龍の寵愛を受けし者達

樹木緑

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不思議な出来事

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カーテンの隙間から薄っすらと差し込む陽射しに
寝ぼけ眼で目を開けた。

“朝……?

あれ? 此処は……?“

見慣れない天井に慌てて起き上がった瞬間、

“ウッ”

と呻き声を上げ又ベッドの上に蹲った。

”あれ? 床じゃない……“

痛みで疼く体を両手で抱きしめて顔を上げた。

”そうだ…… 

昨日フジワラ家に泊まったんだった……“

ようやく自分の置かれている状況を思い出し、
ベッドから降りようとした途端、
身体中の骨が折れたようにギシギシと痛んだ。

”ウウッ……痛っ……“

っと呻き声を上げ腕を見ると,
あちこちに擦りむいたような傷があった。

“えっ? この傷は何?!”

そう思いベッドから飛び起きて余りにもの痛みで
そのまま又床にうずくまった。

“痛い、痛い”

余りにもの痛みで顔を歪め床に顔を埋めると、
ドロドロになった足に気が付いた。

よく見ると、僕の全身は切り傷や擦り傷だらけで、
打ち身なのか何処もアザだらけだった。

“これは一体?!”

戸惑っていると、
バタバタと走って来るような足音が聞こえた。

僕はハッとして咄嗟に

“ヒール! ヒール!”

と自分に手を翳し、
急いで全身に回復魔法をかけた。

足音からその人は僕の部屋へ向かっている事が分かった。

全身の傷を見られたら、
どう説明したら良いか分からなかった。

”ヒール!

ここも……! ヒール!

早く……早く……塞がって!“

金色の光を帯びた僕の傷がどんどん塞がり始めた。

”どうやら大丈夫そうだな“

スーッと傷が塞がりアザが消えていくのを確認すると,
サッと立ち上がった。

先ほどの足音はもうそこまで来ている。

”なんとか間に合ったな“

そう思いながら部屋を見渡すと,
パラパラと何かのカケラが転がっていた。

”なんだ? これは……“

足元にも転がっていたそれを拾って目の前にかざすと、
何処かで見たような感じの物だった。

“岩のカケラ?”

朝日に照らし出された小さなかけらは
岩を砕いたようなカケラだった。

僕がバラバラと床に落ちていた小さなカケラを少し拾い集めて
手のひらに握りしめた途端、
セシルが勢いよくドアを開けて僕の寝室へ入って来た。

ハアハアと肩で息をするセシルは何事?と言うように真っ青な顔をして
部屋の真ん中に立つ僕を見ると駆け寄って来た。

「翠! 無事で良かった!」

そう言って飛びついて僕をギュッと抱きしめると、
ワンワン泣き出した。

「え? あの……」

訳が分からなく戸惑っていると,

「御免なさい。

私,昨夜変な夢を見たみたいで今朝から凄く胸騒ぎがしたの!

翠に何かあったような気がして、
いても立ってもいられなくて!

貴方が無事で良かった!」

そう言うと,僕の頬を掴んでしっかりと僕の顔を見た。

続いて父さんも僕の部屋に入って来た。

父さんもセシル同様、

「翠! 無事か?!」

そう言って真っ青になって僕にツカツカと近づいて来た。

そして僕の無事な姿を見ると,
ホッとしたようにして肩で大きなため息をついた。

僕は益々訳が分からず、

「如何したの二人とも?

僕に何があったって言うの?」

そう言って困惑した顔をすると,
父さんも同じように起きた瞬間から胸騒ぎがして
僕のことが気になったと言った。

“もしかして僕の怪我と関係があるのか?!”

二人の態度に少し訳のわからない動悸がして来た。

すると父さんが、

「ん? このカケラは……?」

そう言ってめざとく床に落ちていたカケラを見つけて拾った。

それをじっと見ると,

「これは……私の寝屋のある岩山のカケラだ。

なぜこれが此処に……」

そう言って僕を見上げた。

セシルが

「それって翠が育ったって言う隠れ家の?」

そう尋ねると,

「いや、お前達が前世で過ごしたサンクホルムにある寝屋だ」

そう言うと僕の方を見た。

「あっ……」

僕は小さく呟くと、
手に持ったカケラを握りしめた。

「翠、何があったの?!

あなた、何か隠してるわね!」

セシルがそう言って詰め寄ると,
僕はジリジリと後退りした。

父さんは僕の周りをじっと目を凝らして見つめると,

「翠,お前,回復魔法を使ったな」

そう言って父さんも僕に詰め寄って来た。

「え? 回復魔法?!」

セシルがそう言って僕のローブを剥ぎ取ると,
僕の剥き出しになった肌をジッと凝視した。

「翠! これ、血よね?!」

そう言って僕の胸についていた赤いシミを指でなぞった。

“え?!”

僕もつられて胸に目をやると,
そこには乾いた血がなぞったように
元あったであろう傷跡に沿って未だ薄っすらと付いていた。

“やばい,血の跡までは考えが及ばなかった!

