のほほん異世界暮らし

みなと劉

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昼過ぎにお弁当を食べる

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冬の柔らかな日差しが、薄く積もった雪の上に反射して穏やかな光を農場に届けていた。空気は冷たいけれど、無風のこの日は作業にはもってこいだ。僕は鍬を手に、土の中に眠る新しい命を育てる準備を進めていた。シャズナとルシファンも一緒だ。二匹は農場の周りを行ったり来たりしながら、僕の周囲を楽しそうに駆け回っている。

「お前たち、そんなにはしゃぐと疲れるぞ」
僕が声をかけると、ルシファンが軽く「ちち!」と返事をして足元に寄ってきた。彼はしばらく僕の靴の上でくるくると回り、再び跳ねるように走り去る。シャズナはというと、少し離れた雪の中に座り込み、農場全体を見渡しているようだ。なんだか見張り役をしているようにも見える。彼女らしい静かな優しさだな、と僕は微笑んだ。

畑の端に立つスコップを手に取り、僕は新しい畝を作る作業に取り掛かる。昨日の夜のうちに少し雪を取り除いておいたおかげで、地面は意外と柔らかかった。この冬に植える予定の作物を迎えるため、土を丁寧に耕していく。作業をしていると体がだんだん温まってきて、冷たい風もあまり気にならなくなる。

「もう少しで昼だな…」
空を見上げると太陽が少し傾き始めていた。時計を確認すると、思ったよりも時間が進んでいる。僕はスコップを置き、雪が積もらないように設置しておいた木製のベンチに向かった。今日はお弁当を用意してきたのだ。

「お前たち、昼ご飯だぞ!」
呼びかけると、ルシファンが雪の中から勢いよく飛び出してきた。彼はどこかで転がったのか、毛が少し雪だらけになっている。それをパタパタと払うと、「ちちっ」と軽く鳴き声をあげて催促してきた。シャズナもゆっくりと近づいてきて、僕の隣に腰を下ろした。彼女の瞳には「何を食べるの?」とでも言いたげな興味が伺える。

お弁当の包みを広げると、中には冬らしいおかずがぎっしりと詰まっていた。昨夜仕込んだ塩鮭のおにぎり、ほうれん草のおひたし、そして卵焼き。それに加えて、デザートとして雪室で保存しておいたみかんも用意している。
「さあ、食べようか」
僕が手を合わせると、シャズナとルシファンもそれぞれの席にちょこんと座り、じっと僕を見上げた。

ルシファンには特製のおやつを、シャズナには彼女好みの軽い魚のほぐし身を与える。彼らはそれぞれ夢中になって食べ始めた。僕もおにぎりを頬張ると、しっかりと染み込んだ塩味が疲れた体にじんわりと染み渡るような気がした。

冬の農場でこうして二匹と一緒に食事をする時間は、忙しい日常の中で特別なひとときだ。静かに流れる空気の中で、心がふっと軽くなるような感覚がある。

「さて、午後の作業も頑張らないとな」
僕が立ち上がると、ルシファンがピョンと跳ねて「ちっちっ!」と声を上げる。どうやら彼ももう準備万端らしい。シャズナはゆっくりと伸びをしてから僕に歩み寄り、「にゃあ」と短く鳴いた。

この冬の一日、シャズナとルシファンとともに過ごす時間は、どこか温かく、心にしっかりと刻まれるようなものだった。昼の休憩を終え、僕たちは再び農作業に向かう。雪に覆われた大地が、春の芽吹きを待っているかのように静かに横たわっていた。

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