167 / 201
第167話 もしかして
しおりを挟む
僕は、学生時代に何かヒントを見つけれかもと
淡い期待をして、続けてアルバムをめくった。
僕の想像は学校の仲間や、
もしかしたら付き合っていた人との
ツーショットなどを期待して居たけど、
そこには予想外の学ランに身を包まれたポールの姿があった。
“え? 学ラン?”
「ねえ、シャルロット叔母さん、
どうしてポールは学ラン来てるの?
ポール、日本の学校に行ったことがあるの?」
「ああ、この写真ね」
そう言ってシャルロト叔母さんは懐かしい目をして
アルバムを覗き見た。
「実はね、そうなのよ~
1年生の夏休みの間の1か月間だけだったんだけどね、
もう日本が凄く気に入って帰って来て、
こっちの学校でも暫くは制服を脱ごうとしなかったのよ。
だからね、日本と関わっていたいっていうポールの意向で、
日本からの留学生のホストファミリーやったりしてたのよ。
その時の写真なんかもあるのよ」
僕は更に続けてアルバムをめくっていった。
叔母さんの言った様に、
そこには沢山の日本人と一緒に写ったポールが居た。
日本人留学生たちと戯れるポールは、
とても楽しそうだった。
ポールの学生時代の殆どは、
留学生たちとの写真で埋まっていた。
学生時代のアルバムを一通り見て見たけど、
留学生達と戯れるだけで、
それと言って怪しいような写真を見つける事は出来なかった。
もし誰か居ても、家族のアルバムに貼るって事はないか?
アルバムってきっと叔母さんが編集してるだろうし、
わざわざ恋人だからアルバムに貼っててとは言わないだろう……
だから手っ取り早く、叔母さんに聞いてみようと思った。
「ねえシャルロット叔母さん、
ポールって高校生の時に付き合ってた人いるの?」
叔母さんはびっくりした様にして僕を見て、笑い出した。
「あのプレイボーイに恋人?
無い無い。
あんな軽い男と付き合うなんて、
自分の息子捕まえて悪いけど、
私だったら嫌だわー。
もし誰か居たんだったら会って見たかったわ。
もしそんな寛大な人が居たんだったらね」
と、断言した様にして僕に行った。
う~ん、この調子じゃ叔母さん達も知らないか?
「ねえ、ちょっとポールの部屋も探してみても良い?」
「良いわよ~
そのままになってるから勝手に入って探して~」
「じゃあ、あとちょっと陽ちゃんお願いします」
「良いの、良いの、急がなくても良いのよ。
自分のペースでね」
「はい、ありがとうございます」
そう言って僕はポールの部屋へと向かった。
ポールの部屋を開けると、
僕達がまだここに住んでいた時のままにしてあった。
ポールは余り荷物を今のアパートには持ち込んでいない。
だから殆どそのままで残っている。
と言っても、探せるのはクローゼットとベッドの下と本棚しかなかった。
ベッドの下を覗いてみたけど、
閑散として奇麗なもので、
ベッドの下に何かを保管していた、と言う風では無かった。
僕はクローゼットの棚の上に積み上げられている
段ボールを眺めてみたけど、
思い出の品っぽそうな物は一つも無かった。
そして本棚。
本棚には日本語を勉強するための教材が沢山並んでいた。
“へ~ ポールって凄く真剣に日本語の勉強してたんだ”
そう思って感心した。
日本語の小説などもいっぱいあり、
勿論漫画なども沢山並んでいた。
“ポールって漫画なんかも読むんだ”
そう思って一冊に手を掛けたけど、
ギチギチに並べてあったので、
引き抜く事が出来なかった。
無理矢理一冊の漫画を取った途端、
パーンと弾いたように数冊の本が
一斉に雪崩の様にドサドサと床に落ちてしまった。
「どうしたの?
大丈夫?
本が落ちちゃったの?」
落ちた本の音を聞きつけた叔母さんが、
ポールの部屋を覗きに来た。
「あ、ごめんなさい。
一つだけ取ろうと思ったら、
つられて幾つか落っこちてしまいました」
「カナメにケガが無ければいいのよ~」
そう言って、叔母さんは落ちた本を拾う手伝いをしてくれた。
その時不意に、
「あら、懐かしいわね~」
と、そう言った叔母さんのセリフに、
「どうしたんですか?」
と尋ねると、本の間に挟んであった
数枚の写真が一緒に落ちているのが分かった。
「写真?」
「そうよ。こんな写真があったのね。
この子ね、家に初めて来た留学生だったのよ」
そう言って見せられた写真には、
まだ中学生の様な日本人の男の子が写っていた。
「中学生?」
僕が呟くと、
「若く見えるけど、ポールと同じ年の、その時で17歳の高校生よ」
と返って来たのでビックリした。
僕も年齢より若くみられるけど、
この人はそのレベルでは無かった。
「え? これで17歳?