そうか血まではヒールでは綺麗にならないのか。

此処までだな”

そう思うと、朝起きた時に体にあった異変を二人に話して聞かせた。

セシルは目敏く、

「それ、絶対私達の夢と関係があるのよ!

翠、昨夜夢を見たでしょ?!」

そう言って僕に言い寄ったけど、

「そんなの覚えてないよ……

君も知ってるだろ?

何故か僕達は夢を覚えていない……」

そう言って僕は反論した。

父さんも横で、

「う~む……夢を見たのは確かだ……

私も夢の内容までは覚えていないが、
夢を見た事だけはわかる。

何故私もお前達の夢とリンクするのだろうか?

私の場合は思い出さなければいけない事がある何処か
お前達の時を跨いで前世から此処にいる。

私がお前達の夢に行く理由は……」

そう言って考え込んでしまった。

セシルも横で、

「でもこれまで夢で起きた事を現世に繋ぐことって無かったわよ?

夢は夢でしょ?

何故夢の中で怪我をした翠が今現世で怪我をしているの?!

それって何か意味があるの?!

もし私たちが夢の中で死んだら、
現世でも死んじゃうって事?!」

そう言って真っ青な顔をした。

父さんはさらに考えながら、

「いや、そう言うわけではないと思う……

ハッキリとは分からないが、
恐らく何かが現世の私達に働きかけている……

それが何なのかはハッキリとは分からないが……」

「そうね、では一つ分かった事があるわ。

デューデューの推理が正しければ,
私達は昨夜サンクホルムにあるあなたの寝屋で過ごしていた日々の夢を見たって事よね。

一体そこで何があったのかしら?

あそこに住んでいた時、
何も危ない目にあったことはないわよね?

あんな場所に誰か来るわけでも無いし、
魔獣が出るわけでもないし……

出たとしても災害級魔獣でない限り、
ジェイドはやられないと思うけど……

もしかしてあの場所があの人に見つかったのかしら……」

セシルのそんな独り言のようなセリフに、

「あの人……?」

そう返して僕は顔を顰めた。

セシルはハッとして僕の方を見ると,
首を振って、

「ううん、何でもないの。

ただの独り言!」

そう言って少し慌てたようにした。

”きっとあの人って言うのが僕達の敵なんだな。

やっぱり誰なのかは教えてくれないよな。

まあ、今聞いても誰のことか分からないんだろうな。

第一覚えていないし……

きっと憎しみも憎悪も湧かないんだろうな。

危機なんてきっと感じないし、
その人を討つのに僕はきっと躊躇してしまう……

そうか……だから父さんは教えてくれないんだ。

これは僕が気持ちごと思い出さなくてはいけない事なんだ“

そんな事を思っていると、
部屋の戸をノックする音がした。

僕達は顔を見合わせると、

「こんな朝早くに一体誰だろ?

もうローティ達も起きたのかな?」

そう言いながらドアへ向かい歩いて行くと、
後ろから父さんが、

「あーこれはローティでは無いな」

そう言ったので、

”???“

そう思いながら

「何方ですか?」

そう言いながらドアを開けると,

「朝早くに申し訳ありません」

そう言ってドアの前に龍輝が立っていた。

龍輝は部屋にセシルと父さんがいるのを見ると,

「おはようございます。
セシル様とデューデューは早いのですね。

まさかこんな早朝に翠の部屋に人が居るとは思いませんでした」

そう言って頭を下げた。

セシルは少し気まずそうにすると、

「あ、いや~ ちょっと早くに目が覚めたから
翠は起きてるかな~って尋ねちゃった」

と言い訳苦しそうにそう言うと、

”ハ~“

っと大きなため息を吐いた。

「龍輝もどうしたの?

何か用があったから僕を尋ねたんでしょう?」

そう言うと、

「ああ、そうです。

実は早朝明け方に皇宮の方から早馬が来まして、
リュシアン殿下が謁見を望んでおられるそうです」

そう言って僕の方を見た。

僕は驚きを隠せずに、

「早いね?

昨日の今日でもう会えるの?

でも早馬って……チョットやって来る時間早すぎない?

夜が明けたばかりだよ?

伝令っていつもこんな早朝に来るの?」

そう尋ねていると、

「ちょっと! そんな事どうでも良いじゃ無い!

