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成功条件は、もちろん婚約破棄の阻止!
Ⅱ
しおりを挟む一日の公務が終わり、カルが明日の予定を伝えてくれた。
「明日のご公務は、剣舞会の審査です。」
「ああ。剣舞会か・・。それなら会場が暗くなるから寝れそうだな・・。」
(それに剣舞会は王宮内のホールだ。移動も無くて楽だな。)
「審査ですよ?審査。寝ないで下さいね。」
カルの言葉に少し笑って答えた。
「冗談だ。寝ない。だが、審査と言っても私は剣舞についての知識はないぞ?」
「一番印象に残った方に投票すれば良いのでは?」
「そんなに違うのか?どの演技も大差ないだろ?」
「その時はこっそりくじで決めましょう。」
「ああ。それなら寝てもいいな。」
「殿下が寝れない演技があるといいですね。」
「そうだな。」
公務と学園での生活に疲れていた。
明日は学園は休みだが公務が入るようだ。
どうせ休みなど取れない。
(ああ、1日でいい。今日は心から充実したと言って眠りたいものだ。)
面倒だと思い出掛けた剣舞会で衝撃を受けた。
演者は恐らく女性だ。恐らくというのは彼女は女性が身に着ける妖艶で美しい女性用の衣装ではなく、男性が身に着けるような衣装だった。
だが、彼女の細い腰や長い手足が強調されてとても美しく見えた。
(男性の衣装を身に着けこれだけ美しく魅せるとは・・。)
彼女が舞うと、あたかもここが戦場の中のような緊張感が生まれた。
その迫力は見ているものを虜にした。
彼女の演技の後にだけ、会場に静寂が訪れた。
皆、演技に引き込まれ現実に帰って来れないのだろう。
かく言う私も動けなかった。
気が付くと彼女の姿は演台から消えていた。
皆が慌てて拍手を始めた頃には次の演者の順になっていた。
「今のは誰だ?」
小声で隣のカルに尋ねた。
「侯爵家のアリエッタ・ライト様でございます。殿下と同じ学園のようですよ?
殿下よりも一つ下の学年のようです。」
「私の1つ下の学年か・・。」
私は胸が高鳴るのを抑えることが出来なかった。
(彼女と知り合いになりたい。)
その日は珍しく、充実した気持ちで眠りにつくことができた。
それから、私はすっかり彼女のファンになっていた。
「殿下!!ライト嬢が今度は、乗馬大会に出場されるようですよ?」
「何?観戦できそうか?」
「はい。ご公務に組み込んでおきました。」
「助かる!!公務なら確実に応援に行けるからな。」
もちろん乗馬大会も応援に行った。
一応、来賓の立場であるので、表立って応援はできないが、それでも彼女の乗馬の実力は抜きん出ていた。今回の大会は年齢制限があったが、彼女なら騎士団の実力者が参加する一般の大会に出場しても上位になるだろう。
「ライト嬢の乗馬姿は本当に素晴らしいな。またライト嬢の雄姿を見に行きたいものだな。」
「そういえば、学園の催事で踊って欲しいと生徒会の方が動いているようですよ。」
「今の生徒長は、ダナン侯爵家の長男か・・。いい判断だな。私からも少し言っておくか。」
「殿下~それって、もう決まってしまうのでは?」
「ああ。問題ない。皆が見たいだろうしな。」
「それはそうでしょうけど・・。ではその日は・・。」
「そうだな。公務で学園の催事の視察にしよう。」
「・・・職権乱用じゃないですか?」
「私は、学生だぞ?学生なのに学生のイベントに出れない方が問題だ。」
「ふふふ。そうですね。ではそのように。」
「頼む。」
公務の休憩時間には彼女の話題で盛り上がることが増えていた。
「彼女と話ができるといいのだが・・。」
そう言うと、カルが驚いた顔をした。
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