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第一章
本音(攻め視点)
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ヤッベ、つい本音が。
佐々木と飲みに言った金曜日。その次の日、本日は土曜日。休みだ。
そして俺は今、みどりの所に来ている。俺は決めた。一週間に一度程度の感覚で来ると。
本来ならば毎日でも来たいが、あまり来すぎても迷惑かもしれないからな。ここは慎重にだ。頑張れ俺。
カランカラン
ベルの音を鳴らしながら扉を開け、店内に入る。
「…あ……いらっしゃいませ。お、お好きな席にどうぞ。」
何故か少し動揺したみどりが出迎えてくれた。ど、どうしたんだ?今日の俺何かおかしいのか?え、寝癖とかついてないよな。
気になり過ぎるが、取り敢えず席に座る。もちろんカウンター席だ。
メニューを確認しながら、何を食べるか考える。今日は昼近くに来たから、ちょっとガッツリした物でもいいよな。
「お冷お持ちしました。」
「ああ、ありがとう。注文もいいかな?」
「へ?あ、はい。お伺いします。」
「ミートソーススパゲティとコーヒー1つ、ホットでお願いしてもいい?」
「ミートソーススパゲティお一つと、コーヒーのホットがお一つですね。コーヒーは内の店長が今日不在で、俺が淹れる事になりますがよろしいですか。」
「うん。よろしくね。」
やっぱり、どこかおかしいのかな俺。みどりがおどおどしてる。可愛いけど、どうしたんだろう?でも、みどりが入れてくれるコーヒーが飲めるなんて!コーヒー頼んで良かった!店長のコーヒーは美味しかったが、それとこれとは話が別だ。
奥にみどりが入って行ってしまい、手持ち無沙汰になる。あと寂しい。でも今日も可愛かった。
そう思っていると、すぐにみどりが戻って来て、目の前でコーヒーを淹れてくれる。時たま、チラッとこちらを伺うみどりと目があい、心が乱される。
上目遣い可愛すぎないか。俺のほうが座ってみどりは立ってるのに上目遣いになるってどういうことなんだ。俺が錯覚してるだけか。
「…あの…この間の、料理本、見つかりました?」
「ああ、翠君のお陰で見つかったよ。ありがとう。」
「お役にたてれたなら、良かったです…。あ、コーヒーお先にどうぞ。」
ど、どうしよう。みどりから話しかけてくれたのが嬉しすぎて、話が続かない。頑張れ俺!営業部で鍛えた話術をここで出せ!みどりとの会話は仕事じゃないからその話術は使えねぇよ!
みどりのコーヒーを啜りながら、頭の中は色んな俺が喚き合ってる。
「料理本が見つかったは良いんだけど、俺不器用だから、失敗しちゃって。フレンチトーストに何かコツとかある?」
話題に困りすぎてかっこ悪い失敗談まで話してしまった。因みにあれから、何度か作ってみているフレンチトーストだが、未だにぐちゃぐちゃで失敗している。
「……失敗してる、ていう、のは、具体的にどういう……?」
「……お恥ずかしい話なんだけれど、形がぐちゃぐちゃになっちゃうんだ。何度か作ってみているんだけど、変わらないんだよね。」
あぁ、恥ずかしい……。みどりの前ではかっこいい男でありたいのに。
「……それなら、食パンを浸す前に、フライパンに乗せてから、汁をかけては?」
!確かに、浸してからじゃなければ、俺でもぐちゃぐちゃにせずにすむかも!
「ありがとう翠君!なんとかなりそうだ。翠君は凄いね。」
思わず、かっこいい大人の面も剥がれて、子供っぽい笑顔が溢れる。
「ぁ……ぃえ、あ、りがとう、ございます…。」
頬をぽっと染めて、潤ませた目をキョロキョロと彷徨わせながら、お礼を口にするみどり。
ぇ…待ってくれ、何だその反応。意識してくれてるって、思ってもいいのか……?
