55 / 102
第55話 フラッシュバック
しおりを挟む
腕を宙にかざして、
嵌めたブレスレットにじっと見入った。
ブレスレットを付けるのなんて生まれて初めてだ。
シルバーのバンドの真ん中に一つだけ
青く光るサファイアが埋まっている。
大き過ぎず、小さ過ぎない、
程よい大きさのサファイアで、
上品さがある。
“さっきは会話をする様に光った気がしたんだけどな……”
少し腕をずらして
サファイアに光を反射させて光らせても、
先程の様な感じではない。
“でもこのブレスレット……
何処かで見た事ある様な……
何処でだったかな?”
確かに何処かで目にした様なデザインだ。
どうしても思い出せず暫く考えていると、
ウエディングの音楽が流れて来た。
“始まった”
僕は始まったばかりのお式に見入った。
ドアからはつい先程話したばかりの
Ωの新郎さんが登場した。
一歩前を歩くのは彼の父親だろう。
真剣な面持ちで、
それでも少し緊張したようにしている。
祭壇に着くと、
もう一人の新郎さんに深々とお辞儀をして後ろを振り返ると、
Ωの息子さんの手を取った。
そしてΩの新郎さんに笑顔を向けると、
小さくコクリと頷いて
持った彼の手を、
スッと祭壇の前で待っていた新郎さんに差し出した。
新郎さんは深々と父親にお辞儀をすると、
Ωの彼の手を受け取った。
そして二人して祭壇の前に並んで立つと、
そこに跪いた。
その姿がとても敬虔で神聖で、
僕は涙が止まらなかった。
そこに自分の姿を重ねてしまった。
”矢野君……”
僕の頭の中は矢野君で一杯だった。
“番なんかを通り越しても
やっぱり僕は矢野君が好きだ”
止まらない涙を左手で拭うと、
やはりサファイアがまた自分の意思で光った様な気がした。
もう一度腕を宙に翳して青く光輝く宝石に見入ると、
“あれ?”
と思った。
シルバーに彫られたパターンが
矢野君に貰ったチョーカーに似ているのだ。
”もしかしてあのチョーカーと対になってる?“
嬉しくて、何度も、何度も眺めたチョーカーだ。
ブレスレットのパターンは小さくて
見比べ無いと良く分からないけど、
ヤッパリ似ている。
首を傾げて腕を見ていると、
「お前、来てたのか?」
そう言って矢野君が現れた。
僕は宙に上げた腕をサッと下ろすと、
何故か腕に付けたブレスレットを矢野君に見られない様に隠した。
「あっ、矢野君、お疲れ!」
予期しなかった矢野君の登場に、
少し気恥ずかしい気がした。
なんと言ってもたった今、
矢野君の事を思って涙したばかりだ。
僕はサッと手で顔を払うと、
身なりを整えた。
「何だ? 結婚式か? もしかしてお前、
結婚式を見て泣いてたのか?」
矢野君には僕が泣いていた事を
見られていた様だ。
「へへ……
お恥ずかしい……
僕、インフィニティに勤め始めて何度も結婚式見たけど、
男性同士のお式は初めてで……
何だか感動しちゃって……」
そう言うと、矢野君は自分の目を祭壇の前で跪く二人に移した。
「俺さ」
そう言って矢野君が話し始めた。
「ん? 何?」
「男同士ってさ、微塵も考えた事無かったんだ」
そう来た時、
分かってはいたことだけど、
改めて言われると、また一味違う。
僕は頭をハンマーで殴られた様な気がした。
でも次のセリフでその気持ちは救われた。
「お前の姿が遠くから見えたから
何してるんだろうって眺めてたんだよ。
それが……
お前、おかしくってさ、
傍から見てもソワソワとしててさ、
何を百面相してるんだろうって気になって……
そしたらあの新郎の登場だろ?
直ぐにハハーンと来たよ。
よく考えたらさ、
お前ってΩな訳じゃないか?
