成功条件は、まさかの婚約破棄!?

たぬきち25番

文字の大きさ
8 / 28

8(本編 最終話)

しおりを挟む

そして、アルベルト殿下は、飛ばした4の項目に指を置いた。

「それにね。」

そう耳元で囁いて、それから頬にキスをされた。

先程からされるキスに私は戸惑っていた。
なぜなら、この3年間、一度も殿下からキスされたことはなかったのだ。

それが急に今日になって、何度もキスされている。

(どうしたの?殿下?まさか!影武者?!)

私は思わず、隣のアルベルト殿下を見た。
すると、殿下は楽しそうに笑って、紙を指さした。


【4 色気がつかないようにする=現状で良い】

「私はあなたを一目見た時から恋に落ちたんですよ。」
「~~!!!私は、肌の色も透き通るような白さではないし、色気もないし、所作に優雅さの欠片もない。
貴族令嬢としてモテないはずです。」

ゼエゼエと肩で息をしながら、お父様に言われたことを一気に伝えた。

すると、殿下に抱きしめられて、キスをされた。

「剣を持ち舞うあなたは、妖艶で美しい。」
「え?」
「馬に乗り大地をかけるあなたは、まるで風のように気高い。」
「殿下?!」
「私以外に向けられるあなたの笑顔に何度嫉妬したかわかりません。」
「突然どうしたんですか?」

殿下の突然の言葉に頭の中が沸騰しそうになった。
すると、今度はアルベルト殿下が私の手にキスをした。

「私は3年自分ではよく耐えたと思います。
頑張るあなたに水を差したくなくて、耐えました。
私はあなたを心から愛しています。」

そうして、殿下に思い切り甘い瞳で見つめられた。

「アリエッタ嬢。私の妃になってもらえませんか?」

(ああ。私は今まで何をしていたんだろう。)

私は何も見えていなかった。
いや見ようともしなかったのかもしれない。
アルベルト殿下は出会った時から素敵な方だった。
それに私だって、ここまで頑張れたのは、隣にアルベルト殿下がいてくれたからだった。

(どうして今まで気づかなかったのかしら・・。)

アルベルト殿下にキスをされた口元に手を当てた。
キスをされて驚いたけれど、ちっとも嫌ではなかった。
むしろ・・・・

(なんだ・・。私もう、とっくに彼の隣を選んでいたのね・・。)


殿下の瞳をじっと見つめた。

「よろしくお願い致します。」
「アリエッタ!!」

殿下に抱きしめられた。
すると、耳元で色気のある声で囁かれた。

「あなたに跡継ぎの心配をされた時はどうしようかと思いました。」
「その。私は色気もないですし・・。本当にいいのでしょうか?」

すると殿下は驚いた顔をした後、今までとは違うキスをしてきた。

「ふふふ。そんなに心配でしたら、
今日で学園は卒業だし、このまま私たちの使を果たしましょうか?」
「最大の・・使命・・。まさか・・。」

ゴクリと息を飲んだ。

「私はあなたとなら10人くらいでも構わないですよ。」
「10っ!!多いです。」
「そうですか?何人でも構いません。
いずれにしても二度と跡継ぎの心配なんてしなくなると思いますよ?」

殿下にまた深いキスをされた。

「まさか、今ではないですよね?」
「ふふふ。」
「これから殿下の卒業パーティー・・・。」

その言葉はキスで塞がれてしまった。
でもその後すぐに、殿下のご友人の方が部屋に殿下を迎えに来られて、ほっとしたのは内緒だ。
殿下は不穏なことを言っていたが、笑顔で聞き流しパーティーに出席した。
もちろん、殿下の婚約者として。




【本編 最終話】










NEXT→アルベルトSIDE【成功条件は、もちろん婚約破棄の阻止】START!!
しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~

浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。 本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。 ※2024.8.5 番外編を2話追加しました!

天真爛漫な婚約者様は笑顔で私の顔に唾を吐く

りこりー
恋愛
天真爛漫で笑顔が似合う可愛らしい私の婚約者様。 私はすぐに夢中になり、容姿を蔑まれようが、罵倒されようが、金をむしり取られようが笑顔で対応した。 それなのに裏切りやがって絶対許さない! 「シェリーは容姿がアレだから」 は?よく見てごらん、令息達の視線の先を 「シェリーは鈍臭いんだから」 は?最年少騎士団員ですが? 「どうせ、僕なんて見下してたくせに」 ふざけないでよ…世界で一番愛してたわ…

捨てられたなら 〜婚約破棄された私に出来ること〜

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
長年の婚約者だった王太子殿下から婚約破棄を言い渡されたクリスティン。 彼女は婚約破棄を受け入れ、周りも処理に動き出します。 さて、どうなりますでしょうか…… 別作品のボツネタ救済です(ヒロインの名前と設定のみ)。 突然のポイント数増加に驚いています。HOTランキングですか? 自分には縁のないものだと思っていたのでびっくりしました。 私の拙い作品をたくさんの方に読んでいただけて嬉しいです。 それに伴い、たくさんの方から感想をいただくようになりました。 ありがとうございます。 様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。 ただ、皆様に楽しんでいただけたらと思いますので、中にはいただいたコメントを非公開とさせていただく場合がございます。 申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。 もちろん、私は全て読ませていただきますし、削除はいたしません。 7/16 最終部がわかりにくいとのご指摘をいただき、訂正しました。 ※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。

婚約破棄を突き付けてきた貴方なんか助けたくないのですが

夢呼
恋愛
エリーゼ・ミレー侯爵令嬢はこの国の第三王子レオナルドと婚約関係にあったが、当の二人は犬猿の仲。 ある日、とうとうエリーゼはレオナルドから婚約破棄を突き付けられる。 「婚約破棄上等!」 エリーゼは喜んで受け入れるが、その翌日、レオナルドは行方をくらました! 殿下は一体どこに?! ・・・どういうわけか、レオナルドはエリーゼのもとにいた。なぜか二歳児の姿で。 王宮の権力争いに巻き込まれ、謎の薬を飲まされてしまい、幼児になってしまったレオナルドを、既に他人になったはずのエリーゼが保護する羽目になってしまった。 殿下、どうして私があなたなんか助けなきゃいけないんですか? 本当に迷惑なんですけど。 拗らせ王子と毒舌令嬢のお話です。 ※世界観は非常×2にゆるいです。     文字数が多くなりましたので、短編から長編へ変更しました。申し訳ありません。  カクヨム様にも投稿しております。 レオナルド目線の回は*を付けました。

あなたの事は好きですが私が邪魔者なので諦めようと思ったのですが…様子がおかしいです

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のカナリアは、原因不明の高熱に襲われた事がきっかけで、前世の記憶を取り戻した。そしてここが、前世で亡くなる寸前まで読んでいた小説の世界で、ヒーローの婚約者に転生している事に気が付いたのだ。 その物語は、自分を含めた主要の登場人物が全員命を落とすという、まさにバッドエンドの世界! 物心ついた時からずっと自分の傍にいてくれた婚約者のアルトを、心から愛しているカナリアは、酷く動揺する。それでも愛するアルトの為、自分が身を引く事で、バッドエンドをハッピーエンドに変えようと動き出したのだが、なんだか様子がおかしくて… 全く違う物語に転生したと思い込み、迷走を続けるカナリアと、愛するカナリアを失うまいと翻弄するアルトの恋のお話しです。 展開が早く、ご都合主義全開ですが、よろしくお願いしますm(__)m

【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ

リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。 先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。 エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹? 「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」 はて、そこでヤスミーンは思案する。 何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。 また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。 最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。 するとある変化が……。 ゆるふわ設定ざまああり?です。

【完結】婚約破棄されたらループするので、こちらから破棄させていただきます!~薄幸令嬢はイケメン(ストーカー)魔術師に捕まりました~

雨宮羽那
恋愛
 公爵令嬢フェリシア・ウィングフィールドは、義妹に婚約者を奪われ婚約破棄を告げられる。  そうしてその瞬間、ループしてしまうのだ。1年前の、婚約が決まった瞬間へと。  初めは婚約者のことが好きだったし、義妹に奪われたことが悲しかった。  だからこそ、やり直す機会を与えられて喜びもした。  しかし、婚約者に前以上にアプローチするも上手くいかず。2人が仲良くなるのを徹底的に邪魔してみても意味がなく。いっそ義妹と仲良くなろうとしてもダメ。義妹と距離をとってもダメ。  ループを4回ほど繰り返したフェリシアは思った。  ――もういいや、と。  5回目のやり直しでフェリシアは、「その婚約、破棄させていただきますね」と告げて、屋敷を飛び出した。  ……のはいいものの、速攻賊に襲われる。そんなフェリシアを助けてくれたのは、銀の長髪が美しい魔術師・ユーリーだった。  ――あれ、私どこかでこの魔術師と会ったことある?  これは、見覚えがあるけど思い出せない魔術師・ユーリーと、幸薄め公爵令嬢フェリシアのラブストーリー。 ※「小説家になろう」様にも掲載しております。 ※別名義の作品のストーリーを大幅に改変したものになります。 ※表紙はAIイラストです。(5/23追加しました)

処理中です...