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第25話 矢野君の血筋
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矢野君の顔を見ると、
凄く優しそうに僕を見るので、
その瞬間体がカーっと熱くなった。
矢野君は、最近そう言う目で良く僕を見ている。
僕はスッと立つと、
一歩下がり、勢いをつけて走ると、
ドッポンと湖に服を着たまま飛び込んだ。
「ひゃ~ 冷た~い」
湖の冷たさに、一気に上昇した体の熱が引いて行った。
そんな僕を矢野君は目を白黒させて眺めていたけど、
「全く……お前の行動には、いまだに驚かされるよ」
と肩をすくめてそう言うと、続けて、
「一花大叔母さんな、
彼女、自分の両親の話をするのが凄く好きだったんだ。
そして俺はそんな彼女の両親の話を聞くのが凄く好きだった」
と話し始めた。
「そうなんだ……
君のひいひい祖父母になるんだよね?」
「ハハハ、分かり易いけど、
ひいひい祖父母は言いにくいだろ?
頭こんがらがるし……
ひいひいの代は高祖父母って言えば言いやすいぞ」
「ごめん、田舎者です」
「ハハハ、福岡は田舎じゃないぞ?」
「まぁ、ここに比べたらね。
でも東京に比べたら田舎です。
で? 彼女は君の高祖父母のどういうところが好きだったの?」
そう尋ねると矢野君は僕を見て少しニヤッと笑った。
「彼らはさ、凄い大恋愛だったらしいぞ?
なんでもさ、高祖母のアメリカ行きを、
離れられないって高祖父が追いかけて行ったみたいだな」
「へ~ ロマンチック!」
「だろ? お前、そんな話好きだと思ったよ。
本当ロマンス好きだな」
「へへへ~ まあね」
そう言って舌を出した。
「でもな、そうロマンチックでもなかったらしいぞ?」
「え? そうなの?」
「う~ん、って言うのはさ、
聞いた話によると、俺の高祖父な、
結婚式当日に婚約破棄したみたいなんだよな」
「え? 婚約破棄? 君の高祖母との?……じゃないよね?」
「違う、違う。
高祖父には婚約者がいたんだよ」
「え~ じゃあ君の高祖母の略奪?」
「う~ん、とらえ方にもよるんじゃないかな?
一花大叔母さんの話によると、
高祖父と高祖母って20歳の歳の差があったみたいなんだ」
「え~! 20歳?!」
「じゃあ、僕達から見ると、
今38歳の人たち?」
「ま、そうなるな」
「え~ どうだろう?
僕、そんなに年が離れた人、好きになれるかな?
体力的に合わないよね?
世代が違うから、会話も会わなそうだし……
それに将来って介護にならない?
君の高祖母って勇気あったんだね~」
「いや、勇気なかったから、
高祖父の結婚式当日まで何も起こらなかったんだよ。
でもお前って夢見る少年の割には現実的だな」
そう言って矢野君は笑ったけど、
僕には夢物語のように思えた。
「一体どうなって、そうなったのか聞いてる?」
「聞いた話によると、
高祖父が当時付き合ってた人と婚約した時、
高祖母は留学することを心に決めたみたいだな。
まあ、本当はずっとお互い好き合ってて、
お互いがお互いを諦めるための行動だったみたいだけど、
でも高祖父が崩れたのかな?
高祖母がいないと生きていけないって。
街中で愛してるから行かないでくれって
泣いてすがったみたいだぞ?」
「え??? それ本当?」
「俺の曾祖父も言ってたから間違いないだろうな。
高祖母はずっと高祖父が運命の番だってわかってたみたいだな。
でも高祖父は高祖母の発情期がずっと来なかったから分からなかったみたいだ。
で、高祖母の発情期いつ来たと思うか?」
「え? それってもしかして?!」
「ああ、高祖父の人生一代の大告白を街中で聞いている最中にな」
「ウワ~ それって……」
「それからの高祖父は凄かったらしいぞ?
高祖母の周りに誰も近寄らないようにガードして、
お姫様抱っこでそこを去ったみたいだな。
それ以来、それは、それはもう、高祖母に激甘だったらしいぞ?」
「ス・テ・キ!
