龍の寵愛を受けし者達

樹木緑

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出発の日の早朝

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「フッハ、フッハ~」

夢見ごごちで眠っていると、
横から変な掛け声のような声が聞こえてきた。

“あれ? 誰の声だ?!”

そんな事を寝言の様に呟くと、

「あ~ 気持ちのいい朝ね!

翠! 朝よ! 旅立ちの日よ! 早く起きて!」

けたたましく響くセシルの大声でベッドから飛び起きた。

「え?! 何、何? もう朝?!」

あまり眠った様な気がしないが、
セシルに起こされた僕は欠伸をしながら
未だくっつきそうな眼を指で擦り擦り声のする方を見た。

何とか頭の中がハッキリとしてくると、

“あれ?”

っと思い周りを見渡した。

よく見ると未だ部屋の中は暗い。

蝋燭の灯りだけが何とかセシルの顔を照らし出した。

「今何時~?」

そう尋ねると、セシルは

「一番鶏が鳴いたからもう少ししたら明るくなるわよ!」

そう言って部屋のカーテンを開けた。

僕は部屋のカーテンをシャっと勢いよく開けるセシルに向い、

「一番鶏って今まで鳴いた声を聞いた事もないよ!

それに鶏なんてこの辺にいるの?!」

そう言ってベッドから降りると、

「鶏の声なんて聞こうと思えば聞こえるの!

ほら、今日から旅立ちよ!

ルー達が来るまでに準備を終えておかないと!

ほら、デューデューも起きて!」

そう言って龍の姿で僕のベッドの端っこに寝ている父さんにセシルが声をかけた。

「あれ? 父さん、帰ってきてたんだ。

全然気付かなかったよ」

そう声をかけると、

「セシル、お前は相変わらずうるさいな。

日が昇るまで未だ結構時間があるぞ。

私は少し先に戻ってきたばかりなんだ。

未だしばらく眠らせろ」

と、父さんはそう言って長い首を体の中に丸め込むと、
また目を閉じた。

「うーん、父さんの口ぶりからだと、
夜明けは未だ先みたいだけど、
セシルの夜明けって一体何時?!」

ベッドに戻りながらそう尋ねると、

「ちょっとー!!

ベッドに戻らないでよ!

朝は何時間あっても足りないんだから!」

そう言ってセシルが僕の布団を剥ぎ取った。

僕は布団を引っ張り返すと、

「何時間て……一体どれだけ準備する気なの?!

そんなに準備する事なんてないでしょ?!

僕未だ眠いんだけど?」

そう言うとセシルは、

「ダメよ! ベッドに戻らないで!

私、色々と忙しいの!

今日のお洋服を選んだり、
お化粧したり、
女の子はやる事がいっぱいなの!

だから翠、あなたが荷物をまとめて!

無限ストレージ持ってるの貴方だけだし!

あ、それと井戸へ行って顔を洗う水を汲んできて!」

そう言うと、いそいそと今日着る服を選び出した。

僕はハ~っとため息を吐くと、

「あのさ、これからは団体行動になるから、
そんなにおめかししなくても、
君の習性なんて直ぐにルーにバレちゃうよ?

野宿する事も多くなるし!」

そう言っても、

「何言ってるの!

何事にも初めが肝心なのよ!

ほら、翠だってママとパパが仲良くした方がいいでしょ!」

そう言って、

“あれでもない!

これでもない!”

と服を照らし合わせた。

「あのさ、もうルーとは何度も会ってるんだし、
初めも何も無いんじゃない?

それに君、ローブ3着ほどしか持って無かったんじゃないっけ?」

そう言うとセシルは僕のベッドに座り込み、

「ねえ翠~」

と猫撫で声を出し始めた。

「な、な、何気持ち悪い声出してんの?!」

そう言って一歩引くと、

「ほら、翠さ~

いっぱい貯め込んでるじゃない?

ちょっと私に新しいお洋服買ってあげる気にならない?」

そう言って近寄ってきた。

「は~?!」

そう言って近づいてくる顔を押しやると、

「ちょっと~!

元はと言えば前世の私が貯めたお金でしょ!

少しくらいは融通してくれても良いじゃない!」

と文句を言い始めた。

「お前達、煩い!

少しは静かに出来ないのか?!

もっと寝ていたかったのに、
すっかり目が覚めてしまったではないか?!

それにセシル!

