曖昧な距離で愛している

山田森湖

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第18話「日常への回帰」

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第18話「日常への回帰」


火曜日の朝、私は軽い気持ちで目が覚めた。

拓海の寝顔を見る。

穏やかな顔。

私は彼の頬に、軽くキスをする。

拓海が目を覚ます。

「おはよう」

「おはよう」

二人で笑い合う。

拓海が出勤した後、私は健人にLINEを送った。

『健人、ありがとう。おかげで、自分の気持ちが整理できた』

しばらくして、健人から返信が来た。

『よかった。美咲、幸せになってね』

『健人も』

それが、健人との最後のやり取りになった。

午後、千晶から電話がかかってきた。

「美咲、聞いて!あの後輩とうまくいってるの!」

「よかったね」

「でしょ?毎日楽しいよ。美咲は?」

「私も、最近、いい感じ」

「本当?何があったの?」

「いろいろあってね。でも、今は、拓海と向き合えてる気がする」

「そっか。よかったね」

千晶の声が、温かい。

夕方、拓海から電話がかかってきた。

「今日、早く帰れそう」

「本当?」

「うん。一緒に夕飯食べよう」

「いいよ。何食べたい?」

「美咲の作るハンバーグ」

「分かった。作って待ってる」

電話を切って、私は買い物に出かける。

久しぶりに、料理を作るのが楽しみだ。

夜七時、拓海が帰ってきた。

「おかえり」

「ただいま。いい匂い」

「ハンバーグ、焼いてる」

拓海はキッチンに来て、私の後ろから抱きしめる。

「美咲、ありがとう」

「何が?」

「こうして、また一緒にいられること」

その言葉が、私を幸せにする。

夕飯を食べながら、二人で話す。

「今日、プロジェクトの打ち合わせがあった」

「どうだった?」

「大変そうだけど、やりがいはある」

「頑張ってね」

「美咲は?来週の案件、準備できてる?」

「まあまあ。でも、頑張る」

「応援してる」

拓海が笑う。

久しぶりに、お互いを応援し合っている気がする。

食後、二人でソファに座って、映画を見る。

ラブコメ。

主人公たちが恋に落ちる。

「私たちも、こんな時期あったよね」

「あったね」

「今は?」

「今は、もっといい」

拓海が私の手を握る。

「恋人じゃなくて、家族だから」

その言葉が、私の心に響く。

家族。

私たちは、家族なんだ。

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