マドンナからの愛と恋

山田森湖

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私たち、ちゃんと向き合えてる?

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私たち、ちゃんと向き合えてる?

おれ、コウジ。38歳の会社員。
街コンで、同じ高校・同じ水泳部だったレナと再会した。
当時、彼女はマドンナ的な存在。でも今は少しぽっちゃりしていて──それでも、可愛さは変わっていなかった。

それがきっかけで、レナと週に一度ウォーキングを始めた。やがて一緒にプールにも通うようになり、自然と距離が縮まっていった。
そして俺たちは結婚し、レナは女の子──ユキを出産した。

ユキが生まれて半年が過ぎた頃、ウォーキングを再開することにした。
レナにとっては久しぶりの運動だったので、不安もあったようだ。

「大丈夫かな、長い距離、歩けるかな」
「ゆっくりいこうよ」

ユキを連れてのウォーキングということもあり、少し緊張していた。
久しぶりに見るレナのウォーキングウェア姿──やっぱり可愛い。

「これさ、ユキにも買ったんだ。可愛いでしょ」
「可愛いね。2人とも」
「もう、褒めても何も出ないんだからね」

今日のコースは、木々が多く、動物もいる自然豊かな場所。
街中とは違い、動く景色が多いので、ユキは純粋な目で一つ一つを追っている。
そういう姿を見て、こういう経験が大切なんだと感じた。

俺たちの会話も増え、ユキのことだけでなく、これからのことも話すようになった。
初めは息があがっていたレナも、日を重ねるごとに体力が戻ってきた。

そしてウォーキングを再開して3ヶ月が経ったころ──。

「コウジ、そろそろ仕事始めようかな」
「そうか、わかった。ユキは保育園に入れるの?」
「うん、この辺なら大丈夫だと思う」
「レナに任せるよ」

レナは、来年からの保育園探しと仕事探しを始めた。
理解のある職場でパートタイマーとして働くことになり、保育園も無事に決まった。

「また生活が変わるね」
「そうだよな。お互い、無理しないようにしよう。いつもお弁当も無理しないで。適当に食べるからさ」
「ありがとう、コウジ。私、何でも言うからね」
「うん、ユキのことを最優先でいいよ。俺も大人だから、大丈夫」

そんな会話の中、ユキがキャッキャッと笑っていた。
3人でぎゅっと抱き合いながら、新しい生活への第一歩を誓ったのだった。
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