お前が選ぶ相手ってどう見ても男性だよな?
まあ、女性って事もあるかもだけど、
確率としては低いよな?
それって自然の摂理というか、
お前からすると俺たちが女性を選ぶ様に
息をする様に自然な事なんだよな。
少し偏見を持ったところもあったけど、
スマンな。
俺、失礼な事言ったりした事あったよな」
そう言われ、僕は目を見開いた。
「いきなりどうしたの?
そりゃあ、矢野君の気持ちは嬉しいけど、
この前まで男同士は気持ち悪いって……」
「もうそこは忘れてくれ!
俺が悪かった!」
そう言って矢野君が頭を下げた。
「急にどうしたの?
何か思う事でも有ったの?」
僕は少し期待した。
矢野君はチラッと祭壇の二人を見ると、
深呼吸をした。
「あのさ、これ、絶対誰にも言うなよ?」
矢野君のセリフにドキッとした。
”え? もしかして好きな人ができた?
それってΩの男性?“
もしそうだとしても、
矢野君の口ぶりから、それは僕では無さそうだ。
”もしそうだったら聞きたく無い!“
僕は心の中で叫んだ。
矢野君は誰にも言うなよと言った後、
「特に仁には!」
と佐々木君には知られたく無い様だ。
矢野君は僕が同意するのを確認すると話し始めた。
「実を言うとな、
最近フラッシュバックが起こるんだよ」
「フラッシュバック?」
僕はドキリとして聞き返した。
矢野君はコクリと頷くと、
「ああ、断片的なもんだけど、
多分俺の記憶のかけらだと思う」
更に僕の心臓が高鳴った。
「それは…… どんな……?」
「それがな、俺が裸で男とベッドの中にいるんだ」
それを聞いた瞬間手が震え出した。
“思い出しかけてる?
あの熱かった夏の日を思い出してくれる?
二人で抱き合ったあの海辺の日々を思い出してくれる?”
僕の期待が高まった。
「それで? 他には?」
僕がそう尋ねると、
「バーで……」
と言う言葉が次に出てきた。
「バー?」
「ああ。 薄暗いバーで
俺が誰かの手を引いているんだ。
顔が見えない……」
そう言って矢野君が目をすくめた。
そして続けて
「耳元で囁かれるんだ……
何を言っているのか分からない……
アイツの顔を見ると、
唇がスローモーションで動くんだ。
でも口から上が見えない。
微笑んだ唇が異様に赤くて……
あれは酔っているのか……
その唇が俺を誘うんだ……
そして俺の体が熱くなる……
でも思い出せないんだ。
アイツが誰なのか!」
そう言って矢野君が僕を見た。
「その人は男性……なんだね……?」
「ああ、バーで知りあったんだと思う。
でも何故なんだ!
俺はバーになんか行った事無いのに。
それとも俺は記憶を無くす前は今とは違った人物だったのか?!」
そう言って矢野君が顔を歪ませた。
僕は何と言って声をかけて良いのか分からなかった。
それよりも僕の方がショックに打ちひしがれていた。
“その記憶は僕じゃ無い!
思い出すの?
彼との記憶をまた思い出すの?
そして君はまたあの暗闇の中に落ちてしまうの?!”
僕は矢野君の腕にしがみついて何度も、何度も
“嫌だ、嫌だ、いやだ!“
と心の中で叫んだ。
嵌めたブレスレットにじっと見入った。
ブレスレットを付けるのなんて生まれて初めてだ。
シルバーのバンドの真ん中に一つだけ
青く光るサファイアが埋まっている。
大き過ぎず、小さ過ぎない、
程よい大きさのサファイアで、
上品さがある。
“さっきは会話をする様に光った気がしたんだけどな……”
少し腕をずらして
サファイアに光を反射させて光らせても、
先程の様な感じではない。
“でもこのブレスレット……
何処かで見た事ある様な……
何処でだったかな?”
