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38. リリアside 邪魔されたから④
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直接見ることは出来なかったけれど、サーシャは苦しみながら死んだらしい。
ふふ、わたしを酷い目に遭わせた罰が当たったのね。
すっごく気分がいいわ。
でも、少し面倒なことにもなってしまったの。
あの鈍臭いダリアって侍女がわたしを悪者にしようと嘘を言って回ってるの。
可愛いわたしに嫉妬してしまったのかしら?
「リリア様。例の侍女ですが、あの戯言が騎士団に受け入れられたようです。
すぐにでも始末しなければ、リリア様の立場が危うくなりますわ」
「そう……。仕方ないわ。
手段は問わないから、確実に始末してちょうだい」
わたしを敵に回さなかったら、もっと長く生きられたのかもしれないのに、馬鹿はやっぱり馬鹿なのね。
この家の使用人達はみんな優秀だから、わたしが何もしなくても大丈夫。
サーシャが死んでから、オズワルド様は落ち込んでいたけど、わたしが抱きしめて慰めたらすぐに立ち直ったわ。
可愛い女の子に抱きしめられると、男の人は元氣になるみたい。
「オズワルド様ぁ、今日も一緒にデートしませんかぁ?」
「いいよ。どこに行きたいのかな?」
「久しぶりに王都にあるスイーツのお店に行きたいですわぁ」
もうサーシャを見張らなくて良くなったから、自由にお出かけ出来るようになったの。
だから、ずっとやってみたかったスイーツ巡りをしたいってお願いしてみた。
最近オズワルド様からのプレゼントが減ってるから、久しぶりに大きなお願いをしてもいいと思うの。
食べすぎると太っちゃって、可愛いわたしじゃなくなっちゃうから、わたしは一口だけ食べるつもり。
…‥もったいない?
こんなにお金があるんだから、関係ないわ。
「スイーツか。リリアは甘いものが好きなんだね」
「うん! でも、あまり食べすぎると太っちゃうから全種類をひとくちだけ頂こうと思ってますの」
「残りはどうするんだ?」
「使用人のみんなにあげますわ。きっと喜んでくれるはずよ」
でも、捨てたらもったいなないから、いつものお礼で使用人にプレゼントするの。
感謝してもらえて、わたしは沢山のスイーツを楽しめる。
ふふ、わたしって天才かしら?
「そうだな。では、次の休日に出発しよう」
「ありがとうございますっ」
もちろん、笑顔でお礼するのを忘れたりはしないわ。
それから3日。
わたしは久しぶりに王都に入ることが出来た。
ダリアっいう侍女の始末にも成功したみたいだから、安心して王都を楽しめるわ。
今は2軒目のカフェのスイーツを楽しんでいるところ。
「このピンク色のケーキ、すっごくおいしいです!」
「そうか、それは良かったよ」
こんなにおいしいのに、オズワルド様は少しテンションが低め。
もしかしたら、甘いものが苦手なのかもしれないわ。
男の人って感じね。
ますます好きになっちゃうわ。
それに比べて、甘いものが大好きなはずの侍女達が不満そうにしているのはどうしてかしら?
……きっと、わたしの好みと違うのね。
残念だけど、好き嫌いは仕方ないよね。
「お待たせいたしました。
レモーヌケーキでございます。ご注文以上で宜しかったでしょうか?」
「ああ。ありがとう」
律儀にウェイトレスに頭を下げるオズワルド様。
わたしだけを愛してくれるって約束したのに、どうして他の子に良い顔をするの?
わたしじゃダメなの?
「美味しそうに食べるリリア、すごく可愛いよ。
ドレスを着ていなかったら抱きしめてた」
「ふぇ……?」
……ちょっと怖くなったけど、彼は約束を守ってくれているのね。
今はわたしだけがオズワルド様の瞳に映ってるわ。
「……このお店も美味しかったわ。また連れてってもらえますか?」
「らああ、もちろんだ。リリアが望めば何度でも来よう」
楽しくお話をしながら、お店を出る私達。
そんな時、目の前に銀色の棒が突き出された。
「リリア・ブラフレア伯爵夫人。貴女を殺人の容疑で拘束します」
……え?
