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第四章
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「『僕も』じゃなくってさ。篤紀の言葉で聞きたい。あっ、待って」
背中にあった温もりがなくなって、向かい合って見つめられた。『ほら』って自信満々な聡史に笑ってしまう。
この一年間、僕の視線はきっと聡史には『好き』って見えてて、待っててくれたんだ。
僕が素直になるまで。
「聡史、大好き。ずっと一緒にいて下さい」
笑っていたはずなのに、伸びてきた聡史の指が頬に触れると流れる涙を掬った。
「また泣く。こんなに泣き虫だったか?」
「な、泣いて、ない…」
眼鏡を取って、聡史の胸に縋りついた。
聡史の胸で幸せの涙が止まらない。
泣き笑いの変な顔を見せたくなくて、胸に擦り付けるようにしていると涙が全て聡史の服へと消えていった。
「ありがとう。こんな僕を変わらず思っててくれて。愛してる。八年間、ずっと聡史だけだよ」
「俺も…八年だな」
「えっ?そうなの?」
という事は…高一の時から僕の事好きだったの?
初めて聞いた…。
そういえば、さっきも文芸部の部長がって言ってたし、冊子のことも知ってたっけ。ただ気になっただけじゃなかったんだ。…嬉しい。
それでも、大学の時も誰もいなかったのかな?
相変わらずイケメンの聡史は今もサッカーをしているのか健康的に日焼けして更に精悍になっている。会うたびに四年の月日が長い時間だったのだと、もう戻れないんだと実感させられて辛かった。
会いたいと思う一方で、再会しなければ良かったと何度も思った。今も僕の心はあの頃のままだったから…。
僕はと言えば、高校の時とあまり変わらない姿が恥ずかしくなる。スーツに着られているような華奢な身体が恨めしい。
ますます大人の良い男になった聡史に恋人の一人も居なかったのかな?
「松本に聞いたらいい」
「でも…」
松本君は聡史の友だちだから聡史に不利になるようなことは言わないだろう。…まあ、離れている間の聡史の恋人に嫉妬しない訳ではないけれど、文句は言わないつもり。
「良いんだ。過去に恋人がいたとしても、これからこうして僕の側に居てくれるなら僕は幸せだから」
「駄目だ。信じてないんだろう?ほんとだから。…仕方ないな、村越に聞けよ。あいつの言うことなら信じるなら、喋るの許す。あっ、俺が一緒の時な」
「何それ?許可制なの?」
「そ、松本以外はね」
そう言ってスリスリと僕の首筋に鼻を押し当てて、スンッと匂いを嗅いだ。
ペロッと舌が撫でるのを身体を震わせて耐える。
「んっ…む、村越君には聞いてる…、やっ」
僕が何を喋ろうとしているのが気になるのか『何?』と顔を覗き込まれた。
それでも聡史の手は僕の首に触れたままでゾクゾクする。
「昨日、エスポワールの近くで見たって言っただろ。その時村越君と一緒だったんだけど、恋人はいたことないって言ってたから…村越君は聡史の気持ち知ってた?」
話してる途中なのに段々機嫌が悪くなる聡史に不安になる。
「昨日、一緒だったのか?」
「うん…、服買うからって」
なんでか『ん~』って唸りだしたからびっくりする。
「どしたの?」
返事の代わりに腕が伸びてきて僕を膝の上に乗せて胸に顔を埋めてきた。
背中にあった温もりがなくなって、向かい合って見つめられた。『ほら』って自信満々な聡史に笑ってしまう。
この一年間、僕の視線はきっと聡史には『好き』って見えてて、待っててくれたんだ。
僕が素直になるまで。
「聡史、大好き。ずっと一緒にいて下さい」
笑っていたはずなのに、伸びてきた聡史の指が頬に触れると流れる涙を掬った。
「また泣く。こんなに泣き虫だったか?」
「な、泣いて、ない…」
眼鏡を取って、聡史の胸に縋りついた。
聡史の胸で幸せの涙が止まらない。
泣き笑いの変な顔を見せたくなくて、胸に擦り付けるようにしていると涙が全て聡史の服へと消えていった。
「ありがとう。こんな僕を変わらず思っててくれて。愛してる。八年間、ずっと聡史だけだよ」
「俺も…八年だな」
「えっ?そうなの?」
という事は…高一の時から僕の事好きだったの?
初めて聞いた…。
そういえば、さっきも文芸部の部長がって言ってたし、冊子のことも知ってたっけ。ただ気になっただけじゃなかったんだ。…嬉しい。
それでも、大学の時も誰もいなかったのかな?
相変わらずイケメンの聡史は今もサッカーをしているのか健康的に日焼けして更に精悍になっている。会うたびに四年の月日が長い時間だったのだと、もう戻れないんだと実感させられて辛かった。
会いたいと思う一方で、再会しなければ良かったと何度も思った。今も僕の心はあの頃のままだったから…。
僕はと言えば、高校の時とあまり変わらない姿が恥ずかしくなる。スーツに着られているような華奢な身体が恨めしい。
ますます大人の良い男になった聡史に恋人の一人も居なかったのかな?
「松本に聞いたらいい」
「でも…」
松本君は聡史の友だちだから聡史に不利になるようなことは言わないだろう。…まあ、離れている間の聡史の恋人に嫉妬しない訳ではないけれど、文句は言わないつもり。
「良いんだ。過去に恋人がいたとしても、これからこうして僕の側に居てくれるなら僕は幸せだから」
「駄目だ。信じてないんだろう?ほんとだから。…仕方ないな、村越に聞けよ。あいつの言うことなら信じるなら、喋るの許す。あっ、俺が一緒の時な」
「何それ?許可制なの?」
「そ、松本以外はね」
そう言ってスリスリと僕の首筋に鼻を押し当てて、スンッと匂いを嗅いだ。
ペロッと舌が撫でるのを身体を震わせて耐える。
「んっ…む、村越君には聞いてる…、やっ」
僕が何を喋ろうとしているのが気になるのか『何?』と顔を覗き込まれた。
それでも聡史の手は僕の首に触れたままでゾクゾクする。
「昨日、エスポワールの近くで見たって言っただろ。その時村越君と一緒だったんだけど、恋人はいたことないって言ってたから…村越君は聡史の気持ち知ってた?」
話してる途中なのに段々機嫌が悪くなる聡史に不安になる。
「昨日、一緒だったのか?」
「うん…、服買うからって」
なんでか『ん~』って唸りだしたからびっくりする。
「どしたの?」
返事の代わりに腕が伸びてきて僕を膝の上に乗せて胸に顔を埋めてきた。
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