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番外編ー2 篤紀の後悔
02
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一度聞かれてからは二人の話題はほとんど黒川君の口から出なかった。
帰省した時に会ったとかそんな日常の些細な会話の中だけだった。
僕はと言えば、そんなちっちゃなことでも元気にしてるんだなと嬉しくなった。
送られてくるメールとかかってくる電話は僕の生活の全てだった。
自分からはできなかった。
会いたいと言ってしまいそうになるから、そんな負担になるようなことは言えなかった。
邪魔くさい奴…そんな気持ちを最後に思って欲しくなかった。
なるべく自分の気持ちを抑えて返信した。ちょっとでも気持ちを乗せると会いたい思いが聡史にわかってしまいそうだった。
『家、行って良い?』
「僕、実家出てて、友だちと一緒に住んでるから無理だよ」
『ああ、聡史だろ?』
「えっ?」
どうして、知ってるのだろう?
大学の時は僕と聡史を友だちだとも言ってなかったのに。
『あれ?聞いてない?俺は聡史から頼まれて、佐々城の写真送ってたんだけど』
「聞いてない」
だからあんなに僕の写真ばかり撮ってたのかな?
『あー、悪い。佐々城、怒るなよ』
いつになく、きつい口調になったからか黒川君の声も小さくなる。
「うん」
『佐々城のとこは、また今度にするよ』
喧嘩するなよ。そんな言葉を残して電話は切れた。
「電話、誰から?」
「黒川君」
「あっ…」
「どうして?」
僕は着替えをまとめてマンションを出た。
腹が立った。
勿論自分に。
そして少しだけ、ほんの少しだけ聡史に…。
『もう戻ってやれよ』
松本君が電話をかけてきた。
僕がマンションを飛び出して二日目の月曜日。
「うん」
『あいつ、必死だったんだ』
「うん…」
『いつも佐々城の写真ばかり見てたよ』
そんなことを聞くとどうしていいかわからなくなる。
わかってる。
僕が連絡しなかったから悪いんだ。聡史はメールも電話もしてくれた。一方的なメールや電話は疲れるのだろう。段々回数は減った。
僕が悪いんだ。
わかってる。
こんな僕が聡史と一緒に居てもいいのかな?そこまでして僕の事気にしてくれてた。
嬉しいはずなのに、飛び出してしまった。きっと、僕が怒ってると思ってる。
違うんだ。
違うんだよ。
夕方、電話が鳴った。
「聡史…」
『やっと、出てくれた』
「ごめんね…聡史、好きだよ。会いたい。会いたいよ…」
声を聞いた途端溢れる気持ちをそのまま伝える。
涙を堪えて言葉にする。
『篤紀?』
「まだ僕の事好きでいてくれる?ごめんね…素直じゃなくてごめんね。愛してる。会いたいよ」
『篤紀、俺も愛してるよ。今どこ?』
「家に帰ってきた」
『今、篤紀の家に来てるけど、出て来てくれる?入っていい?』
「僕の家は聡史のとこだよ」
『帰ってくれたんだな。待ってて俺も直ぐ帰るから』
玄関に座り聡史の帰りを待つ。
たった五日離れただけなのに何ヶ月も会えなかったような気がする。僕は大学の四年間をどのように過ごしてたんだろう?
帰省した時に会ったとかそんな日常の些細な会話の中だけだった。
僕はと言えば、そんなちっちゃなことでも元気にしてるんだなと嬉しくなった。
送られてくるメールとかかってくる電話は僕の生活の全てだった。
自分からはできなかった。
会いたいと言ってしまいそうになるから、そんな負担になるようなことは言えなかった。
邪魔くさい奴…そんな気持ちを最後に思って欲しくなかった。
なるべく自分の気持ちを抑えて返信した。ちょっとでも気持ちを乗せると会いたい思いが聡史にわかってしまいそうだった。
『家、行って良い?』
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『ああ、聡史だろ?』
「えっ?」
どうして、知ってるのだろう?
大学の時は僕と聡史を友だちだとも言ってなかったのに。
『あれ?聞いてない?俺は聡史から頼まれて、佐々城の写真送ってたんだけど』
「聞いてない」
だからあんなに僕の写真ばかり撮ってたのかな?
『あー、悪い。佐々城、怒るなよ』
いつになく、きつい口調になったからか黒川君の声も小さくなる。
「うん」
『佐々城のとこは、また今度にするよ』
喧嘩するなよ。そんな言葉を残して電話は切れた。
「電話、誰から?」
「黒川君」
「あっ…」
「どうして?」
僕は着替えをまとめてマンションを出た。
腹が立った。
勿論自分に。
そして少しだけ、ほんの少しだけ聡史に…。
『もう戻ってやれよ』
松本君が電話をかけてきた。
僕がマンションを飛び出して二日目の月曜日。
「うん」
『あいつ、必死だったんだ』
「うん…」
『いつも佐々城の写真ばかり見てたよ』
そんなことを聞くとどうしていいかわからなくなる。
わかってる。
僕が連絡しなかったから悪いんだ。聡史はメールも電話もしてくれた。一方的なメールや電話は疲れるのだろう。段々回数は減った。
僕が悪いんだ。
わかってる。
こんな僕が聡史と一緒に居てもいいのかな?そこまでして僕の事気にしてくれてた。
嬉しいはずなのに、飛び出してしまった。きっと、僕が怒ってると思ってる。
違うんだ。
違うんだよ。
夕方、電話が鳴った。
「聡史…」
『やっと、出てくれた』
「ごめんね…聡史、好きだよ。会いたい。会いたいよ…」
声を聞いた途端溢れる気持ちをそのまま伝える。
涙を堪えて言葉にする。
『篤紀?』
「まだ僕の事好きでいてくれる?ごめんね…素直じゃなくてごめんね。愛してる。会いたいよ」
『篤紀、俺も愛してるよ。今どこ?』
「家に帰ってきた」
『今、篤紀の家に来てるけど、出て来てくれる?入っていい?』
「僕の家は聡史のとこだよ」
『帰ってくれたんだな。待ってて俺も直ぐ帰るから』
玄関に座り聡史の帰りを待つ。
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