いくら日本人が若く見えると言っても
これは若すぎだわ~」
「そうね、私達は初めて会った時12歳くらいだと思った程ですもの。
この子ね、ポールが日本に居た時の
ホストファミリーの息子さんでね、
名前を何だったかしら……
ちょっと待ってね、今思い出すから……
え~っと~
そう、そう、名前はリョウって言ったわ。
リョウ・ハヤマ!
二人共凄く仲良くって、
兄弟みたいだったわ~
日本でホストファミリーだった息子がこっちに来るから
ホストファミリーになってくれないかってポールに聞かれてね。
この時に日本人留学生のホストファミリーとして初めて登録したのよ」
「彼はどれくらいここに?」
「そうね~
彼も夏休みを利用してきてたから
7月の途中から8月いっぱいだったかしら……」
あ~ じゃあ日本の夏休みに合わせて来たんだ……
期間が短いし、愛を育むには時間が足りないかな?
んー この人も違うだろう……
僕は写真を受け取って、まだ本の間に挟むと、
元の本棚に戻した。
ん~ これだけか~
これと言って収穫は無かったな~
やっぱりアデルの思い過ごしだったのかな~
「どう? 探してた本は見つかったの?」
「あ、無いですね。
やっぱり自分ちのどこかに置いたのかも。
またそっちを探してみます!」
僕はシャルロット叔母さんに丁寧にお礼を言って家へ帰った。
あれから色々な所で探りを入れてみたけど、
僕は何も見つけることが出来なかった。
ポールも相変わらず陽一命で
チャンスさえ見つけては未だに陽一のパパになりたいと言っていた。
余りにもの平凡な何の変哲もない毎日に、
僕はどんどんポールの昔の恋愛について
考えることが、ほとんどなくなって来ていた。
それから2年ほどが経ったある週末の午後、
玄関のベルが鳴った。
ポールはその日は出張で、
海外に行っていた。
『は~い
どなたですか~?』
そう言ってドアを開けると、
「あれ? ここは……」
と懐かしい日本語が聞こえた。
「あっ! 日本語だ~」
僕は、前触れもなく久しぶりに聞いた日本語に
凄く興奮した。
「すみませんが、日本の方ですか?」
そう尋ねると、相手の人はオドオドとしたようにして、
僕を見つめ固まっていた。
「あれ? やっぱり違ったのかな?」
僕がそう言うと、その人は慌てて訂正した。
「あ、いえ、僕、日本人です」
その人がそう言った時に、
「ママ~ 誰か来たの~」
と、陽一がドアの所までやって来た。
その時、陽一は3歳になっていた。
「コンニチワ」
陽一はその人に挨拶した。
その人は陽一を見るなり
「子供……?」
とびっくりしたような顔をしていた。
「はい、息子ですけど、
あの……誰かお探しですか?」
そう尋ねると、
その人は慌てて、
「いえ、間違いました!
すみません!」
そう深々とお辞儀をすると、
一目散にかけて行った。
変なの~
留学生かな?
と思って、待てよ、どこかで見たことあるような……
と思ったけど、思い出せなかった。
「ママ、どうしたの?」
陽一が横で心配そうに僕を見上げていた。
「大丈夫だよ。
あのお兄ちゃん、おうち間違えちゃったんだって」
「ふ~ん」
陽一はそう言ってたけど、
僕は絶対どこかで見た事があると思っても、
やっぱり思い出す事は出来なかった。
同じ大学の留学生かな?
誰かに日本人留学生がここに住んでるって聞いたのかな?
でも、僕に用って感じでもなっかたよな~
う~ん、でもそうすると
何故ここに行き当たったんだろ?
もしかしてポールの知り合い?
そう思った時、
あ~~~~っと声が出た。
あの人はポールの実家で見た
ポールの本の間に挟まっていたホストファミリーの息子さんだ!
あの時の見た目よりちょっと年取ってたけど
間違いない!
僕は急いで外に飛び出たけど、
もうその人は何処にもいなかった。
何故ドアを開けた時に思い出せなかったんだ!
僕のバカバカ!
そうか、彼はポールが一人で住んでるって思ってたところに
僕が出ちゃったからびっくりしたんだ。
どうしよう~
もう一度訪ねて来てくれないかな~
そう思ったのも後の祭り……
彼、きっとポールに会いに来たんだ。
もし、ポールがあの頃誰かと恋愛していたんだったら彼に間違いない!
