明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉

文字の大きさ
179 / 181

179話

しおりを挟む
「はじめっ!!!」
その声と共に男は動いた。一気に踏み込むと同時に袈裟懸けの斬撃を放ってくる。それを、何とか避けつつナハトたちも攻撃に転じる。
しかし相手はそれよりも速かったようで、ナハトの攻撃はあっさりと弾かれてしまう。
今度は逆の斜め上から斬りつけてみるがこれも簡単に避けられてしまった。
その後も必死に食らいつくも全く当たらないという状況だった。

それから数十分ほど攻防を繰り返してナハトたちは理解していた。これは勝ち目がないということに。そしてエリスの父親はこう言った。
「これくらいの動きについて行けないとは、先が思いやられる。」
そう言い終わると同時にリヴァイアサンは大きく距離を取り、腰を落とし構えた。ナハトは何をするつもりだろうと疑問を持ったが、その時異変に気付いた。身体の自由が奪われている感覚があるのだ。

まるで金縛りにでもあったかのような感じである。しかしそんな様子のナハトを見た彼は嘲笑いながら声をかける。
「これが魔法だ。お前らは所詮剣を使って戦う人間に過ぎないんだよ」
彼は自分の持つ魔力を操り対象を動けなくするという魔法を使ったようだ。しかし、それでも尚ナハトたちには絶望感は生まれなかった。
それというのも、相手の力の強さが分からない以上、何とも言えないというのが現状であり、、ナハトたちは冷静になって打開策を考えていた。そんな中、不意にリヴァイアサンは自分の持っていた大太刀に視線を落とす。すると何かを思い出したように苦い顔をしてから舌打ちをした。
その後苛立ちながら口を開いた。
「まぁいい……今日の修行はこれぐらいにしとく」
そう言ってナハトたちを解いた後に帰っていった。

それを見送った二人はしばらく呆気に取られていたもののハッとし急いで彼の後を追った。
屋敷まで戻った時には、彼は既に門のところにいてこちらを見るなり話しかけてきた。
「あの娘は生き返ったようだな、良かったじゃないか。まぁ俺としてはあいつを殺し損ねたのはちと残念だが」
その言葉を聞いて、ナハトは確信に近いものを覚えた。そして同時に彼への警戒心を強めた。
だがその後すぐにある質問を投げかける。

「あなたにとって、彼女はどんな存在ですか?」
一瞬きょとんとした表情を見せたリヴァイアサンだったが、その後愉快そうに笑い出すと少し考える素振りを見せて答える。
「さあな?自分でもまだよく分からん。ただ……」
少し言葉を区切ると更に続ける。
「俺は昔、魔王軍に居たんだがな。あの女が来てからというもの退屈しなかったしそれなりに充実した日々だった。」

(元魔王軍とはな)
とカイトは思うのだった。
「それだけの理由なんですか……?」
ナハトは恐るおそるという風に聞いてみた。するとリヴァイアサンは笑みを浮かべて言う。
「ああそうだ」とはっきり答える。
続けてさらに意外なことを言い出した。
「それともう一つだけ頼みごとというかアドバイスみたいなもんがあるが、聞く気はあるかい?」
ナハトは正直迷っていた。

その話の内容が予想できないからこそ怖さもあるのだが、そんなことは関係ない。と、決心を決めて
「お願いします」
と答えた。
それを聞いたリヴァイアサンはまたも笑って話しはじめた。
「あんたらがもし、この世界で暮らしたいなら……冒険者になれ」
ナハトはその意図がわからなかったがカイトがすかさず問いかける。
「それはどういう意味でしょうか?」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。 そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。 カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。 やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。 魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。 これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。 エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。 第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。 旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。 ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
 病弱な僕は病院で息を引き取った  お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった  そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した  魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します

mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。 中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。 私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。 そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。 自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。 目の前に女神が現れて言う。 「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」 そう言われて私は首を傾げる。 「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」 そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。 神は書類を提示させてきて言う。 「これに書いてくれ」と言われて私は書く。 「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。 「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」 私は頷くと神は笑顔で言う。 「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。 ーーーーーーーーー 毎話1500文字程度目安に書きます。 たまに2000文字が出るかもです。

処理中です...