89 / 167
ショウの龍達
しおりを挟む
「さあ、皆さん!喜んでください!
つ・い・に、あの噂のデューデュー様が来られたんですよ!
お話がある様ですので、
デューデュー様の質問に何でも答えてあげてくださいね!」
ショウは龍達に優しく話し掛けると、
デューデューの方をクルッと振り向いた。
「デューデュー様、私の龍達はいかがなものですか?!
とても立派でしょう!
是非彼らに話しかけてあげて下さい!
ああ、皆デューデュー様に会えてとても興奮してますね!」
ショウがニコニコとしてデューデューに話しかけた。
実際人間側から聞くと、
『ギャー、ガオー、グルルルル』
と何時もはショウにはおとなしい龍達が声を揃えて唸って居る。
「あれ? デュー様? なぜ未だ姿をお隠しになったままですか?
此処には我々しかいません。
邸宅の使用人は龍達を怖がって此方には参りませんので、
遠慮せずお姿をお現し下さい!」
そう言ってショウが手を翳した。
一方龍達は、
『一体ショウの奴は何を馬鹿げた事を言ってるんだ?』
『デューデュー様? 単なる龍に様を付けるか?!』
『そう言う所がアホなんだよな』
『でも可愛いわよね』
『で? そのデューデュー様は何処なんだ?』
と、言いたい放題だ。
それを聞いていたデューデューは呆気に取られ、
『………』
な状態だった。
ショウは横で、
「さあ、さあ!」
とデューデューが龍達と会話を始めるのを今か如何?と待っている。
“コイツらには姿を消した私の姿は見えない様だな……”
デューデューはそう思うと、ス~っと姿を現した。
デューデューが姿を現した途端、
『何だお前は! 何処から現れた!』
『お前の色はなんだ! 灰色ではないか!』
『お前は出来損ないの龍か?!』
『ワハハハ灰色の龍なんて初めて見たぞ!
この出来損ないが、帰れ帰れ!
お前と話す口は持たん!』
『ショウ様はこんなのと私達を番わせようとしてたの?!』
『落ちこぼれ灰色龍よりは此処に居るオス達の方が
よっぽどマシよね』
『そうよ、そうよ、此処に居るのも大した事無いけど、
灰色よりはね……』
メス達がそう来ると、
『何だとー!!』
『お前達メスだって大した事ないではないか!』
『大して色気も無いくせに自分たちの事は棚に上げて俺たちの粗探しか?!』
何と、最初はデューデューの事を嘲笑って居たのに、
オスとメスの間でいい合い喧嘩になってしまった。
「ギャー、ギャオー、グルルルル」
とお互いに吠えまくる龍達を見てショウは、
「ほら、ほら、見て下さい!
皆デューデュー様の凛々しいお姿を見て興奮して居ます!
やはりデューデュー様は違いますね!
龍達もデューデュー様を見ただけでその高貴さが分かるのですね!」
そう言って胸を高鳴らせていた。
そんなショウをデューデューはチラッと見ると、
『ハア~』
と深いため息を吐いた。
“まあ、こうなる事は予測して居たけどな、
さて、どの様にして話しかけようか……”
そうぼやいて居ると、
『おはよう御座います!
貴方がショウが言って居たデューデュー様?』
そう言って一頭のメスが話しかけて来た。
デューデューはその子の方を見ると、
『もしかしてお前がナナか?』
そうメスに話しかけた。
ショウはナナとデューデューが話し始めるのを見ると、
「デューデュー様、流石お目が高いですね!
ご紹介いたしましょう!
この子が噂のナナで御座います!
如何です? 可愛いでしょう?!」
そう言うと、ナナの頭を撫でた。
ナナは少しショウに甘えた様にすると、
デューデューをチラッと見て、
『貴方、本当に灰色なのね。
初めて見たわ……』
そう言ってデューデューに顔を寄せると、
『私達に聞きたい事があるんでしょ?
何を聞きたかったの?』
そう言ってデューデューの目をジーッと見た。
『ナナ! そんな奴は放っておけ!』
『そうだ、そうだ、落ちこぼれに話しても
理解なんて出来るもんか!』
『それよりも今日は俺と狩りに行こうぜ』
そんな事を他の龍達は言い始めた。
ナナは他の龍を無視すると、
『あなた、人の言葉が話せるのでしょう?