「ねぇ。」
話しかけようとした瞬間、軽快な音楽がなる。
「あ…すいません。…タイマーつけてたの、忘れてました。」
そう言って、みどりは奥に入ってしまった。
俺ぇ!!俺の頼んだスパゲティか!なんで俺別の奴にしなかったんだ!あぁぁ゛!!
心の中で、机をバンバン叩く。本当になんでグラタンとかにしなかったんだ俺……。
「お待たせしました。ご注文のミートソーススパゲティです。」
「ありがとう。凄く美味しそうだね。」
ミートソーススパゲティも見るからに美味しそうだな。勿論さっきのコーヒーも美味しかったし。本当に嫁に来てくれみどり。
そして俺は、スパゲティを食べきり、デザートにガトーショコラも頂いてやっと会計に行った。
名残惜しすぎるが、今日はこのくらいで帰ろう。みどりがかわいすぎて暴走しそうだ。本当に今日はどうしたんだ。まるで、俺がす、好きみたいな反応なんかして。勘違いしそうになるぞ!
「お会計ーーーー円になります。」
「お釣りです。」
今日は現金で支払い、お釣りを貰う時に、どさくさに紛れて手に触れる。ついでにちょっとギュッと握る。
「へっ?…ぁ、…。」
それだけで、みどりの顔は真っ赤に染まった。
ちょ、ほんとに、本当に待ってくれ、……。
「……かわいいすぎるだろ…」
あ、ヤベ、本音が。
少し俯き気味だったみどりの顔が、ばっとこちらを見上げる。
これは本格的にやばい。離れないと襲いそうだ。
「ありがとう。今日も美味しかった。また来るね。」
かっこいい大人の皮を被り直し、店を足早にでる。
家に乱暴にドアを開けて入り、寝室に向かう。ベットに寝転がり、枕に顔を押し付ける。
だめだろあの顔は。襲ってくれって言ってる様なもんだぞ……。
だめだ、だめだ。まだ付き合ってすら居ないのに。
あ゛ぁぁぁぁあぁあ!!!!!
体の熱は、未だ冷めやらない。
佐々木と飲みに言った金曜日。その次の日、本日は土曜日。休みだ。
そして俺は今、みどりの所に来ている。俺は決めた。一週間に一度程度の感覚で来ると。
本来ならば毎日でも来たいが、あまり来すぎても迷惑かもしれないからな。ここは慎重にだ。頑張れ俺。
カランカラン
ベルの音を鳴らしながら扉を開け、店内に入る。
「…あ……いらっしゃいませ。お、お好きな席にどうぞ。」
何故か少し動揺したみどりが出迎えてくれた。ど、どうしたんだ?今日の俺何かおかしいのか?え、寝癖とかついてないよな。
気になり過ぎるが、取り敢えず席に座る。もちろんカウンター席だ。
メニューを確認しながら、何を食べるか考える。今日は昼近くに来たから、ちょっとガッツリした物でもいいよな。
「お冷お持ちしました。」
「ああ、ありがとう。注文もいいかな?」
「へ?あ、はい。お伺いします。」
「ミートソーススパゲティとコーヒー1つ、ホットでお願いしてもいい?」
「ミートソーススパゲティお一つと、コーヒーのホットがお一つですね。コーヒーは内の店長が今日不在で、俺が淹れる事になりますがよろしいですか。」
「うん。よろしくね。」
やっぱり、どこかおかしいのかな俺。みどりがおどおどしてる。可愛いけど、どうしたんだろう?でも、みどりが入れてくれるコーヒーが飲めるなんて!コーヒー頼んで良かった!店長のコーヒーは美味しかったが、それとこれとは話が別だ。
奥にみどりが入って行ってしまい、手持ち無沙汰になる。あと寂しい。でも今日も可愛かった。
そう思っていると、すぐにみどりが戻って来て、目の前でコーヒーを淹れてくれる。時たま、チラッとこちらを伺うみどりと目があい、心が乱される。
上目遣い可愛すぎないか。俺のほうが座ってみどりは立ってるのに上目遣いになるってどういうことなんだ。俺が錯覚してるだけか。
「…あの…この間の、料理本、見つかりました?」
「ああ、翠君のお陰で見つかったよ。ありがとう。」
「お役にたてれたなら、良かったです…。あ、コーヒーお先にどうぞ。」
ど、どうしよう。みどりから話しかけてくれたのが嬉しすぎて、話が続かない。頑張れ俺!営業部で鍛えた話術をここで出せ!みどりとの会話は仕事じゃないからその話術は使えねぇよ!
みどりのコーヒーを啜りながら、頭の中は色んな俺が喚き合ってる。
「料理本が見つかったは良いんだけど、俺不器用だから、失敗しちゃって。フレンチトーストに何かコツとかある?」
話題に困りすぎてかっこ悪い失敗談まで話してしまった。因みにあれから、何度か作ってみているフレンチトーストだが、未だにぐちゃぐちゃで失敗している。
「……失敗してる、ていう、のは、具体的にどういう……?」
「……お恥ずかしい話なんだけれど、形がぐちゃぐちゃになっちゃうんだ。何度か作ってみているんだけど、変わらないんだよね。」
あぁ、恥ずかしい……。みどりの前ではかっこいい男でありたいのに。
「……それなら、食パンを浸す前に、フライパンに乗せてから、汁をかけては?」
!確かに、浸してからじゃなければ、俺でもぐちゃぐちゃにせずにすむかも!
「ありがとう翠君!なんとかなりそうだ。翠君は凄いね。」
思わず、かっこいい大人の面も剥がれて、子供っぽい笑顔が溢れる。
「ぁ……ぃえ、あ、りがとう、ございます…。」
頬をぽっと染めて、潤ませた目をキョロキョロと彷徨わせながら、お礼を口にするみどり。
ぇ…待ってくれ、何だその反応。意識してくれてるって、思ってもいいのか……?
「ねぇ。」
話しかけようとした瞬間、軽快な音楽がなる。
「あ…すいません。…タイマーつけてたの、忘れてました。」
そう言って、みどりは奥に入ってしまった。
俺ぇ!!俺の頼んだスパゲティか!なんで俺別の奴にしなかったんだ!あぁぁ゛!!
心の中で、机をバンバン叩く。本当になんでグラタンとかにしなかったんだ俺……。
「お待たせしました。ご注文のミートソーススパゲティです。」
「ありがとう。凄く美味しそうだね。」
ミートソーススパゲティも見るからに美味しそうだな。勿論さっきのコーヒーも美味しかったし。本当に嫁に来てくれみどり。
そして俺は、スパゲティを食べきり、デザートにガトーショコラも頂いてやっと会計に行った。
名残惜しすぎるが、今日はこのくらいで帰ろう。みどりがかわいすぎて暴走しそうだ。本当に今日はどうしたんだ。まるで、俺がす、好きみたいな反応なんかして。勘違いしそうになるぞ!
「お会計ーーーー円になります。」
「お釣りです。」
今日は現金で支払い、お釣りを貰う時に、どさくさに紛れて手に触れる。ついでにちょっとギュッと握る。
「へっ?…ぁ、…。」
それだけで、みどりの顔は真っ赤に染まった。
ちょ、ほんとに、本当に待ってくれ、……。
「……かわいいすぎるだろ…」
あ、ヤベ、本音が。
少し俯き気味だったみどりの顔が、ばっとこちらを見上げる。
これは本格的にやばい。離れないと襲いそうだ。
「ありがとう。今日も美味しかった。また来るね。」
かっこいい大人の皮を被り直し、店を足早にでる。
家に乱暴にドアを開けて入り、寝室に向かう。ベットに寝転がり、枕に顔を押し付ける。
だめだろあの顔は。襲ってくれって言ってる様なもんだぞ……。
だめだ、だめだ。まだ付き合ってすら居ないのに。
あ゛ぁぁぁぁあぁあ!!!!!
体の熱は、未だ冷めやらない。
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