確かに何処かで目にした様なデザインだ。
どうしても思い出せず暫く考えていると、
ウエディングの音楽が流れて来た。
“始まった”
僕は始まったばかりのお式に見入った。
ドアからはつい先程話したばかりの
Ωの新郎さんが登場した。
一歩前を歩くのは彼の父親だろう。
真剣な面持ちで、
それでも少し緊張したようにしている。
祭壇に着くと、
もう一人の新郎さんに深々とお辞儀をして後ろを振り返ると、
Ωの息子さんの手を取った。
そしてΩの新郎さんに笑顔を向けると、
小さくコクリと頷いて
持った彼の手を、
スッと祭壇の前で待っていた新郎さんに差し出した。
新郎さんは深々と父親にお辞儀をすると、
Ωの彼の手を受け取った。
そして二人して祭壇の前に並んで立つと、
そこに跪いた。
その姿がとても敬虔で神聖で、
僕は涙が止まらなかった。
そこに自分の姿を重ねてしまった。
”矢野君……”
僕の頭の中は矢野君で一杯だった。
“番なんかを通り越しても
やっぱり僕は矢野君が好きだ”
止まらない涙を左手で拭うと、
やはりサファイアがまた自分の意思で光った様な気がした。
もう一度腕を宙に翳して青く光輝く宝石に見入ると、
“あれ?”
と思った。
シルバーに彫られたパターンが
矢野君に貰ったチョーカーに似ているのだ。
”もしかしてあのチョーカーと対になってる?“
嬉しくて、何度も、何度も眺めたチョーカーだ。
ブレスレットのパターンは小さくて
見比べ無いと良く分からないけど、
ヤッパリ似ている。
首を傾げて腕を見ていると、
「お前、来てたのか?」
そう言って矢野君が現れた。
僕は宙に上げた腕をサッと下ろすと、
何故か腕に付けたブレスレットを矢野君に見られない様に隠した。
「あっ、矢野君、お疲れ!」
予期しなかった矢野君の登場に、
少し気恥ずかしい気がした。
なんと言ってもたった今、
矢野君の事を思って涙したばかりだ。
僕はサッと手で顔を払うと、
身なりを整えた。
「何だ? 結婚式か? もしかしてお前、
結婚式を見て泣いてたのか?」
矢野君には僕が泣いていた事を
見られていた様だ。
「へへ……
お恥ずかしい……
僕、インフィニティに勤め始めて何度も結婚式見たけど、
男性同士のお式は初めてで……
何だか感動しちゃって……」
そう言うと、矢野君は自分の目を祭壇の前で跪く二人に移した。
「俺さ」
そう言って矢野君が話し始めた。
「ん? 何?」
「男同士ってさ、微塵も考えた事無かったんだ」
そう来た時、
分かってはいたことだけど、
改めて言われると、また一味違う。
僕は頭をハンマーで殴られた様な気がした。
でも次のセリフでその気持ちは救われた。
「お前の姿が遠くから見えたから
何してるんだろうって眺めてたんだよ。
それが……
お前、おかしくってさ、
傍から見てもソワソワとしててさ、
何を百面相してるんだろうって気になって……
そしたらあの新郎の登場だろ?
直ぐにハハーンと来たよ。
よく考えたらさ、
お前ってΩな訳じゃないか?
お前が選ぶ相手ってどう見ても男性だよな?
まあ、女性って事もあるかもだけど、
確率としては低いよな?
それって自然の摂理というか、
お前からすると俺たちが女性を選ぶ様に
息をする様に自然な事なんだよな。
少し偏見を持ったところもあったけど、
スマンな。
俺、失礼な事言ったりした事あったよな」
そう言われ、僕は目を見開いた。
「いきなりどうしたの?
そりゃあ、矢野君の気持ちは嬉しいけど、
この前まで男同士は気持ち悪いって……」
「もうそこは忘れてくれ!
俺が悪かった!」
そう言って矢野君が頭を下げた。
「急にどうしたの?
何か思う事でも有ったの?」
僕は少し期待した。
矢野君はチラッと祭壇の二人を見ると、
深呼吸をした。
「あのさ、これ、絶対誰にも言うなよ?」
矢野君のセリフにドキッとした。
”え? もしかして好きな人ができた?
それってΩの男性?“
もしそうだとしても、
矢野君の口ぶりから、それは僕では無さそうだ。
”もしそうだったら聞きたく無い!“
僕は心の中で叫んだ。
矢野君は誰にも言うなよと言った後、
「特に仁には!」
と佐々木君には知られたく無い様だ。
矢野君は僕が同意するのを確認すると話し始めた。
「実を言うとな、
最近フラッシュバックが起こるんだよ」
「フラッシュバック?」
僕はドキリとして聞き返した。
矢野君はコクリと頷くと、
「ああ、断片的なもんだけど、
多分俺の記憶のかけらだと思う」
更に僕の心臓が高鳴った。
「それは…… どんな……?」
「それがな、俺が裸で男とベッドの中にいるんだ」
それを聞いた瞬間手が震え出した。
“思い出しかけてる?
あの熱かった夏の日を思い出してくれる?
二人で抱き合ったあの海辺の日々を思い出してくれる?”
僕の期待が高まった。
「それで? 他には?」
僕がそう尋ねると、
「バーで……」
と言う言葉が次に出てきた。
「バー?」
「ああ。 薄暗いバーで
俺が誰かの手を引いているんだ。
顔が見えない……」
そう言って矢野君が目をすくめた。
そして続けて
「耳元で囁かれるんだ……
何を言っているのか分からない……
アイツの顔を見ると、
唇がスローモーションで動くんだ。
でも口から上が見えない。
微笑んだ唇が異様に赤くて……
あれは酔っているのか……
その唇が俺を誘うんだ……
そして俺の体が熱くなる……
でも思い出せないんだ。
アイツが誰なのか!」
そう言って矢野君が僕を見た。
「その人は男性……なんだね……?」
「ああ、バーで知りあったんだと思う。
でも何故なんだ!
俺はバーになんか行った事無いのに。
それとも俺は記憶を無くす前は今とは違った人物だったのか?!」
そう言って矢野君が顔を歪ませた。
僕は何と言って声をかけて良いのか分からなかった。
それよりも僕の方がショックに打ちひしがれていた。
“その記憶は僕じゃ無い!
思い出すの?
彼との記憶をまた思い出すの?
そして君はまたあの暗闇の中に落ちてしまうの?!”
僕は矢野君の腕にしがみついて何度も、何度も
“嫌だ、嫌だ、いやだ!“
と心の中で叫んだ。
10
あなたにおすすめの小説
『聖クロノア学院恋愛譚 』記憶を失ったベータと王族アルファ、封印された過去が愛を試すまで
るみ乃。
BL
聖クロノア学院で、記憶と感情が静かに交差する。
「君の中の、まだ知らない“俺”に、触れたかった」
記憶を失ったベータの少年・ユリス。
彼の前に現れたのは、王族の血を引くアルファ・レオンだった。
封じられた記憶。
拭いきれない心の傷。
噛み合わない言葉と、すれ違う想い。
謎に包まれた聖クロノア学院のなかで、
ふたりの距離は、近づいては揺れ、また離れていく。
触れたいのに、触れられない。
心を開けば、過去が崩れてしまう。
それでも彼らは、確かめずにはいられなかった。
――やがて、学院の奥底に眠る真実が、静かに目を覚ます。
過去と向き合い、誰かと繋がることでしか見えない未来がある。
許し、選びなおし、そしてささやかな祈り。
孤独だった少年たちは、いつしか「願い」を知っていく。
これは、ふたりの愛の物語であると同時に、
誰かの傷が、誰かの救いへと変わっていく物語。
運命に抗うのは、誰か。
未来を選ぶのは、誰なのか。
優しさと痛みが交差する場所で、物語は紡がれる。
僕のために、忘れていて
ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────
綴った言葉の先で、キミとのこれからを。
小湊ゆうも
BL
進路選択を前にして、離れることになる前に自分の気持ちをこっそり伝えようと、大真(はるま)は幼馴染の慧司(けいし)の靴箱に匿名で手紙を入れた。自分からだと知られなくて良い、この気持ちにひとつ区切りを付けられればと思っていたのに、慧司は大真と離れる気はなさそうで思わぬ提案をしてくる。その一方で、手紙の贈り主を探し始め、慧司の言動に大真は振り回されてーー……。 手紙をテーマにしたお話です。3組のお話を全6話で書きました!
