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阻まれた道
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「デューデュー! 此処よ!ここ!」
マグノリアが大声で大手を振ると、
デューデューは砂を舞い上げながら砂浜に着地した。
マグノリアは舞い上がった砂を被り、
『ウワップップ、ペッペッ』
と、口に入った砂を吐き出しながら、
「デューデュー遅い!ってかもっとゆっくり降りて来てよ!
砂が口に入っちゃったよ!」
そう言って口を袖で拭いた。
マグノリアが体に被った砂を払い落としながら、
「それでマーケットはどうなったの?
兵達はちゃんと巻けた?
これからどうやってこの島を出るの?
船は使えないでしょう?」
などと尋ねると、デューデューが慌てた様にして、
「今は色々と説明している暇はない。
すぐに此処から出るぞ。
アーレンハイムが島へやって来た」
そう言って馬車の方をクイっと首で指した。
「え? 嘘!! 今、アーレンハイム公が来たって言った?
それって公が今、この島にいるって事なの?!」
マグノリアがびっくりして尋ねると、
デューデューは頷きながら、
「そう言う事だ。
だから早く此処を去る準備をするのだ」
そう言って頭でマグノリアをクイっと押した。
「ちょっと、ちょっと待ってよ!
どうして公がこうもタイミング良く此処へ来ることができたの?
まさか公は既に私達が此処にいる事を知ってたの?!」
マグノリアが荷台で寝ていた翠を抱き上げ尋ねると、
「いや違うな。
恐らく私がマーケットに現れたからだ」
デューデューがそう言うと、
マグノリアは目を白黒させながら、
「ちょっと待ってよ!
デューデューがマーケットで暴れたのってついさっきの事よ?
どうやってそんなに早く此処へ来ることが出来たの?
もしかして召喚の術で?」
マグノリアがそう尋ねるとデューデューは
「まあ、それが妥当だろうな。
アイツはかなりの魔法使い達を国に集めてたからな」
「じゃあ、デューデューがマーケットに現れたのも魔法で知ったって事?
それってどんな魔法なの?」
「恐らくビジョン系魔術の遠見だろう」
デューデューがそう言うと、
「ビジョン? 遠見?」
そう言ってマグノリアが首を傾げた。
「ビジョン系の魔法は対人の視覚に同調する事が出来るのだ」
「え? 視覚を同調って……どう言う事?」
「ビジョンの術を掛けた者は術を掛けられた者の視線で物事を見ることができる。
だから、島にいた兵がビジョンの魔法をかけられていたら、
サンクホルムの城にいるビジョンの術を掛けた者は、
その兵が見ている事柄を同時で見ることができるのだ」
「そんな魔法があるの?!」
マグノリアがビックリしてそう尋ねると、
デューデューはコクリと頷いた。
「アーレンハイムはその魔法の繋がりを通して此処にポータルを開けたはずだ。
もしビジョンを扱う魔法使いが人以外にもその術が使えたら少し厄介だ。
だから急ごう。
此処も時期に見つかるはずだ。
私が馬車を掴んで運ぶから、
お前達は私の掌の中に座り込むんだ」
「え? デューデューが運ぶの?
馬車を掴むって……馬が暴れたりしたらどうするの?
馬車の荷物が落ちてしまったら?!
それに私達はデューデューの掌の上?!」
「大丈夫だ。
馬には先に説明したし、私の掌の中がお前達にとっては一番安全だ」
デューデューがそう言うと、
「うへ~ 掌は良いとして、
デューデューって馬とも話せるの?!」
アーウィンがビックリして尋ねると、
「私も知らなかったが、つい先ほど気付いたのだ」
そう言ってデューデューが肩を窄めた。
アーウィンとマグノリアが、
「え~!!! そんな事ってあるの?!
私、明日デューデューが人に姿を変えられるって言っても、
きっともうビックリもしないわ~」
と少し揶揄っていると、
「そんな事は今はどうでもいいから、
もうソロソロ出るぞ。準備はできたのか?」
デューデューがそう言うと、
アーウィンとマグノリアはコクリと頷いた。
「翠を落とさぬ様しっかり抱いてるんだ」
デューデューはそう言うと、
大きな足で馬車を鷲掴みにし、
アーウィンとマグノリアを掌に乗せ二人を優しく包み込んだ。
デューデューは状況が安定している事を確認すると、
そのまま空へ舞い上がった。
そして上空を数回旋回した後、
ゆっくりと海岸を離れた。
「アーウィンとマグノリアは大丈夫か?