ショウと本当に会話できてるの?』
そうデューデューに尋ねた。
『ワハハハ、お前、本当にそんな事を信じてるのか?!』
『バカだな! 人と龍が会話できるはずないだろ!』
『人は龍の言葉は理解できない!
それはお前も知って居るだろう!』
そう他の龍達がバカにし始めた。
ナナは他の龍をチラッと見ると、
『ねえ、私は貴方が人と会話ができるのを信じてるわ。
あの分からず屋のバカ達は放っておいて、
ショウに私を此処から出す様に言ってくれない?
別の場所へ行って話をしましょう!
此処はうるさすぎるわ』
そう言ってデューデューに耳打ちした。
他の龍達が、
『何だとー』
『ナナ、お前までショウの妄想を信じてるのか?!』
『それはショウの私達龍を愛する心が作り出した幻聴だ!』
そう他の龍達がギャーギャーいう中、
ショウはナナのケージを開けてナナだけをケージから出した。
その光景を見た他の龍達は一気に静かになった。
そして彼等が呆気に取られる中、
デューデュー、ナナ、ショウは厩舎から出て行った。
去り行く中、厩舎からは他の龍達の、
『俺たちも此処を出せー!』
『信じなくて悪かった!』
『何の話をするんだー!』
『俺達にも教えてくれー!』
『謝るからよー!!!』
など、ギャー、ギャー、ギャオ、ギャオ聞こえてきたけど、
ナナとデューデューはそれを無視して彼等の声が届かない邸宅の裏庭までやってきた。
「デューデュー様は矢張りナナを気に入って下さいましたね!」
ショウが嬉しそうにそういうと、
『貴方、他の龍達の仕打ちをショウに言わなくてもいいの?』
とナナがデューデューに尋ねた。
『私は全然気にしない。
ああいう輩は無視が1番だ。
所でお前はショウに伝えて欲しいこととかはないか?』
デューデューがそう尋ねると、ナナは静かに微笑んだ。
『もしかして、お前はショウに惚れて居たのか?』
そんなデューデューの質問に、
『如何してわかったの?!』
ナナはびっくりしてそう答えた。
『あ、いや、すまない』
デューデューが気まずそうにそう言うと、
『良いのよ。 人と龍が結ばれるなんて思ってないし、
今はショウにはスーが居るから……
私はスーの事も大好きなのよ。
それは本当よ。
スーも私達を大切にしてくれるわ……』
そう言うと、少し間を置いて、
『ねえ、私も貴方と一緒に連れて行ってくれないかしら?
貴方が良ければ、私達、番にならない?』
ナナがそう言うと、
『済まない。 私は今追われて居る身だ。
お前を連れて行けばお前の身にも危険が迫る。
それに私は今は番なんて考えられない』
デューデューがそう言うと、
『分かったわ。
ただ言ってみただけだから気にしないでね。
それより、私達と話がしたいってショウが言ってたけど、
ただの話ではないんでしょ?』
そう言ってナナが返した。
デューデューは頷くと、
『お前は察しが良く頭も切れるな。
他の龍達とは少し違う様だが』
そう言うとナナは、
『あら、有難う。
お褒めの言葉として受け取っておくわ』
そう言った後、
『私は未だ幼かった頃ショウと出会ったの。
ショウも未だ若かったけど、
もう一流のハンターとして目覚めて居たわ。
結局は私の両親が見つからなくてショウが私の事を育ててくれたけど、
私はずっとショウのことが大好きだった。
これからは私の命が尽きるまでショウの子孫達を見守っていくわ。
それで話って私達に何を尋ねたかったの?』
と尋ねると、
『お前達、龍の間で黒龍と白龍の噂を聞いた者はおらぬか?』
デューデューがそう尋ねると、
『黒龍と白龍ねえ~』
そう言った後、
『そう言えば、向こうでギャーギャー言ってた龍達が
言ってた事だから信用できるか分からないけど、
黒龍って先の戦いで魔力を失ってその場で繭みたいな物に包まれたみたい……
東の大陸にいた龍達が戦いの後、繭に包まれる黒龍を見たそうよ。
それで白龍がやって来てその繭を持ち去ったって…
繭の中で眠りについて魔力が回復するのを待ってるって言ってた様な…
だから魔力が戻るまで目覚め無いらしいわよ。
それに白龍は眠る黒龍を近くで守ってるって…
まあ、自分の番になる龍だからそうなんだろうなって…
でも白龍が黒龍を何処へ連れ去ったかまでは分からないわ……
その事は龍達の間では当たり前に知られてる事らしいわよ?
