思い出して欲しい二人

春色悠

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プロローグ〜昔の記憶〜

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「みどり!おれと結婚してください!」
 そうあすくんは言ってくれた。俺は、結婚の意味がわからなくて、困ってしまった。そしたら、あすくんは、ずっと一緒に居ることだって教えてくれた。
 ずっと一緒、いいなって思って、あすくんに抱きついていいよって言った。
「結婚したら、おそろいのゆびわをつけるんだぞ。」 
 あすくんと一緒に作ったシロツメクサの指輪は、押し花にして、今でも持ってる。
「じゃ、おれとみどりはず~っといっしょな!」
 そう言って笑ったあすくんの笑顔を、俺は今でも鮮明に思い出せる。
 今でも思い出す度に、胸がドキドキする初恋の思い出。
 あすくんとの思い出は全部キラキラしてて、思い出すだけで幸せな気持ちになる。
 だから、その思い出があれば俺は、生きていける。 
 あすくんが俺の事を覚えていなくても、俺を忘れて、誰かと結婚しても、生きていける。
 あすくんの幸せを願える。
 好きな女の子と結婚して、かわいい子供も出来て、おじいちゃんになって、老衰で死ぬ。そんな、幸せに、俺も、行きつけの喫茶店の店員さん位でもいいから、関わって。
 そんな未来を、心から願える。
 だから、俺の事を、思い出さないでね。
(俺の事を思い出して。俺の事を、忘れないで。)
 思い出されてしまったら、君のことを、諦められなくなる。
(君の幸せを願わせて。)
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