ルーに会えるんだよね?!」

セシルが興奮してそう言い始めた。

「何だ? お前達、リュシアンの事を知っているのか?」

そう言って父さんが横から話しかけた。

僕とセシルはびっくりして、

「え? 父さん/デューデューもルーの事知ってるの?!」

と同時に同じセリフを発していた。

父さんは龍輝の方をチラッと見ると、

「あ~ 皇族とはフジワラを通して少しばかり……」

と何だか苦虫を噛み潰したような顔でそう答えた。

「ふーん、じゃあ、父さんも一緒に行く?」

そう尋ねると,

「いや、私はやる事があるからお前達だけで行ってこい」

そう言ってやんわりと断られた。

僕は、

「ふ~ん、やりたい事ね~

まあ、良いや,じゃあ僕達だけで行って来るね。

ローティ達も一緒に行っても大丈夫かな?」

そう尋ねると,

「まずは翠とセシル様のみが宜しいかと……」

そう龍輝に言われたので、
先ずは龍輝と僕とセシルのみで朝食をとった後で皇宮を訪れる事になった。


朝食が終わる頃になると,

「それでは参りましょうか?

既に馬車は戸の前に付けてありますので……」

龍輝に呼ばれ僕達は朝食のテーブルから立ち上がった。

ローティは、

「じゃあ俺達は一先ず宿へ戻り少し帝都のマーケット街を散策してみるわ」

そう言って僕達と一緒に席を立った。

そこでローティ達とは一旦別れ、
僕達は馬車が待っていると言う正面玄関へと向かった。

外へ出ると、屋敷の上を龍達が朝食を求めて悠々と旋回していた。

”龍達だ……

父さんで見慣れてるのに、
束になって飛んでる姿はやっぱり凄いな……“

龍達に見惚れて上を向いていると,

「翠、早く入って」

セシルの言葉で我に返った。

「ごめん,ごめん!

ちょっと龍達に見惚れてたんだ」

そう言って乗り込むとセシルも馬車の窓から空を見上げて、

「彼らも朝食の時間なのね」

そう言ってフッと微笑んだ。

最後に龍騎が乗り込みドアを閉めると,
馬車はゆっくりと動き始めた。

馬車が動き出すとセシルがソワソワとし始めた。

「ソワソワとしてどうしたの?

トイレに行くの忘れたとか?」

そう尋ねると、

「何言ってるのよ!

これからルーに会うのよ?

何だか緊張しちゃって……」

そうなふうに緊張するセシルは初めてだ。

「君が緊張するって珍しいね?」

揶揄ったようにそう言うと、

「だって……ルーがアーウィンかもしれないし……」

とセシルはルーがアーウィンである可能性を期待しているようだ。

「え? 何を根拠に?!」

そう尋ねると,

「だって、ルー、アーウィンと髪の色が全く同じなの!

アーウィンの色ってすごく珍しいから……

此処でもルー以外に見てないでしょ?

貴方が銀髪であるジェイドと同じようにね。

それに私の髪もマグノリアと同じようにお日様みたいな金色なの。

だから彼は絶対アーウィンよ!

それにほら、私が怪我した時の……アーウィンもそうだったし……」

そう言って龍輝の方をチラッと見た。

”あー彼が回復魔法を使えるのは秘密だったな。

龍輝は知らないのかな?”

そう思って隣に座る龍輝をチラッと見た。

“しかし龍星もそうだけど、
龍輝って凄く整った顔をしているな……

やっぱりエルフの血が入ってるせいかな?!

エルフって凄く綺麗だって聞いたし……

スーもかなり綺麗だよな……”

そう思って龍輝を見ていると,

「そう言えば龍輝て真っ黒な髪をしてるわよね?

瞳も真っ黒だし……

それも珍しいわよね?

聞いた話によると、
遠い昔に海の底に沈んだ東の大陸の民がそう言う色をしていたってだけど、
今では殆どの人がこちらの人と交わって黒い髪の人って減って来てるのよね?

実を言うと、龍輝ってダリルと同じ髪の色なのよね……

そう言うと龍星もなんだけど、
龍輝ってダリルって名前にピンと来たりしない?」

と急にセシルが尋ね始めた。

僕は彼女の質問に急に心臓が跳ね出した。

“ダリルってジェイドの専属騎士だった人だよね?

ジェイドと一緒に亡くなったって言う……

そしてジェイドの転生の術で生まれ変わっているであろう人……”

僕はゴクリト唾を飲み込んで彼の答えに耳を傾けた。

龍輝は少し首を傾げると、

「ダリルですか?

いえ……名を聞いてもピンとは来ないのですが……

そのダリルという方はセシルのお知り合いなのですか?」

そう返って来た。

セシルは眉を顰めると,

「うーん、やっぱりそう簡単にはいかないか!

割とトントン拍子で集まってるから近くにいるような気はするんだけど、
そしたら龍輝か龍星なんだよね。

龍輝はエルフの血が濃いからやっぱ違うか!

もしかしたら龍星の方かな?

でも龍星だとしても、ちっとも思い出して無さそうよね……

う~ん、ダリルも翠みたいに長期戦になるのかな~

アーウィンには早く思い出して欲しいけど、
こればっかりはね~」

そう言うと、ブルブルっと身震いをさせて、

「ほら、見えて来たわよ!

あれでしょ?!」

そう言って馬車から身を乗り出して指を刺した先には、
早くも高くて大きな立派な壁が見えて始めていた。











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