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第一章
計画(受け視点)
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う、うわぁぁぁー!!こ、交換しちゃったよ……!な、何送ったらいいのかな…!?
朱鳥さんがお店に来てから、また一週間。そろそろ朱鳥さんが来るかな、という頃。
なんていうのか、時が進み始めたというか、思い出が現在進行系になったというか……。
取り敢えず、空きあらば朱鳥さんの事を考えている気がする。認めてしまうが、俺は朱鳥さんが好きだ。あすくんと朱鳥さんは同一人物だけど、これはどうなるんだろう?惚れ直した?もう一回惚れた?
よくわからないなぁ。自分の事なのに。
考えたらドツボにはまりそうなので、考えるのはやめておこう。
それはそうとして、さっきからソワソワしっぱなしだ。朱鳥さんが来るか来ないか気が気じゃない。
来てほしいけど、朱鳥さんに会ったら、こう…なんというか…そのぉ……ドキドキ、しすぎて、どうにかなりそう、だから…ちょっと複雑…かも。
……結局は会いたいけど…。
カランカラン
扉のベルが鳴り、思わずバッ、とそちらに顔を向ける。
「!いらっしゃいませ!」
朱鳥さんだ!思わず少し大きな声がでる。や、やっちゃった…。お、落ち着かないと…!
「お好きな席にどうぞ。」
朱鳥さん来た…。うれしい…。会えた…。
ソワソワした気持ちは落ち着くどころか強くなるけど、なんとか平静を装って朱鳥さんにお冷を持っていく。……手が震えそう。
「お冷お持ちしました。」
「注文いいかな?」
「!はい。お伺いします。」
び、びっくりした…。手が震えないよう必死で、ぼんやりしてたから、声かけられてびっくりしちゃった……。ぼんやりしないようにしないと…!
「オクラときのこの和風グラタン1つと、アイスコーヒー1つ、以上で。」
「オクラときのこの和風グラタンがお一つと、アイスコーヒーがお一つですね。少々お待ち下さい。」
厨房に少し逃げるように向かう。
ふぅ……。やっとまともな対応ができた気がする…。
グラタンをオーブンにセットして、アイスコーヒーは予め叔父さんが作ってくれてるから、冷蔵庫から出してコップに入れるだけ。
コーヒーを持って朱鳥さんの席に向かう。今日もカウンター席みたいだ。気に入ったのかな?
「お待たせしました。ご注文のアイスコーヒーです。今日はちゃんと店長が作ってます。」
この間、ちょっと変な顔しながら俺の作ったコーヒー飲んでたから、やっぱり不味かったのかなぁ、と思いながら、今日はちゃんと叔父さんが作ったコーヒーだと伝える。
「ありがとう。翠君のコーヒーも美味しかったから、また飲みたいな。」
「、ありがとうございます。」
お世辞かな?お世辞だろうな…。でもうれしいな、思わず笑みが溢れる。暫く思い出してニマニマしてしまいそうだ……。
「あ、そういえばフレンチトーストの件なんだけど、成功したよ。翠君のアドバイスのお陰だ。ありがとう。」
「い、いえ、俺は何も……。」
きっと、できるまで頑張ったんだろうなぁ。朱鳥さんも頑張り屋さんだから。それは俺のお陰では無いと思うなぁ。
「…その、良ければ、なんだけれど、これからも料理について、相談してもいいかな?」
「……へ?」
「えと、翠君のアドバイスをこれからも、貰いたいなって、思ったんだけど……だめ、かな?」
珍しく朱鳥さんが言葉に詰まってるから何かと思った……。ていうか、ちょっとしょんぼりしてる朱鳥さんに、犬耳の幻覚が見える……。かわいい…。
「あ、いえ!俺で良ければ!…大したアドバイスは、できないかも、ですけど……。」
しょんぼりしてる朱鳥さんを見て、思わず返事をしてしまったけど、途中で自身が無くなってきた。俺にアドバイスなんて、できるかなぁ……。
「ありがとう!…それでなんだけど、翠君の予定とか、お仕事とかあるだろうし、直接会って話せないことも多いと思う。
その…だからと言っては、なんなんだけど……俺と、連絡先を交換しないかい?」
……朱鳥さんと、連絡先を、交換……?
?……?…?!!
「……そ、そうですね…朱鳥さんにも、ご予定とか、ありますし……」
動揺して、誰に言ってるのかわからない、言い訳の様な、建前の様な言葉を並べ立ててしまう。
それでも結局は……
「…こ、交換!しましょう!連絡先!」
朱鳥さんと連絡先が交換したい!
朱鳥さんの連絡先がスマホに増えた。俺は今昼休憩中で、昼ご飯を食べながらニマニマしてる。表情筋がどちらかといえば固めなのに、どうしてこうも朱鳥さんの事になると緩むのか。
よし!午後もがんばるぞ!
そう気合を入れて、エプロンを結びなおす。
カランカラン
あ、お客さん来た………?!
