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第11話 幼き日の想い出
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第3訓練場に入った瞬間、この学院の生徒会副会長を務める西川美鈴の目には長身で木刀を手にした男子生徒の姿が飛び込んでくる。
その姿を見た途端に彼女の動きが停まる。同時に無意識に右手を当てた口元から本人すら意識していない呟きが零れる。
「うそ… そんな、ま、まさか…」
美鈴自身何を口にしているのかわからない小声とともに、彼女の目からはとめどなく涙が溢れ出す。その涙は過去の懐かしくてまるで宝石のように心の中に煌めいていた淡い記憶を鮮明にフラッシュバックさせていく。
━━━ 今から3年少々前の3月、小学校の卒業式を終えて美鈴は旅立ちの日を迎えていた。彼女の父親の仕事の都合で一家揃って静岡へ引っ越しの当日を迎えている。
赤丸が記されたカレンダーを見つめながら今日という日が永遠に来ないように願っても、それは所詮叶わぬ夢。時の流れは容赦なく、あっという間に引っ越しの日がやってくる。
「美鈴、元気でな」
「美鈴ちゃん、いつでも遊びに来てよ」
これから出発しようと待機している車の前で、隣の家に住んでいる双子の兄妹が最後の別れの言葉を送ってくれる。
幼稚園から始まり、ついこの間卒業した小学校にも毎日三人で手を繋いで登校していた。学校から戻っても大抵どちらかの家に入り浸って、宿題をしたりゲームをしたり、おやつを一緒に食べたり、時には手が早い双子の妹に横取りされたり…
三人で他愛もなく笑い合う日々がずっと続くと思っていた。そのはずだと美鈴自身思い込みたかった。
だが突然の父親の転勤。転居先は父親の実家の近くであったため一家揃って引っ越しすることに決まる。
そしてついに迎えた別れの日。美鈴の目は止め処なく流れる涙で双子の顔がはっきりと見えない。泣きながらワンボックスの開け放たれたドアに俯むいて乗り込んでいく自分の姿。
車体に片足を掛けて振り返る。そして双子に最後に残した言葉…
「メールするから。絶対に毎日メールするから」
本当は双子の兄に対して違う言葉を告げようと心に決めていた。だが最後の最後になって勇気を出せなかった。あの時、あとちょっとの勇気があったら…
過去を振り返ってそんなことを思わなくもない。だがそれは子供時代の懐かしい思い出だと、しばらく後になってから美鈴なりに一つの区切りをつけている。
本当の最後に二人を見掛けたのは、出発した車の車窓から振り返って自分が遠ざかってもいつまでも手を振り続ける姿。
その後も幾度かメールでもやり取りも続けたが、中学に入学すると勉強や部活動で何かと忙しくなる。1年も経たないうちに次第に音信が途絶えてしまうのだった。
◇◇◇◇◇
過去の映像が脳裏に蘇って、立ち止まったままの美鈴の耳に風紀委員長の声が届く。
「全員、ご苦労だった。今からこの場で発生した乱闘騒ぎに関する事情を聴取する」
その声にハッとして現実に戻ってきた美鈴、だが涙が霞むその目は依然として長身の男子生徒に向けられたまま。
彼の口が小さく動く。
「美鈴…」
声は聞こえない。だが涙の向こう側でその口がハッキリと自分の名前を呼ぶように動く。
(覚えていてくれた)
美鈴の心の内に熱いものが込み上げてくる。それと同時にその瞳から大粒の涙が零れ落ちた。
(ダメ… これ以上聡史君を見ていたら、私、本当に大声で泣いちゃう…)
生徒会副会長の立場を美鈴は完全に見失っている。それほど突然目の前に現れた聡史の姿は彼女の感情に大きな衝撃を与えたよう。
もし会えたらこんなことを話そうとか、あんなことを聞いてみようと、聡史を思い出すたびに考えたこともある。だが今となってはそのすべてが無駄に終わりそう。
(嬉しすぎて、胸が苦しい)
美鈴は声も出せないまま、心の底から湧き上がる感情に今この場で直面している。それは到底理屈などでは語れない、世界の何もかもが引っ繰り返るような激しい感情の揺さぶり。
「副会長、手分けして事情を聴取する。私はあそこで正座をしている連中から話を聞くから、そこに突っ立っている男子から聴取してくれ」
「は、はい」
上手く働かない頭でかろうじて返事をすると、美鈴はゆっくりと聡史に近付いていく。聡史は美鈴を懐かしそうな表情で見つめたまま。
「美鈴、しばらくぶりだな。ずっと会えなかったが、すぐにわかったぞ」
「聡史君…」
自分に語り掛ける口調や眼差しの温かさ… 全部昔のままだと美鈴は感じている。全然変わっていない。だからこそ、それが嬉しい。
何か言いたい… でも、止め処なく流れて止まらない涙で声にならない。
「もうちょっと落ち着いてからゆっくり話をしよう。俺のアドレスは昔のままだから連絡してくれ。ああ、それから桜も一緒にこの学院に入学している」
聡史の知らせに美鈴は泣きじゃくりながら頷いた。
そこに…
「おーい、副会長、聴取は終わったか? 連中は訓練の一環で怪我をしたと言っているが、そちらはどうだ?」
風紀院長が美鈴と聡史が立っている場所にやってくる。だが美鈴がボロボロ涙を流している様子に風紀委員長は表情を変える。
「おい、そこの男子。なぜ事情聴取をしている副会長が泣いているのか私が理解できるように説明してもらおうか。事と次第によっては大問題になると覚悟しておけよ」
「え~と、それは大きな誤解です。俺と美鈴は小学校を卒業するまで隣に住んでいた幼馴染みで、偶然こんな場所で感動の対面を果たしたばっかりです」
疑惑の眼差しを向ける風紀委員長に対して、聡史は後ろめたいことはないと身の潔白を主張する。
「副会長、今の話は本当か?」
美鈴が頷く様子を見た風紀委員長はどうやら納得したよう。
「正座している連中は訓練の結果怪我をしたと言っている。君はどうなんだ?」
「もちろん俺が稽古をつけてやったんですよ。怪我といっても小手を軽く叩いただけですから、骨には異状ないはずです」
「12名を相手にして、ひとりで捻じ伏せたのか?」
「もちろんですよ。このくらい簡単にやってのけないと一人前の冒険者ではないですから」
聡史の主張は確かにもっともらしく聞こえる。12名を相手に簡単に勝つという部分を除けばだが…
「よし、事件性はないと判断する。全員部署に戻ってくれ。副会長は顔を洗ってから生徒会室に戻ったほうがいいぞ」
こうして風紀委員長の号令で美鈴を含めた委員全員は戻っていく。
かくしてトラブルはあったもののようやく自主練が開始される運びとなり、聡史は正座していたAクラスの生徒たちを解放してから軽く頼朝たちと剣を打ち合って、ひと汗かいてから寮に戻っていくのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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その姿を見た途端に彼女の動きが停まる。同時に無意識に右手を当てた口元から本人すら意識していない呟きが零れる。
「うそ… そんな、ま、まさか…」
美鈴自身何を口にしているのかわからない小声とともに、彼女の目からはとめどなく涙が溢れ出す。その涙は過去の懐かしくてまるで宝石のように心の中に煌めいていた淡い記憶を鮮明にフラッシュバックさせていく。
━━━ 今から3年少々前の3月、小学校の卒業式を終えて美鈴は旅立ちの日を迎えていた。彼女の父親の仕事の都合で一家揃って静岡へ引っ越しの当日を迎えている。
赤丸が記されたカレンダーを見つめながら今日という日が永遠に来ないように願っても、それは所詮叶わぬ夢。時の流れは容赦なく、あっという間に引っ越しの日がやってくる。
「美鈴、元気でな」
「美鈴ちゃん、いつでも遊びに来てよ」
これから出発しようと待機している車の前で、隣の家に住んでいる双子の兄妹が最後の別れの言葉を送ってくれる。
幼稚園から始まり、ついこの間卒業した小学校にも毎日三人で手を繋いで登校していた。学校から戻っても大抵どちらかの家に入り浸って、宿題をしたりゲームをしたり、おやつを一緒に食べたり、時には手が早い双子の妹に横取りされたり…
三人で他愛もなく笑い合う日々がずっと続くと思っていた。そのはずだと美鈴自身思い込みたかった。
だが突然の父親の転勤。転居先は父親の実家の近くであったため一家揃って引っ越しすることに決まる。
そしてついに迎えた別れの日。美鈴の目は止め処なく流れる涙で双子の顔がはっきりと見えない。泣きながらワンボックスの開け放たれたドアに俯むいて乗り込んでいく自分の姿。
車体に片足を掛けて振り返る。そして双子に最後に残した言葉…
「メールするから。絶対に毎日メールするから」
本当は双子の兄に対して違う言葉を告げようと心に決めていた。だが最後の最後になって勇気を出せなかった。あの時、あとちょっとの勇気があったら…
過去を振り返ってそんなことを思わなくもない。だがそれは子供時代の懐かしい思い出だと、しばらく後になってから美鈴なりに一つの区切りをつけている。
本当の最後に二人を見掛けたのは、出発した車の車窓から振り返って自分が遠ざかってもいつまでも手を振り続ける姿。
その後も幾度かメールでもやり取りも続けたが、中学に入学すると勉強や部活動で何かと忙しくなる。1年も経たないうちに次第に音信が途絶えてしまうのだった。
◇◇◇◇◇
過去の映像が脳裏に蘇って、立ち止まったままの美鈴の耳に風紀委員長の声が届く。
「全員、ご苦労だった。今からこの場で発生した乱闘騒ぎに関する事情を聴取する」
その声にハッとして現実に戻ってきた美鈴、だが涙が霞むその目は依然として長身の男子生徒に向けられたまま。
彼の口が小さく動く。
「美鈴…」
声は聞こえない。だが涙の向こう側でその口がハッキリと自分の名前を呼ぶように動く。
(覚えていてくれた)
美鈴の心の内に熱いものが込み上げてくる。それと同時にその瞳から大粒の涙が零れ落ちた。
(ダメ… これ以上聡史君を見ていたら、私、本当に大声で泣いちゃう…)
生徒会副会長の立場を美鈴は完全に見失っている。それほど突然目の前に現れた聡史の姿は彼女の感情に大きな衝撃を与えたよう。
もし会えたらこんなことを話そうとか、あんなことを聞いてみようと、聡史を思い出すたびに考えたこともある。だが今となってはそのすべてが無駄に終わりそう。
(嬉しすぎて、胸が苦しい)
美鈴は声も出せないまま、心の底から湧き上がる感情に今この場で直面している。それは到底理屈などでは語れない、世界の何もかもが引っ繰り返るような激しい感情の揺さぶり。
「副会長、手分けして事情を聴取する。私はあそこで正座をしている連中から話を聞くから、そこに突っ立っている男子から聴取してくれ」
「は、はい」
上手く働かない頭でかろうじて返事をすると、美鈴はゆっくりと聡史に近付いていく。聡史は美鈴を懐かしそうな表情で見つめたまま。
「美鈴、しばらくぶりだな。ずっと会えなかったが、すぐにわかったぞ」
「聡史君…」
自分に語り掛ける口調や眼差しの温かさ… 全部昔のままだと美鈴は感じている。全然変わっていない。だからこそ、それが嬉しい。
何か言いたい… でも、止め処なく流れて止まらない涙で声にならない。
「もうちょっと落ち着いてからゆっくり話をしよう。俺のアドレスは昔のままだから連絡してくれ。ああ、それから桜も一緒にこの学院に入学している」
聡史の知らせに美鈴は泣きじゃくりながら頷いた。
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風紀院長が美鈴と聡史が立っている場所にやってくる。だが美鈴がボロボロ涙を流している様子に風紀委員長は表情を変える。
「おい、そこの男子。なぜ事情聴取をしている副会長が泣いているのか私が理解できるように説明してもらおうか。事と次第によっては大問題になると覚悟しておけよ」
「え~と、それは大きな誤解です。俺と美鈴は小学校を卒業するまで隣に住んでいた幼馴染みで、偶然こんな場所で感動の対面を果たしたばっかりです」
疑惑の眼差しを向ける風紀委員長に対して、聡史は後ろめたいことはないと身の潔白を主張する。
「副会長、今の話は本当か?」
美鈴が頷く様子を見た風紀委員長はどうやら納得したよう。
「正座している連中は訓練の結果怪我をしたと言っている。君はどうなんだ?」
「もちろん俺が稽古をつけてやったんですよ。怪我といっても小手を軽く叩いただけですから、骨には異状ないはずです」
「12名を相手にして、ひとりで捻じ伏せたのか?」
「もちろんですよ。このくらい簡単にやってのけないと一人前の冒険者ではないですから」
聡史の主張は確かにもっともらしく聞こえる。12名を相手に簡単に勝つという部分を除けばだが…
「よし、事件性はないと判断する。全員部署に戻ってくれ。副会長は顔を洗ってから生徒会室に戻ったほうがいいぞ」
こうして風紀委員長の号令で美鈴を含めた委員全員は戻っていく。
かくしてトラブルはあったもののようやく自主練が開始される運びとなり、聡史は正座していたAクラスの生徒たちを解放してから軽く頼朝たちと剣を打ち合って、ひと汗かいてから寮に戻っていくのだった。
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