なにそれ! おとぎ話の中みたい!
運命の番か~」
そうきた時、
“ん?”
と思った。
「もしかして矢野君って運命の番を見つけたい人?」
「高祖父母の話を思うと、
憧れるって気持ちはあるな……
お前はどうなんだ?」
「運命の番ってさ、
都市伝説化してるじゃない?
考えたことないんだよね~
これまでにも、運命の番のカップルって会った事もないし……
僕にとってはαと番えるだけでもラッキーだって言うか……
でも本当に要るんだね~
でもどうやったら運命の番って分かるんだろうね?
もしかしたら矢野君が僕の運命って事もあり得るのかな?
そうだったら素敵だよね~
そう言えば、ここのホテルの創立者も運命の番って言ってたよな?
それに歳の差カップルだったし……
あれ? あれ? 個々の創立者って矢野だよね?
矢野君、関係ないって言ってたけど、もしかして矢野君って……」
「お前、どんくさい癖にそう言うところには頭が回るんだな。
普通のお前だったら、もう忘れてる頃だぞ?」
「え~ それどういう意味?
でもさ、そう言うことになると……
君って……ここの御子息って事?
え~っっっ!!! もしかして矢野君ってちょ~大金持ち?」
「お前ってやっぱりアホだな。
今アホ丸出しの顔してるぞ?」
「だってそれって、ちょ~スクープ?
それって皆知ってるの?」
そう尋ねると、矢野君は首を振って、
「知ってるのは支配人だけだな」
と言った。
「だろうね~ 誰も知ってる感じじゃなかったもんね~
どうして最初っから言ってくれなかったんだよ~」
「いや、お前、最初に会ったときには思いっきり
お金と結婚するようなこと言ってたからさ~」
「もう~ あれは大失態だったね~
僕、愛がお金に勝つとは思いもしなかったよ。
ね、矢野君の事、お金持ちって知らずに好きになったでしょう?
もう僕の事信じられる?
本当にお金抜きで矢野君の事が大好きなんだよ」
そう言うと、彼は僕の手を取ると、
グイっと自分の方に寄せ今までにないようなキスをしてきた。
凄く優しそうに僕を見るので、
その瞬間体がカーっと熱くなった。
矢野君は、最近そう言う目で良く僕を見ている。
僕はスッと立つと、
一歩下がり、勢いをつけて走ると、
ドッポンと湖に服を着たまま飛び込んだ。
「ひゃ~ 冷た~い」
湖の冷たさに、一気に上昇した体の熱が引いて行った。
そんな僕を矢野君は目を白黒させて眺めていたけど、
「全く……お前の行動には、いまだに驚かされるよ」
と肩をすくめてそう言うと、続けて、
「一花大叔母さんな、
彼女、自分の両親の話をするのが凄く好きだったんだ。
そして俺はそんな彼女の両親の話を聞くのが凄く好きだった」
と話し始めた。
「そうなんだ……
君のひいひい祖父母になるんだよね?」
「ハハハ、分かり易いけど、
ひいひい祖父母は言いにくいだろ?
頭こんがらがるし……
ひいひいの代は高祖父母って言えば言いやすいぞ」
「ごめん、田舎者です」
「ハハハ、福岡は田舎じゃないぞ?」
「まぁ、ここに比べたらね。
でも東京に比べたら田舎です。
で? 彼女は君の高祖父母のどういうところが好きだったの?」
そう尋ねると矢野君は僕を見て少しニヤッと笑った。
「彼らはさ、凄い大恋愛だったらしいぞ?
なんでもさ、高祖母のアメリカ行きを、
離れられないって高祖父が追いかけて行ったみたいだな」
「へ~ ロマンチック!」
「だろ? お前、そんな話好きだと思ったよ。
本当ロマンス好きだな」
「へへへ~ まあね」
そう言って舌を出した。
「でもな、そうロマンチックでもなかったらしいぞ?」
「え? そうなの?」
「う~ん、って言うのはさ、
聞いた話によると、俺の高祖父な、
結婚式当日に婚約破棄したみたいなんだよな」
「え? 婚約破棄? 君の高祖母との?……じゃないよね?」
「違う、違う。
高祖父には婚約者がいたんだよ」
「え~ じゃあ君の高祖母の略奪?」
「う~ん、とらえ方にもよるんじゃないかな?