ちゃんと息は出来てるか?」
デューデューが心配そうに尋ねると、
「大丈夫よ!
デューデューの手が風を避けてくれるから快適よ!」
マグノリアがそう叫ぶと、
「じゃあこれから大回りで海上を南へ下り、
大陸側の人気のない海岸へ降り立つからもう少しの辛抱だ」
デューデューがそう返した。
島を離れ暫くすると、
「対岸が見えて来たぞ」
マグノリアが丁度ウトウトとし始めた所でデューデューが声を掛けた。
「え? もう?」
デューデューの指の間から外を眺めると、
向こう側にうっすらと大陸が見え始めた。
「本当だ……」
マグノリアはそう呟くと、
腕の中で眠る翠に目を落とした。
「この子って肝っ玉座ってるわね……
こんな状況なのに全然起きないわ……
でもこんなに逞しいと、将来が楽しみね」
そう言って翠の頬を撫でた。
それと同時に少しの振動が飽きて、
デューデューが馬車を地に下ろした。
馬が
「ブヒヒヒ~」
と言ってか頬をブルブルとシェイクすると、
カパッカパッと2、3歩足踏みした。
デューデューが手を地に下ろし掌を開くと、
カッとした日の光がアーウィンとマグノリアの目を差した。
アーウィンが馬の調子を伺いに行くと、
マグノリアがデューデューに、
「此処は地理的に何処になるの?
帝国までは遠いのかしら?」
そう尋ねた。
デューデューは伸びをすると、
「此処はカルビエインと言う小さな国の港町だ。
これから先は人通りが多くなる。
私が後ろから馬車を押すから、
取り敢えず人目につく前に馬車を陸地へ上げよう。
このままでは車輪が砂に埋まってしまう」
デューデューはそう言うと、姿を消して馬車の後ろに回った。
アーウィンとマグノリアは馬車に乗り込むと、
手綱を取った。
「デューデュー、押しても良いよ!」
アーウィンがそう声をかけると、
握っていた手綱を緩め鞭打った。
馬は
「ヒヒーン」
と一声なくと、カラカラと馬車を引き始めた。
「どうやら問題なく砂場からは出れそうだね」
アーウィンがそう言うや否や馬車はガコンと砂利に乗り上げて、
道路に出た。
「ヤッタ~!
遂に大陸に戻って来たのね!」
マグノリアがそう叫ぶと、
「私はこれから少しこの街を回ってみることにする。
お前達は取り敢えずこのまま真っ直ぐ街へ入り宿を探しておいてくれ」
デューデューはそう言い残すと、
何処かへ飛んでいってしまった。
アーウィンはマグノリアを見ると、
「じゃあ、宿を探しに行こうか?」
そう言うと、馬車をゆっくりと走らせ始めた。
「ねえアーウィン、アーレンハイム公は私達が帝国を目指している事を知っているのかしら?」
マグノリアが不意にそう尋ねると、
「僕がマーケットにいた時に僕達について盗み聞いた話では、
僕達はショウ達を追って帝国へ行っただろうと思われてる様な感じだった……
だからもし兵も同じ様な事をその人達から聞けば、
アーレンハイム公はきっと僕達を追って帝国へやってくると思う……」
アーウィンがそう答えると、
「じゃあ公は、もうあの島は出たのかしら?
デューデューが言っていたビジョンって魔法で私たちの事追って来てないわよね?!」
マグノリアが心配そうにそう尋ねると、
「僕にはそこまでは分からないけど、
僕達はこのまま帝国に行ってもいいのかな?って思いだして……
もしショウ達まで巻き込んでしまったら……って思うと、
帝国へは行かない方がいいんじゃないかな?って思い始めたんだ」
そう言ってマグノリアの目を見た。
「それも一理あるけど、
私が思った事は、もし私達がこのまま帝国へ行くとすると、
帝国までの経路を変えた方が良くないかしら?って事なの。
きっとアーレンハイム公も私達がどこを通るか予測して待機しているはずよ。
だから裏をかく感じで私達は行動し方がいいんじゃないかな?って……」
「そうだね。 デューデューが帰って来たらデューデューにも相談してみようよ。
きっと何か情報を持って来てくれるよ……
ほら、この先に宿があるみたいだから、
今夜はそこに泊まる事にしよう」
アーウィンはそう言うと、
宿へ向けて馬車を走らせた。
「ちょっと待って!
