マドンナからの愛と恋

山田森湖

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光の中で目覚めた朝

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光の中で目覚めた朝

おれ、コウジは34歳の会社員。
街コンで、同じ高校・同じ水泳部だったレナと再会した。
当時、彼女はマドンナ的な存在だったが、今は少しぽっちゃりとした体型になっていた。

そんなレナと一緒にウォーキングを始めたのがきっかけで、週に一度会うようになった。さらに一緒に水泳も始めて、俺たちはどんどん距離を縮めていった。

そしてある日、「星が降る丘」でおれは告白した。
その夜、ホテルで一夜を共にした。

窓から差し込む陽の光で目が覚める。知らない天井。——そうだ、レナと一つになったんだ。
隣には裸のレナが、すやすやと眠っていた。

高校の頃、あんなに憧れていた彼女が、今こうしておれの隣で眠っているなんて。当時からは考えられないことだ。
堪らず、おれは彼女の頬にそっとキスをした。

「ん……あっ、コウジ。おはよう」
「あっ、お、おはよう。起こしちゃった?」
「何かしたの?」
「いや、なんでもないよ。おはよう」
「昨日は……ありがとう。嬉しかった」

布団にくるまるレナが、可愛かった。
時計を見ると、すでに10時を過ぎていた。いつ寝たのか、正直よく覚えていない。

お風呂に入り、ホテルをあとにする。
帰りはわざと高速を使わず、下道でゆっくりと帰った。途中で気まぐれに見つけたお店にも立ち寄った。
二人、手をつなぎ、笑い合いながら過ごす時間が、ただただ幸せだった。

その夜も、レナの家で一緒に夕飯を食べた。
テレビを観ながら、お酒を飲みながら、何気ない時間が心地いい。
レナの笑顔を見ているだけで、胸が温かくなる。

付き合い始めてからは、ウォーキングやプールのあとのお弁当はなくなった。
その代わり、お互いの家で一緒にご飯を食べるようになった。

日曜日には、一緒に買い物にも行くようになった。
腕を組んでカートを押しながら、

「コウジの家さ、醤油、減ってなかった?」
「そうだっけ? ごま油は?」
「それもなかったかもね」

そんな他愛もない会話に、自然と生活が溶け込んでいく。
おれは、レナの細やかな気遣いが心地よかった。

付き合って、半年が過ぎたある日。
レナから、メッセージが届いた。

「今日さ、何時に帰る?相談があるんだ」

仕事中にそんなメッセージが来たのは初めてだった。
少しだけ、胸がざわつく。

「たぶん定時で帰るよ」
「じゃあ、駅で待ってる」
「わかった」

絵文字もない短い文面に、どこか張りつめた空気を感じた。
おれの心配は、静かに膨らんでいく。

駅に着くと、レナが周りを気にしながら立っていた。

「ごめん、遅くなった」
「平気だよ。いきなりでごめんね。仕事は?」
「大丈夫、終わらせてきたから」
「……ありがとう」

どこか不安そうな顔のレナ。
そして、やたらと周囲を気にしている様子が、いつもの彼女とは違って見えた。

「……あのさ、ちょっと相談があるんだ」
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