私は幼い時此処へ来たから知らなかったけど…
貴方も聞いたことがなかったのね』
そうナナが説明してくれた。
『そうか…では、お前は魔力を持った龍が居るか聞いたことがないか?』
そう尋ねると、
『う~ん、御免なさい。
それは分からないわ。
取り敢えず私はずっと此処にいたし、
向こうに居る龍達がそう言う事を話して居るのも聞いた事が無いわ。
実際貴方が人の言葉が話せるのも信じて無かったくらいだしね。
でも、もう信じてるみたいだし、
恐らく、もう貴方のことバカにしたりしないと思うわよ?
どう? 向こうにいる龍達にも聞いてみたら如何かしら?
1番年上なのが150歳くらいだったと思うから、
何か知ってるかも?』
そう言うナナに、
「いや、お前の答えで十分だ。
有難う。
最後にショウに何か伝えたい事があったら伝えるぞ」
そう言うと、
『では、ショウに大好きだと伝えて貰えますか?
そしていつまでもショウの家族を代々守っていくって……
あのエルフの娘も大好きだって伝えて下さい』
ナナはそう言って頭を下げた。
『矢張りお前達にもあの娘がエルフだと言う事は分かってたんだな』
デューデューが関心した様にそう言うと、
『私は他の龍達より感は鋭い様です。
他の龍達は気付いて無い様ですが……』
そう言ってショウの方を見た。
ショウはナナを見ると頭を撫でて、
「ん? もう話は終わったのかい?」
そう言って優しく話しかけた。
「あ~ ナナからの伝言だが…」
そうデューデューが言うと、
ショウは顔をパーっと輝かせて、
「ナナが私に何か言ったのですか?!
ナナは私に何を言ったのですか?!」
興奮してそう尋ねた。
「お前の事が大好きだそうだ。
命ある限り末代まで護るそうだぞ。
スーも大好きだそうだ」
デューデューがそう言うと、
ショウは目幅いっぱいの涙をドバッと流し始めオイオイと泣き始めた。
ショウはナナに抱きつくと、
「ナナ、私も大好きだぞ!
死ぬまで一緒だぞ!」
そう言ってナナにしかみついて居ると、スーがやって来た。
「まあ、あなた、またそうやってナナに甘えて!
愛想つかされますよ!」
スーは落ち着いた表情でそう言うと、
「ナナ、おはよう」
そう言ってナナの頬を撫でた。
ナナもスーが大好きと言って居た様にスーの掌に頬ずりをすると、
「見て下さい! ナナは今では私よりもスーの方が大好きなんですよ!」
ショウがそう言ってデューデューを嫉妬の様な嬉しい様な表情で見た。
「朝食の準備ができましたよ?
デューデュー様は如何されますか?
龍達は朝の狩に放ちますがデューデュー様も御一緒されますか?」
スーがそう尋ねると、
「ほう、お前のところは放龍するのか?
狩られることなどないのか?」
デューデューがそう尋ねると、
「大丈夫です。
龍達には放龍時の首輪があります。
私の魔力を貯めた物で、
攻撃を受けると防御壁が体の周りにできる様な仕組みになって居ます。
それに帝国の者や冒険者等は此処らで飛んでいる龍に手を出しません。
王家から計らいを受けそう言う触れが国中に出されてますので、
私の龍だと皆知って居ます。
まあ、龍になど手を出す輩は普通居ませんがね……
それに私の龍は賢いので、人を襲う事は有りませんのでね!
国の皆もそれを知っていて、王家からの伝達を尊重してくれいます!」
そう自慢げに言うショウにナナは、
『シーッ、他の龍達のバカさか加減は秘密ですね』
とでも言う様にデューデューに微笑みかけた。
それを見て居たショウが、
“如何です、うちのナナは?
割と……いえ、素晴らしい女の子でしょう?!