わたし、人殺しなんてしてないのに!
ふふ、わたしを酷い目に遭わせた罰が当たったのね。
すっごく気分がいいわ。
でも、少し面倒なことにもなってしまったの。
あの鈍臭いダリアって侍女がわたしを悪者にしようと嘘を言って回ってるの。
可愛いわたしに嫉妬してしまったのかしら?
「リリア様。例の侍女ですが、あの戯言が騎士団に受け入れられたようです。
すぐにでも始末しなければ、リリア様の立場が危うくなりますわ」
「そう……。仕方ないわ。
手段は問わないから、確実に始末してちょうだい」
わたしを敵に回さなかったら、もっと長く生きられたのかもしれないのに、馬鹿はやっぱり馬鹿なのね。
この家の使用人達はみんな優秀だから、わたしが何もしなくても大丈夫。
サーシャが死んでから、オズワルド様は落ち込んでいたけど、わたしが抱きしめて慰めたらすぐに立ち直ったわ。
可愛い女の子に抱きしめられると、男の人は元氣になるみたい。
「オズワルド様ぁ、今日も一緒にデートしませんかぁ?」
「いいよ。どこに行きたいのかな?」
「久しぶりに王都にあるスイーツのお店に行きたいですわぁ」
もうサーシャを見張らなくて良くなったから、自由にお出かけ出来るようになったの。
だから、ずっとやってみたかったスイーツ巡りをしたいってお願いしてみた。
最近オズワルド様からのプレゼントが減ってるから、久しぶりに大きなお願いをしてもいいと思うの。
食べすぎると太っちゃって、可愛いわたしじゃなくなっちゃうから、わたしは一口だけ食べるつもり。
…‥もったいない?
こんなにお金があるんだから、関係ないわ。
「スイーツか。リリアは甘いものが好きなんだね」
「うん! でも、あまり食べすぎると太っちゃうから全種類をひとくちだけ頂こうと思ってますの」
「残りはどうするんだ?」
「使用人のみんなにあげますわ。きっと喜んでくれるはずよ」
でも、捨てたらもったいなないから、いつものお礼で使用人にプレゼントするの。
感謝してもらえて、わたしは沢山のスイーツを楽しめる。
ふふ、わたしって天才かしら?
「そうだな。では、次の休日に出発しよう」
「ありがとうございますっ」
もちろん、笑顔でお礼するのを忘れたりはしないわ。
それから3日。
わたしは久しぶりに王都に入ることが出来た。
ダリアっいう侍女の始末にも成功したみたいだから、安心して王都を楽しめるわ。
今は2軒目のカフェのスイーツを楽しんでいるところ。
「このピンク色のケーキ、すっごくおいしいです!」
「そうか、それは良かったよ」
こんなにおいしいのに、オズワルド様は少しテンションが低め。
もしかしたら、甘いものが苦手なのかもしれないわ。
男の人って感じね。
ますます好きになっちゃうわ。
それに比べて、甘いものが大好きなはずの侍女達が不満そうにしているのはどうしてかしら?
……きっと、わたしの好みと違うのね。
残念だけど、好き嫌いは仕方ないよね。
「お待たせいたしました。
レモーヌケーキでございます。ご注文以上で宜しかったでしょうか?」
「ああ。ありがとう」
律儀にウェイトレスに頭を下げるオズワルド様。
わたしだけを愛してくれるって約束したのに、どうして他の子に良い顔をするの?
わたしじゃダメなの?
「美味しそうに食べるリリア、すごく可愛いよ。
ドレスを着ていなかったら抱きしめてた」
「ふぇ……?」
……ちょっと怖くなったけど、彼は約束を守ってくれているのね。
今はわたしだけがオズワルド様の瞳に映ってるわ。
「……このお店も美味しかったわ。また連れてってもらえますか?」
「らああ、もちろんだ。リリアが望めば何度でも来よう」
楽しくお話をしながら、お店を出る私達。
そんな時、目の前に銀色の棒が突き出された。
「リリア・ブラフレア伯爵夫人。貴女を殺人の容疑で拘束します」
……え?
わたし、人殺しなんてしてないのに!
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