そのお客さんは、朱鳥さんが初めて来た時に一緒にいた女性だった___。
自分の部屋に入って、ボーッと朱鳥さんとのメールのグループを見る。
ピコンと音がなって、朱鳥さんからメールが来た。
『これからよろしくね。翠君。』
なんとなく、俺の言葉では、よろしくと言えなくて、スタンプで返すことにした。
_____やっぱり、好きにならなきゃよかった…。
朱鳥さんがお店に来てから、また一週間。そろそろ朱鳥さんが来るかな、という頃。
なんていうのか、時が進み始めたというか、思い出が現在進行系になったというか……。
取り敢えず、空きあらば朱鳥さんの事を考えている気がする。認めてしまうが、俺は朱鳥さんが好きだ。あすくんと朱鳥さんは同一人物だけど、これはどうなるんだろう?惚れ直した?もう一回惚れた?
よくわからないなぁ。自分の事なのに。
考えたらドツボにはまりそうなので、考えるのはやめておこう。
それはそうとして、さっきからソワソワしっぱなしだ。朱鳥さんが来るか来ないか気が気じゃない。
来てほしいけど、朱鳥さんに会ったら、こう…なんというか…そのぉ……ドキドキ、しすぎて、どうにかなりそう、だから…ちょっと複雑…かも。
……結局は会いたいけど…。
カランカラン
扉のベルが鳴り、思わずバッ、とそちらに顔を向ける。
「!いらっしゃいませ!」
朱鳥さんだ!思わず少し大きな声がでる。や、やっちゃった…。お、落ち着かないと…!
「お好きな席にどうぞ。」
朱鳥さん来た…。うれしい…。会えた…。
ソワソワした気持ちは落ち着くどころか強くなるけど、なんとか平静を装って朱鳥さんにお冷を持っていく。……手が震えそう。
「お冷お持ちしました。」
「注文いいかな?」
「!はい。お伺いします。」
び、びっくりした…。手が震えないよう必死で、ぼんやりしてたから、声かけられてびっくりしちゃった……。ぼんやりしないようにしないと…!
「オクラときのこの和風グラタン1つと、アイスコーヒー1つ、以上で。」
「オクラときのこの和風グラタンがお一つと、アイスコーヒーがお一つですね。少々お待ち下さい。」
厨房に少し逃げるように向かう。
ふぅ……。やっとまともな対応ができた気がする…。
グラタンをオーブンにセットして、アイスコーヒーは予め叔父さんが作ってくれてるから、冷蔵庫から出してコップに入れるだけ。
コーヒーを持って朱鳥さんの席に向かう。今日もカウンター席みたいだ。気に入ったのかな?
「お待たせしました。ご注文のアイスコーヒーです。今日はちゃんと店長が作ってます。」
この間、ちょっと変な顔しながら俺の作ったコーヒー飲んでたから、やっぱり不味かったのかなぁ、と思いながら、今日はちゃんと叔父さんが作ったコーヒーだと伝える。
「ありがとう。翠君のコーヒーも美味しかったから、また飲みたいな。」
「、ありがとうございます。」
お世辞かな?お世辞だろうな…。でもうれしいな、思わず笑みが溢れる。暫く思い出してニマニマしてしまいそうだ……。
「あ、そういえばフレンチトーストの件なんだけど、成功したよ。翠君のアドバイスのお陰だ。ありがとう。」
「い、いえ、俺は何も……。」
きっと、できるまで頑張ったんだろうなぁ。朱鳥さんも頑張り屋さんだから。それは俺のお陰では無いと思うなぁ。
「…その、良ければ、なんだけれど、これからも料理について、相談してもいいかな?」
「……へ?」
「えと、翠君のアドバイスをこれからも、貰いたいなって、思ったんだけど……だめ、かな?」
珍しく朱鳥さんが言葉に詰まってるから何かと思った……。ていうか、ちょっとしょんぼりしてる朱鳥さんに、犬耳の幻覚が見える……。かわいい…。
「あ、いえ!俺で良ければ!…大したアドバイスは、できないかも、ですけど……。」
しょんぼりしてる朱鳥さんを見て、思わず返事をしてしまったけど、途中で自身が無くなってきた。俺にアドバイスなんて、できるかなぁ……。
「ありがとう!…それでなんだけど、翠君の予定とか、お仕事とかあるだろうし、直接会って話せないことも多いと思う。
その…だからと言っては、なんなんだけど……俺と、連絡先を交換しないかい?」
……朱鳥さんと、連絡先を、交換……?
?……?…?!!
「……そ、そうですね…朱鳥さんにも、ご予定とか、ありますし……」
動揺して、誰に言ってるのかわからない、言い訳の様な、建前の様な言葉を並べ立ててしまう。
それでも結局は……
「…こ、交換!しましょう!連絡先!」
朱鳥さんと連絡先が交換したい!
朱鳥さんの連絡先がスマホに増えた。俺は今昼休憩中で、昼ご飯を食べながらニマニマしてる。表情筋がどちらかといえば固めなのに、どうしてこうも朱鳥さんの事になると緩むのか。
よし!午後もがんばるぞ!
そう気合を入れて、エプロンを結びなおす。
カランカラン
あ、お客さん来た………?!
そのお客さんは、朱鳥さんが初めて来た時に一緒にいた女性だった___。
自分の部屋に入って、ボーッと朱鳥さんとのメールのグループを見る。
ピコンと音がなって、朱鳥さんからメールが来た。
『これからよろしくね。翠君。』
なんとなく、俺の言葉では、よろしくと言えなくて、スタンプで返すことにした。
_____やっぱり、好きにならなきゃよかった…。
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