そんなに新しい服が欲しければ、
ルーを落としてヤツに買って貰え!」

そう言って父さんが口から火を吹く勢いで起きてきた。

セシルは呑気なもんで、

「やだ~デューデュー、
ごめーん、起こしちゃった? 

でもね、言わせてもらうけど、
そのルーを落とすのに新しいお洋服が必要なの!

分かる?

勝負は完璧でなければ!」

そう言ってセシルが鼻息をフンフンさせていると、

「着飾っても顔に塗りまくっても私には同じに見えるが、
何か変わるのか?!」

そう言う父さんに、

「いやーん、デューデューひど~い!!

これだから龍は!

人の姿に変われる様になっても情緒は無いのね!

デューデューに好きな人が出来たら思いっきり揶揄ってあげる!」

そう言ってプイッとソッポを向いた。

まあ、情緒が無いと言ったら僕も同じ様なものかも知れない。

セシルが情緒が無いと言ってる父さんに育てられたんだから、
僕には少し人にはあるべき感情が欠けている部分がある様な気がする。

まあそれも徐々に追々学んでいくのだろう。

「まあ、セシルがどうしても新しい服が欲しいって言うんだったら
買うのは別に構わないんだけど、
早く準備始めた方がいいじゃ無いかな?

ほら、遠くの空が段々明るくなり始めたよ?

今度こそ本当に朝が来たみたいだよ?」

そう言って僕は少し明るくなり始めた窓の外を指差した。

「やだ、もう直ぐみんな来ちゃうじゃ無い!

ほら、ほら、早く水汲んできて……あっ!」

と今度は何か思い出したように大きな声を出すと、

「翠、貴方確か水魔法使えたわよね?!」

いきなりそう尋ねて来た。

「水魔法?

使えるには使えるけど何?」

そうぶっきらぼうに尋ねると、

「ほら、ほら、デューデューの洞穴に住んでた時は
いつもやってくれたのよ!」

そう言いながらベッドの下にあった桶を取り出すと、

「はい! これに満タンね」

そう言って僕に差し出した。

桶を受け取り眉を顰めると、

「何アホな顔してるの!

ほら、水魔法でここに水を出して!」

そう言って渡した桶を指差した。

僕達のやりとりを見ていた父さんが、

「そう言えば翠は生活魔法は苦手だったな」

そう言って大きな欠伸をした。

「生活魔法って……」

そう言いながら桶を覗き込むと、
セシルが桶をポンポン叩きながら、

「ジェイドは生活魔法が上手に使えたのよ!

デューデューの洞穴にいた時は、
毎日魔法で大きな瓶に一杯水を溜めてくれたわ。

あれは凄く便利だったわね~

一気に生活が楽になったんだもん!

だからホラ、これに水!」

そう言ってセシルが
グイグイと桶を僕の胸に押し付けた。

僕は大きくため息をつくと、
大きく深呼吸をして手を桶の上に翳した。

そして水が桶の中に湧き出るようなイメージをすると、

”コポコポ“

っと水の中で空気が動くような音がしたかと思うと、
桶の底から綺麗な水が湧き出てきた。

セシルはその光景を見ると僕の背を叩き、

「ホラ! やっぱり出来るじゃ無い!

ジェイドもこれ、ちゃっちゃとやってやのよ!」

そう言うと、

”フンフン“

と鼻歌を歌いながら顔を洗い始めた。

僕は楽しそうに顔を洗うセシルを横目でチラッと眺め、

「あのさ、セシル」

と声を掛けた。

セシルは濡れた手で辺りを探り始めると、

「ねえ、タオルを取ってちょうだい」

そう言ってヒョイっと手のヒラを僕の方に差し出した。

キョロキョロと辺りを見回すと、
セシルのベッドの上に綺麗に畳んだタオルが置かれていた。

それをとりセシルに渡すと、
セシルは顔を拭きながら、

「で? 何?」

そう僕に尋ねた。

セシルが顔を拭いている姿をホケ~っと見ていた僕は、

「そうそう!」

と言ってゲンコツで手のひらを叩いた。

「ほら、前に前世の話をしてくれた時にもう1人の……

ダリルって言ったっけ?」

そう言うと、
セシルは変な顔をして僕を見た。

「ダリルがどうかしたの?

もしかして何か思い出したの?」

顔を拭き終わったセシルが淡々とした口調でそう尋ねた。

僕は少し躊躇したように頭を掻きながら、

「いや、そう言うわけじゃ無いんだけど、
ただ気になって……」

とボソッと言うと、
セシルは手に持っていたタオルを桶にかけて、
髪を指ですきながら、

「気になるって、
凄い急ね?

今までダリルの事には翠からは触れて来なかったのに
どう言う風に気になるの?」

セシルが少し困惑した様何にまた変な顔をした。

僕はそれが少し気になった。

「え? 僕がダリルの事気になったら変?!

もしかして彼って変な人だった?!

だから余り話題にならない?!」

少し不安になってそう尋ねると、
セシルは慌てた様に

「ううん、違うの!

そうじゃなくって何て言うんだろ……?」

そう言って少し言葉を濁した。

「もしかして彼がどんな人だったかって聞くのもアウト?」

そう尋ねるとセシルは父さんの方をチラッと見た。

僕はその態度にえ?っと思った。

“やっぱり彼は何か……”

そう思っていると父さんが、

「話してやれば良いだろ?

奴がどんな奴だっかくらいは何の妨げにもならんだろ?」

そう言った時、セシルが少しホッとしたように肩の力が落ちたのに気付いた。

僕はその一連のやり取りに少し違和感を覚えた。

セシルは少し表情を明るくして、

「今は時間がないから、
皆んなと落ち合った後、
馬車の中でゆっくりと話すわ。

一言で説明できるような人じゃないから」

そう言うと、手に持っていたローブを自分に当て、

「今日はこれにするわ!

じゃあ私は着替えるから男性達は出てって~

そうね、私が着替える間台所へ行って、
道すがら食べられるような軽食を注文してきて!」

そう言って僕と父さんをホイホイと部屋から押し出した。

廊下に締め出された父さんと顔を見合わせると
父さんは呆れたようにして、

「あいつは本当にちっとも変わらんな!」

そう言ってプンスカしていた。

そんな文句を言いながらも、
彼女を愛おしそうに見る目はやはり彼女が
マグノリアだったんだろうという事を考えさせられる。

その眼は厳しくもずっと愛を持って僕を育ててきてくれた
そんな父さんの目だ。

僕はジッと父さんを見つめると、

「父さんは彼女がマグノリアだったって知ってたんだよね?

それってやっぱり父さんの持つスキルか何か?

父さんってなんて言うんだろ?

言葉では言えないけど、
何か特別なものを感じるんだよね。

それになぜか父さんは鑑定出来ないし……

そう言うの踏まえると、
父さんは普通の龍って訳じゃないんだよね?

話せるし、人の姿が取れるし、姿隠せるし、
鑑定なしに人のステータスが分かってるし……

父さんは何か知ってるけど僕達には隠してるの?」

そう尋ねると父さんは笑って、

「何も隠して無いぞ?

私に聞かれても答えることは出来ないな。

私にも何故なのかは分からない。

だが、普通には居ない灰色だし、
他の龍とは違うのかもな」

平気そうにそう言う父さんに、

「父さんは自分の事が分からないって怖くないの?」

そう尋ねると、

「何だ? 翠は怖いのか?」

父さんが立ち止まってそう尋ねた。

僕は少し考えたようにすると、

「怖いって言うのとは少し違う気がする……

どちらかと言うと、僕がジェイドだったって言うんなら、
何故思い出せないんだろうって歯がゆい気持ちの方が強いかもしれない……

あのさ、父さんは……」

そう言いかけて言うのをやめた。

そんな僕を見て父さんは、

「なんだ、変な奴だな?

言いかけてそこでやめるのか?

私に何を聞きたい?」

と突っ込んで来た。

「いや、もしかしたら答えられないことかもしれないし……」

そう言うと、

「尋ねてみればいいじゃないか?

ダメだったらダメだし、
言える事だったら隠さずに言うぞ?」

そう返って来たので、
僕は思い切って尋ねた。

「ねえ、父さんは何故ジェイドとマグノリアが
婚約破棄したのか知ってる?」

そう尋ねると、

「なんだ、そんなことが聞きたかったのか?」

そう言って不思議そうな顔をした。

僕は気まずそうに、

「いや、まあ、スタートはそこなんだけど、
僕の疑問はまだ奥が深くて……」

そう言って俯くと、
父さんはまた歩き出しながら、

「う~ん、困ったな……」

などと言い出した。

「え? 困ったなって……

やっぱり言えないって事?!