何の根拠もなかったけど、僕は強くそう感じた。
淡い期待をして、続けてアルバムをめくった。
僕の想像は学校の仲間や、
もしかしたら付き合っていた人との
ツーショットなどを期待して居たけど、
そこには予想外の学ランに身を包まれたポールの姿があった。
“え? 学ラン?”
「ねえ、シャルロット叔母さん、
どうしてポールは学ラン来てるの?
ポール、日本の学校に行ったことがあるの?」
「ああ、この写真ね」
そう言ってシャルロト叔母さんは懐かしい目をして
アルバムを覗き見た。
「実はね、そうなのよ~
1年生の夏休みの間の1か月間だけだったんだけどね、
もう日本が凄く気に入って帰って来て、
こっちの学校でも暫くは制服を脱ごうとしなかったのよ。
だからね、日本と関わっていたいっていうポールの意向で、
日本からの留学生のホストファミリーやったりしてたのよ。
その時の写真なんかもあるのよ」
僕は更に続けてアルバムをめくっていった。
叔母さんの言った様に、
そこには沢山の日本人と一緒に写ったポールが居た。
日本人留学生たちと戯れるポールは、
とても楽しそうだった。
ポールの学生時代の殆どは、
留学生たちとの写真で埋まっていた。
学生時代のアルバムを一通り見て見たけど、
留学生達と戯れるだけで、
それと言って怪しいような写真を見つける事は出来なかった。
もし誰か居ても、家族のアルバムに貼るって事はないか?
アルバムってきっと叔母さんが編集してるだろうし、
わざわざ恋人だからアルバムに貼っててとは言わないだろう……
だから手っ取り早く、叔母さんに聞いてみようと思った。
「ねえシャルロット叔母さん、
ポールって高校生の時に付き合ってた人いるの?」
叔母さんはびっくりした様にして僕を見て、笑い出した。
「あのプレイボーイに恋人?
無い無い。
あんな軽い男と付き合うなんて、
自分の息子捕まえて悪いけど、
私だったら嫌だわー。
もし誰か居たんだったら会って見たかったわ。
もしそんな寛大な人が居たんだったらね」
と、断言した様にして僕に行った。
う~ん、この調子じゃ叔母さん達も知らないか?
「ねえ、ちょっとポールの部屋も探してみても良い?」
「良いわよ~
そのままになってるから勝手に入って探して~」
「じゃあ、あとちょっと陽ちゃんお願いします」
「良いの、良いの、急がなくても良いのよ。
自分のペースでね」
「はい、ありがとうございます」
そう言って僕はポールの部屋へと向かった。
ポールの部屋を開けると、
僕達がまだここに住んでいた時のままにしてあった。
ポールは余り荷物を今のアパートには持ち込んでいない。
だから殆どそのままで残っている。
と言っても、探せるのはクローゼットとベッドの下と本棚しかなかった。
ベッドの下を覗いてみたけど、
閑散として奇麗なもので、
ベッドの下に何かを保管していた、と言う風では無かった。
僕はクローゼットの棚の上に積み上げられている
段ボールを眺めてみたけど、
思い出の品っぽそうな物は一つも無かった。
そして本棚。
本棚には日本語を勉強するための教材が沢山並んでいた。
“へ~ ポールって凄く真剣に日本語の勉強してたんだ”
そう思って感心した。
日本語の小説などもいっぱいあり、
勿論漫画なども沢山並んでいた。
“ポールって漫画なんかも読むんだ”
そう思って一冊に手を掛けたけど、
ギチギチに並べてあったので、
引き抜く事が出来なかった。
無理矢理一冊の漫画を取った途端、
パーンと弾いたように数冊の本が
一斉に雪崩の様にドサドサと床に落ちてしまった。
「どうしたの?
大丈夫?
本が落ちちゃったの?」
落ちた本の音を聞きつけた叔母さんが、
ポールの部屋を覗きに来た。
「あ、ごめんなさい。
一つだけ取ろうと思ったら、
つられて幾つか落っこちてしまいました」
「カナメにケガが無ければいいのよ~」
そう言って、叔母さんは落ちた本を拾う手伝いをしてくれた。
その時不意に、
「あら、懐かしいわね~」
と、そう言った叔母さんのセリフに、
「どうしたんですか?」
と尋ねると、本の間に挟んであった
数枚の写真が一緒に落ちているのが分かった。
「写真?」
「そうよ。こんな写真があったのね。
この子ね、家に初めて来た留学生だったのよ」
そう言って見せられた写真には、
まだ中学生の様な日本人の男の子が写っていた。
「中学生?」
僕が呟くと、
「若く見えるけど、ポールと同じ年の、その時で17歳の高校生よ」
と返って来たのでビックリした。
僕も年齢より若くみられるけど、
この人はそのレベルでは無かった。
「え? これで17歳?
