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第一章 幸せが約束された未来
3 お茶会デビュー(3)
しおりを挟む「シャルロッテ、このお菓子も美味しいわよ。食べてみて」
「ありがとう!!」
「シャルロッテは、本当に美味しそうに食べるのね。それに可愛いわ。私の弟もこのくらい可愛げがあるといいのだけど……」
私は、エカテリーナのおかげで、数人の令嬢と知り合った。
美味しいお菓子を食べて、お話をする。
(お茶会って、楽しい!!)
私は、とても楽しいお茶会を過ごしていた。
ふと、ずっと閉じていた門が開いて、数人の使用人や執事が入ってきた。
「あら? そろそろ、お茶会が終わるようね。伯爵子息にあいさつしたかったけど、凄い人ね……仕方ない。今日は帰ろうかしら。シャルロッテも帰りましょう? 送って行くわよ」
エカテリーナが片目を閉じなら言ったが、きっとエイドが、馬車のところで待っているはずだ。
「ありがとう。でも、きっとエイドが待っていると思うの」
「ふふふ。あの、エイドね。ねぇ、シャルロッテ。今度、私の家に遊びに来ない? もっと話がしたいわ」
「ぜひ!!」
私は頷きながら答えた。
「ふふふ。では、シャルロッテ、またね」
「また!!」
エカテリーナは、優雅に微笑むと、門の近くで待っていた執事と共に去って行った。
私は、エカテリーナを見送った後に、私の一番近くにいたホフマン伯爵家の老年の執事に寄って行った。
「あの……」
「おやおや、これは、ウェーバー嬢。いかがされました?」
お茶会に来た時に門の前で招待状を差し出しただけなのに、この人は私の顔を覚えていたようだ。
(すごい……これが一流の執事)
私は、慌てて言葉を続けた。忙しい執事をいつまでも引き留めるのは申し訳なさすぎる。
「いえ。伯爵様に『ありがとうございました』とお伝え頂けますでしょうか? 初めてのお茶会でしたが、まるで夢のような時間でした」
執事は、一瞬じっと私の顔を見つめた後に、にっこりと笑った。
「ふふふ。わかりました。わたくしが責任を持って、ホフマン伯爵にお伝え致します」
「ありがとうございました。では、失礼致します」
「お待ち下さい」
「はい?」
私が振り向くと、執事は、じっと私を見つめた後に、ポケットから、白い石を2つ取り出して、口を開いた。
「お近づきの印に、この石のどちらかを差し上げます。どちらがよろしいですか?」
私は、執事の手の上で輝く2つの石を見つめた。どちらも変わらないように見えるが、右の方が少しだけ光の反射で黄色にも見えた。
「こっちがいいです」
私は、右の石を指さした。
「……なぜ、そちらを?」
「そうですね~~。私、カモミールが好きなんです。光で、白になったり、黄色になったりするのが素敵だと思って」
私の言葉を聞いた執事が息を飲んだ。
そして、私の手に、右の白い石を乗せてくれた。
「どうぞ。お持ち帰り下さい」
「ありがとうございます!! では、失礼します」
「ふふふ。はい。お気をつけて」
私は、執事に手を振ると、ポケットに白い石を入れて、エイドの待つ馬車の乗り場へと向かった。
馬車に戻ると、エイドがすぐに気づいて顔をほころばせた。
「お嬢。お帰りなさい!! お茶会はどうでした? 誰かにいじめられたりしませんでしたか?」
「楽しかったよ。エカテリーナっていう、お友達が出来たのよ!!」
「へぇ~~!! お友達!! それはよかったですね~!! ところで、お嬢。こちらの坊ちゃんには会われました?」
「今日は、男性もお見えだったのね? 全く気が付かなかったわ」
「そうですか!! いや~よかった、よかった!! 男性である伯爵家の坊ちゃんに会わずに、友達が出来たなんて!! それは、かなり完璧なお茶会でしたね~~。さてと、帰りましょう。行きますよ、お嬢」
エイドが鼻歌混じりに、私を馬車に乗せてくれた。
家の馬車は屋根がないタイプの簡易的な馬車なので、御者をしてくれているエイドとも、話ができるのだ。
「男性といえば、執事には会ったわよ? 今日のお礼を伝えたわ」
「執事は問題ありません。でも、ちゃんとお礼が言えて、えらかったですね」
「そう? あとね、白い石を貰ったわ」
「へぇ~~。お土産付きですか? さすがホフマン伯爵家。随分と至れり尽くせりですね~~」
エイドが楽しそうに言った。前を向いているので、表情はわからないが、機嫌が良さそうだ。
「ふふふ。そうね。あ~~お菓子も美味しかったし、お食事も美味しかったぁ~~。
あ、でも、エイドのご飯が一番好きよ?」
「ふっふっふ。そうでしょうとも……俺の料理には『愛情』がたっぷり入っているんでね。それに関しては、他の料理人には負けませんよ!! さて、お嬢。ちょっとスピードあげますよ。帰って、奥様とエマにご報告を。きっと2人共、首を長くしてお待ちですよ」
「そうね。帰りましょう」
こうして、私は家に戻ったのだった。
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