番には……”
と、ナナの気も知らずそうデューデューの耳に囁くショウを翼で押しやって、
「私は先を急ぐのでもう行かねばならぬ」
そう言うと、スーが寂しそうに、
「もう行かれるのですか?!
責めてもう2、3日!」
そう言うと、
「ゆっくりしたいのは山々だが、
マグノリアの子が生まれる前に帰ると約束したからな。
もしかしたらもう生まれて居るかもしれない。
私は先を急ぐので此処で失礼する」
そう言うと、身体を成長体に戻した。
それを目を見開いてみて居たナナは、
『まあ、貴方はもしかして……』
そう言いかけて、
”いや、いや、そんはずは!”
とでもいうように首を振った。
『機会が有れば又お会いしましょう』
ナナはデューデューにそう言うと、
顔をデューデューにすり寄せ、別れの挨拶をした。
「デューデュー様、お姉様とお兄様によろしくお伝え下さい。
赤ちゃんが産まれたら、
是非帝国へもいらして下さいと……」
スーはデューデューにそう言うと、
深く頭を下げた。
「お前も体に気をつけて元気な子を産む様に」
人の気遣いを学んだデューデューはそう言って労りの言葉をスーに掛けた。
スーは微笑むと、
「有難うございます」
そう言って又深く頭を下げた。
ショウは最後まで
“ナナの番に!”
と言って居たけど、
デューデューはその言葉を無視してショウに丁寧に礼を述べると、
す~っと姿を消し、
“さあ、マグノリアとアーウィンのところへ戻ろう”
そう呟くと、光の速さで北へ向かってショウの邸宅から飛び立った。
つ・い・に、あの噂のデューデュー様が来られたんですよ!
お話がある様ですので、
デューデュー様の質問に何でも答えてあげてくださいね!」
ショウは龍達に優しく話し掛けると、
デューデューの方をクルッと振り向いた。
「デューデュー様、私の龍達はいかがなものですか?!
とても立派でしょう!
是非彼らに話しかけてあげて下さい!
ああ、皆デューデュー様に会えてとても興奮してますね!」
ショウがニコニコとしてデューデューに話しかけた。
実際人間側から聞くと、
『ギャー、ガオー、グルルルル』
と何時もはショウにはおとなしい龍達が声を揃えて唸って居る。
「あれ? デュー様? なぜ未だ姿をお隠しになったままですか?
此処には我々しかいません。
邸宅の使用人は龍達を怖がって此方には参りませんので、
遠慮せずお姿をお現し下さい!」
そう言ってショウが手を翳した。
一方龍達は、
『一体ショウの奴は何を馬鹿げた事を言ってるんだ?』
『デューデュー様? 単なる龍に様を付けるか?!』
『そう言う所がアホなんだよな』
『でも可愛いわよね』
『で? そのデューデュー様は何処なんだ?』
と、言いたい放題だ。
それを聞いていたデューデューは呆気に取られ、
『………』
な状態だった。
ショウは横で、
「さあ、さあ!」
とデューデューが龍達と会話を始めるのを今か如何?と待っている。
“コイツらには姿を消した私の姿は見えない様だな……”
デューデューはそう思うと、ス~っと姿を現した。
デューデューが姿を現した途端、
『何だお前は! 何処から現れた!』
『お前の色はなんだ! 灰色ではないか!』
『お前は出来損ないの龍か?!』
『ワハハハ灰色の龍なんて初めて見たぞ!
この出来損ないが、帰れ帰れ!
お前と話す口は持たん!』
『ショウ様はこんなのと私達を番わせようとしてたの?!』
『落ちこぼれ灰色龍よりは此処に居るオス達の方が
よっぽどマシよね』
『そうよ、そうよ、此処に居るのも大した事無いけど、
灰色よりはね……』
メス達がそう来ると、
『何だとー!!』
『お前達メスだって大した事ないではないか!』
『大して色気も無いくせに自分たちの事は棚に上げて俺たちの粗探しか?!』
何と、最初はデューデューの事を嘲笑って居たのに、
オスとメスの間でいい合い喧嘩になってしまった。
「ギャー、ギャオー、グルルルル」
とお互いに吠えまくる龍達を見てショウは、
「ほら、ほら、見て下さい!
皆デューデュー様の凛々しいお姿を見て興奮して居ます!