一花大叔母さんの話によると、
高祖父と高祖母って20歳の歳の差があったみたいなんだ」
「え~! 20歳?!」
「じゃあ、僕達から見ると、
今38歳の人たち?」
「ま、そうなるな」
「え~ どうだろう?
僕、そんなに年が離れた人、好きになれるかな?
体力的に合わないよね?
世代が違うから、会話も会わなそうだし……
それに将来って介護にならない?
君の高祖母って勇気あったんだね~」
「いや、勇気なかったから、
高祖父の結婚式当日まで何も起こらなかったんだよ。
でもお前って夢見る少年の割には現実的だな」
そう言って矢野君は笑ったけど、
僕には夢物語のように思えた。
「一体どうなって、そうなったのか聞いてる?」
「聞いた話によると、
高祖父が当時付き合ってた人と婚約した時、
高祖母は留学することを心に決めたみたいだな。
まあ、本当はずっとお互い好き合ってて、
お互いがお互いを諦めるための行動だったみたいだけど、
でも高祖父が崩れたのかな?
高祖母がいないと生きていけないって。
街中で愛してるから行かないでくれって
泣いてすがったみたいだぞ?」
「え??? それ本当?」
「俺の曾祖父も言ってたから間違いないだろうな。
高祖母はずっと高祖父が運命の番だってわかってたみたいだな。
でも高祖父は高祖母の発情期がずっと来なかったから分からなかったみたいだ。
で、高祖母の発情期いつ来たと思うか?」
「え? それってもしかして?!」
「ああ、高祖父の人生一代の大告白を街中で聞いている最中にな」
「ウワ~ それって……」
「それからの高祖父は凄かったらしいぞ?
高祖母の周りに誰も近寄らないようにガードして、
お姫様抱っこでそこを去ったみたいだな。
それ以来、それは、それはもう、高祖母に激甘だったらしいぞ?」
「ス・テ・キ!
なにそれ! おとぎ話の中みたい!
運命の番か~」
そうきた時、
“ん?”
と思った。
「もしかして矢野君って運命の番を見つけたい人?」
「高祖父母の話を思うと、
憧れるって気持ちはあるな……
お前はどうなんだ?」
「運命の番ってさ、
都市伝説化してるじゃない?
考えたことないんだよね~
これまでにも、運命の番のカップルって会った事もないし……
僕にとってはαと番えるだけでもラッキーだって言うか……
でも本当に要るんだね~
でもどうやったら運命の番って分かるんだろうね?
もしかしたら矢野君が僕の運命って事もあり得るのかな?
そうだったら素敵だよね~
そう言えば、ここのホテルの創立者も運命の番って言ってたよな?
それに歳の差カップルだったし……
あれ? あれ? 個々の創立者って矢野だよね?
矢野君、関係ないって言ってたけど、もしかして矢野君って……」
「お前、どんくさい癖にそう言うところには頭が回るんだな。
普通のお前だったら、もう忘れてる頃だぞ?」
「え~ それどういう意味?
でもさ、そう言うことになると……
君って……ここの御子息って事?
え~っっっ!!! もしかして矢野君ってちょ~大金持ち?」
「お前ってやっぱりアホだな。
今アホ丸出しの顔してるぞ?」
「だってそれって、ちょ~スクープ?
それって皆知ってるの?」
そう尋ねると、矢野君は首を振って、
「知ってるのは支配人だけだな」
と言った。
「だろうね~ 誰も知ってる感じじゃなかったもんね~
どうして最初っから言ってくれなかったんだよ~」
「いや、お前、最初に会ったときには思いっきり
お金と結婚するようなこと言ってたからさ~」
「もう~ あれは大失態だったね~
僕、愛がお金に勝つとは思いもしなかったよ。
ね、矢野君の事、お金持ちって知らずに好きになったでしょう?
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本当にお金抜きで矢野君の事が大好きなんだよ」
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