ねえ、マグノリア、宿の前にいる人を見て!」
アーウィンはそう言って宿の方を指差した。
「え? 宿が何? 何か……」
そう言いかけた時、
「あれ、兵よね?」
宿の前に兵が数名屯していることに気付いた。
「あれ、ヤバいやつ?
それともただの偶然?
アーウィン、少しフードを深く被って!」
マグノリアはそう言うと、
アーウィンのフードを引いて深く被せた。
マグノリアは翠をブランケットで包むと、
髪が見えない様に頭まで深くブランケットを被せた。
「ねえ、宿の手前の道から脇道に入りましょう。
兵には気づかれずに行くことができると思うわ」
マグノリアがそう言うと、アーウィンは頷いた。
宿の手前で脇道に入ると、
辺りに兵がいる様な様子はなかった。
「これから何処へ行こう?」
アーウィンが心配そうに尋ねると、
「そうね……取り敢えずは何処かでひっそりとデューデューを待った方がいいかも……
でも、デューデュー、私達が宿にいると思ってるのよね?
どうしよう?!」
二人は途方に暮れ出した。
「ねえ、もしかしたらあの兵達は偶然あそこに居たって事もあり得るから、
取り敢えず他の宿に兵が居るかどうかq当たってみない?」
マグノリアの提案に、
別の宿も探してみることにした。
「此処は港町って言ってたから、
港の方へ行くと宿も一杯あるんじゃないかしら?」
マグノリアの提案に、
二人は港町へ行く事にした。
海岸沿いへ戻り、
その通りを走らせると、
直ぐに最初の宿が見つかった。
「ダメ、やっぱり兵がいるわ……
どうして?」
マグノリアは泣きたくなった。
「もしかして私達が現れるのを待っているのかしら?
そうなると、この街の宿全てが張られてるってこと?!」
考えれば考えるほど、それ以外は考えられない。
「ねえ、この辺りは買い物で行き交う馬車も多いから、
一先ずは買い物客に紛れて隅の方で目立たない様にしていよう。
きっと今頃はデューデューも兵達に気付いてるとおもう。
此処にいればきっとデューデューが見つけてくれるよ」
アーウィンはそう言うと、
暫く港町に留まってデューデューを待つ事にした。
マグノリアが大声で大手を振ると、
デューデューは砂を舞い上げながら砂浜に着地した。
マグノリアは舞い上がった砂を被り、
『ウワップップ、ペッペッ』
と、口に入った砂を吐き出しながら、
「デューデュー遅い!ってかもっとゆっくり降りて来てよ!
砂が口に入っちゃったよ!」
そう言って口を袖で拭いた。
マグノリアが体に被った砂を払い落としながら、
「それでマーケットはどうなったの?
兵達はちゃんと巻けた?
これからどうやってこの島を出るの?
船は使えないでしょう?」
などと尋ねると、デューデューが慌てた様にして、
「今は色々と説明している暇はない。
すぐに此処から出るぞ。
アーレンハイムが島へやって来た」
そう言って馬車の方をクイっと首で指した。
「え? 嘘!! 今、アーレンハイム公が来たって言った?
それって公が今、この島にいるって事なの?!」
マグノリアがびっくりして尋ねると、
デューデューは頷きながら、
「そう言う事だ。
だから早く此処を去る準備をするのだ」
そう言って頭でマグノリアをクイっと押した。
「ちょっと、ちょっと待ってよ!
どうして公がこうもタイミング良く此処へ来ることができたの?
まさか公は既に私達が此処にいる事を知ってたの?!」
マグノリアが荷台で寝ていた翠を抱き上げ尋ねると、
「いや違うな。
恐らく私がマーケットに現れたからだ」
デューデューがそう言うと、
マグノリアは目を白黒させながら、
「ちょっと待ってよ!
デューデューがマーケットで暴れたのってついさっきの事よ?
どうやってそんなに早く此処へ来ることが出来たの?
もしかして召喚の術で?」
マグノリアがそう尋ねるとデューデューは
「まあ、それが妥当だろうな。
アイツはかなりの魔法使い達を国に集めてたからな」
「じゃあ、デューデューがマーケットに現れたのも魔法で知ったって事?
