに挨拶してからメギスの方へ視線を移す。

「初めまして、ずっと会いたかったわ。メギス」

「僕のことを知っているのか?」

「えぇ、とっても」

 妖精は目を三日月形に歪ませながら笑う。

「それで私の夢に出てきた妖精さん。貴方は何者なの?」

「私について説明する前に、メアリーには知ってもらわないといけないことがあるわ」

 そう言って妖精が鋭い目つきを向けたのはメアリー……ではなく、メギスであった。

「メアリーに隠していることを話してあげなさい」

「君は知っているのか……僕が何者なのかを」

 メギスは冷静な口調で答える。
 妖精は当然だと言わんばかりに、何度も頷いた。


――貴方は銀髪の魔道士に騙されているわ。


 フィネラの言葉を思い出し、胸がドクンと高鳴る。

「メギス……隠していることがあるなら、さっさと教えて」

「でも……」

「大丈夫よ。貴方は私に絶対傷つけないと言ってくれた。だったら私も同じよ。もし仮に貴方の正体が数百年前に暴れた悪龍だとか言われても受け入れるわ」

 もしかしたら驚くかもしれないけどね……。メアリーは小さな声で補足した。

「分かった。じゃあ一番重要な部分から言うよ」

 メギスは息を吸ってから覚悟を決めたように、口を開く。

「僕は人間ではなく……妖精なんだ。しかも君と会ったのは処刑日の前に牢屋で顔を合わせたのが初めてじゃないんだよ。僕は何度も時間を戻して君を救おうとしてきた。

 
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