さっきはそんな事かって……」

そう言って意気消沈していった。

「いや、言えないわけじゃないんだが、
色々とややこしくてな。

ただ、政治的因縁が絡んでいたんだよ。

だから最終的にはマグノリアの国から婚約破棄を申し入れられたんだ」

そう言われ、

「じゃあ、ジェイドから婚約破棄した訳では無かったんだ……」

そう言って少しホッとした。

でもそれは束の間で、

「まあ、いずれはジェイドとマグノリアの両方から
破棄の申し立てをしようって話は出てたんだけどな。

ちょっと形が違って時期が早かったって事だな。

納得できたか?」

父さんにそう尋ねられ、

「まあ、納得はいったけど、
その政治的因縁ってマグノリアの国と何かあったの?

一体何が原因だったの?」

そう尋ねると、

「まあ、色々あったんだよ」

そう言って父さんは言葉を濁した。

だからそこは今の僕には言えないんだと理解した。

そして一番聞きたかった質問を聞いた。

「あのさ、マグノリアとジェイドの婚約破棄についてずっと考えてたんだけど、
マグノリアはアーウィンを好きになった訳じゃない?

アーウィンもマグノリアを好きになって両思いになったわけだけど、
そこにジェイドっていう国を賭けた結婚が待っていたわけじゃない?

それを破断にするってよっぽどの事じゃないと出来ないんじゃないかって思って……

で、考えて思いついたのが、
ジェイドってアーウィンやマグノリアと仲が良かったんでしょ?

だからマグノリアやアーウィンの願いを叶えてあげようと
彼女の婚約破棄の申し出に同意したって事なのかな?って思って……」

そこまで話して拳をギュッと握りしめて唇を噛み締めた。

そして

“違う、僕が聞きたかったのはそんな事じゃなくて……”

そう思い、

「ジェイドはどうだったの?

マグノリアの事は婚約破棄でも構わなかったの?

どうしてジェイドはマグノリアのアーウィンへの気持ちを受け入れたの?!

もしかしてジェイドにも好きな人が居たの?

セシルは教えてくれなかったんだけど……」

そうずっと自分が疑問に思っていたことを尋ねた。

セシルはルーに会った瞬間から彼のことが気になった。

”もしかしたらジェイドの好きだった人は……“

そう言う思いが何度も頭を過った。

父さんは話してくれるとは思わなかったけど、
その問いに少し難色を示した事には少し驚いた。

でも直ぐに、

「確かにジェイドにも好きな人がいた。

だが……」

父さんはそう言って深いため息を吐いた。

そんな父さんを見て、

「もしかしてジェイドの恋は成就しなかったの?」

そう尋ねると、

「いや、そう言う訳では無いのだが……」

そう言って父さんは又言葉を濁した。

「どうして言えないの?

普通の恋愛話でしょ?

そんの皆やってることでしょ?

何故僕達のは話せないの?!

恋愛話が僕達の未来を妨げるとはとても思えないんだけど!」

中々ハッキリと言ってくれない父さんに僕は不満をぶつけた。

父さんは又立ち止まり僕の肩にポンと手を置くと、

「翠、確かに恋愛話は皆が常時、
普通の事のように話す事だ。

懐かしく昔の恋愛話も確かに人々はする。

だが忘れるんじゃない。

お前達は普通ではないのだ。

この世の中に、幾人が転生の術で転生してきている?!

私は100年以上生きてきているが、
私が知っている中でも、
恐らく転生の術で転生してきたものはお前達だけだ。

それが普通だと思うのか?!

どうやってジェイドは転生の術を学んだと思う?!

転生の術は失われた古代術だぞ。

そんな術を普通に教えられるものが居ると思うか?!

到底、一魔術士が師匠から学ぶような術ではない。

ましてやレベルが上がるから学べるという術でもない。

そんな術を、何故ジェイドは知っていたと思う?!

お前は何故ジェイドはその術を使わなければならなかったのか
深から考えたことがあるのか?!

セシルの頭は今は恋愛脳でアーウィンの事を考えると、
花が咲いたように感じるだろうが、
もはや忘れるでない。

お前たちが此処に存在している事は、
普通ではないのだ。

恋愛も含め、普通ではないお前たちの存在をその理由を、
お前達は自ら探し求めていかなければならないのだ。

私が言えるのはそれだけだ」

そう言い終えると父さんは又スタスタと歩き始めた。













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