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デューデュー帰還
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寝室に戻るとドサっとベッドの上に転がった。
暫く天井を見つめた後、夕陽が差し掛かる窓の方を見た。
“デューデュー、無事にマグノリアに会えたかな……
今夜は何時くらいに帰って来るんだろう……”
そうフッと思ったら、別に見えるわけではないけど、
空を見ようと窓のところへ歩み寄った。
窓を開けると太陽はもう殆ど沈んだようで、
黄昏時がもう直ぐ暗い夜が来る事を告げているようだった。
遠くの空を見つめたけど、
僕の部屋は北側を向いてる訳ではない。
マグノリアの国は此処から見ると、
北西に位置している。
僕の部屋は残念ながら東を向いている。
朝はパーっと日が入るけど、夕方は割と早く薄暗くなる。
僕は見えもしない東の空を見つめてため息を吐いた。
“は~着替えよ“
そう思ってクローゼットへ向かおうとした瞬間窓から突風が吹き抜けた。
『デューデュー?』
僕は小声で呼んだ。
するとデューデューがス~っと姿を現した。
「デューデュー! 無事で良かった!
一日中心配してたんだ! それで? マグノリアには会えたの?!」
そう尋ねると、デューデューが何だか気まずそうな顔をした。
僕はデューデューはマグノリアに会えなかったんだと思った。
「デューデュー、だ、大丈夫だよ!
いきなり他の国へ行くって事自体が無謀なんだから、
マグノリアに会えなくっても全然大丈夫だよ!
デューデューが行ってくれただけでも嬉しいから!」
僕はどうにかして気まずそうにしているデューデューを慰めようとした。
「いや……別に会えなかったと言う訳では……」
今度はそういう風に口籠るデューデューに変だと思った。
「もしかして何かあったの?
マグノリは無事なの?!」
デューデューの態度に僕は直ぐにマグノリアに何かあったんだと悟った。
「もしかしてマグノリアは部屋から出られないようになってるとか?!
それともデューデューに会おうとしなかったとか?!
病気とかじゃないよね?!」
どんどん心臓がバクバクと脈打ってきた。
「いや、そうでは無くて…… 実は……あ……」
こんなのはデューデューらしく無い。
「ねえ、本当にどうしたの?!
マグノリアは大丈夫だったの?!
話す事ができたの?!」
僕が矢継ぎ早に迫っていくと、
デューデューがタジタジとしながら窓の方に目を泳がせた。
「一体!……」
そう言いかけた時、窓の外から、
ズルズルと何かが壁を滑り落ちるような音がした。
『えっ?! 誰か窓の外にいるの?!
刺客じゃないよね?!
デューデュー、姿を消して!』
小声で直ぐ様デューデューに言うと、
『ジェ……ジェイド~
た……助けて~』
と、聞きなれた声で僕に助けを求める声が聞こえて来た。
僕はハッとすると、デューデューを見た。
「もしかして……」
僕はそうデューデューに言うと、窓に走り寄った。
デューデューは後ろからタジタジとしたように僕の後をついてきて、
「私は断ったんだ! だがこの小娘が私の耳を噛んで離さなかったのだ!」
そう言って、慌ててその場を繕いだ。
窓から下を見下ろすと、何を思ったのかマグノリアが壁に摑まりよじ登ろうとして居た。
『マグノリア?!』
そう小声で叫ぶと、
『ジェイド~ ロープ、ロープ!』
と、馬車に轢かれたカエルのような格好で壁にへばりつき、小声でそう叫んでいた。
『え! ロープなんて此処にはないよ?!』
そう答えると、
『カーテンでもシーツでも良いから何か垂らしてよ!』
と来たもんだ。
マグノリアはやっぱりマグノリアだった。
僕はハハハハと大笑いをすると、ベッドからシーツを引き出して先を丸めて結ぶと、
マグノリアに向かって下ろした。
マグノリアはそれに捕まると、
『早く引き上げて~
早く、早く! 誰かに見つかっちゃう!』
そう言って下からジタバタとし始めた。
僕は
「これ、お願いします」
そう言ってシーツの端をデューデューに差し出した。
「お前、身体強化できるだろ!」
「やだ、魔力使うの面倒くさい。
デューデューだったら一引で出来るでしょう」
そう言うと、デューデューは差し出したシーツを口に挟み
正に一気にマグノリアを寝室まで引き上げた。
窓からよじ登って部屋へ来たマグノリアの髪はボサボサで、
顔も心なしか泥だらけだ。
僕はその姿を見てプッと笑うと、
「ちょっと! 此処まで来るのすっごい大変だったのよ!」
そう言ってマグノリアがプンプンし始めた。
「いや、君を見れば大変だったのは良く分かるけど、
もしかしてデューデューに乗って此処まで来たの?」
「そうよ! デューデュー透明になれるけど、
私はダメなの!