それってどんな魔法なの?」
「恐らくビジョン系魔術の遠見だろう」
デューデューがそう言うと、
「ビジョン? 遠見?」
そう言ってマグノリアが首を傾げた。
「ビジョン系の魔法は対人の視覚に同調する事が出来るのだ」
「え? 視覚を同調って……どう言う事?」
「ビジョンの術を掛けた者は術を掛けられた者の視線で物事を見ることができる。
だから、島にいた兵がビジョンの魔法をかけられていたら、
サンクホルムの城にいるビジョンの術を掛けた者は、
その兵が見ている事柄を同時で見ることができるのだ」
「そんな魔法があるの?!」
マグノリアがビックリしてそう尋ねると、
デューデューはコクリと頷いた。
「アーレンハイムはその魔法の繋がりを通して此処にポータルを開けたはずだ。
もしビジョンを扱う魔法使いが人以外にもその術が使えたら少し厄介だ。
だから急ごう。
此処も時期に見つかるはずだ。
私が馬車を掴んで運ぶから、
お前達は私の掌の中に座り込むんだ」
「え? デューデューが運ぶの?
馬車を掴むって……馬が暴れたりしたらどうするの?
馬車の荷物が落ちてしまったら?!
それに私達はデューデューの掌の上?!」
「大丈夫だ。
馬には先に説明したし、私の掌の中がお前達にとっては一番安全だ」
デューデューがそう言うと、
「うへ~ 掌は良いとして、
デューデューって馬とも話せるの?!」
アーウィンがビックリして尋ねると、
「私も知らなかったが、つい先ほど気付いたのだ」
そう言ってデューデューが肩を窄めた。
アーウィンとマグノリアが、
「え~!!! そんな事ってあるの?!
私、明日デューデューが人に姿を変えられるって言っても、
きっともうビックリもしないわ~」
と少し揶揄っていると、
「そんな事は今はどうでもいいから、
もうソロソロ出るぞ。準備はできたのか?」
デューデューがそう言うと、
アーウィンとマグノリアはコクリと頷いた。
「翠を落とさぬ様しっかり抱いてるんだ」
デューデューはそう言うと、
大きな足で馬車を鷲掴みにし、
アーウィンとマグノリアを掌に乗せ二人を優しく包み込んだ。
デューデューは状況が安定している事を確認すると、
そのまま空へ舞い上がった。
そして上空を数回旋回した後、
ゆっくりと海岸を離れた。
「アーウィンとマグノリアは大丈夫か?
ちゃんと息は出来てるか?」
デューデューが心配そうに尋ねると、
「大丈夫よ!
デューデューの手が風を避けてくれるから快適よ!」
マグノリアがそう叫ぶと、
「じゃあこれから大回りで海上を南へ下り、
大陸側の人気のない海岸へ降り立つからもう少しの辛抱だ」
デューデューがそう返した。
島を離れ暫くすると、
「対岸が見えて来たぞ」
マグノリアが丁度ウトウトとし始めた所でデューデューが声を掛けた。
「え? もう?」
デューデューの指の間から外を眺めると、
向こう側にうっすらと大陸が見え始めた。
「本当だ……」
マグノリアはそう呟くと、
腕の中で眠る翠に目を落とした。
「この子って肝っ玉座ってるわね……
こんな状況なのに全然起きないわ……
でもこんなに逞しいと、将来が楽しみね」
そう言って翠の頬を撫でた。
それと同時に少しの振動が飽きて、
デューデューが馬車を地に下ろした。
馬が
「ブヒヒヒ~」
と言ってか頬をブルブルとシェイクすると、
カパッカパッと2、3歩足踏みした。
デューデューが手を地に下ろし掌を開くと、
カッとした日の光がアーウィンとマグノリアの目を差した。
アーウィンが馬の調子を伺いに行くと、
マグノリアがデューデューに、
「此処は地理的に何処になるの?
帝国までは遠いのかしら?」
そう尋ねた。
デューデューは伸びをすると、
「此処はカルビエインと言う小さな国の港町だ。
これから先は人通りが多くなる。
私が後ろから馬車を押すから、
取り敢えず人目につく前に馬車を陸地へ上げよう。
このままでは車輪が砂に埋まってしまう」
デューデューはそう言うと、姿を消して馬車の後ろに回った。
アーウィンとマグノリアは馬車に乗り込むと、
手綱を取った。
「デューデュー、押しても良いよ!」
アーウィンがそう声をかけると、
握っていた手綱を緩め鞭打った。
馬は
「ヒヒーン」
と一声なくと、カラカラと馬車を引き始めた。
「どうやら問題なく砂場からは出れそうだね」
アーウィンがそう言うや否や馬車はガコンと砂利に乗り上げて、
道路に出た。
「ヤッタ~!
