異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節

文字の大きさ
67 / 131

第67話 深部攻略 4

しおりを挟む
 16階層に降りてきた聡史たち。この階層の特徴を一言で言い表すならば、爬虫類階層というネーミングがピッタリ。登場してくる魔物たちは恰もデパートで時々催される大爬虫類展のような趣がある。

 最初に登場したのは、緑色の体をウネウネとくねらせて通路を進むグリーンバイバー。体長5メートルにも及ぶ長い体で獲物に巻きつく他、その牙には大型の哺乳類でも数秒で死に至らしめる強力な毒を秘めている。しかも口から常に紫色の毒の息を吐き出しており、接近するだけで猛毒が体に回ってしまう可能性がある厄介な相手といえよう。

 だが…


「いや~! ヘビ嫌い~!」

 美鈴の右手から反射的にダークフレイムが放れる。彼女は子供の頃から大のヘビ嫌い。主にその理由は、桜が近所の田んぼで捕まえてきたヘビをわざわざ美鈴に見せつけたおかげ。子供の頃から怖いものなしの桜に美鈴はヘビ嫌いというトラウマを植え付けられていたという過去がある。

 とはいうものの、ヘビ嫌いな美鈴のおかげで危険なグリーンバイパーは漆黒の炎に包まれてのた打ち回りながら消し炭になっていく。燃え残った跡には緑色のヘビ革が落ちている。ハンドバッグにすれば裕福なご婦人方のコレクションとして人気が出るに違いない。


 次に現れたのは大トカゲ。コモドドラゴンをもう一回りスケールアップしたような体長5メートルを超えるトカゲ型の魔物で、ジャイアントリザードと異世界では命名されている。こちらも牙に毒があって、噛みつかれると迅速な解毒が行われなければ命に関わる。大口を開いてこちらを威嚇するジャイアントリザードだが…


「アイスアロー!」

 聡史が瞬時に放った氷の矢はその開いた口の中に向かっており、文字通りジャイアントリザードの体を串刺しにしていく。こちらも魔法の一撃で片が付いてしまう。

 その後、ブラックアリゲーターといったワニの仲間やブラックアナコンダという10メートルを超える大蛇などを倒しながらパーティーは通路を突き進んでいく。その途中で美鈴、明日香ちゃん、カレンの3人は再三レベルアップを繰り返して、ついには全員レベル30を超える。

 昨日ダンジョンに入る前から各々が4~5ランク上昇しているのは、いかに下の階層で得られる経験値が高いかという事実を物語っている。


「凄いですねぇ。あっという間にレベル30を超えるなんて、なんだか信じられませんよ~」

「明日香ちゃんの言う通りね。学院に在学中にここまでレベルが上がるなんて思ってもみなかったわ」

「本当ですね。聡史さんと桜ちゃんに出会ったおかげです」

 明日香ちゃん、美鈴、カレンの3人が目を丸くしていると同時に、兄妹に向かって感謝をしている。クラスメートたちと比較してもすでに3倍のレベルに達するなどという出来事が彼女たちには中々現実として受け止められないよう。


 続く17階層も爬虫類のオンパレードが展開されていく。こちらの階層も特に何事もなく通過して18階層へ降りていく階段を発見したところで、ようやく休息に入る。すでに時間は夜の9時を経過しており、ここまで昼食以外にさしたる休みも取らずに強行軍で進んできただけに、女子3人には疲労の色が濃くなってきた頃合い。

 階段に最も近いセーフティーゾーンで食事を取ってから2泊目の一夜を明かしていくのであった。




   ◇◇◇◇◇




 翌朝、時間の制約もあるのでここから先に進むか、それとも引き返すか相談しながら朝食を取る。


「学院に提出した届は今日の19時までには戻ると記入したからな。そろそろ上に引き返すことも視野に入れないと時間内には戻れなくなるぞ」

「お兄様、止むを得ない事情で時間までに戻れないケースもありますわ。心配を掛ける可能性はありますが、ここまで来たら20階層を目指すべきです」

 結局桜の強引さが勝って、このまま午前中いっぱいは下に降りていこうという結論に達する。


 ということで、一行は18階層に降り立つ。この階層は節足動物の宝庫と言える階層で、サソリやクモの仲間の魔物が不気味な姿を現してくる。しかもほとんどの魔物が毒を持っているので、中々タチが悪い階層といえる。時にはカマキリ型の魔物が4本ある鎌を振り下ろしながら迫ってくることもあり、美鈴の右手が次々に火を噴いては手早く倒していく。

 19階層も同様な魔物は登場してくるので討伐は捗って、午前10時を回らないうちについに目標であった20階層へと降り立つ。だが…


「はぁ~… なんだか来るんじゃなかったですねぇ~」

 明日香ちゃんは大きなため息をついている。その理由は、またもやアンデッド階層だったからに他ならない。

 しかも下級のゾンビなどは一切登場せずに、ダークスケルトンやスケルトンナイト、時には実体のない幽霊のようなレイスなど、神聖魔法でないと倒せない厄介な相手が通路に出てくる。これだけレベルの高いアンデッドが次々登場となると、並みのパーティーではまったく歯が立たない。とはいえ…