いくら日本人が若く見えると言っても
これは若すぎだわ~」
「そうね、私達は初めて会った時12歳くらいだと思った程ですもの。
この子ね、ポールが日本に居た時の
ホストファミリーの息子さんでね、
名前を何だったかしら……
ちょっと待ってね、今思い出すから……
え~っと~
そう、そう、名前はリョウって言ったわ。
リョウ・ハヤマ!
二人共凄く仲良くって、
兄弟みたいだったわ~
日本でホストファミリーだった息子がこっちに来るから
ホストファミリーになってくれないかってポールに聞かれてね。
この時に日本人留学生のホストファミリーとして初めて登録したのよ」
「彼はどれくらいここに?」
「そうね~
彼も夏休みを利用してきてたから
7月の途中から8月いっぱいだったかしら……」
あ~ じゃあ日本の夏休みに合わせて来たんだ……
期間が短いし、愛を育むには時間が足りないかな?
んー この人も違うだろう……
僕は写真を受け取って、まだ本の間に挟むと、
元の本棚に戻した。
ん~ これだけか~
これと言って収穫は無かったな~
やっぱりアデルの思い過ごしだったのかな~
「どう? 探してた本は見つかったの?」
「あ、無いですね。
やっぱり自分ちのどこかに置いたのかも。
またそっちを探してみます!」
僕はシャルロット叔母さんに丁寧にお礼を言って家へ帰った。
あれから色々な所で探りを入れてみたけど、
僕は何も見つけることが出来なかった。
ポールも相変わらず陽一命で
チャンスさえ見つけては未だに陽一のパパになりたいと言っていた。
余りにもの平凡な何の変哲もない毎日に、
僕はどんどんポールの昔の恋愛について
考えることが、ほとんどなくなって来ていた。
それから2年ほどが経ったある週末の午後、
玄関のベルが鳴った。
ポールはその日は出張で、
海外に行っていた。
『は~い
どなたですか~?』
そう言ってドアを開けると、
「あれ? ここは……」
と懐かしい日本語が聞こえた。
「あっ! 日本語だ~」
僕は、前触れもなく久しぶりに聞いた日本語に
凄く興奮した。
「すみませんが、日本の方ですか?」
そう尋ねると、相手の人はオドオドとしたようにして、
僕を見つめ固まっていた。
「あれ? やっぱり違ったのかな?」
僕がそう言うと、その人は慌てて訂正した。
「あ、いえ、僕、日本人です」
その人がそう言った時に、
「ママ~ 誰か来たの~」
と、陽一がドアの所までやって来た。
その時、陽一は3歳になっていた。
「コンニチワ」
陽一はその人に挨拶した。
その人は陽一を見るなり
「子供……?」
とびっくりしたような顔をしていた。
「はい、息子ですけど、
あの……誰かお探しですか?」
そう尋ねると、
その人は慌てて、
「いえ、間違いました!
すみません!」
そう深々とお辞儀をすると、
一目散にかけて行った。
変なの~
留学生かな?
と思って、待てよ、どこかで見たことあるような……
と思ったけど、思い出せなかった。
「ママ、どうしたの?」
陽一が横で心配そうに僕を見上げていた。
「大丈夫だよ。
あのお兄ちゃん、おうち間違えちゃったんだって」
「ふ~ん」
陽一はそう言ってたけど、
僕は絶対どこかで見た事があると思っても、
やっぱり思い出す事は出来なかった。
同じ大学の留学生かな?
誰かに日本人留学生がここに住んでるって聞いたのかな?
でも、僕に用って感じでもなっかたよな~
う~ん、でもそうすると
何故ここに行き当たったんだろ?
もしかしてポールの知り合い?
そう思った時、
あ~~~~っと声が出た。
あの人はポールの実家で見た
ポールの本の間に挟まっていたホストファミリーの息子さんだ!
あの時の見た目よりちょっと年取ってたけど
間違いない!
僕は急いで外に飛び出たけど、
もうその人は何処にもいなかった。
何故ドアを開けた時に思い出せなかったんだ!
僕のバカバカ!
そうか、彼はポールが一人で住んでるって思ってたところに
僕が出ちゃったからびっくりしたんだ。
どうしよう~
もう一度訪ねて来てくれないかな~
そう思ったのも後の祭り……
彼、きっとポールに会いに来たんだ。
もし、ポールがあの頃誰かと恋愛していたんだったら彼に間違いない!