やはりデューデュー様は違いますね!
龍達もデューデュー様を見ただけでその高貴さが分かるのですね!」
そう言って胸を高鳴らせていた。
そんなショウをデューデューはチラッと見ると、
『ハア~』
と深いため息を吐いた。
“まあ、こうなる事は予測して居たけどな、
さて、どの様にして話しかけようか……”
そうぼやいて居ると、
『おはよう御座います!
貴方がショウが言って居たデューデュー様?』
そう言って一頭のメスが話しかけて来た。
デューデューはその子の方を見ると、
『もしかしてお前がナナか?』
そうメスに話しかけた。
ショウはナナとデューデューが話し始めるのを見ると、
「デューデュー様、流石お目が高いですね!
ご紹介いたしましょう!
この子が噂のナナで御座います!
如何です? 可愛いでしょう?!」
そう言うと、ナナの頭を撫でた。
ナナは少しショウに甘えた様にすると、
デューデューをチラッと見て、
『貴方、本当に灰色なのね。
初めて見たわ……』
そう言ってデューデューに顔を寄せると、
『私達に聞きたい事があるんでしょ?
何を聞きたかったの?』
そう言ってデューデューの目をジーッと見た。
『ナナ! そんな奴は放っておけ!』
『そうだ、そうだ、落ちこぼれに話しても
理解なんて出来るもんか!』
『それよりも今日は俺と狩りに行こうぜ』
そんな事を他の龍達は言い始めた。
ナナは他の龍を無視すると、
『あなた、人の言葉が話せるのでしょう?
ショウと本当に会話できてるの?』
そうデューデューに尋ねた。
『ワハハハ、お前、本当にそんな事を信じてるのか?!』
『バカだな! 人と龍が会話できるはずないだろ!』
『人は龍の言葉は理解できない!
それはお前も知って居るだろう!』
そう他の龍達がバカにし始めた。
ナナは他の龍をチラッと見ると、
『ねえ、私は貴方が人と会話ができるのを信じてるわ。
あの分からず屋のバカ達は放っておいて、
ショウに私を此処から出す様に言ってくれない?
別の場所へ行って話をしましょう!
此処はうるさすぎるわ』
そう言ってデューデューに耳打ちした。
他の龍達が、
『何だとー』
『ナナ、お前までショウの妄想を信じてるのか?!』
『それはショウの私達龍を愛する心が作り出した幻聴だ!』
そう他の龍達がギャーギャーいう中、
ショウはナナのケージを開けてナナだけをケージから出した。
その光景を見た他の龍達は一気に静かになった。
そして彼等が呆気に取られる中、
デューデュー、ナナ、ショウは厩舎から出て行った。
去り行く中、厩舎からは他の龍達の、
『俺たちも此処を出せー!』
『信じなくて悪かった!』
『何の話をするんだー!』
『俺達にも教えてくれー!』
『謝るからよー!!!』
など、ギャー、ギャー、ギャオ、ギャオ聞こえてきたけど、
ナナとデューデューはそれを無視して彼等の声が届かない邸宅の裏庭までやってきた。
「デューデュー様は矢張りナナを気に入って下さいましたね!」
ショウが嬉しそうにそういうと、
『貴方、他の龍達の仕打ちをショウに言わなくてもいいの?』
とナナがデューデューに尋ねた。
『私は全然気にしない。
ああいう輩は無視が1番だ。
所でお前はショウに伝えて欲しいこととかはないか?』
デューデューがそう尋ねると、ナナは静かに微笑んだ。
『もしかして、お前はショウに惚れて居たのか?』
そんなデューデューの質問に、
『如何してわかったの?!』
ナナはびっくりしてそう答えた。
『あ、いや、すまない』
デューデューが気まずそうにそう言うと、
『良いのよ。 人と龍が結ばれるなんて思ってないし、
今はショウにはスーが居るから……
私はスーの事も大好きなのよ。
それは本当よ。
スーも私達を大切にしてくれるわ……』
そう言うと、少し間を置いて、
『ねえ、私も貴方と一緒に連れて行ってくれないかしら?