遂に大陸に戻って来たのね!」
マグノリアがそう叫ぶと、
「私はこれから少しこの街を回ってみることにする。
お前達は取り敢えずこのまま真っ直ぐ街へ入り宿を探しておいてくれ」
デューデューはそう言い残すと、
何処かへ飛んでいってしまった。
アーウィンはマグノリアを見ると、
「じゃあ、宿を探しに行こうか?」
そう言うと、馬車をゆっくりと走らせ始めた。
「ねえアーウィン、アーレンハイム公は私達が帝国を目指している事を知っているのかしら?」
マグノリアが不意にそう尋ねると、
「僕がマーケットにいた時に僕達について盗み聞いた話では、
僕達はショウ達を追って帝国へ行っただろうと思われてる様な感じだった……
だからもし兵も同じ様な事をその人達から聞けば、
アーレンハイム公はきっと僕達を追って帝国へやってくると思う……」
アーウィンがそう答えると、
「じゃあ公は、もうあの島は出たのかしら?
デューデューが言っていたビジョンって魔法で私たちの事追って来てないわよね?!」
マグノリアが心配そうにそう尋ねると、
「僕にはそこまでは分からないけど、
僕達はこのまま帝国に行ってもいいのかな?って思いだして……
もしショウ達まで巻き込んでしまったら……って思うと、
帝国へは行かない方がいいんじゃないかな?って思い始めたんだ」
そう言ってマグノリアの目を見た。
「それも一理あるけど、
私が思った事は、もし私達がこのまま帝国へ行くとすると、
帝国までの経路を変えた方が良くないかしら?って事なの。
きっとアーレンハイム公も私達がどこを通るか予測して待機しているはずよ。
だから裏をかく感じで私達は行動し方がいいんじゃないかな?って……」
「そうだね。 デューデューが帰って来たらデューデューにも相談してみようよ。
きっと何か情報を持って来てくれるよ……
ほら、この先に宿があるみたいだから、
今夜はそこに泊まる事にしよう」
アーウィンはそう言うと、
宿へ向けて馬車を走らせた。
「ちょっと待って!
ねえ、マグノリア、宿の前にいる人を見て!」
アーウィンはそう言って宿の方を指差した。
「え? 宿が何? 何か……」
そう言いかけた時、
「あれ、兵よね?」
宿の前に兵が数名屯していることに気付いた。
「あれ、ヤバいやつ?
それともただの偶然?
アーウィン、少しフードを深く被って!」
マグノリアはそう言うと、
アーウィンのフードを引いて深く被せた。
マグノリアは翠をブランケットで包むと、
髪が見えない様に頭まで深くブランケットを被せた。
「ねえ、宿の手前の道から脇道に入りましょう。
兵には気づかれずに行くことができると思うわ」
マグノリアがそう言うと、アーウィンは頷いた。
宿の手前で脇道に入ると、
辺りに兵がいる様な様子はなかった。
「これから何処へ行こう?」
アーウィンが心配そうに尋ねると、
「そうね……取り敢えずは何処かでひっそりとデューデューを待った方がいいかも……
でも、デューデュー、私達が宿にいると思ってるのよね?
どうしよう?!」
二人は途方に暮れ出した。
「ねえ、もしかしたらあの兵達は偶然あそこに居たって事もあり得るから、
取り敢えず他の宿に兵が居るかどうかq当たってみない?」
マグノリアの提案に、
別の宿も探してみることにした。
「此処は港町って言ってたから、
港の方へ行くと宿も一杯あるんじゃないかしら?」
マグノリアの提案に、
二人は港町へ行く事にした。
海岸沿いへ戻り、
その通りを走らせると、
直ぐに最初の宿が見つかった。
「ダメ、やっぱり兵がいるわ……
どうして?」
マグノリアは泣きたくなった。
「もしかして私達が現れるのを待っているのかしら?
そうなると、この街の宿全てが張られてるってこと?!」
考えれば考えるほど、それ以外は考えられない。
「ねえ、この辺りは買い物で行き交う馬車も多いから、
一先ずは買い物客に紛れて隅の方で目立たない様にしていよう。
きっと今頃はデューデューも兵達に気付いてるとおもう。
此処にいればきっとデューデューが見つけてくれるよ」
アーウィンはそう言うと、
暫く港町に留まってデューデューを待つ事にした。
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