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番外編
お気に入り2500感謝SS【同居初日】
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ロゼッタSIDE
――――――
「結婚式はあとにして、とりあえず籍を入れて一緒に住んだらいいんじゃないかしら?」
レオンと結婚することが決まって、レオンとレオンのご両親と共に今後の話をしていた時に、母が爆弾発言をした。
「そうねぇ~結婚式はあとでも籍は入れて住むのもいいかもしれないですわ」
母の言葉にレオンの母もすぐに同意した。
レオンが我が侯爵家に婿養子に入ることが決まって、すでにレオンは父と共に仕事をしている。
好きな人と一緒に住む……。
顔に熱が集まる。
心臓の音が早い!!
結婚すると決めた時に、いつかはレオンと一緒に住むと覚悟はしていたが、こんなにすぐに住むようになるとは思わなかった。
もっと恋人のようなことを経験して……。
そもそも、私はアルベルト殿下の婚約者だったが、甘さはゼロのビジネスパートナーのノリだったので、恋愛に関しては完全に初心者だ!! ちなみにこれまで私は、デートさえもしたことがない!! まぁ、殿下とデートがしたいと思ったこともないのだが……。
それなのに、いきなりの同棲……一応籍を入れてから住むので同居になるが、とにかく、いきなり一緒に住むことになるのだ!!
「レオン殿はどう思われますか?」
母たちの提案を聞いた父が、レオンに尋ねた。レオンは優しく私を見ながら微笑んだあとに言った。
「私は、ロゼッタ嬢がよろしいのでしたら」
レオンは、私に判断を委ねてくれた!!
みんなの期待の籠った眼差しと、レオンの微笑み……。
「私もレオン様がよろしいのでしたら……」
「決まりね!!」
母の嬉しそうな声で、レオンとの同居が決まったのだった。
☆==☆==☆==
それからの動きは早かった。
次の日には、私とレオンの婚姻が成立した。さらに、私の部屋にこれまで以上に大きなベッドが搬入されて、レオンの荷物がクローゼットに運び込まれた。
もう一度言う。
同居を決めた次の日には婚姻が成立して、私の部屋に巨大なベッドが準備されたのだ。
私は、部屋に自分の部屋に搬入されたベッドを見て、顔が赤くなったり、青くなったり全く落ち着かない。
これって、すぐにレオン様と一緒に寝るってことだよね……。
同じ部屋で!!
同じベッドで!!
私、寝相大丈夫かな? 寝言とか言ってないかな?!
それより、レオン様の隣で寝れるの?!
私、大丈夫?!
私としては、てっきり結婚式までは部屋は別で、結婚式のあとに寝室が同じになると思っていたので、いきなり同じベッドで寝ることになり照れたり、慌てたりと大変だ。
結局その日は、大きなベッドの隅で小さくなって眠ったのだった。
そして婚姻が成立した翌日、レオンが父と共に仕事を終えて、私の屋敷にやってきた。
父と母と共に、レオンを歓迎する宴が終えると、母が楽しそうに言った。
「部屋は準備してありますわ。ロゼッタに案内させますので、どうぞくつろいで下さいませ」
「ありがとうございます」
レオンは、父と母にお礼を言った。私は少し緊張しながらも「案内致します」と言って、レオンを部屋に案内した。
廊下に出ると、レオンが少し照れたように言った。
「ロゼッタ嬢。これから、よろしくお願い致します」
「こちらこそ、よろしくお願い致します」
私たちは、緊張してレオンの顔を見ることが出来ずに、結局それだけしか口に出来なかった。
「こちらですわ」
レオンを部屋に案内すると、レオンがピタリと止まった。
ふとレオンを見ると、耳まで真っ赤になっていた。
ああ、私だけじゃなくて、レオン様も緊張しているんだ……。
実は、今日はまともに、レオンの顔を見れていなかった。
だって……。
これ、想像以上に恥ずかしい!!
大好きな人と、いきなり同じ部屋で、同じベッドに寝るのだ。
しかもベッドの上にはバラの花びらが散らしてあるし、ベッドサイドのテーブルには香油などが並んでいる。
恥ずかしいって!!
「あの……ロゼッタ嬢」
私が恥ずかしくて俯いていると、頭上からレオンの真剣な声が聞こえた。
急いで顔を上げると、真っ赤な顔のレオンが私を真剣な顔で見ていた。
「は、はい」
緊張しながら答えるとレオンが口を開いた。
「ロゼッタ嬢は……本当に……私と……その……一緒に寝てもいいと……思って下さっているのですか?」
一緒に寝てもいいのか?
私は真っ赤になりながら思った。
そうだ。確かに、私は今はとても恥ずかしい。
でも――嫌ではない。
そう、私は恥ずかしいとか、私の寝相は大丈夫なのかとか不安や心配や羞恥心はあるが、レオンの側で、眠ったり、レオンと一緒に過ごすことが嫌ではないのだ。
むしろ――。
私は、恥ずかしくて震える足に力を入れて、レオンを見ながら答えた。
「はい。よろしくお願い致します」
その瞬間、レオンに抱きしめられた。
「すみません、緊張して、ようやくあなたの顔を見れたと思ったのですが、嬉しくて……」
レオンの心臓の音が聞こえてくる。
走ったあとのように早い。
だが、それは私も同じだった。
レオン様も、恥ずかしくてお顔を見れなかったのね……。
私はきつくレオンを抱きしめた。
「私も嬉しいです。どうか、私のことはロゼッタと……」
「ロゼッタ!! 愛しています。生涯大切にします」
「私も愛しています」
そして私たちは、どちらともなく唇を合わせた。
そのキスはまるで誓いのキスのように私の身体と心を全て溶かしてしまったのだった。
――――――
「結婚式はあとにして、とりあえず籍を入れて一緒に住んだらいいんじゃないかしら?」
レオンと結婚することが決まって、レオンとレオンのご両親と共に今後の話をしていた時に、母が爆弾発言をした。
「そうねぇ~結婚式はあとでも籍は入れて住むのもいいかもしれないですわ」
母の言葉にレオンの母もすぐに同意した。
レオンが我が侯爵家に婿養子に入ることが決まって、すでにレオンは父と共に仕事をしている。
好きな人と一緒に住む……。
顔に熱が集まる。
心臓の音が早い!!
結婚すると決めた時に、いつかはレオンと一緒に住むと覚悟はしていたが、こんなにすぐに住むようになるとは思わなかった。
もっと恋人のようなことを経験して……。
そもそも、私はアルベルト殿下の婚約者だったが、甘さはゼロのビジネスパートナーのノリだったので、恋愛に関しては完全に初心者だ!! ちなみにこれまで私は、デートさえもしたことがない!! まぁ、殿下とデートがしたいと思ったこともないのだが……。
それなのに、いきなりの同棲……一応籍を入れてから住むので同居になるが、とにかく、いきなり一緒に住むことになるのだ!!
「レオン殿はどう思われますか?」
母たちの提案を聞いた父が、レオンに尋ねた。レオンは優しく私を見ながら微笑んだあとに言った。
「私は、ロゼッタ嬢がよろしいのでしたら」
レオンは、私に判断を委ねてくれた!!
みんなの期待の籠った眼差しと、レオンの微笑み……。
「私もレオン様がよろしいのでしたら……」
「決まりね!!」
母の嬉しそうな声で、レオンとの同居が決まったのだった。
☆==☆==☆==
それからの動きは早かった。
次の日には、私とレオンの婚姻が成立した。さらに、私の部屋にこれまで以上に大きなベッドが搬入されて、レオンの荷物がクローゼットに運び込まれた。
もう一度言う。
同居を決めた次の日には婚姻が成立して、私の部屋に巨大なベッドが準備されたのだ。
私は、部屋に自分の部屋に搬入されたベッドを見て、顔が赤くなったり、青くなったり全く落ち着かない。
これって、すぐにレオン様と一緒に寝るってことだよね……。
同じ部屋で!!
同じベッドで!!
私、寝相大丈夫かな? 寝言とか言ってないかな?!
それより、レオン様の隣で寝れるの?!
私、大丈夫?!
私としては、てっきり結婚式までは部屋は別で、結婚式のあとに寝室が同じになると思っていたので、いきなり同じベッドで寝ることになり照れたり、慌てたりと大変だ。
結局その日は、大きなベッドの隅で小さくなって眠ったのだった。
そして婚姻が成立した翌日、レオンが父と共に仕事を終えて、私の屋敷にやってきた。
父と母と共に、レオンを歓迎する宴が終えると、母が楽しそうに言った。
「部屋は準備してありますわ。ロゼッタに案内させますので、どうぞくつろいで下さいませ」
「ありがとうございます」
レオンは、父と母にお礼を言った。私は少し緊張しながらも「案内致します」と言って、レオンを部屋に案内した。
廊下に出ると、レオンが少し照れたように言った。
「ロゼッタ嬢。これから、よろしくお願い致します」
「こちらこそ、よろしくお願い致します」
私たちは、緊張してレオンの顔を見ることが出来ずに、結局それだけしか口に出来なかった。
「こちらですわ」
レオンを部屋に案内すると、レオンがピタリと止まった。
ふとレオンを見ると、耳まで真っ赤になっていた。
ああ、私だけじゃなくて、レオン様も緊張しているんだ……。
実は、今日はまともに、レオンの顔を見れていなかった。
だって……。
これ、想像以上に恥ずかしい!!
大好きな人と、いきなり同じ部屋で、同じベッドに寝るのだ。
しかもベッドの上にはバラの花びらが散らしてあるし、ベッドサイドのテーブルには香油などが並んでいる。
恥ずかしいって!!
「あの……ロゼッタ嬢」
私が恥ずかしくて俯いていると、頭上からレオンの真剣な声が聞こえた。
急いで顔を上げると、真っ赤な顔のレオンが私を真剣な顔で見ていた。
「は、はい」
緊張しながら答えるとレオンが口を開いた。
「ロゼッタ嬢は……本当に……私と……その……一緒に寝てもいいと……思って下さっているのですか?」
一緒に寝てもいいのか?
私は真っ赤になりながら思った。
そうだ。確かに、私は今はとても恥ずかしい。
でも――嫌ではない。
そう、私は恥ずかしいとか、私の寝相は大丈夫なのかとか不安や心配や羞恥心はあるが、レオンの側で、眠ったり、レオンと一緒に過ごすことが嫌ではないのだ。
むしろ――。
私は、恥ずかしくて震える足に力を入れて、レオンを見ながら答えた。
「はい。よろしくお願い致します」
その瞬間、レオンに抱きしめられた。
「すみません、緊張して、ようやくあなたの顔を見れたと思ったのですが、嬉しくて……」
レオンの心臓の音が聞こえてくる。
走ったあとのように早い。
だが、それは私も同じだった。
レオン様も、恥ずかしくてお顔を見れなかったのね……。
私はきつくレオンを抱きしめた。
「私も嬉しいです。どうか、私のことはロゼッタと……」
「ロゼッタ!! 愛しています。生涯大切にします」
「私も愛しています」
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