貴方が良ければ、私達、番にならない?』
ナナがそう言うと、
『済まない。 私は今追われて居る身だ。
お前を連れて行けばお前の身にも危険が迫る。
それに私は今は番なんて考えられない』
デューデューがそう言うと、
『分かったわ。
ただ言ってみただけだから気にしないでね。
それより、私達と話がしたいってショウが言ってたけど、
ただの話ではないんでしょ?』
そう言ってナナが返した。
デューデューは頷くと、
『お前は察しが良く頭も切れるな。
他の龍達とは少し違う様だが』
そう言うとナナは、
『あら、有難う。
お褒めの言葉として受け取っておくわ』
そう言った後、
『私は未だ幼かった頃ショウと出会ったの。
ショウも未だ若かったけど、
もう一流のハンターとして目覚めて居たわ。
結局は私の両親が見つからなくてショウが私の事を育ててくれたけど、
私はずっとショウのことが大好きだった。
これからは私の命が尽きるまでショウの子孫達を見守っていくわ。
それで話って私達に何を尋ねたかったの?』
と尋ねると、
『お前達、龍の間で黒龍と白龍の噂を聞いた者はおらぬか?』
デューデューがそう尋ねると、
『黒龍と白龍ねえ~』
そう言った後、
『そう言えば、向こうでギャーギャー言ってた龍達が
言ってた事だから信用できるか分からないけど、
黒龍って先の戦いで魔力を失ってその場で繭みたいな物に包まれたみたい……
東の大陸にいた龍達が戦いの後、繭に包まれる黒龍を見たそうよ。
それで白龍がやって来てその繭を持ち去ったって…
繭の中で眠りについて魔力が回復するのを待ってるって言ってた様な…
だから魔力が戻るまで目覚め無いらしいわよ。
それに白龍は眠る黒龍を近くで守ってるって…
まあ、自分の番になる龍だからそうなんだろうなって…
でも白龍が黒龍を何処へ連れ去ったかまでは分からないわ……
その事は龍達の間では当たり前に知られてる事らしいわよ?
私は幼い時此処へ来たから知らなかったけど…
貴方も聞いたことがなかったのね』
そうナナが説明してくれた。
『そうか…では、お前は魔力を持った龍が居るか聞いたことがないか?』
そう尋ねると、
『う~ん、御免なさい。
それは分からないわ。
取り敢えず私はずっと此処にいたし、
向こうに居る龍達がそう言う事を話して居るのも聞いた事が無いわ。
実際貴方が人の言葉が話せるのも信じて無かったくらいだしね。
でも、もう信じてるみたいだし、
恐らく、もう貴方のことバカにしたりしないと思うわよ?
どう? 向こうにいる龍達にも聞いてみたら如何かしら?
1番年上なのが150歳くらいだったと思うから、
何か知ってるかも?』
そう言うナナに、
「いや、お前の答えで十分だ。
有難う。
最後にショウに何か伝えたい事があったら伝えるぞ」
そう言うと、
『では、ショウに大好きだと伝えて貰えますか?
そしていつまでもショウの家族を代々守っていくって……
あのエルフの娘も大好きだって伝えて下さい』
ナナはそう言って頭を下げた。
『矢張りお前達にもあの娘がエルフだと言う事は分かってたんだな』
デューデューが関心した様にそう言うと、
『私は他の龍達より感は鋭い様です。
他の龍達は気付いて無い様ですが……』
そう言ってショウの方を見た。
ショウはナナを見ると頭を撫でて、
「ん? もう話は終わったのかい?」
そう言って優しく話しかけた。
「あ~ ナナからの伝言だが…」
そうデューデューが言うと、
ショウは顔をパーっと輝かせて、
「ナナが私に何か言ったのですか?!
ナナは私に何を言ったのですか?!」
興奮してそう尋ねた。
「お前の事が大好きだそうだ。
命ある限り末代まで護るそうだぞ。
スーも大好きだそうだ」
デューデューがそう言うと、
ショウは目幅いっぱいの涙をドバッと流し始めオイオイと泣き始めた。
ショウはナナに抱きつくと、
「ナナ、私も大好きだぞ!
死ぬまで一緒だぞ!」
そう言ってナナにしかみついて居ると、スーがやって来た。
「まあ、あなた、またそうやってナナに甘えて!