透明のデューデューに乗ったら私だけ空を飛んでるみたいになるから、
ずっとデューデューのお家で日が暮れるまで隠れてたの!
その後お城の裏に下ろしてもらって、
そこからは藪を抜けて人目につかないようにこの下にずっと隠れてたのよ!」
そう捲し立てるマグノリアが何だか可笑しくて笑い転げて居たけど、
正気に戻ると一気にサーっと血の気が下がった。
「あのさ、もしかしなくってもマグノリアって……」
僕が恐る恐るそう言うと、彼女は明るく、
「うん、不法侵入!
見つかったら宜しくね!」
とポーンと僕の肩に手を置いた。
「ヤバイ、ヤバイ、それ絶対ヤバいやつだよ!
どうして正規の方法で入国しなかったの?!
それに僕の成人の儀に招待した筈だけど?!
そういえば、君の国からは未だ返事貰ってないけど、
もしかして欠席予定だったの?!」
そう言うと、マグノリアは体に着いたほこりを払いながら、
「え? 招待状って何の事? 私、何も聞いてないけど?!」
そう言って目を丸々とさせた。
「聞いてないの?!
来月行われる僕の成人の儀に君の国も招待したんだよ。
もう招待状は随分前に送ってあるんだけど」
「知らないわよ。
私はそんなの聞いてない」
と、どうやら僕の成人の儀の招待状は彼女にまで届いてなさそうだった。
まあ、向こうから婚約破棄して来たんだし、
それを考えると気まずさはあるかもしれない。
「でも、外交問題に発展するから誰かは来るんじゃないの?」
そんな感じでマグノリアは言ったけど、問題はマグノリアだ。
「君さ、もしかして家出して来たの?
君のご両親が知ってたら絶対不法侵入なんてさせないよね?!」
そう言って詰め寄ると、
「お願い! 国には連絡しないで!
ジェイドの所で匿って欲しいの!
あなたの部屋こんなに広いでしょ?!
お願い! クローゼットの片隅にでも良いから置いて!」
そう言って彼女は土下座した。
「ちょ、ちょ、マグノリア、顔を上げてよ!
君らしくないね? 家出って一体どうしたの?!」
「わたし、結婚させられるの!
それも隣の小国の王に!
だから逃げて来ちゃった」
「え? そっか、結婚か~って、え?! 結婚?! それで逃げてきたの?!」
「そうよ! ジェイドと婚約破棄したばかりなのに、
もう他の人と婚約よ? うちの親ってバカ?!」
「君……自分の親に向かってバカって……
でも普通に考えたら隣国の王にって良い縁談だけど、
マグノリアにはアーウィンが居るしね……」
「いや、アーウィン居なくても、
あんなジジイ嫌よ!
あなた、あそこの国王が幾つだか知ってるの!」
「え? いや、あそこの国王って……
どこの国王かも分かんないんだけど?!」
「もう! 何処の国王でも良いじゃない!
私、若い国王であっても嫁ぐ気サラサラ無いから!
それよりも、アーウィン呼んでよ!
アーウィンに会いたい~!!」
そう言ってジタバタとし始めた。
「き、君ね!
アーウィン呼んでよって、呼べる訳ないでしょ!
一体何考えてるの?!
それよりも、家出してる方が大事でしょう?!
一体これからどうする気なの?!
見つかったら大変だよ?
僕が匿ってるって分かったら誘拐罪になるかも知れないのに!
戦争になるかもだよ?!」
「大丈夫、大丈夫!
上手く隠れてたら絶対分からないって!
第一誰が此処に来てるって想像できる?!
うちの者は誰もデューデューのこと知らないから、
私がデューデューに乗って半日で此処に来たなんて逆立ちしても分かんないわよ!」
とマグノリアは相変わらずのお気楽屋さんだ。
僕はこれからの事を考えると段々頭が痛くなって来た。
「取り敢えず、君の事は後でゆっくりと考えるよ。
それよりも君は湯に入ってその汚れを落とした方がいいね。
直ぐにマギーに湯の準備をしてもらうから君は隠れてて」
そう言うと、マギーを呼んで湯の用意をして貰った。
マギーは部屋へ入って来ると、
「何時もは何十回と言わないと湯に入らない殿下が
今日は自分から湯の準備だなんて一体どう言う風の吹き回しですか?」
と何時ものように嫌味を言って居たけど、
彼女のは嫌味というよりは僕を揶揄うような口調だ。
「良いから、良いから、湯の準備が出来たら出て行って!
絶対中を覗かないでね」
そう言うと、マギーを部屋から追い出した。
「そう言えばマグノリアって着替え持って来てるの?」
そう尋ねると彼女は僕のクローゼットへ行き、
かちゃかちゃと僕の服を探り回った後、
「取り敢えずは、これと、これを借りておくわね。
まあ、これからは暫く隠遁生活になるから、
ジェイドのお洋服でいいわよ」
と、まあ、お気楽なもんだ。
「もう分かったよ。
どれでも良いから使って!」
そう言うと、僕は寝室のソファーにドカッと座った。
向こう側には何処から見付けてきたのか、
デューデューがクッキーをポリポリと食べながら、
「神殿まで一っ飛びでアーウィンを連れてこようか?」
と言っていた。
「いや、さすがに今夜はやめておこう……
それよりもマグノリアだよ……
本当にこれからどうしよう……」
そう考えると、今夜はとても眠れそうになかった。
暫く天井を見つめた後、夕陽が差し掛かる窓の方を見た。
“デューデュー、無事にマグノリアに会えたかな……
今夜は何時くらいに帰って来るんだろう……”
そうフッと思ったら、別に見えるわけではないけど、
空を見ようと窓のところへ歩み寄った。
窓を開けると太陽はもう殆ど沈んだようで、
黄昏時がもう直ぐ暗い夜が来る事を告げているようだった。
遠くの空を見つめたけど、
僕の部屋は北側を向いてる訳ではない。
マグノリアの国は此処から見ると、
北西に位置している。
僕の部屋は残念ながら東を向いている。
朝はパーっと日が入るけど、夕方は割と早く薄暗くなる。
僕は見えもしない東の空を見つめてため息を吐いた。
“は~着替えよ“
そう思ってクローゼットへ向かおうとした瞬間窓から突風が吹き抜けた。
『デューデュー?』
僕は小声で呼んだ。
するとデューデューがス~っと姿を現した。
「デューデュー! 無事で良かった!
一日中心配してたんだ! それで? マグノリアには会えたの?!」
そう尋ねると、デューデューが何だか気まずそうな顔をした。
僕はデューデューはマグノリアに会えなかったんだと思った。
「デューデュー、だ、大丈夫だよ!
いきなり他の国へ行くって事自体が無謀なんだから、
マグノリアに会えなくっても全然大丈夫だよ!
デューデューが行ってくれただけでも嬉しいから!」
僕はどうにかして気まずそうにしているデューデューを慰めようとした。
「いや……別に会えなかったと言う訳では……」
今度はそういう風に口籠るデューデューに変だと思った。
「もしかして何かあったの?
マグノリは無事なの?!」
デューデューの態度に僕は直ぐにマグノリアに何かあったんだと悟った。
「もしかしてマグノリアは部屋から出られないようになってるとか?!
それともデューデューに会おうとしなかったとか?!
病気とかじゃないよね?!」
どんどん心臓がバクバクと脈打ってきた。
「いや、そうでは無くて…… 実は……あ……」
こんなのはデューデューらしく無い。
「ねえ、本当にどうしたの?!
マグノリアは大丈夫だったの?!
話す事ができたの?!」
僕が矢継ぎ早に迫っていくと、
デューデューがタジタジとしながら窓の方に目を泳がせた。
「一体!……」
そう言いかけた時、窓の外から、
ズルズルと何かが壁を滑り落ちるような音がした。
『えっ?! 誰か窓の外にいるの?!
刺客じゃないよね?!
デューデュー、姿を消して!』
小声で直ぐ様デューデューに言うと、
『ジェ……ジェイド~
た……助けて~』
と、聞きなれた声で僕に助けを求める声が聞こえて来た。
僕はハッとすると、デューデューを見た。
「もしかして……」
僕はそうデューデューに言うと、窓に走り寄った。
デューデューは後ろからタジタジとしたように僕の後をついてきて、
「私は断ったんだ! だがこの小娘が私の耳を噛んで離さなかったのだ!」
そう言って、慌ててその場を繕いだ。
窓から下を見下ろすと、何を思ったのかマグノリアが壁に摑まりよじ登ろうとして居た。
『マグノリア?!』
そう小声で叫ぶと、
『ジェイド~ ロープ、ロープ!』
と、馬車に轢かれたカエルのような格好で壁にへばりつき、小声でそう叫んでいた。
『え! ロープなんて此処にはないよ?!』
そう答えると、
『カーテンでもシーツでも良いから何か垂らしてよ!』
と来たもんだ。
マグノリアはやっぱりマグノリアだった。
僕はハハハハと大笑いをすると、ベッドからシーツを引き出して先を丸めて結ぶと、
マグノリアに向かって下ろした。
マグノリアはそれに捕まると、
『早く引き上げて~
早く、早く! 誰かに見つかっちゃう!』
そう言って下からジタバタとし始めた。
僕は
「これ、お願いします」
そう言ってシーツの端をデューデューに差し出した。
「お前、身体強化できるだろ!」
「やだ、魔力使うの面倒くさい。
デューデューだったら一引で出来るでしょう」
そう言うと、デューデューは差し出したシーツを口に挟み
正に一気にマグノリアを寝室まで引き上げた。
窓からよじ登って部屋へ来たマグノリアの髪はボサボサで、
顔も心なしか泥だらけだ。
僕はその姿を見てプッと笑うと、
「ちょっと! 此処まで来るのすっごい大変だったのよ!」
そう言ってマグノリアがプンプンし始めた。
「いや、君を見れば大変だったのは良く分かるけど、
もしかしてデューデューに乗って此処まで来たの?」
「そうよ! デューデュー透明になれるけど、
私はダメなの!
透明のデューデューに乗ったら私だけ空を飛んでるみたいになるから、
ずっとデューデューのお家で日が暮れるまで隠れてたの!
その後お城の裏に下ろしてもらって、
そこからは藪を抜けて人目につかないようにこの下にずっと隠れてたのよ!」
そう捲し立てるマグノリアが何だか可笑しくて笑い転げて居たけど、
正気に戻ると一気にサーっと血の気が下がった。
「あのさ、もしかしなくってもマグノリアって……」
僕が恐る恐るそう言うと、彼女は明るく、
「うん、不法侵入!
見つかったら宜しくね!」
とポーンと僕の肩に手を置いた。
「ヤバイ、ヤバイ、それ絶対ヤバいやつだよ!
どうして正規の方法で入国しなかったの?!
それに僕の成人の儀に招待した筈だけど?!
そういえば、君の国からは未だ返事貰ってないけど、
もしかして欠席予定だったの?!」
そう言うと、マグノリアは体に着いたほこりを払いながら、
「え? 招待状って何の事? 私、何も聞いてないけど?!」
そう言って目を丸々とさせた。
「聞いてないの?!
来月行われる僕の成人の儀に君の国も招待したんだよ。
もう招待状は随分前に送ってあるんだけど」
「知らないわよ。
私はそんなの聞いてない」
と、どうやら僕の成人の儀の招待状は彼女にまで届いてなさそうだった。
まあ、向こうから婚約破棄して来たんだし、
それを考えると気まずさはあるかもしれない。
「でも、外交問題に発展するから誰かは来るんじゃないの?」
そんな感じでマグノリアは言ったけど、問題はマグノリアだ。
「君さ、もしかして家出して来たの?
君のご両親が知ってたら絶対不法侵入なんてさせないよね?!」
そう言って詰め寄ると、
「お願い! 国には連絡しないで!
ジェイドの所で匿って欲しいの!
あなたの部屋こんなに広いでしょ?!
お願い! クローゼットの片隅にでも良いから置いて!」
そう言って彼女は土下座した。
「ちょ、ちょ、マグノリア、顔を上げてよ!
君らしくないね? 家出って一体どうしたの?!」
「わたし、結婚させられるの!
それも隣の小国の王に!
だから逃げて来ちゃった」
「え? そっか、結婚か~って、え?! 結婚?! それで逃げてきたの?!」
「そうよ! ジェイドと婚約破棄したばかりなのに、
もう他の人と婚約よ? うちの親ってバカ?!」
「君……自分の親に向かってバカって……
でも普通に考えたら隣国の王にって良い縁談だけど、
マグノリアにはアーウィンが居るしね……」
「いや、アーウィン居なくても、
あんなジジイ嫌よ!
あなた、あそこの国王が幾つだか知ってるの!」
「え? いや、あそこの国王って……
どこの国王かも分かんないんだけど?!」
「もう! 何処の国王でも良いじゃない!
私、若い国王であっても嫁ぐ気サラサラ無いから!
それよりも、アーウィン呼んでよ!
アーウィンに会いたい~!!」
そう言ってジタバタとし始めた。
「き、君ね!
アーウィン呼んでよって、呼べる訳ないでしょ!
一体何考えてるの?!
それよりも、家出してる方が大事でしょう?!
一体これからどうする気なの?!
見つかったら大変だよ?
僕が匿ってるって分かったら誘拐罪になるかも知れないのに!
戦争になるかもだよ?!」
「大丈夫、大丈夫!
上手く隠れてたら絶対分からないって!
第一誰が此処に来てるって想像できる?!
うちの者は誰もデューデューのこと知らないから、
私がデューデューに乗って半日で此処に来たなんて逆立ちしても分かんないわよ!」
とマグノリアは相変わらずのお気楽屋さんだ。
僕はこれからの事を考えると段々頭が痛くなって来た。
「取り敢えず、君の事は後でゆっくりと考えるよ。
それよりも君は湯に入ってその汚れを落とした方がいいね。
直ぐにマギーに湯の準備をしてもらうから君は隠れてて」
そう言うと、マギーを呼んで湯の用意をして貰った。
マギーは部屋へ入って来ると、
「何時もは何十回と言わないと湯に入らない殿下が
今日は自分から湯の準備だなんて一体どう言う風の吹き回しですか?」
と何時ものように嫌味を言って居たけど、
彼女のは嫌味というよりは僕を揶揄うような口調だ。
「良いから、良いから、湯の準備が出来たら出て行って!
絶対中を覗かないでね」
そう言うと、マギーを部屋から追い出した。
「そう言えばマグノリアって着替え持って来てるの?」
そう尋ねると彼女は僕のクローゼットへ行き、
かちゃかちゃと僕の服を探り回った後、
「取り敢えずは、これと、これを借りておくわね。
まあ、これからは暫く隠遁生活になるから、
ジェイドのお洋服でいいわよ」
と、まあ、お気楽なもんだ。
「もう分かったよ。
どれでも良いから使って!」
そう言うと、僕は寝室のソファーにドカッと座った。
向こう側には何処から見付けてきたのか、
デューデューがクッキーをポリポリと食べながら、
「神殿まで一っ飛びでアーウィンを連れてこようか?」
と言っていた。
「いや、さすがに今夜はやめておこう……
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本当にこれからどうしよう……」
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