好きでした、婚約破棄を受け入れます

たぬきち25番

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第一章 幸せが約束された未来

3 お茶会デビュー(3)

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「シャルロッテ、このお菓子も美味しいわよ。食べてみて」

「ありがとう!!」

「シャルロッテは、本当に美味しそうに食べるのね。それに可愛いわ。私の弟もこのくらい可愛げがあるといいのだけど……」

 私は、エカテリーナのおかげで、数人の令嬢と知り合った。
 美味しいお菓子を食べて、お話をする。

(お茶会って、楽しい!!)

 私は、とても楽しいお茶会を過ごしていた。
 ふと、ずっと閉じていた門が開いて、数人の使用人や執事が入ってきた。

「あら? そろそろ、お茶会が終わるようね。伯爵子息にあいさつしたかったけど、凄い人ね……仕方ない。今日は帰ろうかしら。シャルロッテも帰りましょう? 送って行くわよ」

 エカテリーナが片目を閉じなら言ったが、きっとエイドが、馬車のところで待っているはずだ。

「ありがとう。でも、きっとエイドが待っていると思うの」

「ふふふ。あの、エイドね。ねぇ、シャルロッテ。今度、私の家に遊びに来ない? もっと話がしたいわ」

「ぜひ!!」

 私は頷きながら答えた。

「ふふふ。では、シャルロッテ、またね」

「また!!」

 エカテリーナは、優雅に微笑むと、門の近くで待っていた執事と共に去って行った。

 私は、エカテリーナを見送った後に、私の一番近くにいたホフマン伯爵家の老年の執事に寄って行った。

「あの……」

「おやおや、これは、ウェーバー嬢。いかがされました?」

 お茶会に来た時に門の前で招待状を差し出しただけなのに、この人は私の顔を覚えていたようだ。

(すごい……これが一流の執事)

 私は、慌てて言葉を続けた。忙しい執事をいつまでも引き留めるのは申し訳なさすぎる。

「いえ。伯爵様に『ありがとうございました』とお伝え頂けますでしょうか? 初めてのお茶会でしたが、まるで夢のような時間でした」

 執事は、一瞬じっと私の顔を見つめた後に、にっこりと笑った。

「ふふふ。わかりました。わたくしが責任を持って、ホフマン伯爵にお伝え致します」

「ありがとうございました。では、失礼致します」

「お待ち下さい」

「はい?」

 私が振り向くと、執事は、じっと私を見つめた後に、ポケットから、白い石を2つ取り出して、口を開いた。

「お近づきの印に、この石のどちらかを差し上げます。どちらがよろしいですか?」

 私は、執事の手の上で輝く2つの石を見つめた。どちらも変わらないように見えるが、右の方が少しだけ光の反射で黄色にも見えた。

「こっちがいいです」

 私は、右の石を指さした。

「……なぜ、そちらを?」

「そうですね~~。私、カモミールが好きなんです。光で、白になったり、黄色になったりするのが素敵だと思って」

 私の言葉を聞いた執事が息を飲んだ。
 そして、私の手に、右の白い石を乗せてくれた。

「どうぞ。お持ち帰り下さい」

「ありがとうございます!! では、失礼します」

「ふふふ。はい。お気をつけて」

 私は、執事に手を振ると、ポケットに白い石を入れて、エイドの待つ馬車の乗り場へと向かった。
 

 馬車に戻ると、エイドがすぐに気づいて顔をほころばせた。
 
「お嬢。お帰りなさい!! お茶会はどうでした? 誰かにいじめられたりしませんでしたか?」

「楽しかったよ。エカテリーナっていう、お友達が出来たのよ!!」

「へぇ~~!! お友達!! それはよかったですね~!! ところで、お嬢。こちらの坊ちゃんには会われました?」

「今日は、男性もお見えだったのね? 全く気が付かなかったわ」

「そうですか!! いや~よかった、よかった!! 男性である伯爵家の坊ちゃんに会わずに、友達が出来たなんて!! それは、かなり完璧なお茶会でしたね~~。さてと、帰りましょう。行きますよ、お嬢」

 エイドが鼻歌混じりに、私を馬車に乗せてくれた。
 家の馬車は屋根がないタイプの簡易的な馬車なので、御者をしてくれているエイドとも、話ができるのだ。

「男性といえば、執事には会ったわよ? 今日のお礼を伝えたわ」

「執事は問題ありません。でも、ちゃんとお礼が言えて、えらかったですね」

「そう? あとね、白い石を貰ったわ」

「へぇ~~。お土産付きですか? さすがホフマン伯爵家。随分と至れり尽くせりですね~~」

 エイドが楽しそうに言った。前を向いているので、表情はわからないが、機嫌が良さそうだ。

「ふふふ。そうね。あ~~お菓子も美味しかったし、お食事も美味しかったぁ~~。
 あ、でも、エイドのご飯が一番好きよ?」

「ふっふっふ。そうでしょうとも……俺の料理には『愛情』がたっぷり入っているんでね。それに関しては、他の料理人には負けませんよ!! さて、お嬢。ちょっとスピードあげますよ。帰って、奥様とエマにご報告を。きっと2人共、首を長くしてお待ちですよ」

「そうね。帰りましょう」

 こうして、私は家に戻ったのだった。




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