成功条件は、まさかの婚約破棄!?

たぬきち25番

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成功条件は、やっぱり婚約者の愛?!

6 アルベルト殿下&カルディア(側近カル)side

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《アルベルトside》


「殿下・・・今度はスピカ国から『ぜひ剣舞を披露していたけないか』と打診が・・」

私は執務室で頭を抱えていた。

「スピカ国だと?!
遠いだろ?!そんなに彼女と離れることなど無理だ!!」

するとカルが溜息をついた。

「そうですよね~~。
先日の一週間のお休みで、もしかしたら、新しい命が宿っている可能性もありますからね・・・」

私は思わず赤くなる顔を片手で隠して言った。

「あ~カル・・思い出させないでくれるか・・。
その・・色々と我慢できなってしまうからな。
ああ~。結婚式まであと半年以上もあるのか・・
結婚すれば公務としてアリエッタと同席できる。
早く結婚して妃にしたい」

するとカルがにっこりと笑った。

「ご心配なく、すでに陛下や高位貴族の方々とは結婚式を早めると話がついておりますから」
「そうなのか?」
「はい。お2人の休日の様子を聞いた陛下が慌てて重鎮会議を行っておりました。
それによると結婚式は早めることが決まったそうです。
さらに通常よりも招待客が増えそうなので、結婚式は揉めないように2人だけで行い、パーティー会場を王宮の舞踏会会場だけではなく、庭園も会場にするために準備を整えるとのことです。
パレードも入れ替え制にして2度同じ道を通られるそうですよ」

私は思わず目を見開いた。

「初耳だが?」
「はい。私もグラソン殿から先程お聞きしました。
陛下も結婚に前向きになった殿下変化を喜んでおられるそうですよ」

私は居たたまれなくて頬を掻いた。

「そ、そうか」
「明日にでも陛下からお話があるのではないですか?」
「わかった・・・」

私はカルの顔を見て真剣に尋ねた。

「カル・・私はやはり変わったのだろうか?」

するとカルが少し驚いた顔をして楽しそうに笑った。

「ふふふ、そうですね。
変わられましたね!!」
「それはいいのか?悪いのか?」

私は恐る恐る尋ねた。

するとカルが優しく微笑んだ。
カルは昔からこうして私に笑いかけてくれた。

「いいのか、悪いのか・・。
その問いに明確に答えるには未来にでも行ってみない限り難しいですが、少なくとも私は今の殿下の方が好きですよ」

その答えを聞いて私も小さく笑った。

「はは。そうだな。私も今の私の方が好きだな」

私は目の前の書類の束に目を移した。

「よし!!やるか!!」
「はい!!」






→ → → 


《カルディアside》


私は真剣に書類に向かう殿下を見て目を細めた。
昔から殿下は頭が良く、人の感情に敏感だった。
だからこそ人を恐れていたのだ。

王族とは本当に大変な方々で、常に誰か見張られ、常に陰謀や好機の目にさらされている。
私が初めて殿下と会ったのはまだ彼が5歳の頃だった。
だがその頃にはこの聡明な少年は世界に絶望していた。

(この孤独な方が心から笑える日が来ますように)

そう思って月日が流れた。

今、目の前にいるアルベルト殿下は心から笑えるようになった。

(ようやく私の願いが叶った)

「ふふふ」

私が思わず笑うと、殿下が顔を上げニヤリと笑った。

「どうした?カル?お前が思い出し笑いなど珍しいな。
何かいいことでもあったのか?」

私は片眉を上げて普段通りに答えた。

「いえ、殿下は赤ちゃんが生まれたら、休みを欲しがるだろうな~。
と思っただけです」

すると殿下が唖然とすると、今度は眉を下げられた。

「ん~そうだな~。
アリエッタに似た女の子だったら私は離れことが出来るだろうか?」
「そうですね~お嫁に行くときは泣くでしょうね~」

すると、殿下が顔を上げた。

「嫁?!そんな・・イヤだ!!
嫁になど・・・」
「ふふふ」

私が笑うと殿下が顎に手を当てた。

「カルはいくつだ?」
「17ですが?」
「ふむ。娘が16の時、まだ30代前半か・・・いけなくもないな」

殿下の言葉に私は眉を寄せた。

「なんの話ですか?殿下?」

すると殿下が楽しそうな笑顔を見せた。

「いや?ただ、娘をどうしても嫁にやるならカルのような男がいいと思っただけだ」

私はその言葉に思わず絶句した。
そして私も口の端が緩んでいた。

「光栄です。殿下。私、カルディア・テオルドにとって最高の賛辞です」
「はは、大げさだな」

私が腰を折ると、殿下はくすぐったそうに笑った。

(私は殿下に溺愛確実な娘を預けてもいいと思えるくらい信頼されているのか!!)

その言葉は私にとって生涯忘れることのできない最高の栄誉だと思えた。



それから6年後、5歳の殿下のお嬢様に求婚されることになり、さらに10年後にそのお嬢様から私の縁談はことごとく邪魔されることになるのだがそれはまた別の話だ。



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