愛想つかされますよ!」
スーは落ち着いた表情でそう言うと、
「ナナ、おはよう」
そう言ってナナの頬を撫でた。
ナナもスーが大好きと言って居た様にスーの掌に頬ずりをすると、
「見て下さい! ナナは今では私よりもスーの方が大好きなんですよ!」
ショウがそう言ってデューデューを嫉妬の様な嬉しい様な表情で見た。
「朝食の準備ができましたよ?
デューデュー様は如何されますか?
龍達は朝の狩に放ちますがデューデュー様も御一緒されますか?」
スーがそう尋ねると、
「ほう、お前のところは放龍するのか?
狩られることなどないのか?」
デューデューがそう尋ねると、
「大丈夫です。
龍達には放龍時の首輪があります。
私の魔力を貯めた物で、
攻撃を受けると防御壁が体の周りにできる様な仕組みになって居ます。
それに帝国の者や冒険者等は此処らで飛んでいる龍に手を出しません。
王家から計らいを受けそう言う触れが国中に出されてますので、
私の龍だと皆知って居ます。
まあ、龍になど手を出す輩は普通居ませんがね……
それに私の龍は賢いので、人を襲う事は有りませんのでね!
国の皆もそれを知っていて、王家からの伝達を尊重してくれいます!」
そう自慢げに言うショウにナナは、
『シーッ、他の龍達のバカさか加減は秘密ですね』
とでも言う様にデューデューに微笑みかけた。
それを見て居たショウが、
“如何です、うちのナナは?
割と……いえ、素晴らしい女の子でしょう?!
番には……”
と、ナナの気も知らずそうデューデューの耳に囁くショウを翼で押しやって、
「私は先を急ぐのでもう行かねばならぬ」
そう言うと、スーが寂しそうに、
「もう行かれるのですか?!
責めてもう2、3日!」
そう言うと、
「ゆっくりしたいのは山々だが、
マグノリアの子が生まれる前に帰ると約束したからな。
もしかしたらもう生まれて居るかもしれない。
私は先を急ぐので此処で失礼する」
そう言うと、身体を成長体に戻した。
それを目を見開いてみて居たナナは、
『まあ、貴方はもしかして……』
そう言いかけて、
”いや、いや、そんはずは!”
とでもいうように首を振った。
『機会が有れば又お会いしましょう』
ナナはデューデューにそう言うと、
顔をデューデューにすり寄せ、別れの挨拶をした。
「デューデュー様、お姉様とお兄様によろしくお伝え下さい。
赤ちゃんが産まれたら、
是非帝国へもいらして下さいと……」
スーはデューデューにそう言うと、
深く頭を下げた。
「お前も体に気をつけて元気な子を産む様に」
人の気遣いを学んだデューデューはそう言って労りの言葉をスーに掛けた。
スーは微笑むと、
「有難うございます」
そう言って又深く頭を下げた。
ショウは最後まで
“ナナの番に!”
と言って居たけど、
デューデューはその言葉を無視してショウに丁寧に礼を述べると、
す~っと姿を消し、
“さあ、マグノリアとアーウィンのところへ戻ろう”
そう呟くと、光の速さで北へ向かってショウの邸宅から飛び立った。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
悪役会計様に転生した俺は、生徒会長に媚び売って生き残る
桜城 寧
BL
処刑された記憶とともに、BLゲームに登場する悪役会計に転生したことに気付く。処刑されないために、チャラ男としての仮面を被り、生徒会長に媚び売ったり、どうにか能力を駆使したりして生きてたら、色々な人に構われる話。
悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!
はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。
本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる……
そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。
いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか?
そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。
……いや、違う!
そうじゃない!!
悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!!
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
姉の聖女召喚に巻き込まれた無能で不要な弟ですが、ほんものの聖女はどうやら僕らしいです。気付いた時には二人の皇子に完全包囲されていました
彩矢
BL
20年ほど昔に書いたお話しです。いろいろと拙いですが、あたたかく見守っていただければ幸いです。
姉の聖女召喚に巻き込まれたサク。無実の罪を着せられ処刑される寸前第4王子、アルドリック殿下に助け出さる。臣籍降下したアルドリック殿下とともに不毛の辺境の地へと旅立つサク。奇跡をおこし、隣国の第2皇子、セドリック殿下から突然プロポーズされる。
不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
龍は精霊の愛し子を愛でる
林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。
その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。
王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる