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本編
1. 婚約の理由
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幼い頃から一緒に遊んでいた仲の良い令嬢と令息。
お互いの家同士の仲も良好だった私達の婚約話が持ち上がるのは当然のことだった。
誰がどう見ても疑う余地もない政略婚だけれど、ケヴィン様のことを慕っていた私――ソフィアがこの婚姻を嫌がることは無かった。すごく嬉しかったから。
ケヴィン様のパールレス侯爵家は、国の財政の半分を任されている商家で、過去代々の当主は経済の動向をピタリと言い当てていたという信じがたい逸話まである。
ケヴィン様はそのころから頭が良くて大人びていて、私に何かあった時はすぐに助けてくれた。そんな彼だからこそ、私は兄のように慕っていた。
2つ上のお兄様はいるのだけれど、あの頃のお兄様は剣術に夢中で私には欠片も構ってくれていなかったから、私の遊び相手はいつもケヴィン様だった。
お互いの屋敷も隣り合っていたから、毎日のように会っていた。
そんな日々を過ごしている内にケヴィン様に恋心を抱くようにもなっていたのよね。
けれども、大人びている彼を見るたびに思った。
私なんかじゃ釣り合わない。社交界に出てからきっと悪口を言われてしまう。
今はいいけれど、社交界に出るようになってからケヴィン様に嫌われてしまうかもしれない。
だから、彼にも他の方々にも認めてもらえるように追いつきたい。彼みたいに私も褒められたい。
そんな想いで、6歳のころから本格的に始まった「お勉強」を必死にこなした。
ケヴィン様の役に立てるように、話についていけるようにと本来は必要のない経済の勉強だってこなした。
毎日すごく疲れていたけど、努力の甲斐あって彼とのお話は今まで以上に楽しくなった。
「頑張ったね」って褒めてもらえるようにもなった。
けれど、その頃には彼は何歩も前に進んでいってしまっていた。
ケヴィン様も頑張っているって分かったから、私ももっと頑張ろうって思えた。
でも、すっかり日常になった彼とのお茶会で、悲しそうにこんなことを言われたときは少し辛かった。
「いつもみたいに明るく楽しそうにしているソフィアが見たいな……」
そう言われてしまうほど疲れているつもりは無かったのだけれど、彼から見たらひどい状態だったのかもしれない。
だから、二度と悲しませないように疲れを見せないように心がけることにした。
けれども彼はもっともっと前を行っている気がした。
ケヴィン様と私の差は歴然。けれども、ダンスでは私のペースに合わせてくれていたし、分からないことがあったら優しく教えてくれた。
追いつくのは難しかったけれど、追いかけるのは苦にならなかった。
彼に喜んでもらえる。褒めてもらえる。
そう思っていたから。
私は努力をやめなかった。大変だったけれど、辛いだなんて思ったことはなかった。
毎日、本当に幸せだった。
それから数年。
15歳になる年になって、王立学院に通うようになった私達の関係は幼い頃からだいぶ変わっていた。
色々な分野のことを勉強するようになって、私とケヴィン様の得手不得手が分かったから。
ようやく、私が彼に教えられることも出来た。
彼にお返しが出来るようになって嬉しかった。
試験の点数でケヴィン様に勝てた時は、ようやく彼に見合う婚約者になれたと思えたから、すごく安心してた。
彼は悔しそうだったけれど、いつもと変わらずに努力を誉めてくれた。
この頃の私は、この幸せがずっと続くと信じて疑わなかった。
お互いの家同士の仲も良好だった私達の婚約話が持ち上がるのは当然のことだった。
誰がどう見ても疑う余地もない政略婚だけれど、ケヴィン様のことを慕っていた私――ソフィアがこの婚姻を嫌がることは無かった。すごく嬉しかったから。
ケヴィン様のパールレス侯爵家は、国の財政の半分を任されている商家で、過去代々の当主は経済の動向をピタリと言い当てていたという信じがたい逸話まである。
ケヴィン様はそのころから頭が良くて大人びていて、私に何かあった時はすぐに助けてくれた。そんな彼だからこそ、私は兄のように慕っていた。
2つ上のお兄様はいるのだけれど、あの頃のお兄様は剣術に夢中で私には欠片も構ってくれていなかったから、私の遊び相手はいつもケヴィン様だった。
お互いの屋敷も隣り合っていたから、毎日のように会っていた。
そんな日々を過ごしている内にケヴィン様に恋心を抱くようにもなっていたのよね。
けれども、大人びている彼を見るたびに思った。
私なんかじゃ釣り合わない。社交界に出てからきっと悪口を言われてしまう。
今はいいけれど、社交界に出るようになってからケヴィン様に嫌われてしまうかもしれない。
だから、彼にも他の方々にも認めてもらえるように追いつきたい。彼みたいに私も褒められたい。
そんな想いで、6歳のころから本格的に始まった「お勉強」を必死にこなした。
ケヴィン様の役に立てるように、話についていけるようにと本来は必要のない経済の勉強だってこなした。
毎日すごく疲れていたけど、努力の甲斐あって彼とのお話は今まで以上に楽しくなった。
「頑張ったね」って褒めてもらえるようにもなった。
けれど、その頃には彼は何歩も前に進んでいってしまっていた。
ケヴィン様も頑張っているって分かったから、私ももっと頑張ろうって思えた。
でも、すっかり日常になった彼とのお茶会で、悲しそうにこんなことを言われたときは少し辛かった。
「いつもみたいに明るく楽しそうにしているソフィアが見たいな……」
そう言われてしまうほど疲れているつもりは無かったのだけれど、彼から見たらひどい状態だったのかもしれない。
だから、二度と悲しませないように疲れを見せないように心がけることにした。
けれども彼はもっともっと前を行っている気がした。
ケヴィン様と私の差は歴然。けれども、ダンスでは私のペースに合わせてくれていたし、分からないことがあったら優しく教えてくれた。
追いつくのは難しかったけれど、追いかけるのは苦にならなかった。
彼に喜んでもらえる。褒めてもらえる。
そう思っていたから。
私は努力をやめなかった。大変だったけれど、辛いだなんて思ったことはなかった。
毎日、本当に幸せだった。
それから数年。
15歳になる年になって、王立学院に通うようになった私達の関係は幼い頃からだいぶ変わっていた。
色々な分野のことを勉強するようになって、私とケヴィン様の得手不得手が分かったから。
ようやく、私が彼に教えられることも出来た。
彼にお返しが出来るようになって嬉しかった。
試験の点数でケヴィン様に勝てた時は、ようやく彼に見合う婚約者になれたと思えたから、すごく安心してた。
彼は悔しそうだったけれど、いつもと変わらずに努力を誉めてくれた。
この頃の私は、この幸せがずっと続くと信じて疑わなかった。
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