曖昧な距離で愛している

山田森湖

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第19話「新しいスタート」

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第19話「新しいスタート」


水曜日、新しいプロジェクトが本格的に始まった。

チームメンバーは五人。

その中に、みなみもいる。

「おはようございます」

「おはよう。今日から頑張ろう」

みなみは笑顔で頷く。

午前中、キックオフミーティングを行った。

「このプロジェクトは、会社にとって重要な案件です。みんな、力を合わせて頑張りましょう」

俺の言葉に、メンバーたちが頷く。

みなみも、真剣な顔で聞いている。

午後、みなみと二人で資料を確認していた。

「田中さん、ここ、どう思いますか?」

「ああ、これはこうしたほうがいいかな」

仕事の話だけ。

プライベートな話は、もうしない。

でも、それでいい。

これが、俺たちの新しい関係だ。

夜、帰宅すると、美咲が笑顔で迎えてくれた。

「おかえり」

「ただいま」

「今日も大変だった?」

「まあね。でも、楽しい」

「そっか」

美咲が俺の鞄を受け取る。

「夕飯、できてるよ」

「ありがとう」

夕飯を食べながら、美咲が訊いてくる。

「その後輩の子、大丈夫?」

「うん。今は、ちゃんと仕事仲間として接してる」

「そっか」

美咲は少し安心したように笑う。

「美咲は?健人とは?」

「もう会ってない。LINEも終わった」

「そっか」

二人で見つめ合う。

「私たち、乗り越えたね」

「うん」

美咲が笑う。

その笑顔を見て、俺も笑顔になる。

その夜、ベッドに入る。

美咲が俺の腕の中に入ってくる。

「拓海」

「ん?」

「これから、どうしたい?」

「どうって?」

「私たちの関係」

俺は少し考える。

「恋人に戻ろうとするんじゃなくて、今の俺たちを大事にしたい」

「今の私たち?」

「うん。家族として、お互いを大事にする」

美咲は俺の胸に顔を埋める。

「それがいい」

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