「うう、幽霊よりはマシですが、ホネのお化けも怖いですよ~」

 と言いながら、明日香ちゃんはトライデントを振るっている。相手は鎧姿のスケルトンナイトで剣と楯を巧みに操っては明日香ちゃんの槍を撥ね返してくる。最初のうちは死者とは思えない魔物の剣の扱いに苦戦していた明日香ちゃんだが、ある時を境にして俄然優位に立てるようになってくる。

 その原因はついに槍術スキルがレベル5に上昇したおかげにある。初めてトライデントを手にしてからわずか2月半でここまで到達するとは、学年最下位でクラスのお荷物だったあの頃とは見違えるような進歩。凄いぞ、明日香ちゃん! 本当はやればできる子だ。

 明日香ちゃんの神槍がスケルトンナイトの頭蓋骨に突き刺さる。槍からは聖なる魔力が放出されて、魔物は浄化されて消え去っていく。


「聖光(ホーリーライト)」

 実体がないレイス相手にはカレンの神聖魔法が大活躍をする。あっという間にレイスを浄化しては、周辺の淀んだ空気まで新鮮な物へと変化させていく。


 通路に湧き上がるアンデッドを討伐しながら、パーティーはついに20階層のボス部屋まで到達。

 だがピッタリ閉じた扉のわずかな隙間から漏れ出してくる瘴気から考えると、この内部には相当強力なアンデッドが潜んでいるのは間違いなさそう。


「さて、思案のしどころだな。このまま内部に踏み込むか、それともボス部屋を確認したところで引き返すかだ」

「お兄様、何を眠たい事を言っているんですか! この場は突撃あるのみですわ」

「桜ちゃん、中にはお化けの親分がいますよ~。絶対いますよ~」

 突撃を主張する桜と尻込みする明日香ちゃんだが、声が大きい者の意見に周囲が流されるのはままある事。結局ボス部屋を攻略してから引き返そうという意見でまとまる。


「カレン、頼りにしているぞ。それから美鈴は闇魔法は使用するなよ。アンデッドに魔力を供給しかねないからな」

「ええ、わかったわ」

 アンデッドは闇属性で、闇魔法に耐性があるだけではなくて闇の魔力を自らの力に変えてしまう強者も存在する。美鈴の切り札がこの場合は逆効果になりうるので、聡史は使用を禁止している。

 立ちはだかる扉を押し広げて内部に足を踏み入れると、最奥の一段高くなっている壇上には豪奢な椅子に腰掛けている黒い影。薄暗くて影の正体は入り口からではわからないが、更に中に足を運ぶと黒いローブをまとった魔法使いのような姿がそこにはある

 だがその影は生きている魔法使いではないのが一目瞭然。一見豪華な刺繍や飾りのモールがあしらわれたローブは長い年月の果てに痛みが進んであちこちが擦り切れており、見るからにボロボロ。

 それだけでなくて、ローブをまとう本体も骸骨に皮膚だけが張り付いたようなミイラを思わせる風貌で、落ち窪んだ眼窩にはすでに眼球は存在せず、ただただ赤い光を宿しているだけという有様。ローブに隠れている体も痩せ衰えて、おそらくは骨と皮だけの様相であろう。


「リッチのお出ましか」

 聡史の呟き通り、玉座を思わせる豪奢な椅子に腰を下ろしているのは高名な魔法使いが死してなおその妄執ゆえに現世に未練を残して留まるアンデッド。


「聡史君、リッチというのは初めて聞くんだけど、どんな魔物なのかしら?」

「強力な魔法使いがアンデッドになった魔物だ。魔法攻撃には用心しろ」

「わかったわ。私の闇魔法は効果がないから、魔法シールドを展開するわね」

「頼んだぞ」

 こうして聡史たちは、玉座に佇むリッチに向かって一歩一歩足を進めていく。ある程度の距離まで接近すると、突然リッチが立ち上がる。おそらく魔法が届く距離に入り込んだという証であろう。

 リッチの骨だけになった右手が徐々に掲げられて、伸ばした人差し指の先から炎が噴き出してくる。パッと見ではその威力は美鈴のダークフレイムに匹敵する闇の炎。


「こんなものは、桜様には効きませんわ」

 だがパーティーの最前線に仁王立ちしている桜は両手から夥しい数の衝撃波を飛ばしては、リッチが放つ炎を片っ端から消し去っていく。さらに炎を全て消し去ってからは、オマケの1発が桜の手から…


「大極破ぁぁ!」

 ゴオォォォォ!

 ズガガガガーーン!

 リッチは咄嗟に魔法シールドを展開したようだが、桜の大極破の前には強風に晒される障子紙も同然。シールドを突き破った大極破はそのままリッチに直撃してその体を粉々に砕いていく。

 だが…


「やぱり再生するのか」

 聡史に呟き通りに、粉々になったリッチの体は徐々に元の姿を取り戻していく。


「カレン、1発お見舞いしてやるんだ」

「はい」

 満を持してカレンが登場する。どうやらこれまでとは打って変わって一段階上の神聖魔法を放つ構えのよう。


「ホーリーアロー」

 カレンの手からは白い光の矢がリッチに向かって飛翔する。

 ドガガガーン!

 煌めく光とともに生じる大爆発、これならば仕留めたかと一同が光と煙が晴れるのを待つ。だが…


「まだ復活するの?!」

 さすがにこのしぶとさには美鈴も呆れた目を向けている。


「カレンさんの神聖魔法でも討伐できないとなると、さらに強い聖なる力をぶつけないといけませんね」

 桜が見遣る先には、美鈴の陰に隠れて幽霊怖さに体を震わせている明日香ちゃんの姿が… だが用があるのは明日香ちゃんではない。明日香ちゃんが手にするトライデントこそが、桜の言うさらに強い力に他ならない。


「明日香ちゃん、借りますわ」

 桜は明日香ちゃんの手から引っ手繰るようにトライデントを奪う。ご主人から引き離されたトライデントは「あ~れ~! なんとご無体なぁぁぁ!」と声にならない声を上げているが、元々桜にもダンジョンの宝箱から救い出してもらった恩があって逆らえなかった模様。


「そりゃぁぁぁぁ!」

 気合一閃、桜は復活したリッチ目掛けてトライデントを思いっ切り投げつける。やめて~! と悲鳴を上げるトライデントは狙いを過たずにリッチの両目を貫いただけではなくて、その勢いのままにリッチの体を後方に飛ばして壁に縫い付ける。

 哀れリッチは宙ぶらりんの姿でトライデントによって壁に吊るされている。

 ウギャアァァァァァァ!

 声にならないリッチの苦しみの波動がフロアーに響くが、トライデントの聖なる力によってその体は次第にボロボロと崩れていく。まとっていたローブも長い年月の経過が一気に訪れたかのように形が崩れてボロ布のように床に落ちる。


「あれがリッチのコアだな」

 聡史の目は、心臓の位置に赤く光る魔石を発見している。


「桜、今一度鬼斬りを貸してくれ」

「どうぞ、お兄様」

 桜から手渡された鬼斬りを手にして、聡史は一気に駆け出していく。


「貴様が本来いるべき地の底に堕ちていけ」

 段差を駆け上がった聡史は、手にする鬼斬りでリッチのコアを貫く。


 その瞬間、リッチの体は空気に溶けるかのように消え去って跡形もなくなっている。代わりにリッチが立っていた場所には宝箱と魔法陣が出現。


「お兄様、この魔法陣は何処へと通じているのでしょうか?」

「中に飛び込んでみないと何とも言えないな。可能性があるとすれば他の階層へワープできる魔法陣かな」

「仮にそうでしたら、1階層まで一気に戻れますね」

「宝箱を開けてから試してみようか」

 フロアーに出現した宝箱の中からは5色の魔石が取り付けられているマジックリングが出てくる。おそらく千里が指に嵌めている炎の指輪と同様の効果があると思われる。火、水、風、土、雷の各属性魔法を容易に発動できるであろう。マジックアイテムとしてはかなり重宝しそう。

 こうして宝箱の回収が終わると、残すは謎の魔法陣のみとなる。意を決して五人が内部に足を踏み入れると、陣全体が光に包まれる。そして光が止むと…


「どうやらここは、1階層のようですね」

 予想通りに各階層をワープできる魔法陣だったよう。しかも1階層の入り口近くに出現しており、これから先この魔法陣を有効に活用すれば手軽に深い階層まで進むことが可能となる。今までのように帰りの時間を計算せずに魔物の討伐に臨めるとあって、ダンジョン攻略が格段に容易となるのは間違いなさそう。


 現在時刻は午後1時半、聡史たちは魔法陣のおかげで予定を大幅に繰り上げて帰還する。各階層の特性や新たに出来上がった階層移動可能な魔法陣の説明などを管理事務所で行ってから、学院に戻っていく聡史たちであった。



     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「面白かった」

「続きが気になる」

「早く投稿して!」

と感じていただいた方は是非とも【お気に入り登録】や【いいねボタン】などをポチッとしていただくと作者のモチベーションに繋がります! いいねボタンにつきましては連打してもらえると大喜びしますのでどうぞよろしくお願いいたします。皆様の応援を心よりお待ちしております。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。

名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

迷宮アドバイザーと歩む現代ダンジョン探索記~ブラック会社を辞めた俺だが可愛い後輩や美人元上司と共にハクスラに勤しんでます

秋月静流
ファンタジー
俺、臥龍臼汰(27歳・独身)はある日自宅の裏山に突如できた洞窟を見つける。 語り掛けてきたアドバイザーとやらが言うにはそこは何とダンジョン!? で、探索の報酬としてどんな望みも叶えてくれるらしい。 ならば俺の願いは決まっている。 よくある強力無比なスキルや魔法? 使い切れぬ莫大な財産? 否! 俺が望んだのは「君の様なアドバイザーにず~~~~~っとサポートして欲しい!」という願望。 万全なサポートを受けながらダンジョン探索にのめり込む日々だったのだが…何故か元居た会社の後輩や上司が訪ねて来て… チート風味の現代ダンジョン探索記。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

処理中です...