のほほん異世界暮らし

みなと劉

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217 昼食を木陰で

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市場での納品と行商人との談笑を終え、僕たちは帰路につく。真昼の陽射しは思った以上に強く、歩くたびに汗が滲んできた。シャズナは足取り軽やかに僕の隣を歩いているが、その毛並みも少し熱を帯びているようだ。こんなとき、涼しい場所で一息つきたいものだ。

少し歩いた先、見上げると大きな木陰が広がっている場所が目に入った。周囲には柔らかな草が茂り、風が吹くたびに葉のざわめきが涼やかに聞こえる。「ここで昼ご飯にしようか」と声をかけると、シャズナは耳をピクっと動かし、「にゃー」と返事をした。その鳴き声はまるで「わかったよ、いい場所だね」と言っているかのようだった。

リュックサックから昼食用のお弁当を取り出し、木陰に腰を下ろす。シャズナは僕の横で尻尾をゆるやかに揺らしながら、待ち遠しそうにしている。僕は笑いながら小皿にシャズナ用の食事を取り分け、「お待たせ」と差し出すと、シャズナは「にゃー」と一声上げてすぐに食べ始めた。その姿があまりに微笑ましく、僕の心も温かくなる。

風が頬を優しく撫で、木漏れ日が地面に踊るように揺れている中、僕も弁当の蓋を開けて一口頬張る。市場での新鮮な食材と手作りの味わいが口の中に広がり、少し疲れた身体に活力を与えてくれる。シャズナは食べるのが早く、もう食事を終えたようで、僕を見上げながら「にゃー」と鳴く。まるで「ありがとう」と言っているようなその声に、僕は「どういたしまして」と答え、頭を撫でる。

木陰の下での昼食は、ささやかながらも心が安らぐひとときだった。風の音、葉のささやき、遠くから聞こえる小鳥の鳴き声が、日常の喧騒から切り離された特別な時間を演出してくれる。シャズナは満足そうにその場に伏せ、目を細めてくつろいでいる。僕はその姿を眺めながら、静かに息をついた。

昼食を終えると、片付けを始める。シャズナもその様子を見て、手伝うように僕の周りをちょこちょこと動き回る。「ありがとう、シャズナ」と声をかけると、「にゃー」と再び短く鳴いて返事をしてくれた。その音は木陰の中で柔らかく響き、僕の胸の中で何かが満ちていくようだった。

すべてを片付けてリュックに収めると、僕たちは再び家路へと向かう。木陰から出ると、太陽の光がまた強く照りつけるが、心にはもう一つの木陰、安らぎの場所があるように感じられた。シャズナは横で元気よく歩きながら、しっぽを軽く揺らし、耳をピクピクと動かしながら道の先を見据えていた。その姿を見て、僕もまた一歩一歩を大切にしながら、家路までの帰路の続きを歩み始めた。

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