何の根拠もなかったけど、僕は強くそう感じた。
1
あなたにおすすめの小説
36.8℃
月波結
BL
高校2年生、音寧は繊細なΩ。幼馴染の秀一郎は文武両道のα。
ふたりは「番候補」として婚約を控えながら、音寧のフェロモンの影響で距離を保たなければならない。
近づけば香りが溢れ、ふたりの感情が揺れる。音寧のフェロモンは、バニラビーンズの甘い香りに例えられ、『運命の番』と言われる秀一郎の身体はそれに強く反応してしまう。
制度、家族、将来——すべてがふたりを結びつけようとする一方で、薬で抑えた想いは、触れられない手の間をすり抜けていく。
転校生の肇くんとの友情、婚約者候補としての葛藤、そして「待ってる」の一言が、ふたりの未来を静かに照らす。
36.8℃の微熱が続く日々の中で、ふたりは“運命”を選び取ることができるのか。
香りと距離、運命、そして選択の物語。
ワケありくんの愛され転生
鬼塚ベジータ
BL
彼は”勇敢な魂"として、彼が望むままに男同士の恋愛が当たり前の世界に転生させてもらえることになった。しかし彼が宿った体は、婚活をバリバリにしていた平凡なベータの伯爵家の次男。さらにお見合いの直前に転生してしまい、やけに顔のいい執事に連れられて3人の男(イケメン)と顔合わせをさせられた。見合いは辞退してイケメン同士の恋愛を拝もうと思っていたのだが、なぜかそれが上手くいかず……。
アルファ4人とオメガ1人に愛される、かなり変わった世界から来た彼のお話。
※オメガバース設定です。
【完結】聖クロノア学院恋愛譚 ―君のすべてを知った日から―
るみ乃。
BL
聖クロノア学院で交差する、記憶と感情。
「君の中の、まだ知らない“俺”に、触れたかった」
記憶を失ったベータの少年・ユリス。
彼の前に現れたのは、王族の血を引くアルファ・レオン。
封印された記憶、拭いきれない傷、すれ違う言葉。
謎に満ちた聖クロノア学院のなかで、ふたりの想いが静かに揺れ動く。
触れたいのに、触れられない。
心を開けば、過去が崩れる。
それでも彼らは、確かめずにはいられなかった。
――そして、学院の奥底に眠る真実が、静かに目を覚ます。
過去と向き合い、他者と繋がることでしか見えない未来がある。
許しと、選びなおしと、ささやかな祈り。
孤独だった少年たちは、いつしか“願い”を知っていく。
これは、ふたりだけの愛の物語であると同時に、
誰かの傷が誰かの救いに変わっていく
誰が「運命」に抗い、
誰が「未来」を選ぶのか。
優しさと痛みの交差点で紡がれる
キンモクセイは夏の記憶とともに
広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。
小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。
田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。
そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。
純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。
しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。
「俺になんてもったいない!」
素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。
性描写のある話は【※】をつけていきます。
白銀の城の俺と僕
片海 鏡
BL
絶海の孤島。水の医神エンディリアムを祀る医療神殿ルエンカーナ。島全体が白銀の建物の集合体《神殿》によって形作られ、彼らの高度かつ不可思議な医療技術による治療を願う者達が日々海を渡ってやって来る。白銀の髪と紺色の目を持って生まれた子供は聖徒として神殿に召し上げられる。オメガの青年エンティーは不遇を受けながらも懸命に神殿で働いていた。ある出来事をきっかけに島を統治する皇族のαの青年シャングアと共に日々を過ごし始める。 *独自の設定ありのオメガバースです。恋愛ありきのエンティーとシャングアの成長物語です。下の話(セクハラ的なもの)は話しますが、性行為の様なものは一切ありません。マイペースな更新です。*
春風の香
梅川 ノン
BL
名門西園寺家の庶子として生まれた蒼は、病弱なオメガ。
母を早くに亡くし、父に顧みられない蒼は孤独だった。
そんな蒼に手を差し伸べたのが、北畠総合病院の医師北畠雪哉だった。
雪哉もオメガであり自力で医師になり、今は院長子息の夫になっていた。
自身の昔の姿を重ねて蒼を可愛がる雪哉は、自宅にも蒼を誘う。
雪哉の息子彰久は、蒼に一心に懐いた。蒼もそんな彰久を心から可愛がった。
3歳と15歳で出会う、受が12歳年上の歳の差オメガバースです。
オメガバースですが、独自の設定があります。ご了承ください。
番外編は二人の結婚直後と、4年後の甘い生活の二話です。それぞれ短いお話ですがお楽しみいただけると嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる