異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節

文字の大きさ
16 / 131

第16話 それぞれが抱える課題

しおりを挟む
 魔法の練習を終えて、聡史と美鈴は地下から出てくる。


「地下にいたから、日差しが強く感じるわね」

「もうすぐ真夏だからな」

「それにしてもこれからずっと聡史君と一緒に魔法の練習ができるなんてなんだか夢みたいな話よね。しかも今日一日でビックリするほど高度な魔法理論がわかったし」

「これからも能力向上第一でビシビシやるからな」

 口ではそういうものの、ついさっきまで美鈴に抱き着かれていた聡史はこれはこれで内心ドキドキだったりする。ついつい緩んでしまいがちな顔を懸命に引き締めて、表向きは何事もなかったで押し通すつもりのよう。


 二人で学生食堂の入り口で待っていると、グラウンドの方向からこちらに向かってくる桜と明日香ちゃんの姿が目に入る。


「あら、桜ちゃんたちも来たようね」

「そ、そうだな」

 聡史は務めて冷静に振舞おうとするあまりにセリフがやや棒読みに。美鈴が抱き着いてきた感触を今頃脳内メモリーに保存しているせいなのだろうか。

 それよりも聡史の事前の予想とは違って、意外と明日香ちゃんは元気そうな雰囲気。だが…


「お兄さん、美鈴さん、聞いてくださいよ~。桜ちゃんに死ぬほど追い詰められて倒れるとそのたびに苦い液体を飲まされて、また死にそうになっての繰り返しなんです。おかげでまだ舌が苦さで痺れていますよ~」

 聡史には心当たりがある。桜の訓練においては相手を徹底的に追い詰めて死にそうになるとポーションを飲ませて再びシゴくの繰り返しが当然のスタイル。ビリー隊長のブートキャンプが延々と続く無間地獄のような超スパルタ訓練を明日香ちゃんはこの2時間身をもって経験したのであろう。


「明日香ちゃんも飲んだの? スポーツドリンクで薄めてあるとはいえ酷い味だったわね」

「美鈴さん、その意見はとんでもなく甘いですよ~。ハチミツに砂糖をまぶしたよりも甘いです。何がスポーツドリンクですか、私は原液ですよ! げ・ん・え・き! 意識朦朧としているところに鼻を摘ままれてあの苦い液体を流し込まれる苦しさがわかりますか?」

 常日頃お花畑の住人のようなポワーンとした性格の明日香ちゃんが頬を紅潮させて一気に捲くし立てている。よほどの目に遭ったようで、やはり聡史が心の中で冥福を祈っていたのは無駄ではなかったみたい。

 聡史は祖父が孫を可愛がるような慈悲に溢れた目で明日香ちゃんを見て「また一人犠牲者が…」と呟いている。


「桜ちゃんはどんなトレーニングをしたのかしら?」

 美鈴は明日香ちゃんの申し立てる苦情はさらっとスルーして、桜に軽い興味本位で聞いてしまっている。ここまで沈黙を守っていた桜がここぞとばかりに身を乗り出す。


「美鈴ちゃん、明日香ちゃんが大袈裟なんですよ。一回や二回死にかけたところで大した問題ではありませんわ」

「それ、絶対に問題あるから」

 聡史はここ大事とばかりに声を上げる。だがその声を飲み込む如くに、明日香ちゃんは涙目で訴えてくる。


「桜ちゃんは、オニです! 悪魔です! 地獄の閻魔様です!」

 なんとなく美鈴は察してしまったよう。自分は巻き込まれないように予防線を張ろうと決意した目で聡史を見る。


「わ、私は聡史君との魔法の練習が忙しいから、桜ちゃんは明日香ちゃんと仲良くやってね」

「美鈴ちゃん、その気になったらいつでも声を掛けてくださいね。お待ちしておりますわ」

 絶対声なんか掛けない! むしろ実技実習の時間に限って桜には近づきたくもないと美鈴は背筋が凍る思いを感じながら首をブンブン横に振っている。


「お兄さん、どうか私も一緒に魔法の練習に加えてください」

 懸命に逃げを打つ明日香ちゃんだが、簡単に獲物を逃がす桜ではない。


「明日香ちゃん、私と一緒に訓練すれば夕食はデザートを2品おごりますわ」

 ピクッ

 明日香ちゃんは「デザート」というフレーズに敏感に反応するが、まだ辛うじて理性で持ち堪えている。


「桜ちゃん、私はデザートでつられるような安い人間ではありませんよ~」

「よく考えてくださいね、明日香ちゃん。訓練で大量のカロリーを消費すれば、太る心配なしでデザート食べ放題なんですよ」

 ガシッ

 明日香ちゃんは桜の地獄の甘言に陥落している。騙されているとも知らないで力強く桜の手を握っている。


「桜ちゃん、デザートのために頑張りましょう」

「ド安目の人間だろうがぁぁ!」

 聡史のツッコミなどどこ吹く風で、桜と明日香ちゃんは熱く友情を確かめ合っている。騙されているとも知らないで…

 一応明日香ちゃんも納得して落ち着いたようなので、ひとまず美鈴はこの場を収集しようと…


「こんな場所でしゃべっていても仕方ないから食堂に入りましょう」

「美鈴ちゃん、そうでしたわ。さっきからお腹がペコペコですの」

 美鈴の言葉に桜はハッとしたような表情で食堂に向かって突進を開始。人が溢れている入り口にも拘わらず、その波をすり抜けるが如くの見事な体捌きであっという間に食堂の中に姿を消す。

 テーブルに着くと四人が思い思いのメニューを選んで、ひと時だけゆっくりできる食事時間が始まる。

 桜は相変わらず大量の食事を二枚のトレーに乗せて席に持ち込んでおり、脇目も振らずに昼食に集中している。対して明日香ちゃんは普段よりも控えめな量をあまり食欲がない様子で口に運ぶ。疲労は回復しても胃が食べ物を受け付けないらしい。

 桜が黙って食べているのを好機と感じて聡史が口を開く。美鈴と明日香ちゃんに関してちょっと気になっている件があったのだ。


「美鈴と明日香ちゃんはステータスレベルが低い気がするんだけど、あまりダンジョンには入っていないのか?」

「ああ、その件ね。私もレベルを上げたいのは山々なんだけど、パーティーを組んでくれる人がいないのよ」

「お兄さん、私も美鈴さんと一緒ですよ~」

 美鈴と明日香ちゃんから同じ回答を得て聡史は不思議そうな顔をしている。二人の発言に色々と疑問が湧いてきたよう。


「パーティーを組まないとダンジョンに入れないのか?」

「ええ、自由課題の時間にダンジョンに入るには最低でも四人以上のパーティーを組まないといけない規則があるの」

「そうなんですよねぇ~」

 美鈴の言葉を聞いて明日香ちゃんがため息をついている。パーティーに関して何か困り事があるよう。


「パーティーは簡単に組めないのか?」

 編入してまだ2日目の聡史はその辺の事情に疎い。だがこの聡史の言葉で美鈴の表情が暗く沈み込む。


「パーティーを組んでダンジョンに入ったとしても、私は生徒会の仕事があるでしょう。3時になったら生徒会室に向かわないといけないのよ。途中で帰ってしまう人間とパーティーを組みたがる人がいると思う?」

 美鈴の話にあるように、午後の自由課題も生徒が自由に取り組むプログラムである。専門実技演習との違いは校外での活動も認められる点。つまり学院に隣接しているダンジョンに入ることも可能となる。そしてほとんどの生徒は実際にダンジョン内で活動をしている。

 午後からダンジョンに入った生徒たちは、帰りのホームルームはパスして放課後もダンジョンを探索する場合がほとんど。途中で戻ってしまうとわかっている美鈴をわざわざパーティーに迎え入れるメリットはどこにも存在していない。

 ここには生徒のために仕事をしている生徒会役員がパーティーを組む際に冷遇されてしまうという矛盾が生じている。その辺の救済措置として学年を超えて生徒会役員でパーティーを組むのも可という規則があるのだが、夏休みになるまでは仕事が忙しすぎてそのような余裕はなかった。


「美鈴は苦労しているんだな」

 聡史は同情が籠った眼差しを美鈴に向けてから、次に明日香ちゃんを見る。自分の出番がきた明日香ちゃんはなぜか胸を張って待機している。


「明日香ちゃんはパーティーを組めない理由があるのか?」

「フフフ、兄殿、よくぞ聞いてくれたな。私はEクラス最弱の存在!」

「あ~」(察し)

 Eクラスでビリということは明日香ちゃんはこの学年でビリということ。世の中にはトップがいればビリもいる。それこそが世の常であろう。

 明日香ちゃんは誰かが欠席して人数が足りなくなった時以外はどこのパーティーからも声を掛けてもらえなかった。

 こんな話をしているところで、タイミングよく桜が食事を終える。箸を置くと聡史に向かって思いをぶちまける。


「お兄様、明日香ちゃんの実態をご理解していただけましたか? このままでは進級も難しいレベルですわ。ですから私が心を大悪魔にして鍛えようというわけです」

 だがこのような桜の意見に対して、明日香ちゃんが反論を試みる。


「桜ちゃん、私だって魔法少女になるために色々と努力しているんですよ~」

「おやおや、どのような努力でしょうか?」

「魔法少女といえば、やっぱり放課後のお茶会ですよね。積極的にお茶とオヤツを口にするようにしています」

 ピクッ

 聡史、桜、美鈴、三人のこめかみが一瞬動く。


「それから衣装にもこだわっていますよ~。私服はいつもフリフリがいっぱい飾ってある服を選んでいます」

 ピクピクッ

 三人のこめかみが再度動く。


「ダメ押しに自由課題の時間はヒマなので、図書館で魔法少女のマンガを読んでいますよ~」

「ビリに決まっているでしょうがぁぁ」

「ニートだ! 学園ニートが、ここにいる」

「生徒会としてボッチの対策を真剣に考えなくては…」

 桜が声を荒げ、聡史が天を仰ぎ、美鈴がテーブルに突っ伏している。あまりの明日香ちゃんの仰天告白に魂が口から抜けかかった三人だが、真っ先に桜が再始動する。


「明日香ちゃんの恐るべき実態が判明しましたが、私はこの程度ではメゲませんわ」

「桜、一体どうするつもりだ?」

「お兄様、私に考えがございます」

 聡史の胸中に一抹の不安が去来する。桜がこんな顔をしている時は、大概周囲を巻き込んで大変な目に遭わせるのだ。


「美鈴ちゃん、明日香ちゃん、この場は私が一肌脱ぎましょう。今日の午後はここにいる四人でダンジョンに突撃いたします」

「唐突すぎるだろうがぁぁ!」

 聡史の意見などさらっと聞き流して桜は続ける。


「経験値は一緒にいるパーティーで平等に配分されますわね。私とお兄様は当分経験値など必要ありませんから、スキルで獲得経験値をカットいたします。お二人で経験値山分けですよ」

 桜は食事をしながらも話題がダンジョンになった気配を察していた。ひとたびダンジョンというフレーズが耳に入ると、ひと暴れしたいという欲求が疼き始めていた。自らの欲求を満たしながら美鈴と明日香ちゃんの問題を解決する方策を秘かに考えていたのだ。

 食事に集中するフリをしながら、この娘はどのようにこのメンバーをダンジョン探索に引き込むかを算段していた。甘い言葉で誘って美鈴と明日香ちゃんの賛成を得ようと企んでいる。


「桜、東先生が『今週は授業に集中しろ』と言っていただろう」

「お兄様も甘いですわ。要はバレなければよいのです」

「はあ?」

「お兄様、もう一度よくお聞きくださいませ。世の中の悪事の大半はバレなければ犯罪ではないのですわ」

「どこの悪代官だぁ!」

 聡史はあまりの発言に耳を疑っているが、美鈴と明日香ちゃんはその表情からして、桜による扇動にノセられている様子。ダンジョンに入れるばかりか経験値が優遇されるなど、これだけオイシイ話を聞かされたら気持ちがグラつくのは当然。それこそが桜の思う壺。


「桜ちゃん、とっても魅力的な提案ね」

「私も早くレベルを上げたいですよ~」

 だが二人ともとあることに気が付いた。


「桜ちゃん、装備を準備していなかったわ。寮に戻って今から支度を整えると30分くらいかかりそうなのよ」

「私もですよ~」

 美鈴は生徒会の仕事があるのでタイムリミットは精々引き延ばしても15時半まで。間もなく13時に差し掛かろうというところで、このロスは大きい。だが桜は平然としている。


「装備など必要ありませんわ。私とお兄様がいればお二人には何の危険もありませんから、どうかご安心ください。さあ、お兄様、このままダンジョンへ向かいますわ」

「聡史君、桜ちゃんの自信はどこから来るのかしら?」

「お兄さん、桜ちゃんがこんな態度をとる時は、私の経験からいって碌な目に遭いませんよ~」

 美鈴と明日香ちゃんが聡史に縋り付くような表情を向ける。桜を押し留めるのは不可能と判断した聡史には二人の不安を取り除くしか道は残されていなかった。


「安心していい。いざとなったら、俺が何とかするから」

 こうして桜に押し切られるようにして、四人は学院に隣接する大山ダンジョンへと向かうのだった。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「面白かった」

「続きが気になる」

「早く投稿して!」

と感じていただいた方は是非とも【お気に入り登録】や【いいねボタン】などをポチッとしていただくと作者のモチベーションに繋がります! 皆様の応援を心よりお待ちしております。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。

名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

迷宮アドバイザーと歩む現代ダンジョン探索記~ブラック会社を辞めた俺だが可愛い後輩や美人元上司と共にハクスラに勤しんでます

秋月静流
ファンタジー
俺、臥龍臼汰(27歳・独身)はある日自宅の裏山に突如できた洞窟を見つける。 語り掛けてきたアドバイザーとやらが言うにはそこは何とダンジョン!? で、探索の報酬としてどんな望みも叶えてくれるらしい。 ならば俺の願いは決まっている。 よくある強力無比なスキルや魔法? 使い切れぬ莫大な財産? 否! 俺が望んだのは「君の様なアドバイザーにず~~~~~っとサポートして欲しい!」という願望。 万全なサポートを受けながらダンジョン探索にのめり込む日々だったのだが…何故か元居た会社の後輩や上司が訪ねて来て… チート風味の現代ダンジョン探索記。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

処理中です...