表紙絵:小湊ゆうも
【完結】この契約に愛なんてないはずだった
なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。
そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。
数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。
身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。
生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。
これはただの契約のはずだった。
愛なんて、最初からあるわけがなかった。
けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。
ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。
これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。
キミと2回目の恋をしよう
なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。
彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。
彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。
「どこかに旅行だったの?」
傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。
彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。
彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが…
彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?
オメガの僕が、最後に恋をした騎士は冷酷すぎる
虹湖🌈
BL
死にたかった僕を、生かしたのは――あなたの声だった。
滅びかけた未来。
最後のオメガとして、僕=アキは研究施設に閉じ込められていた。
「資源」「道具」――そんな呼び方しかされず、生きる意味なんてないと思っていた。
けれど。
血にまみれたアルファ騎士・レオンが、僕の名前を呼んだ瞬間――世界が変わった。
冷酷すぎる彼に守られて、逃げて、傷ついて。
それでも、彼と一緒なら「生きたい」と思える。
終末世界で芽生える、究極のバディ愛×オメガバース。
命を懸けた恋が、絶望の世界に希望を灯す。
この噛み痕は、無効。
ことわ子
BL
執着強めのαで高校一年生の茜トキ×αアレルギーのβで高校三年生の品野千秋
α、β、Ωの三つの性が存在する現代で、品野千秋(しなのちあき)は一番人口が多いとされる平凡なβで、これまた平凡な高校三年生として暮らしていた。
いや、正しくは"平凡に暮らしたい"高校生として、自らを『αアレルギー』と自称するほど日々αを憎みながら生活していた。
千秋がαアレルギーになったのは幼少期のトラウマが原因だった。その時から千秋はαに対し強い拒否反応を示すようになり、わざわざαのいない高校へ進学するなど、徹底してαを避け続けた。
そんなある日、千秋は体育の授業中に熱中症で倒れてしまう。保健室で目を覚ますと、そこには親友の向田翔(むこうだかける)ともう一人、初めて見る下級生の男がいた。
その男と、トラウマの原因となった人物の顔が重なり千秋は混乱するが、男は千秋の混乱をよそに急に距離を詰めてくる。
「やっと見つけた」
男は誰もが見惚れる顔でそう言った。
森で助けた記憶喪失の青年は、実は敵国の王子様だった!? 身分に引き裂かれた運命の番が、王宮の陰謀を乗り越え再会するまで
水凪しおん
BL
記憶を失った王子×森の奥で暮らす薬師。
身分違いの二人が織りなす、切なくも温かい再会と愛の物語。
人里離れた深い森の奥、ひっそりと暮らす薬師のフィンは、ある嵐の夜、傷つき倒れていた赤髪の青年を助ける。
記憶を失っていた彼に「アッシュ」と名付け、共に暮らすうちに、二人は互いになくてはならない存在となり、心を通わせていく。
しかし、幸せな日々は突如として終わりを告げた。
彼は隣国ヴァレンティスの第一王子、アシュレイだったのだ。
記憶を取り戻し、王宮へと連れ戻されるアッシュ。残されたフィン。
身分という巨大な壁と、王宮に渦巻く陰謀が二人を引き裂く。
それでも、運命の番(つがい)の魂は、呼び合うことをやめなかった――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる