のほほん異世界暮らし

みなと劉

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翌朝──。

まだ薄暗いうちから目を覚ました僕は、ほんの少し冷たい空気に肩をすくめながらキッチンのストーブに火を入れた。
パチパチと薪が弾ける音が心地よい。湯を沸かしながらパンを焼き、目玉焼きと軽い野菜スープを作っていると、やがて小さな足音が床をとん、とん、と近づいてくる。

「にゃぁ……」
「ぴぃ……」
「ちゅちゅっ」

リビングに続く暖かい空気に誘われて、シャズナ、リッキー、ルシファンがそれぞれの寝床からのそのそと顔を出す。
今日のシャズナは少しだけ毛が逆立っていて、いつもより寝癖がひどい。僕がふっと笑うと、ぷいっと顔をそらして座布団の上に丸くなった。

「おはよう、三匹とも。今日は雪が降るかもしれないってさ」
僕がそう言うと、シャズナの耳がぴくりと動き、ルシファンは一瞬こちらを見て、また毛繕いを始める。リッキーは窓辺に跳ねていき、鼻先でカーテンをめくった。

ちょうどそのときだった。カイルが欠伸まじりに部屋に入ってきた。
「……んー、もう焼けてる? パンの香り……って、ああ、幸せ」

「あとスープも出来てる。今、テーブルに運ぶよ」
そう答えると、カイルは満面の笑みを浮かべてコーヒーミルを引き寄せる。

「じゃあ、朝の一杯は僕が淹れよう。昨日焙煎したばかりのやつ、試してみたくてさ」

テーブルに並ぶ湯気と香ばしい匂い。ストーブの火のぬくもり。
三匹はいつもの指定席に収まり、それぞれ朝食代わりのおやつをもらって嬉しそうにしている。

「今日は……収穫なしだったね。ちょっと出かけてみる?」
僕がふとそう切り出すと、カイルがマグカップを両手で包みながらうなずく。

「うん。久しぶりに町に出るのもいいかも。冬のマーケット、もう開いてる頃だろ?」

「じゃあ、三匹も一緒に連れていこうか」
「賛成」

そう言うと、リッキーが嬉しそうに跳ね、シャズナはのびをしながらしっぽをぴんと立てる。ルシファンは小さな耳をピクリと動かしながら「ちちっ」と鳴いた。

白く曇る窓の外。空はまだ灰色に近く、今にも雪が降り出しそうな気配。
でも、この温もりの中にいると、不思議と寒さは感じない。
みんなで出かける冬の日──今日も、きっといい一日になる。
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